「宮﨑駿のフルコース」君たちはどう生きるか ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
宮﨑駿のフルコース
この映画は宮﨑駿の原液のようで、これまでの映画はその原液をいろんなテイストで割った(薄めた)ものと表現した人がいるらしい。
なるほど…ただ、私は少し違って宮﨑駿のフルコースという印象。これまでの作品の美味しいところを煮詰めたものをコースにして見せられた感じ。
一皿(シーン)ごとにどこかで見覚えがありつつも、全くテイストの違う料理(中国料理、フレンチ、イタリアン、和食、e.t.c.)が次々と運ばれてくるので、食べ終わった時に何を食べた(観た)のだろう?と自分の理解が追いつかず、解釈や整理が出来ない感じ。
ただよく分からないけど、一皿一皿はすごく美味しかったという感動はある。一方で話の筋はある程度追えてはいても、登場キャラクターの各々の行動原理に理解が追いつかない部分が多分にあるので、自分にとっては何度も見ないとダメなタイプの映画でしたので、2回目以降の鑑賞で評価が変わるかもしれません。
冒頭の火事のシーンが凄かったなぁ。
あれでまず度肝抜かれました。
宮﨑駿版「夢十夜」とでも言えば良いのかな。
メタ的な視点を踏まえてみると、理解が進むのかもしれないけれど、それは抜きにしてまずは物語を堪能してみたいものだ。
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