「宮崎駿の出がらし レクイエムは米津玄師」君たちはどう生きるか 豆腐さんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿の出がらし レクイエムは米津玄師
クリックして本文を読む
「創造的人生の持ち時間は10年だ」
今思えば紅の豚以降すでに出がらしだったのかもしれない。
内容的には宮崎駿の後継者いない問題を物語にした感じかな。
メッセージ性が強くても難解でもいいんだよ…でもせめて面白くしてほしかった。
全体的にジメッとしていて、ゲド戦記や思い出のマーニーの陰気な感じを醸し出している。
登場人物たちは掘り下げが浅く魅力なく感じた。
主人公含む登場人物たちは今で言う上級国民。
子供らしからぬ利発さだが、戦時中なのにのんきに妄想冒険するブルジョワジー。
火垂るの墓と平行世界だとはとうてい思えない。
まぁそれは風立ちぬと同じで宮崎駿の出生と関係があるのだろう。
これは高畑勲と宮崎駿の描く人々の視点に決定的な違いを出しているように思える。
ジブリ初期のスカッとする話が見たかった人にはがっかりな内容。
小学生のお子さんは連れて行かない方が吉。
コアな宮崎駿ファン以外にはおすすめできない。
劇場は満席だったがエンドロールで米津玄師の曲が流れてもお通夜状態。
本当にこれで終わり?といった雰囲気。
ジブリ異例の宣伝なし。
ひょっとしてこれって鈴木敏夫のペテン師級の手腕をもってしても上手く宣伝しようがない作品だからなのかも。
コケるんだったらせめて宣伝費は浮かせたいのかと邪推してしまう。
輪廻転生や子宮を思わせる表現、数々のメタファー、あげく流行りのマルチバース。
衰退していく創造的人生のなかで必死に紡いだ宮崎駿最後の物語。
宮崎駿の生んだ13個の積み木、存分に楽しませてもらいました。
本当にありがとうございました。
P.S.
もし…もしもう1作描く余力があるのなら、ジブリ初期の血沸き肉躍る冒険活劇をお願いします!!
コメントする