劇場公開日 2023年6月2日

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ウーマン・トーキング 私たちの選択のレビュー・感想・評価

全134件中、1~20件目を表示

4.5トーキングの「静」、未来への「動」。鮮やかな対比に感服

2023年8月31日
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悲しい

知的

予備知識ゼロで観始めて、服装や暮らしぶりから19世紀かせいぜい20世紀前半くらいの時代設定かと思っていたら、スピーカーを載せた自動車が村に来てモンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」を流しながら「2010年の国勢調査にご協力を」などと言うので驚いたのなんの。

南米ボリビアのマニトバというメノナイト(キリスト教の一派)のコミュニティで実際に起きた事件に着想を得て、カナダ人作家ミリアム・トウズが架空の村を舞台にした小説を2018年に発表。これを原作とし、やはりカナダ出身女優で2006年以降は監督としても活躍するサラ・ポーリーが自ら脚本を書き映画化した。

質素な暮らし向きを示す女性たちの服は黒基調で、組織的な暴行を続けてきた男たちに対する暗い怒りと深い悲しみを象徴するようでもある。色調を抑えた映像は端正で、尺の大部分を占める議論(トーキング)パートにわたって観客の興味を持続させるのに貢献。そして未来への希望が込められた旅立ちの「動」。この鮮やかでダイナミックなコントラストに感服した。エンドロールでまた流れる「デイドリーム・ビリーバー」が、最初よりポジティブな印象を与えるのもいい。

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高森 郁哉

4.5未来を見据えるために必須な知性と知恵がそそぎ込まれている。

2023年7月31日
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村山章

4.0この場所とそこで交わされた言葉から、未来が希望へと転じていく

2023年6月30日
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極めて現代的なテーマを扱いながら、その舞台をまるで時の止まったかのような宗教コミュニティに据えることによって、ある種の時代性を超越した荘厳さを持つ作品に仕上がった。発端となる衝撃的な事件そのものを直接的に描くことなく、女性たちは納屋に集まって自分たちが置かれた現状、コミュニティに巣食う病巣の本質、決断すべき未来について「言葉」で語り合う。閉所空間で展開し、動きは少なく、さらに膨大なセリフ量の会話劇という逆境を逆手に取り、見事な強度を持つ構造体へ昇華させている点には驚かされるばかり。見終わると当初の印象は大きく変わり、その納屋こそが太陽の眩く差し込む場所であり、彼女たちの理路整然とした思考や意志の生まれる出る泉であり、外の世界へ向かって開けた出発点であることに気づかされる。個として団として卓越した存在感を放つ俳優たち。彼女らを流麗に束ね、崇高な希望の物語を紡いだポーリー監督の手腕を讃えたい。

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牛津厚信

4.5何もしないのは論外

2024年10月12日
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悲しい

知的

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ミカ

3.514歳の男ですら驚異になる。

2024年8月18日
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Jax

3.5それは時空のねじれではない

2024年8月11日
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19世紀くらいの話かと思ったら、ビニール(というのか)の絆創膏が出てきて「え?」となり、デイ・ドリーム・ビリーバーが流れて「60年代?70年代?」となり、直後に「2010年の国勢調査」と出てきてびっくりする。SFでもないしどこかの特殊なローカルな話でもなく、現代を生きる我々の心に埋め込まれている元型を見せられたと思う。

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ouosou

4.0解説を読まずに鑑賞したので、途中国勢調査のシーンでかなり驚いた サ...

2024年7月25日
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ナイン・わんわん

4.0会話と少しの回想でこんなに酷い世界があるのか…と唖然とする。 宗教...

2024年6月29日
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soleilヾ(´ε`○)

4.0自立への1歩

2024年6月18日
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2024年6月18日
映画 #ウーマン・トーキング 私たちの選択 (2022年)

周囲から孤立した宗教コミュニティを舞台に、男が女をレイプしても許される風習に疑問を持った女性たちが、自分たちの未来を決めるために、緊迫の話し合いの行方

#ルーニー・マーラ ハマり役だったな
#ベン・ウィショー もよかった

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とし

4.0見応えあった

2024年4月29日
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場所ほとんど動いてないのにすごい迫力。見応えがあった。終始、不安と緊張と未来を諦めない骨太さが伝わってくるカメラワークだった

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ひかりすぎ

3.0私には早かった

2024年2月23日
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正直あまり話について行けず、途中から退屈で仕方ありませんでした。もっと劇的なストーリーだと思ってました。ただ、後々考察サイトをみて少しじーんとして、自分の理解力と教養のなさに悔しくなるような・・・映画はあまり事前情報を入れずに観る派なのだけど、これは少し背景知識をつけてから観に行った方がよかったかもしれない。

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やぎ

4.5女たちの苦悩

2024年2月3日
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知的

映画の内容はほぼ
女性たちの話し合い
話合っているシーンです
男の暴力や性暴力を受けて
これから女性たちは"どうしたらいいか"
話し合い話し合って決めていく

今まで
男たちから暴力を受けても
宗教の教えで何事も赦してきた
…しかし子供が性被害にあったことで
子供を何としてでも守ろうと
母親たちの訴えに動きはじめる

小学生位までの
男の子供たちは出で来るが
夫や男たちは出てこない

いままで
男に従属して生きてきた女たち
女性たちの生きた声、辛さ、嘆き、不満
しかし間違った宗教が壁になっている
最終的に女性たちは[自由]を選ぶ
…男から逃げ去ることを選んだ

昨日観た映画
★哀れなるものたち
と似たようなメッセージ
私にはこちらの方が響くものがありました

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しろくろぱんだ

4.0ほとんど会話しているだけで終わったので驚いたけど

2024年1月1日
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世界のメガネ

3.5アーミッシュのような共同体

2023年12月18日
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プロテスタント一派の共同体。
暴行事件をきっかけにコロニーを去るか、戦うかを話し合う女達。

アーミッシュのような世界だがタイトルの通り話し合いに占められていて敵=男がでてこない。細部が省略され舞台劇のようだが、実話にもとづいた話だそうだ。

カナダのMiriam Toewsという人が2018年に書いた同名小説の映画化。メノナイトのコロニーで実際に起きた事件を扱っている。

『2005年から2009年にかけて、ボリビアのマニトバコロニー(メノナイトのコミュニティ)では、100人以上の少女や女性が、コロニーの男たちによって、動物用麻酔薬で鎮静させられ夜間に自宅でレイプされた。加害者の親族を含む少女や女性たちがこれらの襲撃を報告したが、最初は「女性の野生の想像力」として片づけられ、さもなければ幽霊や悪魔の仕業とされた。やがてコロニーの男たちが現行犯で捕まった。最年少の被害者は3歳で、最年長は65歳だった。犯人は、獣医師が医療処置の際に動物を鎮静させるために使用するタイプのガスを使用していた。有罪判決を受けた男たちには長い拘禁刑が科されたにもかかわらず、2013年の調査では、同様の暴行やその他の性的虐待の事例が続いていることが報告された。カナダの作家ミリアム・トゥーズは、これらの犯罪を2018年の小説『Women Talking』で取り上げた。』
(Wikipedia「Mennonites」より)

コロニーには学校もあるが女子は教育が受けられず字が読めない。話し合いには読み書きができる男性がひとり議事録係として参加している。かれはコロニーから追い出された過去がある言わばはみ出し者だが女達の味方でもある。

とくに宗教立国ではない日本では敬虔な信者といえば異質な人に見られる、のではなかろうか。それがどんな宗教であろうとやや特殊な印象をうける。肯定も否定もしないが、距離を置く感じ。

宗教に没入するばあい当人は望んでその立地にいるのだからそれでいい。が、息子や娘はそうはいかない。──というのが昨今の二世問題だが、アーミッシュのように同信者のみでコロニーをつくって暮らすタイプの宗教では基本的に二世問題が生じない。

──と思いきや、ウーマン・トーキングの争点となるのも、一種の二世問題といえる。

男子しか教育されないが、そこで男尊女卑な思想を植え付けられたから、男達はDV夫になり、集団レイプのようなことがおこる。であるなら女達を襲った男らも隔離型宗教の犠牲者と言えなくもない。よって女達の話し合いの結果、まだ感化されていない少年らも連れて出ていくしかない──との結論が導き出される。

Abused Womanの映画、Brimstone(2016)やThe Nightingale(2018)みたいなつらいのを想像していたがエネミーが描かれないのとディスカッションに終始するため、さほどつらくはないが、虐げられた女たちの叫びが伝わってくるドラマだった。

映画は抑制があり、アンサンブルでそれぞれの個を光らせ、監督もキャストもあちこちで多数のプライズをとった。個人的には控えめで理知な議事録係オーガスト役のベン・ウィショーがいちばんだった。

一般にフェミ映画は男を全員悪に仕立てて対立構造をとる。
それをしないのがサラポーリー監督の賢さだった。

imdb6.9、RottenTomatoes90%と80%。

ただし個人的には、生活が見えず舞台劇のようなスタイルに優等生風まとまりを感じてしまったことと、女達があまりにも達観しすぎていた。オーナ(ルーニーマーラ)は麻酔で昏睡させられたうえ赤の他人のこどもを孕まされたにしては落ち着きすぎなのではないかと思った。

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津次郎

4.0簡単に感想が書けないくらい言いたい事だらけの内容!

2023年12月16日
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まず最初に凄いモノを見たぞっていうのが一つで質が高い上にみなさんめちゃくちゃ良い演技と短い時間ながら内容がめちゃくちゃ濃厚でマジで単純に面白いとかって話で簡単に語れない凄い作品でしたよこれは!
登場人物の人の色々な意見があるけど全員間違った事言って無いし唯一いる記録係の男も自分の好きな人がレイプされてそいつの子供を身籠っている状態なので超辛いし出て行くって話になってきて好きな人と別れ無いと行けないし、そこにいる若年男子の教育を託されるとか責任は重いし彼女は居なくなってしまうのを見守るしか無いししまいには最後自殺まで考えてたとか切なすぎますね!
あとおばあちゃん女優さんたちもめちゃくちゃ良くて
謎の安心感あって自分のおばあちゃんが近くにいるような感覚になりながら鑑賞してました!
あと感動ポイントも多数あるしずーっと会話してるだけなのに全く飽きずに最後まであっという間に見せるのは流石でした。
これも劇場でタイミング逃してアマゾンプライムに配信が来た日に見ようとしたら字幕無くて見れなくて
そこからなんだかんだと違う作品見たりして今まで見逃していましたがマジで見て良かったと思いますし
年間のベスト作品の上位に入る良作品でした。
テーマも人権とかDVとかレイプとかですが直接的なシーンが無いのですが全く問題無いですね。
むしろそういうシーンとか普通に入ってるのが当たり前みたいなところがあるからこういう作風の作品を作るってのは凄いなあと思いますね!

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お主ナトゥはご存じか2世

4.5考えたこと

2023年10月28日
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ティム2

4.0画像のトーンや美術も素晴らしい

2023年10月24日
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この映画の主題や練られたシナリオの素晴らしさは、他の評者の方の仰られるとおりです。
私が強い印象を受けたのは、暗い話を続ける暗い納家と、明るい野外の景色のトーンの対比です。
野外の白く飛んだ景色が非現実的な書割に見えてしまう。
逆光っぽい野外でのシーンも印象的で、この苦難が不確かな希望に向かっていらことを感じさせます。

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Ferma

3.5普遍的なテーマと現代的な行動の間。

2023年10月8日
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女性や子供への窮状は今に始まったことではなく、長い人間の、いや父系社会の歴史において脈々と続いている惨劇。沈黙を余儀なくされた彼らの行動を、宗教を真ん中に置いて進めていく過程はとても面白い。さらに興味深いのが、多数決ではなく全員一致で行動を決めることを前提にする。多数決が民主主義を代表する意思統一手段ではあるものの、それは過去の話で、もはや機能不全に陥っていると言わんばかりに。ポスト民主主義を考えるきっかけにもなる。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

3.0淡い映像の中で淡々と進む取っ付きにくいストーリー

2023年9月29日
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触れ込みの段階からあまり好みではない印象を受けていたが、アカデミー賞脚色賞受賞作ということで、期待して鑑賞。
うーん、やはりなかなかの取っ付きにくさ。何の予備知識もなしで観始めてしまっただけに、途中の国税調査のシーンで、えぇ~まさかの2010年度とびっくり。現代劇だったとは…(汗)
そんなこんなで、馴染みのないバックグラウンドからの解決しがたいトラブルの対処策を、淡い映像で淡々と描いていく本作に、個人的には取り付く島もない…としかいいようがない。
そんな戸惑いのなか中盤でいきなり流れてきた「Day Dream Believer」。おぉ~い、ここでこの曲かぁ~い!と思わず鬼ツッコミ(笑)でもこの挿入歌よくよく考えると、ムードは本作にあきらかに似つかわしくないが、歌詞の意味とか劇中にふいに散りばめられたユニークなセリフの掛け合いとかから、これもありかというより、むしろ何だかんだこれが絶妙に有効だと思える選曲に、ただただお見事!と唸るしかなかった。このあたりの空気感が本作の観どころなのか。
いずれにしても、上映時間の割にはかなり長く感じたし、入り込みにくい作品だったかな。

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いけい

1.0うむむオモシロクナイ

2023年9月20日
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面白さを求める映画じゃないのは百も承知だけどそれでもやっぱり苦痛だった。伝えるべき物語なのは分かるけど映画にする必要はないんじゃないかね?最初服装などから開拓時代の話かねと思ってみてたら第二次大戦の話が出てきて、え!アメリカでも田舎の方は当時こんなだったの?と思ったらなんと現代、この仕組みだけは面白かったです。

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三毛猫泣太郎