「珍妙な展開だけど、元ネタがある映画なので仕方がないかなぁ。」パラム パラム パラム yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
珍妙な展開だけど、元ネタがある映画なので仕方がないかなぁ。
今年39本目(合計692本目/今月(2023年2月度)5本目)。
韓国映画といえばシネマート。ということで65分差で移動。
この映画も、きのうの「ジャンルだけロマンス」と同じで、同じサイトに2つの映画の紹介が同時にあるという、「やや扱いが弱い」映画ですが、実はこちらの映画は色々「論点」があります。
まず、この映画、何もレーティングがないのですが(そして上記のように公式サイトも不親切)、一般指定でいいのかなぁ…。パンツが何だのという謎の発言やら、明確に大人の営みを想定できるシーンがあったりと、PG12扱いされても仕方がないように思えます。ただこの映画は最後に「原作となるチェコの映画(2011年)があります」とあるため、それらの部分もおそらく原作通りなのだろうと思います(まさか、純粋たる韓国映画で、字幕で「パンツです」という文字列を見るとは思わなかった…)。
一方でこの映画は済州島が舞台のため、済州島に関する文化がいろいろ登場します。
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・ 各家に石垣がみられる → 韓国では最南端に位置するため、韓国の中では比較的台風が来やすいという事情から(風力発電を想定できる風車がいくつか見られるのもそれ)。
・ アブラナ入りの~ → 済州島ではアブラナをよくみることができます。
・ アマダイの~ → 韓国の(済州島以外の)水産とやや異なっていて、済州島ではアマダイを多くとることができます。したがって、日本のコリアタウンは済州島からの難民で成り立っている事情はあるため(済州蜂起事件/1948年)、コリアタウン等で「アマダイチヂミ」が見ることができますが、元はといえば、こうした済州島の文化によります。
・ 女性のほうが多い?女性のほうが強い? → 済州島は「三多の島」と言われます。それは「風・石(岩)・女」です(済州島はもともと火山島でした)。済州島の成り立ちの事情から、女性が多く海女として海藻・わかめなどを取っていて成り立っていたという歴史があるため、女性のほうが「地位・存在感が」若干強い地域です(ほか、いわゆる海神なども済州島では女性の神でした)。
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こうした部分は細かいものの、済州島独自の文化で、やや知っていないと厳しいかな…というところです。
採点としては以下を気にしました。
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(減点0.3/「112」が何を意味するのかわからない)
・ 「タクシーを運転しているんだけど、この免許は(闇市場か何かで)購入したんだ」→「112番!」といっているところです。
日韓共通で「119」にかけると、消防救急がきます(ここは同じ)。日本では「警察」は110ですが、韓国では「112」です。そして、韓国の「110」は「児童虐待や高齢者虐待が疑われる場合の通報先」です。
この部分は明確に、韓国映画を多く見ていないとわからないのではないか…と思えます(もっとも、この映画自体、かなりの済州島に関する文化の知識を要求するというのもありますが…)
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