「さもなくば誰がやる」劇場版 緊急取調室 THE FINAL ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
さもなくば誰がやる
ゴタゴタがあって劇場版は一体どうなるんだろうと思っていましたが、無事に公開まで辿り着けてくれて良かったなと思いました。
シーズン1のみの視聴なので、細かいところまでは分かりませんが大枠を知った状態での鑑賞。
TVドラマの映画化のスケールアップはあんましよろしくない方向に進みがちですが、今作は大災害を背景に描きつつも、メインは取調に重きを置いており、その上で災害と絡めるという上手い作りになっていたので、しっかりと楽しむことができました。
序盤は予告であった総理を殺そうとする男の取り調べから始まり、それに並行して台風の影響で四苦八苦している日本政府、今までにない措置を敢行した総理と多く描かれますが、徐々にそれらの要素が繋がり、取調室へと繋がっていく流れが面白かったです。
総理が会議に10分遅れてきたというところの空白の10分に焦点を当ててのストーリー展開が中々に妙で、散らばっていたピースがパチパチっとハマっていく瞬間が非常に気持ちいいです。
過去の出来事が現代に繋がっていき、総理とテロ犯との関係性を炙り出したり、取り調べで巧みに情報を聞き出したりと、室内シーンながら駆け巡るような展開の連続で非常にスリルがありましたし、その過去がヘビーな内容で、その過去をどう背負ったかによってその後の人生が変わるというのも面白い対比だったなと思いました。
最後の取り調べのシーンも緊迫感があって良かったです。
ここで総理を糾弾してしまうと、支持率の高い総理の信用が地に落ち、国民は政治を信用しなくなってしまうという国全体の危機感を感じるという壮大なものになっていて良かったですし、それでも正義を貫き、最後の判断は総理に託したキントリも凄いなと思いました。
割ととんでもスケールの災害のはずなんですが、描写的にはかなりあっさりになっていたので、艦隊が地上に激突するかも〜、それを自衛隊パワーで爆撃させてまえ〜ってそれだけで映画1本作れそうなんですが、被害もデカそうなのでそこんとこも見せ場に欲しかったなとは思ってしまいました。
救助隊の目線ももっとあればなとは思いましたが、そこまで求めるのは流石に贅沢かなとは思いました。
大団円とはいかずとも、泥臭くまっすぐな正義をやり遂げたキントリの面々が最高にかっこよかったです。
展開的にはまだまだシリーズを続けていけそうな作品ですが、10年強の歴史を潔く締めるというのもこれまたかっこいいと思います。
年末年始に差し掛かりますし、これを機にドラマシリーズを一気見するのもありだなと思った次第です。
イェ〜イ。
鑑賞日 12/26
鑑賞時間 12:05〜14:15
