「【”空白の10分、沈黙の25年。そして若き日のもやい結びの絆と深き後悔。”今作は23年6月の公開延期にもめげずにド根性で公開しただけの事はある見応えあるヒューマンポリティカルサスペンス映画である。】」劇場版 緊急取調室 THE FINAL NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”空白の10分、沈黙の25年。そして若き日のもやい結びの絆と深き後悔。”今作は23年6月の公開延期にもめげずにド根性で公開しただけの事はある見応えあるヒューマンポリティカルサスペンス映画である。】
ー 私の手元には23年6月公開予定であった今作のフライヤーが2種類ある。
そして、今作では首相役を石丸幹二さんが演じている訳であるが、私は清廉なイメージが強い石丸さんを首相にキャスティングしたのは正解だったのではないかと思ったのである。(補足するが、前役の方に対するコメントはしない。個人的に気の毒だったよなと思っているからである。)-
■日本列島が超大型台風20号の襲来を受ける緊急事態の中、長内総理(石丸幹二)は災害対策会議に10分遅れて参加し、閣僚から詰問されるも”それは後で。”と答え、的確に指示を出していく。その後、首相は怪我をした患者を見舞うために病院を訪れるが、その際に森下(佐々木蔵之介)にカッターで襲い掛かるも、”簡単に”捕らえられる。
そして、森下は執拗に長内に会わせろと取調室で言うのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は、清廉な政治家で日本のケネディと呼ばれる長内総理と森下との学生時代の関係性が、緊急取調室のメンバーの捜査により露わになって行く過程が面白いのである。
そして、そこから見る側は”一の悪行は、百の善行をもってしてもその罪は消えない。”という司法判断の冷酷とも言える正しさを考えさせられるのである。
・長内は、若き日のヨットの航海時の”的確な判断”を評価され、その後総理大臣にまで上り詰め、一方、森下はその時の自分達の行為に対する悔いを25年抱え続け、自分が余命僅かとなった際に、身命を賭して長内に自分達がした事に対する”けじめ”をつけさせようとするのである。
・見所は、緊急取調室の真壁(天海祐希)と、長内が可視化システムを止めた取調室での駆け引きのシーンである。
真壁は、若き森下がヨットの船内で咄嗟に拾っていた航海日誌の内容を長内に問い、彼はその事実を認めつつも、”その事件以降、自分がどれだけその後悔の念を、国民の為に向けて尽くして来たか。”を語り、真壁はそれでも”一の悪行は、百の善行をもってしてもその罪は消えない。”と語るのである。
そして、長内は台風一過の青空が広がる中、潔く、記者団の前で自身の首相辞任及び国会議員辞任を告げるのである。
<今作は23年6月公開延期にもめげずにド根性で公開しただけの事はある見応えあるヒューマンポリティカルサスペンス映画なのである。>
■TVドラマを一切見ない男が、脳内で類推した事幾つか。
1.元刑事部長(草刈正雄)は、警察の不正を被り獄に繋がれているから、首相の動線を変える事を現刑事部長(勝村政信)にある言葉で進言し、認めさせたのかな。
2.真壁が警察を辞めないのは、身内に殺された刑事の夫(眞島秀和)の遺志を継いで居る為かな。
とか、イロイロね。
(低い声で)イエーイ・・。
