658km、陽子の旅のレビュー・感想・評価
全23件中、21~23件目を表示
脚本に対する評価とは?
「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM(TCP)」受賞作品、全て劇場とまでは行きませんが、1作を除いて観られるものは出来るだけ鑑賞(今作が11作目)しています。さらに今作は6月の上海国際映画祭で最優秀作品賞、最優秀女優賞、最優秀脚本賞の3冠ということもあり、公開週の日曜午前中回は7割強の客入り。それにしても、テアトル新宿さんは公開週の土日くらい少し早く開ければいいのに、相変わらず客さばきに四苦八苦。ご苦労様ですが、そろそろチケットレスにしましょうよ。
で、映画の感想ですが、正直なところ「もう一歩」かなと言う印象です。
(ここから脚本に触れていくので、一応ネタバレ注意で)
元々TCPにおいて脚本部門で審査員特別賞を受賞し、上海でも最優秀脚本賞受賞など、脚本の評価が高いわけですが、解りやすく言えば「コミュ障がヒッチハイク+震災後と絆」をお題にしてドラマティックにロードムービーを作るとこうなる、的な感じ。展開も意外性はありません。むしろこれを画にしてしまうことで、どうしても端々にリアリティがなくなります。
例えば、(上海の人はそれをどう観るか判りませんが、)車のナンバーが丸見えなため、いくらヒッチハイク初めてでも1台目にその車選ぶかね?と思うや否や、ナンバーから想像する行先までの距離感でまた休憩。わざわざ飯を食うといういじめ?に対し、なら乗り換えろよと思うし。別にコミュ障の人がそういう判断すら出来ないってことはないだろうと思うのですが、それならそもそもヒッチハイクなんて高いハードルに挑まず、SAで職員に相談しなさいよと思ったり。勿論、それをしたらロードムービーになりませんけどね。兎も角タイトルの通り、陽子(菊地凛子)というパーソナリティだけが物語の推進力で、陽子の「しでかす」ことがドラマとなって進んでいきます。その後「出会う人と出来事」からの「陽子の変化と気づき」というロードムービーにおける在り来たりな展開。意外なことと言えば、この調子じゃ着かないと思いきや・・・ま、勿論、皮肉ですけど。
ただ、この作品だけをけなすつもりはなく、TCP受賞作全般似たような印象があり、それは私の好みの問題かもしれまん。2023年はコンペティション実施しないようですが、カルチュア・エンタテインメントさん、若手のステップアップのため、今後も頑張って続けてください。そして皆さんも私の評価など気にせず、折角の上海での高評価がホットなうちに鑑賞してみてはいかがでしょ~。
旅はこれからがはじまり!
夫と子が旅行中(o^^o)
その間に映画観まくるぞ!
第4弾!!「658km、陽子の旅」
公開を待ち望んでいた本作!
菊地凛子さんを味わい尽くした113分でした!
18歳で青森の実家を飛び出し上京するが、夢も叶わず引きこもりの陽子(菊地凛子さん)
気づけば42歳。
もうこの設定だけで辛い( ; ; )
42かぁ、、、辛いのぉ。。。
その上かなりのコミュ障。孤立していたせいか、元々の性格もあるのか、かなりのコミュ障。。もはや対人恐怖症レベル。声の出し方さえ忘れているようだった。
そんな陽子が父の葬儀のため青森に向かう事になるのだが、トラブル
(ちょっと無茶な設定ではある)が起き、1人でヒッチハイクで旅をする事になった1日を追った物語。
最初、陽子をみているとイライラした。寡黙にも程があるし、挙動不審にウロウロぐるぐるする姿は嫌悪感さえ覚える。
他者との関わり方がわからないにしたって、それはないよ、、の連続。。
ヒッチハイクを通して、意図せず他人と関わらなくてはならなくなった時、優しくされたり、拒絶されたり、あんな酷い目にもあう。。
(浜野さん出て来た時点で悪い予感したぁ〜!!謙太〜〜!!o(`ω´ )o
でもその出会い全てがきっかけとなり、陽子の心をこじ開けていく。
少しずつ、少しずつ。。
陽子の心を変えていくのはキレイ事だけじゃなかった。でも立ち向かう陽子。もがき苦しんでいる姿に胸が締め付けられた。
20年疎遠だった父との関係。オダギリジョー演じる父の幻は陽子が知っている若き日の姿だ。
優しい老夫婦のお父さんと出会い、自分が知らない年老いた父の姿を重ねたのではないかな。
自分の事しか考えていなかった陽子が
体に気をつけて、、と他者を想う気持ちを思い出す。握手を求めた。1つ自分を取り戻したかの様な変化を感じ、嬉し泣きしそうだった。
日本では外出をほとんどしない状態が長期間続いている人々が増加中です。
その中には陽子と同じく、病気などを理由としない人も多いそう。。
就職氷河期世代、フリーター、引きこもり状態の人々。
「今」しか見ないようにして生きているが、その今もなんとなく過ぎていってしまう。。
社会に取りこぼされた人々。陽子はそんな社会の闇の縮図のようだ。
本作はそんな陽子の成長を通して、希望を見せてくれた。
ラストの独白。陽子は少しでも自分を肯定できたんじゃないかな。。
そして大好きな父親からやっと親離れ出来たんだと思います。
多少無理のある箇所もあったが、菊地凛子演じる陽子がそこに存在していた!事で全て帳消しになる。
ほぼ出ずっぱりで物語をぐんぐん引っ張っていく菊地凛子は流石の一言では表せないほど!
その才能にいかなる賛辞も惜しまないのであります。
脚本賞?
完成披露試写会にて鑑賞。
サービスエリアに取り残されるとかありえないとか、
コミュ障とはいえヒッチハイクする力あるなら事情をきちんと説明してお金貸してくれる人を探して新幹線で帰れよとか
軽装で冬の東北を歩き回るのは無謀とか
海に入った服のまま旅続けるの?!とか
バイクで降ろしてもらった所(積雪なし)から家までどれくらい歩いたの(積雪あり)?とか
ツッコミどころは多々ありました…
(なぜこれで脚本賞とれた?)
各役者さんの演技やカット割りで主人公の葛藤や人間の温かさや冷たさ、巧く表現されていたと思います。
菊地凛子のオーラや美しさがまるでなかった(役作りが素晴らしいという意味です)。
全23件中、21~23件目を表示