658km、陽子の旅のレビュー・感想・評価
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詫びなかったね(笑)
観て来ました。
挫折と不運が付きまといましたが孤独と孤立から抜け出そうする彼女の姿は人生の岐路とも言える瞬間でした。
声を出して相手に意思を伝える事も出来なかった陽子がしだいに成長する姿をみていて辛かったけどそれが彼女が都会で生活する姿、そのものだったんだと思いました。
様々な人と出逢い望郷への想いが強くなっていく姿に応援したくなりました。
置き去りにした叔父さん、詫びる事もなく迎いいれたのには一瞬、唖然(笑)
題名が『旅』でしたね。
すれ違う車の名前を語る男の子、台詞だろうと感心しましたし、この子はトラブルの始まりとはね。陽子さんも大変な姪っ子をお持ちでした(笑)
菊地凛子さんの代表作になりました🙌
熊切和嘉監督 × 菊地凛子さん
陽子、42歳、独身、締めっぱなしのカーテン、引きこもり、自宅のPCでカスタマーサポートのバイトなのかな?
父の訃報を受けて東京から故郷の弘前へ向かった。
それも訳ありのヒッチハイク。
コミュ障を悪化させてるので人に話しかけることもままならない。無様な陽子と自分を重ねて心がざわついた。
そう、自分にとってはかなり痛いロードムービーだった。間違いなく好きなテイストだった。
何はともあれ凛子さんの代表作になりました🙌
熊切監督作としても「海炭市叙景」と並んで好きな作品と言える。
映画の内容もさることながら…
他の方も色々な矛盾を指摘されていましたが…。
確かに、なんで?なんで?とか、思ってしまった。
そして、心の狭い物言いになってしまうけど、きちんとお礼も言えない人とは、あまり付き合いたくないなぁ…と感じたのが一番かなぁ…。
こういう人が一定数いることも理解はしているけど、申し訳ないけど、自分から積極的に話かけて、その人の心を開こうとか思わないかなぁ。
一方で、この映画の登場人物のように、心が広く、誰にでも分け隔てなく接する人も、やはり一定数いるんだろうけど、そういう人にもなれない(ヒッチハイクを断るというレベルの話ではない)。
だから、ちょっと受け入れられなかった。映画の内容もさることながら…
一期一会
必要に迫られてヒッチハイク。良い人もいれば悪い人もいる。だんだんと表情、声が逞しくなって目的地まで辿り着く。静かな流れのストーリーだけど、菊地凛子の自然な演技が飽きさせない。父親役のオダギリジョーも時々現れるのが面白い。
父親のことが頭に浮かんだ。もうすぐお盆だな。
菊地凛子が引っ張っていく658km
好き系ロードムービー。
父娘の確執から故郷・青森県弘前を離れて20年の陽子に届いた突然の報せは父の死だった。
やりたいことがあって都会を目指したはずなのに挫折して、屈折して、自己肯定感がめちゃめちゃ下がってしまった頃には人と話をすることすらまともにできなくなっていた陽子、42歳。
あー、こういう人、現代に確かにいるんだろうなぁ。パソコン・スマホがあれば人と接していなくても仕事はできる、食べていける。でも、何が楽しいのかな。
レンチンしたイカ墨パスタで唇を真っ黒にしながらパソコン画面に向かって毒づく陽子。こんな人間が未来にはワンサカ増えているのじゃないだろうか。
決して他人事じゃない。
そんな陽子はひょんなことから父の葬儀の青森までひとり658kmの道程をヒッチハイクで目指すこととなる。
スマホ使えない、所持金二千円ちょい。青森行くのに薄着。
なんでこんなことに!の理由がうまく描かれてる。
荷物の上にスマホ置いて荷物ごと持ち運んでスマホ落っことす。あるねー。
記念にと小銭入れに挟んだままで使う予定もない二千円札!あー、私もやってた!
そんなちょいとした描写がセリフなく綴られていく、その見せ方がとても好みだ。
人にパンをもらっても「ありがとう」のひと言も言えなかった陽子が、終盤に向かうにつれて本心からの「ありがとう」が言えるようになる。
泣けるよね。だって心のこもってない「ありがとうございます」は私も日常的に吐いてる。仕事だから。
久しぶりに魂のこもった「身体に気をつけて」の言葉を聞いたなぁ。
と思ったら泣いていた。
痛々しい
暴力的な父への反発やトラウマを抱え、様々な壁にぶつかって夢半ばで叶わず諦めた女性が、いわばコミュ障となっていながら、金も携帯も何ひとつない身一つで故郷を目指してヒッチハイクする姿が痛々しく。
あらすじにあった「心を癒されていく」ではなく、「逃げ続けていた自分と向き合って素直になる」が正解かな?
セリフにも何もないが、主人公の年齢を考えると、就職氷河期、リーマンショック後の壊滅的経済状態、非正規雇用の増大、震災、新型コロナ……
戦略的にビジネス展開する才と運がなければ、何ひとつ成功する道筋が見えない時代を反映していると感じました。
つらさの共感ができるか否かという感じなので、面白いというより、考えさせられるという趣き。
私には合わなかったです
映画サイト等での評判が良いので見に行ったのですが、私には合わなかったです。伝えたいことは分かるのですが、旅の途中で出会う人々とのエピソードが私にはあまり響きませんでした。また、主人公の行動が極端過ぎる上に一貫性がないので不自然に見えて共感できませんでした。それと、ゆったりしたテンポの作品は嫌いではないのですが、本作はあまりにも遅すぎて苦痛に感じてしまいました。あと、菊地凛子さんの演技が高評価なようですが、私にはどこが凄いのか分からなかったです。私は役者をやったことはないので言うのは失礼かも知れませんが、平凡な人を演じるよりも本作の主人公のような極端な人を演じる方が演じやすいのではと思っています。
身内の葬儀で弘前に向かうはずが、高速道路のSAに置いてきぼりにされ...
身内の葬儀で弘前に向かうはずが、高速道路のSAに置いてきぼりにされてしまい、ヒッチハイクで北へと向かう話。
出だしは、コミュ障気味でろくに喋れもしなかったのが、徐々に表情や動作が変わってゆく様子。
静かな変化ながらも、凄みすら感じてきました。
少数の善意と悪意、大多数の無関心
舞台挨拶が盛り上がったおかげで、本編への期待が高まりすぎてしまった。ラスト前の陽子の独白は、すごくよかったんだけど、それ以外は、自分にはちょっとなぁ。
陽子のキャラクター造形に作為的な感じがして、違和感を持ってしまい、感情移入ができない。あれだけのコミュ障で生計を立てているとは思えないし、20年間の回想なしで、父親との関係を想像するのは難しい。
それとおばさんの悩みを観客に聞かせておいて、ヒッチハイカーの女の子の心の闇をスルーするってどういうこと?
世の中は、少数の善意と悪意、大多数の無関心でできている。それを実感できる物語でございます。
急性大動脈解離
様々な、時には屈辱的な対価と引き換えに赤の他人に助けられ、他者に頼るためのちょっとした勇気(勇気がいるんです!)を得ていく話。
種明かしを兼ねた車中自分語りがクライマックスなのだが,この自分語りは,子供の騒ぐ声と並んで陽子にとって苦痛として序盤に描かれている。わかっちゃいるけどやめられず語る姿は,やっとのことでたどりついた自己の解放を象徴している。
主演の菊地凛子にはスタンディング・オベーションを!
もう一度見たいとは思わないが、見た後にじわじわと思うことが出てくる...
もう一度見たいとは思わないが、見た後にじわじわと思うことが出てくる。見ていていい気持ちになれる映画ではないが、その中で感じたことは何か大事にしていかないといけない気がした。
トラックか青森ナンバー当たろうよ
コミュ障拗らせ42歳女性のヒッチハイク旅のお話。
東京で独りで暮らす42歳の陽子がスマホを落として壊してしまった翌朝、従兄が自宅アパートにやってきて、お前の父親が死んだから青森に帰るぞと、車に一緒に乗っていけと始まって行く。
常磐道に入って早々、立ち寄ったパーキングエリアで誤って置いてきぼりになってヒッチハイクの流れになるけれど、もうちょい必死に電話するとか、もうちょい相手に合わせる努力するとか、そういうニュアンスぐらいはあっても良いのに…と、何だかコミュ障というより発達障害か、自己中DQNにみえてしまう。
これは何を見せたい作品?20代ぐらいの設定ならまだしもね。
40過ぎたら親が逝くことの想像ぐらいはしているでしょう。
だらだらテンポで特段主人公の中身に変化もなく進行していき冗長な中、終盤になって一応変化したけれど、何だか急過ぎて成長というのとは違うような感じだし。
何だか極端過ぎて主人公に共感も同情もできなかった。
ジョーとジュンがこんなに脇役!?
菊地凛子演じるアラフォーの陽子は1人でモヤモヤ生活してきたが、ある日突然、従兄の茂が尋ねてきて、陽子の父親が亡くなったから、一緒に青森に帰ろうと陽子を連れ出す。そしてサービスエリアでトラブルが発生し、陽子が置き去りになる。ん?そんな事あり得る?それから始まる陽子のヒッチハイク。うそ!コミケ能力ない人間が見ず知らずの人に依頼して、車に乗せてもらうなんて、そうしなきゃならない設定は分かるけど、普通は出来ないっつうか、やらないよな。だって最初の段階では、ほとんど喋らないんだよ。感じ悪すぎるぞ!そんなやつとエッチするなんて俺には無理!
あれ?ちょこっと出てくるオダギリジョー父さん。幽霊かよ!?もっとビックリしたのが乗せてくれた老夫婦の婆さん、風吹ジュンだった。ウソ!本当にちょっとだけだった。もったいないよ。とにかく陽子の性格が好きじゃないので、ずっとモヤモヤしながらツッコミだらけ。ラストはちょっと泣けたけど、本当にちょっとだけね。
菊地凛子さん
菊地凛子さんが好きなのと、彼女や、この作品が、海外で賞を取ったり称賛された事を知って観てみました。
クリーンなギターを使ったオシャレなインスト曲とか、画になる映える美しいロケーションを使ってて、
美しくオシャレに撮りたい気持ちが伝わりますが、
方言やイントネーションなどで何を言ってるか聞き取れない事が度々…
評価が良かったので観たけど、手放しで良いとは言えないかな…
まあ良かったけど…
3.5と4の間で、厳しめ評価の3.5です。
邦画が好きな方は観られては?
せっかくオダギリジョーを使うのなら、もっとコメディ・タッチにしても良かったのでは?
人生にうまくいかず引きこもりのような生活を送っていた主人公が、自分で何とかしなければならない状況の中で、コミュニケーション能力と生きる力を取り戻していく様子が、ロードムービーとしてうまく描かれている。
わざわざヒッチハイクをしなくても、青森までいく手段はありそうなものだが、そんなことに気が回るほど「世間慣れ」していない主人公に、菊地凛子がうまく血を通わせていると思う。
ヒッチハイクで出会うのが善意の人々だけでなく、下心だけの輩もいて、主人公が「ちゃんと」イヤな目にあうところも、人生そんなに甘いものじゃないという説得力が感じられて良い。
物語の白眉は、最後に乗せてもらった乗用車の後部座席で、主人公が、自分の人生と父親への思いを独り語りする長回しのワンシーンだが、旅を通して主人公が成長し「一皮むけた」ことが実感できるようになっている。
ただ、その一方で、台詞ですべてを説明してしまっていることに、物足りなさも感じてしまった。
時々、主人公の目の前に姿を現す、オダギリジョー演じる(20年前の)父親は、せっかく映画的に面白くなりそうだったのに、結局、うまく活かし切れないまま終わってしまい、残念としか言いようがない。
冬の東北のどんよりとした天気と寒々とした風景が印象に残り、重苦しい雰囲気を感じてしまうだけに、ドラマとしては、もっとコメディに振っても良かったのではないかと思えるのである。
菊地凛子が出るから見ようかな、 くらいだったのに、 なんだかすごい...
菊地凛子が出るから見ようかな、
くらいだったのに、
なんだかすごい映画だった
菊地凛子がどんな人か知らないけど、
とにかく陽子にしか見えなくて、
映画館の外に貼ってあったインタビュー記事の写真が、
普通の女優さんすぎて違和感だらけだった
車を乗り換えるたびに心も変わっていく。
自分を守れる平和な卵の中の世界に引きこもっていた主人公だけど、突然準備なくその殻を突き破られ外に出されてしまった。
その上降りかかったアクシデントは、自分でこの状況をなんとかするしかない、という自分を取り戻すための通過儀礼のような試練だったけど、結果彼女に必要な変化をもたらしたと思う。
薄皮を一枚ずつ剥ぐように、車を乗り換えるたび彼女の発する言葉が増えていき、少しずつ言いたいことを言えるようになっていくことに、彼女の心の成長を感じた。
口から出る言葉は書くのと違って消しゴムで消せない。どうしても慎重になってしまう。
伝えたい気持ちはあるけど、それを言葉にしたら違う感じになって伝わってしまうこともある。
言葉は難しい。
私も人と関わるのが面倒で集団を避けている所があるから、最後の彼女の独白がとても心に沁み入った。
いや、しかし凛子ちゃん凄かったわー。
気持ちを言葉にして語らない主人公だから、表現方法が表情や動きに集中したと思うけど、すごい伝わったもんね。
実物は繊細そうなイメージはそのままだったけど、役柄でほぼ笑顔を見せなかったから、余計にニコニコ笑ってるのが可愛かった。
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