658km、陽子の旅のレビュー・感想・評価
全103件中、21~40件目を表示
コミュ障の「握手いいですか」
夢あって上京したものの挫折し、今に至る42歳独身女性コミュ障の陽子。疎遠だった父の葬儀のために、いとこの家族と車で弘前に向かう。しかし途中のサービスエリアに取り残されてしまう。所持金僅か、スマホは故障中で、仕方なくヒッチハイクすることに。
コミュ障なので一人でいたい、しかし見知らぬ人に頼らざるを得ない状況に共感します。しかし上京に反対した父の視線を感じ、もともとコミュ障ではなかったと思われる陽子が、自分を取り戻していく姿に感動しました。「握手いいですか」が良かった。自分の実家まであと150km。ラストで涙する陽子に、初めて東京から実家までバイクで帰った自分を思い出しました。
「サービスエリア演出いい」
今年12本目。
2023年7月の作品。近くだと新宿で公開で気になっていましたが行けず、今週新文芸坐で上映なので行って来ました。
素晴らしかった点が2つ。
見上愛がサービスエリアでダッシュするシーン。ランニングする事はありますがダッシュは何年してないし、今度家の帰りにダッシュしたいと思います。
もう一つ、菊地凛子が車の助手席で眠くてドライバーが「どうぞ」と言うシーン。自分も20才の時に事務所移転のアルバイトをしていて、高速道路でどうしても眠くてドライバーさんが「寝てていいですよ」優しい、と共に申し訳ない気持ちで寝たのを覚えています。あの仕事がこの映画に繋がるんだと。
この2つが日常に深く切り込んだ描写で、ここ描くんだと映画見て本当に良かったと嬉しくなりました。
時は止まり、そして動く
陽子が18で上京してまでやりたかったことは何なのだろう。
「誘われて寝るの初めてじゃないんでしょ」とライターに指摘されたように、初めてではないとしたら、彼女の夢と無関係ではないだろう。
いわゆる枕営業?だとしたら彼女の夢は、例えば俳優?
作家やミュージシャンと枕営業ってつながりにくい(寡聞なだけか?)から、でも何かの表現者になりたかった。それが自然かな。
枕営業が父親に知れて、殴られた?
そして、帰るに帰れなくなっていった?
もし、俳優志望だとしたら、約20年の年月は、見る影もないほど彼女を変えたということ。かつて彼女は、『陽子』の名にふさわしい女性だったのだろう。
658kmで出会った人たちが、動いていなかった彼女の感情を動かしてくれた。妬みや優しさ。それらは人に関わってこそ、表れる気持ちなのだから。
そして、止まっていた父親との時も、動かしてくれた。
人は、後悔の思いを深く沈めて生きていくものです。大なり小なりは。そんな人生って、いいですよね。
陽子の658km・・・それは陽子の20年間の距離!!
凄い映画だった。
熊切和憙監督は「海炭市叙景」からずうっと“すげえー“と思い、
「私の男」でも“すげえー““カッケー““無敵やん“好きだわー“
と思っていた。
長いブランク(に、思えていた)
「#マンホール」で、復活したやん・・・そう思って嬉しかった。
その熊切和憙監督が本格的に戻ってきた。嬉しい。
重ねていう凄い映画、
現実を切り取った描写、
女優ではなく、陽子という名の女性、が存在していた。
菊地凛子、きくちりんこ、RINKO KIKUCHI、
彼女が特別な存在の女優と、前からそう思っていたが、
その思いを強くする映画だった。
フィクションですらなくて、一人の人生に敗れた女・陽子。
(でもドキュメンタリーでは、全然ない、)
陽子そのもの、
陽子そのまま、
東京に負けた女、
都会・東京の1300万人の一人で、誰にも振り向かれず、
振り返られず、
居ることも知られず、
誰にも気にも留められず、
陽子は、20年前に青森から上京して、
なりたいものがあって、
その20年間のどこかで、
なりたいものに手が届かない・・・
それが分かったのに、しがみついて、頑張って、意地張って、
しがみつき続け、
自分に嘘をつき続けて、気がつけば、冒頭のように、
人の目を見て話すことも出来ない、
顔を上げて空を見上げることも出来ない、
負けて、敗れて、落ちぶれて、
死んだ目で、死んだように生きる、
もう若くもない、美しくもない、女の花の時期を、
燻り続けた、
長い、長い、長い20年間。
「父死す」の知らせを従兄弟の竹原ピストルから知らされる。
一緒に車で青森に帰る途中、
アクシデントでサービスエリアに置き去りにされて、
財布ひとつ(手荷物は車の中)、所持金は二千四百三十円、
ひたすら意地張ってるから、
警察署に駆け込むなんて・・・出来やしないし、
親戚の婆ちゃんに電話しても、
「立派になってー」とか言われて、
辛くて、辛すぎて、
受話器をそっと置いてしまう・・・
(チクショー、泣けてきやがった・・・)
(故郷に錦を飾る筈だったんだよ・・・)
(なりたいものになって、
(成功してさ、なりたいものになってさ、誉められてさ、
(お父ちゃんにも、誉められたかったんだよ、
(それまで・・・どうしても、・・・絶対に帰りたくなかった・・)
658kmの旅で、陽子は別人に変わった、
声を張り上げ、
「どうしても、青森に行きたいんです」
「乗せてください、お願いします、どうしても行きたいんです」
大声で言える人間に変わっていた。
《成功者でなくても、普通に息して、食べて笑って・・・
《他人とお喋りして、笑って、腹立てて、ムカついて、
《普通に生きれば良い・・・》
《それだけだ》
菊地凛子が国際女優と呼ばれる理由、
本物の人間を体現出来る理由・・・
それは私にも、きっと誰にも、分からないけれど、
表現者として真っ当に、真っ直ぐ、
人間として素晴らしい人、
多分・・・なんだなと思った。
菊地凛子はアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた「バベル」も
痛い役だった・・・聾唖の女性の歪さ、と父への愛がもっと欲しい・・・
うまく言えないが、なんかもう、凄かった・・・
インディーズの「トレジャーハンター・クミコ」でも真価を知った。
生意気で身の程しらずだけど、
「658km、陽子の旅」は、
キネマ旬報ベストテンで上位にあがるし、
監督、作品、主演女優でも注目されるだろう。
ただ私的に残念と言うか、自分が悪いんだけど、
オダギリジョーが、
陽子の父親の若い頃の役で、
《幻影で陽子を悩ませる・・・》
(そこまでは分からなかったんです)。
最初の降ろされた手洗い休憩所の電話ボックスに、
オダギリジョーが一瞬映りました・・・
・・・それが父親だと、分からなかったんです)
風吹ジュンの役・・・
人間のあったかさ、人の優しさの象徴ですね、
こちらも声ですねー、声でなんとか・・・
・・・この老夫婦と握手するシーン、
・・・一番好きでした・・・
心を揺さぶる・・・という意味で名作だと思いました。
(熊切監督は本作のような作家性のある作品でこそ、
(本領を発揮する・・・そんな気がします)
2432円、コミュ障の旅
序盤から陽子にイライラさせられます。
コミュ障どころかコミュニケーション取ろうともしないし、お礼も言わない。
終盤になっても頼み方や相手選びが下手クソ過ぎるし、それなのに逆ギレするし。
しかも、その陽子が歩いたり立ち尽くしたりするカットを長回しで映す。
これはワザとやっているのでは。
でもそんな陽子にも優しくしてくれる人はいる。
浜野謙太のようなクズにつけ込まれることもあるが、優しさだけで描かないのも誠実さかな。
その関わりの中で、少しだけ、ほんの少しだけ前へ進む。
父親と、そして自分の気持ちと向き合い、切々と言葉にする。
茂はまず置き去りにしたことを謝れとは思ったが、出棺を待たせてくれてよかった。
「人生に手遅れなんてない」みたいな綺麗事にしなかったのも好感が持てる。
全てをやり直すことも取り戻すことも出来ないけど、少しは良くなる気配を、雪解けの予感を覚えた。
画面が暗いシーンが長く続く上に、主人公があまり喋らないから眠くはなる。
わざとだとしても長回しが冗長すぎたので、もう少しスッキリ見せてほしかった。
とりあえず、人間ホッカイロされたいです。
リアルの中の非リアリティ
横柄な寿司屋の大将が、「ほら旨いもの作ってあげたよ!」といって出された料理のような映画。主人公が行く先々の人たちと触れ合って少しずつ変わっていく様子をリアルに作り込んだ感じはしますが、その分細かい作りにリアリティがないところが見え隠れして思考停止してしまうシーンがいくつかありました。そもそも弘前に帰りたい人が「青森まで」と言うものなのでしょうか?リアルな作りに徹するのなら細かい細かい部分までこだわってほしかったです。
陽子の凝り固まった心が少しずつほぐれていく658㎞の旅
ストーリーよりも菊地凛子に惹かれて観る。若い頃にアメリカ・ハリウッドで仕事をするために単独で渡ったと言うことでずっと興味を持っていた女優さん。
今まで観た映画の中で主人公のセリフがここまで少ないものは初めて。言葉が無い代わりに仕草や表情がとても重要になってくる。私も自然と陽子の表情を見つめながら心を読もうとしたりしていた。希望を持って上京した若い頃から挫折を繰り返して、カチカチに固まってしまった今の状況の苦しい心の状態の陽子。人を寄せ付けない孤独で誰にも心を開こうとしない陽子の表情が658㎞の旅(ヒッチハイク)を進めて行くうちに、少しずつ和らいで行き言葉も聞こえてくるように。途中には嫌な奴もいたけど、様々な人から無償の優しさで接してもらいながら、東京から福島~弘前へ向かう風景を見つつ上京以来疎遠になっていた父(帰郷はその父の葬儀のため)を受け入れることが出来るようになった陽子の表情の変化の演技が素晴らしい。人と目を合わせることも出来ず、蚊の鳴くようなか細い声しか出なかった陽子がどんどん変わっていく。形として見ることの出来ない心の傷を癒してくれるのは、やはり形の無い人の思いやりか・・と改めてシミジミと感じた作品。
力作です。
前半は若干イラつきを感じていたけど、中学生の「ハイ!」で一気にほどけていく感じでした。
これまでの自分の価値観だけで観ていた自分を恥じました。
価値観は揺れるのですね。年を取っても。
世の中にはいろんな人がいて、私もその中の一人。
優しい人、そうでない人。私は…。
【18歳で上京するも夢破れ、諦観したように生きる42歳の女性が父の訃報を聞き、故郷にヒッチハイクで向かう中、様々な人と出会う事で自らの悔いある生き方を振り返り、原点に戻る姿を描いたロードムービー。】
■陽子(菊池凛子)は、42歳独身。
クレーム処理の仕事をアパートの自宅で行っているがその生き様は自身の人生を諦めており、且つ人と会わないためコミュニケーション不全にも陥っている。
だが、ある日故郷の青森県に暮らす父(若い時代はオダギリジョー)が突然死したと訪ねて来た従兄の茂(竹原ピストル)に知らされ、茂一家と共に20数年ぶりに故郷へ向かうが・・。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・陽子の声が前半はか細い。
普段話さない事と、人と接しない生活を長年送ってきた事で、コミュニケーション不全にもなっているようである。
・陽子は東北高速道路のSAで茂一家とはぐれてしまう。陽子は且つて家族で来た所で亡き父に渋滞の際に怒鳴られていた事を、愚痴っぽく呟く。その脇にはくすんだ赤の野球帽を被った父がやや申し訳なさそうに、張りぼての記念写真を撮る穴から顔を出している。
ー 茂一家とはぐれた辺りの描き方は、やや粗い。子供がSAで怪我をし、病院へ連れて行ったようだが。茂は、陽子のスマホが壊れている事を知っているのに・・。ー
■その後、陽子が高速のSA、PAで出会った人達
・最初に陽子をヒッチハイクしてくれた明るい女性。会社が倒産し、面接に行った帰り。中学生の子供が引っ越しに難色を示している事を陽子に話し、”私、SAで幸せそうにしている家族って嫌いなんですよ。浮かれちゃって・・。事故に遭えばいいと思ってるんですよね。”
ー だが、陽子は彼女の言葉に返答も出来ない。そして、別れ際借金の申し出をするが、やんわり断られる。陽子がコミュニケーション不全である事が分かるシーンであり、人が見かけに寄らないダークな一面を持っていることが分かるシーンでもある。-
・ヒッチハイクに慣れている若き女性。
だが、彼女はお金もあるのにヒッチハイクを続ける理由を問われ”マア、色々と在るじゃないですか”と答える。
■陽子は、SA、PAのトイレの中で”大きな声で”ヒッチハイクしてもらうための練習をする。彼女自身が変化しなければと思った事を暗喩しているシーンである。
・陽子をヒッチハイクした自称ライターの愚かしき男(浜野謙太)。陽子を無理やりラブホテルに連れ込むが、忘れていた仕事の問い合わせがあり、彼女を置き去りにして去る。
ー ヒッチハイクあるあるだそうである。
そして、彼女はフラフラと海岸に行くが、亡き父に頬を殴られ、海辺で全身波に濡れながら、横たわっているのである。-
・青森に近づくと、人として温かい心を持った老婆(風吹ジュン)とその夫の軽トラに乗せて貰っている陽子。
ー 陽子を気遣う2人に対し、陽子自ら、強く握手を求める姿は、少し沁みる。
そして老婆の紹介で陽子は移住して来た女性の軽トラ更に乗って更に故郷に近づいて行く。そこから見える震災の傷跡・・。-
・校則のSAで”青森に帰りたいんです!”と叫ぶシーン。
多くの人から無視されるが、一人の少年が”ハイ!”と返事し、少年の父(篠原篤)が運転する車で、更に故郷に近づく。
■この車中で、陽子が”少し話しても良いですか・・。”と言い、自らの18歳で上京してからの悔いある人生を長台詞で語るシーンは白眉である。
菊池凛子さんの渾身の演技が炸裂している。
陽子は大きな声で、家を出た時に42歳だった父の事、自分がいつの間にかその年になっている事。実家と音信を取らなくなった事などを涙を浮かべながら、喋るのである。
それを遮ることなく黙って聞いている少年の父の横顔。
<そして、漸く雪降る中、歩いて着いた実家。
茂が出て来て”出棺を遅らせていたんだ・・。”と言う中、陽子はフラフラと24年振りに実家に入って行くのである。
今作は、序盤は一部物語構成に瑕疵があるが、中盤から陽子が様々な人と出会う事で、諦観していた人生を深い後悔の念で振り返りながら、もう一度原点に戻って行く姿を描いたロードムービーなのである。>
<2023年9月17日 刈谷日劇にて鑑賞>
生を取り戻すための658kmの旅
658kmとは陽子が暮らす東京から故郷の青森までの距離のことだ。
その青森までヒッチハイクをしながら車で旅をするロードムービー。
陽子(菊地凛子)は18歳の時に親の反対を押し切って東京に出てきた。
夢を持って出てきたのだが、現実は在宅の仕事でほぼ引きこもりのフリーターで年齢も42歳になってしまった。
そこへ、父(オダギリジョー)の訃報が伝えられる。
陽子は出棺を見届けるために叔父(竹原ピストル)の車に同乗し青森に向かうのだが、サービスエリアでのあるトラブルにより、逸れてしまう。
荷物を車に置いたままでお金もないため、ヒッチハイクで青森に向かう旅が始まる・・
陽子は引きこもり生活で人とうまくコミュニケーションが取れないまで心が疲弊している。
18歳の時から24年、実際の距離は658kmだが時間軸の距離は658kmよりもっと、とてつもない距離が出来てしまったのかもしれない。
陽子の旅は青森に近づくにつれ心の距離も取り戻していく。
ヒッチハイクを成功させるには人とコミュニケーションを取らないといけない。
人間は生きるか死ぬかの局面では逞しくなる。
それは本来の生きる力だ。
陽子は旅で出会う人々、その中にはかつて喧嘩別れした父の幽霊も含まれるのだが、それらの人とのやりとりにより人間力を取り戻していく。
父の死を見届けるための旅で自身の生を取り戻していく姿が印象的。
幽霊の父が見える陽子は死に近づく存在で、父との決別が父が陽子を再生させるための最後の愛情だと思うと胸が熱くなる。
菊地凛子が渾身の芝居を演じている。彼女の代表作の一つになるだろう。
そして旅で出会う人々
人気のないサービスエリア
旅の途中に通り過ぎる東日本大震災の被災地
寒々しい海岸沿いの道
雪の中にポツンとある青森の実家
人と風景が素晴らしい。
はたして父の出棺は見届けることができるのか、しかと見届けてほしい。
叫び
この「旅」はもちろんメタファーなので、「ああすればよかったのに、こうもできたのに」というツッコミは無意味です。
私も陽子と同じで、「あなたが努力しなかっただけでしょ」と言われ続けた世代です。
置いていかれ、排除され、嘘をつかれ、こちらの責任でないことの責任を取らされ……
本当に、ただ生きているだけで何度叫び出しそうになったことか。
困っている人がいたら車に乗せてあげるなんて、人間として当たり前のことじゃないですか。
困った女一人が車に乗ってきたからって、恩を着せたり、代わりに体を要求したり、そんなことしないのがまともな大人でしょう。
でも、二言目には「あなたが悪いんでしょ」。「人のことなんて知らねーわ」。
違いますよ。車に乗せてくれなかったおじさんとおばさん。
あんたたちの世代の失政や不作為の尻拭いを我々はさせられたんだ。自分の人生を犠牲にするという形でね。
「ここまで来られたのは皆さんのおかげです」なんて感謝、本当はしなくていいんですよ。
しかし、この社会と和解するには、そうとでも思うしかないんですよ。
今更ながら人はひとりで生きていくには
引きこもり生活の女性、若い頃にはやりたいこともあり夢もあった、くじかれた時に方向性を変えられる柔軟性がないばかりに引きこもり生活。現代には多いと思われるが、やはり人との関わりこそが人が人たる所以で、関わることをやめたら生きてる事の実感すら感じないだろう。
そんな問題を抱えた人間を菊地凛子が本当に演じきっていて観るに連れて引き込まれていく。
ヒッチハイクするに至る理由は無理があるが、最初は行く事にさえ面倒だと感じてたのも人と触れ合うに連れ自分を変えたい、父親の最期を見送らなきゃならないと思うようにもなり心の変化の過程を見事に演じていた。
風吹ジュンは最近老夫婦の役では右に出る者はいない。
それにしてもオダギリジョーはここのところ故人の役が多いのはなんでだろう。
この映画良かった、世の中捨てたものじゃない、けれど一部には弱みにつけ込む悪いやつもいる。
それでも人と関わることの大切さをしみじみと伝えてくれた。
自分と重なり少しツライ
菊地凛子さんの演技、存在感が全ての映画でした。
引きこもって暮らす42歳の陽子。
青森の父の葬儀に向かう途中、トラブルもありヒッチハイクで向かうことに。
道中いろんな人との出会いがあるが自己肯定感の低さゆえ、目の前の目的を果たすために間違った判断をしてしまうことも…
わかるわぁ、、、その感じ!と陽子に共感して辛くなる。
しかし従兄弟(竹原ピストル)の非常識な言動にイライラ!
いくら子どもが怪我したからってサービスエリアに置き去りにする?!
再開しても謝罪も気遣いもなし。どう考えてもおかしいやろ!
居心地わるい
、科白聴き取り難い、画はイイ、これが熊切監督作品への印象。でも今回は大分観易かった。ちょこちょこ出るオダギリ父さん、ちょっと笑えたし。
引きこもり・コミュ障を脱するのは、自分を含めヒトなんだと感じた。
イカ墨パスタがすでに物語っている。
人生を諦め引きこもって暮らすコミュ症の陽子、42才。疎遠だった父の死を知り急遽東京から故郷青森へ向かうことに。その距離658km。
従兄の車で向かう途中トラブルが起き、一人でヒッチハイクする羽目になってしまう。
見ず知らずの自分を車に乗せてくれる人。その旅路で自分自身や突如幻影のように現れる父親と対峙してゆくことになる。陽子の孤独、絶望、疎外感。その反面きっと本心では誰かと繋がりを求めている。そんな複雑な人物像を見事に演じた菊地凛子の為の658kmだった。
陽子とほんの少しだけ交差する人達。好きな俳優さんばかりでシーン毎にとても豪華で見応えがあった。そして若き日の父にオダギリジョー。海辺のシーンは父娘の愛情が見えてきてジーンとした。ちょいちょい無理矢理展開もあったけど、とても情景が綺麗なロードムービーでした。
あんなに車の来ないパーキングエリアって有る?
東京で暮らす42歳の独身女性・陽子は、フリーターとしてなんとなく日々を過ごしてきた。そんなある日、20年以上疎遠になっていた父の訃報を受け、従兄の茂やその家族と故郷の青森県弘前市まで車で向かうことになった。しかし、途中のサービスエリアで陽子は置き去りにされてしまい、所持金もなくヒッチハイクで青森を目指すことになった。道中で出会ったさまざまな人たちとの出会い・・・てな話。
まず、置いてきぼりをくらったらもうちょっと必死で連絡取ろうとしないか?
寂れたパーキングエリアなんだろうが、あんなに車が立ち寄らない所って有る?
ヒッチハイクするにしても、男1人に乗せてもらうか?
少しずつコミ障っぽいのが治っていくところを見せたかったのかな?
海で潮が満ちて来て、身体がベチャベチャになってしまったのに服いつ乾かしたんだろう?
色々とよくわからない所が多かった。
菊地凛子の演技は素晴らしかったし、見上愛は可愛かったが、それだけ。
全103件中、21~40件目を表示