「映画代金を返して!!」ワース 命の値段 Golgo14さんの映画レビュー(感想・評価)
映画代金を返して!!
既にどなたかがレビューで書いておられるように、せっかく良い素材に着目したのにレシピが悪く、しかも調理も下手で、結局不味いものを食わされた感じです。
非常に期待した分だけ余計に落差が大きく、全くのハズレ。
この映画を見て分かったこと。
特別管理人という制度があることくらい。
この映画を見なくても分かっていたこと。
一個人が国や巨大企業相手に裁判で争おうと思ったら、膨大な時間とエネルギーと費用が必要で、しかもほとんど勝ち目が無いということ。
この映画を見ても分からなかったこと。
どうして被害者・遺族はサイン拒否から一転して同意に変わっていったのか。
どうして主人公の特別管理人が被害者等への対応態度を変化させたのか。
それらがウルフ氏の発言やブログに起因するとすれば、スポットライトが当てられべきはウルフ氏である。
補償額の計算式FORMULAの内容が表に出て来ないのは、今後の事案に関わる恐れがあるので権力への忖度なのか。
また実際に個々人の補償額にどれだけの格差があったのか、そしてそれは途中で格差が納得できるまで縮小したのか。
こういう事柄を話に盛り込まなきゃ全然ストーリーにならない。
この監督の作品を今後二度と見ることはない。
全く蛇足ですが、
偶然にもつい先日、日本で「命の値段」につながる裁判がありました。
耳に障害のある少女が交通事故で亡くなり、遺族の方は逸失利益の損害賠償請求の裁判を起こしました。
被告(加害者)側は従来の判例により障害者には健常者の65%を支払うという主張をしました。
当然遺族側は健常者と差別される理由はないと拒否します。
大阪地裁の判決は健常者の85%を支払うというものでした。
その結果原告・被告双方とも納得できず上告することになったのです。
皆さんはどのように判断されますか?
ちなみに日本では逸失利益が確定しても、そこから一時金受領により将来受け取るであろう利息分(中間利息という)が差し引かれます。
単利計算によるものをホフマン方式(係数)、複利計算によるものをライプニッツ方式(係数)と呼び、近年は圧倒的に後者によるものが多いそうです。
またその元になる金利率は年5%で、ずっと変わっていません。
この低金利の時代にも非常に高い利率が適用されているのです。まったくポンコツ。