「命に値段など付けられない。当たり前である。世の中に公平など無い。当たり前である。全ての人を満足させるなど無理である。当たり前である。そのこの世の当たり前を淡々と描いているところに心を打たれた。」ワース 命の値段 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
命に値段など付けられない。当たり前である。世の中に公平など無い。当たり前である。全ての人を満足させるなど無理である。当たり前である。そのこの世の当たり前を淡々と描いているところに心を打たれた。
①ラストクレジットの最後で、この映画が作られたのが2020年であるのに今年になって公開されたのかが気になったが…
②ケンが立てた目標が達成されることは初めから予測できる。だってそれだから映画にしたんでしょ。なかなか伸びなかった申請数が最後どんでん返し的に急増するのも本当にそうだったのか分からないけれど脚本としてはそうするだろうね。だから初めから予定調和的な話で予定調和的な映画になっている。
③命の値段など付けられないけれども、私達も普通に生命保険という“命をお金に変える”ものでリスクヘッジしているし。
④バイアスが掛かるのがイヤだから、映画はなるべく前知識がないままで観るようにしている。だから、その時に自分が持っている知識・感受性の範囲内で判断したり感じたりすることになるから自分の知識の無さや感受性の低さや世間の狭さにに気づかされることがままある。(ごくたまに俺ってスゴいかも、って自己満足に陥ることもあります。)
⑤だから、9.11を扱った映画という点でもう胸が一杯になった。
9.11は私にとって結構衝撃的な出来事であった(ある意味東日本大震災よりも。誤解を恐れずに言うと地震とは自然災害であり地震列島に住む我々日本人としてはいつ来てもおかしくないもの。日本人は覚悟を持ってすんでいる筈だけどもね。大惨事には違いないけれども、昔から地震と共生していた日本では先人の知恵にもっと学ばないと)
しかし、9.11は違う。国際政治の歪みが生んだ人工的なテロリズムであり、ある意味その後の世界を変えてしまった。
“真珠湾攻撃の死者は2,400人だか、あれは軍人が主な犠牲者だったが、今回は民間人云々…”ということがそうだが、台詞があり、アメリカ人にとって真珠湾攻撃はまだ生々しい記憶なんだ、ということにも驚かせれたが…
今となってはトンでもない嘘っぱちだったと分かっているが、当時の(アホ)ブッシュ大統領の空しい「イラクには大量の破壊兵器がある」というアナウンスが背後で流れる。おれによってイラクは勿論中東や世界がどれ程変わってしまったか。
脇道にそれたが、9.11である。即死だったとは思うけれども、ビルに突っ込む飛行機の乗員・乗客は寸前にどんな気持ちだったか。突然オフィスに飛行機が突っ込ん出来た時の私達と同じworkers達の心を過った想いは何だったか。熱さに耐えきれずビルから飛び降りた人の映像もあった。朝家を出たときには、その日に自分の生涯がそんな形で終わるとは夢にも思わなかった人達。