せかいのおきくのレビュー・感想・評価
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ひどい仕打ちを受ける場面では、変身すればよかったのにね(みんな、思ったかもしれないけど…)
良かった。
わざわざ観に行ってきて良かった。
モノクロの画面が映し出されて…
あぁこういう画面・映像が観たかったんだなぁと実感しながら観た。白黒の映像がとても美しく、忘れていた記憶がしっかり蘇った感じ。迫力があった。画面が隅々まで美しく映えていた。
色なんていらないのかも……。
色情報ってどういう意味があるんだろう…。
などと考えを巡らせながら観ていた。
なんて思っていたら…(まるで、「CODA」の逆バージョンでしょ! ずるい!)。
俳優さん、みんな良かった。
涙が出てくるほど。
寛一郎とお父さんの初共演、初のからみ場面も一見の価値あります。
むかし、「ふぞろいの林檎たち」というドラマの中で、
『俺は将来、「くみとり屋」になりたいんだ』
「なんで…?」
『くみとり屋って、職業が職業だから、逆に自宅は塵一つ落としてないぐらい綺麗にしているんだって…』
なんていうやり取りが、確か、あった(時任三郎さんと手塚理美さんの台詞)。
このやり取りを思い出した。
池松壮亮さんと寛一郎さんの心根はよっぽど純粋で一途で綺麗だった。
運は寝て待て
結構な人混みの中鑑賞。なぜ白黒映画なんだろう…?と思っていましたが、関連商品を見てあーなるほどと思いました。確かにこれは白黒じゃないといけんなぁと。
基本的に本編白黒で進んでいきますが、章ごとのラストにカラーになってうんこが映るという不思議な見せ方。確かにずっとカラーだと大変な絵面になりかねないので、この判断は正解だったと思います。
恋するおきくの様子がとても可愛らしかったです。バタバタする様子も、弁明する様子も、ポッとなるシーンも愛おしかったです。
特段何か残るものは個人的にはありませんでしたが、90分ほどの尺でサクッと時代をタイムスリップできる作品でした。
鑑賞日 5/5
鑑賞時間 10:00〜11:40
座席 E-1
リアル江戸
う〇この話で覚悟してたんですが、白黒が殆どなのとやはりおきくさんで薄まった感じ。
黒木華さんと言う役者さんは、特に美人でもないしスタイル抜群でもないけど(ごめん!)ほんとに上手いな~と思います。
う〇この話なのに、可愛い純愛映画みたいで良かったです。
江戸の身分制度社会をきっちり描くべし
江戸末期の汚穢屋(おわいや)を主人公に据えた物語なのだが阪本監督がサービス精神が旺盛すぎるのか実験映画のつもりなのかその糞尿を汲み取る描写がしかもアップであまりにも頻出して閉口する。これまで誰も描いていない時代劇、日本の「循環経済」が成立していた江戸時代を見直しましょうと言う狙いは分かるがそこまでとことん描いていただかなくても十分分かるのであってここまで見せられると悪ノリしているとしか思えない。改めて映画が嗅覚の無い視覚と聴覚だけのメディアであったことを思い起こさせてくれる。つまりアレは臭いさえなければ全く平気なのだ。しかし何故彼らはこれを生業としているのか?矢亮の台詞にも出て来るように江戸にはいくらでもしのぎはあるだろうにいい若者がこんな仕事を一生懸命やるなんて理解しづらくしかも銭を払って汲み取らせて頂くなんて!農家からも武家屋敷の下僕である奴からも蔑まれる存在の汚穢屋はSDGsを言う前にその身分制度の観点からちゃんと描いてもらわねば理解できません。黒木華が上手い。
黒木華が消臭剤だ
令和の豪華なキャストがモノクロ映画の中で、まるで昭和初期の俳優のように見えてくる。
人間は食べたら出す生き物。
出したものが肥料になりそれでできた野菜を食らう。
クリーンな世の中になって、すっかり忘れていたことを突きつけられた。
私は感受性が強すぎて、スクリーンから臭うはずもない臭いがプンプン臭ってしまってちょっと辛かったけど、黒木華が出てくると臭いが消える。
アイドルはトイレになんて行かない!というのとちょっと近い感覚。
黒木華からは全く臭わないだけでなく周りの臭いまで消してしまう可憐さ満載!
そして、圧倒的な美しい文字に背筋が伸びる思いだ。昔の人はすごいな。
声が出なくなってからは、今とは違ってスマホも手話もなくコミュニケーションしづらい所を、ジェスチャーゲームのように手振リで思いを伝えるシーンが健気で可愛らしかった。
そして、池松壮亮は何やらせてもいいなあ。
宮本から君へ、シン仮面ライダーなど、池松壮亮が根性出している映画は全部好きだな。
職業に貴賎なし。どんな仕事でも今自分に出来る仕事を精一杯頑張ろうという気になった。
そして、時々空を見上げて遠いせかいに思いを馳せたくもなった。
底辺でも健気に生きていくのだ我々も。
藤沢周平の市井作品を連想させる映画。佳作。
鑑賞して損はないが、取り扱いの題材が人間の糞尿なので、鑑賞するには覚悟がいる。正直なところ、私は最後まで正視できなかった。途中で退席を考えたほどだ。
画面構図も正統で、脚本にユーモアもあって、監督の力量を感ずる。白黒映画なのにところどころ、カラーになる。演者の素直な感情を表現するときに、使用するみたいだ。そんな小細工をする必要は無いと思う。心をえぐるような作品ではないが、好感は持てる。
すばらしい「せかい」をつくりあげた
ほぼモノクロ、スタンダードサイズの地味な映画である。
しかし、なかなかに中身があり、見てよかった…、「映画」は満足のゆくものだった。
時代劇は数多あれども、幕末の下層民の生活をこうした形で描いたものは今までなかったのではないか。
こうした形――というのは、汚穢屋を主人公にしている、という点だ。
おそらく、汲み取りトイレのことを体験したことのない40代より下の世代にはこの映画のスクリーンから漂おうニオイは分からないだろう。
そこに生活があり、人がいる…というのがたいへんうまく描かれている。
映画作品には文句はない。
ただ、大いなる不満がある。
見終わって、パンフレットを買ったのだが、これが1部950円。
買う前に見せてもらえばよかったのだが、先に見ている人がいたので、確かめずに買ってしまった。
案の定…予想通りの買い損である。
僕の場合、シニア料金1200円とパンフレット代950円計2150円の出費だが、1200円だけなら満足がいったけれど、パンフは200円ほどの価値もない。
この映画に限らないが、映画パンフレットの9割方は中身が薄い。
今回のもそれが当てはまる。
レベルの低い映画ライターの駄文より、プロダクションノートを充実してほしい。
たとえば、今作のキモである、下肥をどうやって作ったのか。
その出来栄えを、監督、出演陣はどう受け止めたのか。
せっかくの「ウンコ」ものなのであるから、その点を、パンフでは格好つけずに一項目割いて書いてほしかった。パンフレットにはほんのわずかにそれが何から作られたかが書いてはあるが、それを知るためだけに950円を出したのではないのだ。
パンフ制作者の編集センスがないのだろう。編集はキネ旬でやっているようだが。
何十年も前から、映画パンフレットはほとんどコストをかけずにつまらないものばかり作られている。
配給元にクレームメールをしてやりたい。
せっかくの映画の価値が台無しだ。
伝えること
江戸時代にあった「未来に通じる循環型社会のモデル」と時代劇が企画の意図だったとのこと。
でも、SDGsというテーマと日本映画を結びつけて世界に発信する、という大きな言葉には違和感を感じる。役者の演技も映る景色も狭い世界を丁寧に描く。
プロデューサーの言葉によると若い三人キャスティングは「引き継いでくれる世代に演じてもらいたかった」から。石橋蓮司、佐藤浩一、この二人の重みと凄みを感じさせる演技。それがこの三人の役者にも伝わっていくのだと思う。
日本映画、時代劇、古くて新しいテーマ。モノクロと章毎にはさまれる美しいカラー映像。そこに広い「せかい」の扉の存在が感じられた。
見終わってからもゆっくりとこの映画の「せかい」について思い巡らせている。
色のあるせかい
全編、白黒かと思っていたらところどころ色が着くのですね。
白黒も慣れると勝手に頭の中で色づいているようで、実際に色が着くとせかいが、日常でもちょっと感動しますが、、、白黒のままでもよいのに、あれは。
でも色が着かないところもあってなにか意味がありそうですが、私には分からなかった。
黒木華は白黒でもきれいで可愛らしい。
佐藤親子の共演も微笑ましい。
マリオのせいで、他の映画の回数が減って、午前に1回だけだったので、混んでいてびっくり。
最前列で見上げることになってしまったことと、昔のTVサイズの画面で見にくかった。
でも、ヒット作も映画館にとっては良いことですよね。2000円が普通のせかいにはなって欲しくない。
なるほど、白黒じゃないとね
冒頭から強烈
小さい頃、親戚の家の田んぼにありました
牛のやつが
なんせ、人口より牛の数が多いとこだったんで
しかし、人はすでにバキュームカーにお世話になっていました
白黒でも案外楽しく見れました
華ちゃんの着物の色がピンクだとは想像できなかったですが、似合う
至る所で肥の入った桶を転がしてましだけど
大丈夫なのか?そーゆーものだったのか?
日本史授業を取ってなかったので
安政がいつの時代かは知らないですが
ダジャレを言ったり
恋愛感情もったり
近所の人が心配してくれたり
今とそんなに変わんないですね〜
日本だからかな
ゴミ問題はいつの時代も大変な思いをしてくれている人がいるから生活できてるんですもんね
そして、その仕事をしてもらって恩恵受けてる人が忌み嫌うという、これまた今でもある問題だなぁ
結局は臭いものに蓋しちゃうんですかね
白黒でよかった
地味な時代劇でこれといった極悪人は出ないしチャンバラも無し。
しかも主人公は江戸の汲み取り屋と落ちぶれた武家の娘。
「アレ」を中心に話が回るんだけどかわやでの汲み取りシーンや
こぼしたのを手ですくったり怒った顧客に頭からぶっかけられたり
ビジュアル的には血みどろスプラッタシーンよりキツい。
カラーにしなかったのは正解。
しかし2カットだけカラーになるシーンが!
目を背けたくなります。
いくら作り物とはいえ出演者たちは良く頑張りました。
アレは何で出来ているの美術さん。
冗語の世界
2023年。阪本順治監督。江戸時代末期、糞尿処理と紙屑拾いの若者二人と、不正を告発して落ちぶれた武士を父に持つ娘の出会いとそれぞれの生活を描く。糞みたいな世界(比喩)を呪いながら糞にまみれて生活する(現実)男たち。言葉にできない感情を抱えながら、実際に言葉を失ってしまう娘。二重化している映画世界のなかで、しかも登場人物たちはそれを自覚してネタにしており、多分に演劇的に生きている。ひとつの事態が三重化しているのだ。
肥溜めのシーンがこれでもかと描かれることではなく、このしつこさに辟易するか、面白い試みとみるか。徹底して市井の人々の暮らしと感情に寄り添い、それを美しいと感じる阪本監督の感性に寄り添えるか。瞬間の美しさを捉えることに躍起となって、カットのつらなりから浮かび上がる運動や感情はさほど意に介さないことに意を唱えるかどうか。いろんな意味で見る者を選ぶ映画だ。
自然に優しい江戸の循環型社会が社会的差別を内包していること、そのなかでも咲く花があること(もちろん蓮!)という物語の要諦を見逃す者はいない。
2023年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
『せかいのおきく』というタイトルやモノクロームな美しい映像からは想像もつかない様な"糞まみれな"純愛青春映画でした。
時代の権力構造の中で、未来の見えない将来に悲観する暇も無く、ちょっとしたユーモアを忘れず、ほろ苦い青春を生きる、3人の若者の物語でした。
ネガティブさよりも、淡々と毎日を生きる中で、ひとつひとつの困難を乗り越えようとする物語は、共感出来ました。
細やかな演出には派手さはありませんでしたが、逆にそれがとてもリアルでした。
この映画は、肥溜めの糞をこれでもかと描き、日本映画史上とても稀有な作品となりました。
上映館も少なく、レイトショーでの上映予定もほとんど無いようなので、このゴールデンウィークに観ることが出来て良かったです。
オススメ!
上も下もない。
63本目。
衝撃的な始まりで、これが最後迄とは。
これがカラーだったらとは思うけど。
解釈、感想人各々。
身分の違いあるけれど、飯食って排泄するのは皆同じ。
上も下もない。
まあ、そう解釈。
汚穢屋2人の腰が、もう少し座ってくれれば良かったかな。
池松壮亮が熱演!幕末の時代の糞尿を売り買いする底辺の人たちをリアルに描く。
阪本順治監督には「エルネスト」やキューバ関連イベントでお会いしたことがある。あまり取り上げられないテーマをしっかり向き合って製作されている印象を受けた。「団地」も面白かった。
今回の映画は、「気鋭の日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が協力して、様々な時代の「良い日」に生きる人々を描き「映画」で伝えていくYOIHI PROJECTの第一弾作品です。」(公式HP)とある。江戸時代の幕末の頃の糞尿を売り買いする底辺の人たちと長屋、そして武士。理不尽な仕打ちを受けるもひたすらに耐えて生き抜いている人たち。
黒木華は武士の娘であるが事情あって長屋に住んでいる。武士のホコリを持つ父と暮らし、気丈夫でしっかりしている。
個人的には池松壮亮の役どころがとても印象的で、あの時代を生き抜くサバイバル精神を持っている。それは揺るがない身分制度の中に身を置き、それから逃れることもできない自分をよく知って耐えて生きてる。そこを演じきっている。庶民の日常の生活をありのままに描き、下からの視点をリアルに伝えようとする試みは、一見地味ではあるがじわじわと心に残る映画であると思う。
その後、時代は大きく変わっていく事となる前の時代。彼らがより人間らしい生活ができるようになるのであろうか。
ほぼ全編モノクロの映画であることが、時代を感じさせる。糞尿が画面に頻繁に映るのでその方がいいのだが。ほんの数カットがカラーになる演出もある。
人間は仕事に生きるに非ず、役割りを見つけ出せ
本作は予告編を見て、絶対に見ようと思っていました。
日本の時代劇にはチャンバラ(アクション)メインの作品と、落語の様な長屋モノの庶民の日常を描いた作品と、大きく2種類のタイプがあって(テレビなどのシリーズでは両方融合されたものが多い)、割合で言うと圧倒的に前者タイプの方が多く、本作は珍しく後者の物語の様だったので見たくなりました。
更には、後者の傑作の代表に『人情紙風船』という作品があり、この作品の影響なのか悲劇的で暗い作品が多かったのですが、本作は悲劇的要素も含みつつ最後は希望で終わっていたのも珍しかったです。
で本作の内容ですが、テーマとして恋愛モノと生き方(人生観)について、大きく2つの核で物語が進み、私は前者は苦手な分野なので後者のテーマに様々な考察へのインスピレーションを貰いました。
ここからは少し映画から外れた内容で進んで行くとは思いますが、映画のメッセージには通じるとは思いますのでご容赦を…
近年、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)という国連目標が叫ばれ続けていますが、これを聞いて意味や主張は分かるがどうしても真剣に聞けず鼻で笑ってしまう人が多くいて、私もその一人です。
何故そうなるのかというと、様々な社会問題に対していつも同じセリフの繰り返しになるのですが“今更言うな”に尽きるのです。今更言うこと自体が遅すぎるのですよ。
歴史的に産業革命から200年間、世界はこの方向で進んできたのです。それからずっと自然破壊しながら、一部のパワーを持った人間の目先の豊かさだけを追いながら、将来の危機についても予測していながらも突き進んだ人間が、200年前に戻れるのか?という疑問から、今更信じられないという意味で苦笑してしまうのですよ。
まさに人間社会に於いて、歴史上最も激しく変化したこの200年であり、そして本作がまさに200年前の日本の姿であって、今の日本人が当時の生活に戻れるのか?ということです。
何故、人間は自然破壊をしてまでも産業革命を突き進んだのか?という疑問を解決してからでないと、急にSDGsを叫ばれても何も進まないという話です。
それを踏まえ話を本作に戻しますが、人間社会の歴史は何千年前に“都市”というものが出来てから、糞尿問題との戦いでもあった筈です。
少し前「水滸伝」を読んだ時もこのエピソードが出てきましたし、欧米社会のハイヒールも糞尿対策から生まれたものだと聞いていて、日本の江戸は世界でもその対策が最も進んだ都市であったと言われています。まさに今言うSDGsの理想社会であったのです。
本作では“役割り”というのが重要なテーマになっています。
現在、機械化・AI化によって産業革命以降に生まれた人間の“仕事”(労働)というのがかなり無くなってしまっています。だったら人間は仕事をしなくても良いのか?という問題が出てきますが、江戸時代の庶民(町人であり、士農工商の工商に当たる人達)というのは殆どがフリーターだったらしいです。武士と農業の様な毎日毎日一定の仕事がある人間などいなかったという意味です。皆が皆その日暮らしの日雇いの様な存在であり、“宵越しの金は持たない”という言葉は、その日暮らしのそうせざるを得ないという意味でもあるのです。なので、当時は“仕事”という言葉よりも“役割り”という言葉の方が重要だったのだと思います。
で本作は、仕事が無くなりつつある現代人が参考にすべきは江戸時代の庶民の生き方(思考法・観念)の中にヒントがあるのかも知れないという映画だったような気がします。
SDGsを叫ぶなら、こういう物語の様に人間の本質とは?から、じっくりと世界的なコンセンサスを得ながら教育と方向転換を進めなければ、ただの絵に描いた餅に過ぎないってことだと思いますけどね。
映画の述べる主義主張が何なのかがよくわからないが…。
今年145本目(合計796本目/今月(2023年5月度)2本目)。
まず、この映画は予告編などからして相当昔の映画のリバイバル放映なのか?と思えるような状況になっていますが(モノクロ)、映画の中ではカラーな部分がなぜか1か所だけある(4章と5章の間の部分。なお、現代に巻き戻ったりするようなタイムワープ的な仕掛けはない)ので注意です。
で、この映画がなぜにほぼほぼ99%モノクロなのか…というのは、この映画が扱うものが「ある特殊なものである」というところに大半つきます。もしカラーならもうそりゃR18は免れないでしょうというところです。
ただ、冒頭にも書いたように、この映画は何を述べたいのかがよくわからないのは、多くの方が書かれているところで、どうにもわからず。テアトル系列系の映画は比較的述べたいことがはっきりしている(「はい、泳げません」など)映画が多いと思いますが…。
・ この時代に(実は、現在でも)価値の高かった、「ある肥料の類」に関すること(この点がモノクロに関係する)?
・ 当時の女性の人権に関すること?女性の識字率の問題?
・ あるいは、タイトル通り「せかい」が意識されるようになったのもこのころであるのは史実上事実なので、そのこと?(ただし、海外は一切描写されない)
・ いわゆるSDGsのこと?
…といろいろ考えられるのですが、どれもが正解で一つに答えが定まらないように思えます。90分ほどと短いことと、登場する女性の意思疎通が困難であること(映画内では識字率の問題(寺子屋か何かに行くような発言がある))などによります。
ただ最後まで頑張ってみると、「英語字幕版担当だれそれ」というエンディングロールが出ることから、この「モノクロにせざるを得なかった、当時の農業ほかで重視された「あるもの」」について海外で日本で紹介する趣旨で海外進出を想定されているのではなかろうか…という気がします。そうであればストーリーを複雑にすると理解が困難になるので(特に歴史ものは海外の方にはどうしても厳しい)、どうもそれが正解(最大公約数的につくったらこうなった)という気もしますが、さて何が正解なのか…。
やや「何を述べたいかよくわからないタイプの映画」とは言えます。ただ、人の気分を害したりするような発言描写はほぼほぼありません。
採点に関しては下記を考慮して4.7を4.5まで切り下げています。
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(減点0.3/映画の主義主張が何なのかが見出しにくい)
多くの方が指摘内容にされている通りで、「この時代に重宝された「ある肥料のようなもの」」の話なのか、当時の女性の識字率等の問題なのか、あるいは「せかい」の認識の話なのか、それともSDGsか…と複数考えられてしまいます(多分一つではなく複合的に存在する?)。
特にテアトル系列さんの映画は理解の差はあっても、主義主張ははっきりしている映画が多いので、ちょっと意外だったかな…というところです。
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時代描写には難を感じるが、監督の思いが世界に届けば良い
肥汲みに関する描写が強烈で、そのために基本的にモノクロで描かれたらしい。時折カラー場面も出てくる。ただ、言葉遣いといい、長屋の人々との仲の良さのみならず浪人の娘との恋といい、フィクションとはいえ、江戸時代の描写として難を感じるところではあった。ただ、SDGs がテーマであり、『カムイ伝』でも身分の差を超える恋や、支配階級への反逆が描かれていることとも通じる面を感じた。阪本監督の思いが世界に届くならば、良しとしたい。
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