劇場公開日 2023年4月28日

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「映画の述べる主義主張が何なのかがよくわからないが…。」せかいのおきく yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画の述べる主義主張が何なのかがよくわからないが…。

2023年5月3日
PCから投稿

今年145本目(合計796本目/今月(2023年5月度)2本目)。

まず、この映画は予告編などからして相当昔の映画のリバイバル放映なのか?と思えるような状況になっていますが(モノクロ)、映画の中ではカラーな部分がなぜか1か所だけある(4章と5章の間の部分。なお、現代に巻き戻ったりするようなタイムワープ的な仕掛けはない)ので注意です。

で、この映画がなぜにほぼほぼ99%モノクロなのか…というのは、この映画が扱うものが「ある特殊なものである」というところに大半つきます。もしカラーならもうそりゃR18は免れないでしょうというところです。

ただ、冒頭にも書いたように、この映画は何を述べたいのかがよくわからないのは、多くの方が書かれているところで、どうにもわからず。テアトル系列系の映画は比較的述べたいことがはっきりしている(「はい、泳げません」など)映画が多いと思いますが…。

 ・ この時代に(実は、現在でも)価値の高かった、「ある肥料の類」に関すること(この点がモノクロに関係する)?
 ・ 当時の女性の人権に関すること?女性の識字率の問題?
 ・ あるいは、タイトル通り「せかい」が意識されるようになったのもこのころであるのは史実上事実なので、そのこと?(ただし、海外は一切描写されない)
 ・ いわゆるSDGsのこと?

 …といろいろ考えられるのですが、どれもが正解で一つに答えが定まらないように思えます。90分ほどと短いことと、登場する女性の意思疎通が困難であること(映画内では識字率の問題(寺子屋か何かに行くような発言がある))などによります。

 ただ最後まで頑張ってみると、「英語字幕版担当だれそれ」というエンディングロールが出ることから、この「モノクロにせざるを得なかった、当時の農業ほかで重視された「あるもの」」について海外で日本で紹介する趣旨で海外進出を想定されているのではなかろうか…という気がします。そうであればストーリーを複雑にすると理解が困難になるので(特に歴史ものは海外の方にはどうしても厳しい)、どうもそれが正解(最大公約数的につくったらこうなった)という気もしますが、さて何が正解なのか…。

 やや「何を述べたいかよくわからないタイプの映画」とは言えます。ただ、人の気分を害したりするような発言描写はほぼほぼありません。

 採点に関しては下記を考慮して4.7を4.5まで切り下げています。

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 (減点0.3/映画の主義主張が何なのかが見出しにくい)

 多くの方が指摘内容にされている通りで、「この時代に重宝された「ある肥料のようなもの」」の話なのか、当時の女性の識字率等の問題なのか、あるいは「せかい」の認識の話なのか、それともSDGsか…と複数考えられてしまいます(多分一つではなく複合的に存在する?)。

 特にテアトル系列さんの映画は理解の差はあっても、主義主張ははっきりしている映画が多いので、ちょっと意外だったかな…というところです。
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yukispica