「喧嘩と色事の無い娯楽作品」きみの色 レレレさんの映画レビュー(感想・評価)
喧嘩と色事の無い娯楽作品
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タイトルの言葉は
ある脚本家がお師匠様に言われた教えから
「芝居が持たなくなったら喧嘩か色事を入れるんだよ」
その言葉にあるように
多くの娯楽作品では
バトルやラブストーリー(またはエロ)が大きな売りになる
特に最近の多くの大ヒットアニメ映画がそうだし
だが本作には見事にそれらが無い
メインキャラもサブキャラも
みんな平和的
トツ子がきみを寮に泊めた問題も
労働奉仕で済んじゃうし
メイントリオが男1人女2人だと
普通はトライアングラーであわやバンド解散とかなるが
本作は全くそんなことは無いし
合宿しても全くエロい展開にはならないし
事件らしい事件も無く
クライマックスは教会でライブ
尼さんが踊りまくるのは
「天使にラブソングを」か「ブルースブラザーズ」辺り
意識したのかも知れない
ルイが船で去るシーンでは
ルイが海に飛び込まないか焦った
(ヴァイオレット・エヴァーガーデンじゃねえよ!w)
京アニ出身の山田尚子監督ということもあってか
絵がとにかく綺麗
カチッとした感じではない
ほんわかした画風は「リズと青い鳥」を想起させる
あと主人公が人を色で見えるという設定のせいもあり
色使いがまた淡くて綺麗
個人的にはまた京アニに戻って来て欲しいとも思うけど
本作見てからは監督は京アニ流を日本アニメ界で布教する為に
旅立ったと認識することにした
そんな訳でとても平和的な秀作
物凄い感動ではないが
ほんわかいい気持ちにさせる
ただ最近の大ヒットアニメで
感動した泣いたと騒いでる層には
良さが理解出来ないかも知れない
濃い味付けのインスタント食品や総菜に慣れた人が
京風の上品な味が薄味と感じるように
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