「ベニー可愛いよベニー」ベニー・ラブズ・ユー ヤドンさんの映画レビュー(感想・評価)
ベニー可愛いよベニー
久しぶりにハマる映画に出会えたなぁ!と言うのが1回目を見え終えた直後の感想。
たまたまアマプラで見つけてホラー版トイ・ストーリーと言う触れ込みに『ホラー版トイ・ストーリー?見た目が可愛いチャッキーの間違いっしょ?笑』と思いながら軽い気持ちで見始めるとあっと言う間の90分で『確かにホラー版トイ・ストーリーだな・・・』と納得してしまった。
ストーリーは捨てられたおもちゃが持ち主に恨みを抱いて命を宿して復讐をする、と言う割とあるストーリー。本作のマスコットのベニーも持ち主のジャックにこれまでの負け犬人生から決別するためにと捨てられてしまい命を宿す事になる・・・がジャックから愛情を注がれていたベニーはジャックを襲うことは無く、自分を捨てたのはジャックを追い込んだ周りの奴等のせいだ!とヤンデレヒロインみたいな思考で他人を襲い出す。
首チョンパも串刺しも、喉を掻っ切るのも全ては愛するジャックのため。やってることはエグくても動作のひとつひとつがユーモラスで愛らしい。中盤の平和な日常パートではベニーの可愛さが良く表現されてて数分前に人をナイフで滅多刺しにしてたシーンがあったのが信じられないくらい。
終盤で自分を拒絶し、仲違いするも咄嗟に窮地から救ってくれたジャックをビンタ1発で許した後、ジャックを逮捕しに来た警察官からジャックを守るために立ち向かって行くシーンには痺れる。弾丸を全身に浴びながらも大好きなジャックを逮捕して連行なんてさせない、自分から引き裂くなんてことはさせないと警察官に立ち向かって行く姿は殺人おもちゃvs市民を守る警察官、と言う設定を忘れさせるくらい健気で愛に溢れてました。
1周目を見終えた後に直ぐに2周目も観ましたが、単純なB級ホラーと思いきや結構考察要素があったり、ホラー映画に関する小ネタがあったりするのもgood。最近の映画の中では間違いなく上位にくい込む作品で、ベニー自体はホラー映画のマスコットキャラクターとしては断トツのトップだと思います。調べたら制作会社からベニーのぬいぐるみも販売されてましたので勿論買いました。個人的には続編制作のクラファンなんかもあれば迷いなく最高額支援をぶっ込みたいくらいハマりました。
本作は表現自体はゴアなシーンはそこそこありますが、下手にリアルっぽく見せようとするのでは無く、80年代ホラー映画位のリアルさなのでゴア映画慣れしてる方からすると、それこそコメディ映画のレベル。ベニーもパペット映画の様なモーションですが、それがベニーの可愛さを引き立ててますね。
ちなみに本作の監督のカール・ホルト氏は2006年にエディラブズユーと言う本作のプロトタイプにあたる30分映画も制作されてます。
残念ながら日本で視聴するのは難しそうですが、そちらも是非見てみたい。