「もう立つことのない一本の赤いロウソク・・・号泣😭💦」いつかの君にもわかること もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
もう立つことのない一本の赤いロウソク・・・号泣😭💦
①日本語も時代と共に変化していくことは頭では理解している。しかし、歳を取ってくると言葉の意味の飛躍に時々文句を言いたくなる。
「号泣」とは本来“声をあげて泣くこと”である。しかし、しばらくの間に単に“眼を潤ませて”も“静かに落涙”したくらいでも「号泣」と表現される様になってしまった。
『違うやろ』と言いたいが、もうこの時点で“老害”なんてしょうね。
②でも、この映画では文字通り号泣させられた。映画を観てこんなに泣いたのは『ギルバート・グレイプ』以来かも。
ただ、上映中は声を出すのが恥ずかしく声を殺して落涙していたが、とうとう我慢できなくて次の映画(『オマージュ』)の本編前の幕間でオイオイ泣いてしまった。
ああ、恥ずかし…
③これも年のせいか、最近は殆どどんな映画でも泣かせるシーンでもないのに涙ぐむことが多い。
だから段々冷静に映画を批評できるのかないと思ってしまう。
本作でもマイケルが登場してきた時からウルウルしてしまった。
④ジョンは生い立ちやタトゥーを入れまくっているところや、仕事にクレームをつけて支払いをケチる客の家の窓や車のフロントグラスに卵をぶつけるところ、あまり母親に相応しくないような女性を選んでしまったところとか、若い頃は結構ヤンチャだったのでは、と思わせるがマイケルといる時は誠に良い父親である。
⑤ウサギ(と思うけど)のぬいぐるみくらいあげろよ、オバハン(私より年下だろうけど)。
⑥ジョンを見上げるマイケルの顔の静止画で映画に幕を下ろしたところもよろしい。
基本的にはハッピーエンドではない話なんだけれども私としてはハッピーエンドとしたいな。
私としても同じ立場であれば里親にあの女性を選んだろうから。
「号泣」
なるほど、本来は「大声を上げて」泣くことなんですね。私は激しく泣くことを「号泣」とよんでいたような気がします。
この監督の作品である「おみおくりの作法」と「イエスタデイ」は私にとっての2つだけの号泣した作品と思っていましたが、号泣という表現は適切ではなかったんですね。
考えてみれば、私は一生のうちでも号泣したことはないかもしれません。(小さな頃を除いて)
もう立つことのない赤いろうそくは私も映画を見ながら意識しました。監督さんはさすがですね。