「良かった」いつかの君にもわかること くーさんの映画レビュー(感想・評価)
良かった
おみおくりの作法がとても良かったので観たが、期待を裏切らない良さだった。
ジョンがマイケルを諭さねばならないときの向き合い方、すごかった。
・預け先の子と仲良く過ごせず謝らせたいとき
・ぬいぐるみを返すとき(なら渡すな!と思った)
パンフレットにも写真があるけど、マイケルが寝る前の、2人手と額を合わせてのお祈り。
父に死が迫ってて養親探す、とストーリー知ってて観に行ったから、こんな優しく包むように育てられてるマイケルを、ジョンと同じくらい大切にしてくれる人を探すって難しいんじゃないかと不安になった。
それが的中したかのように、養親になりたい(なってる)人ってあんなのしかいないの?と思うレベルの人たちのオンパレード…
ジョンじゃなくても絶望するよ…
自分たち2人しか視界に入ってないようなデブ2人、
ぬいぐるみ返せだの子どもにオレ様の電車は触らせられない等々最低すぎる2人、
すでにたくさんの里子がいるけど、子どもたちがあまり幸せそうに見えない2人…
すでに里子を預かってる人もどうなの?って人ばかりで、うわぁ…ってなった
海外ではどうかわからないけど、
里子も養子も、実親と暮らせない子のための制度で、子が欲しい親に子をあてがうものじゃないと思うんだけどな…
人生の1ピースとして子どもがほしい、
最期に良いことしたと満足したい、
は…?????
実子にしろ養子や里子にしろ、
親に良い人生だったと満足してもらうために存在するんじゃない。
親は子に教育を受けさせる義務とか、幸せになるよう愛し満たしてあげる必要があると思うが、
子には親に対する義務なんてないよ。
最後に選ばれたあの人は、
粗野な印象も否めなかったけど、つらい経験してきた故の優しさもにじむ人柄だった。
最後の笑顔が素敵な人で名前知りたいと思ったけど、パンフレットのローズマリーって人?
ジョンが養親に恵まれたように(度々出てきた老女は養親だと思ったけどちがうかな?)
マイケルも良い人に縁付いたと思いたい。
それにしてもジョンが良い人で、自分の育ちもひどい環境だったのに、自分の子にあんなに素晴らしく向き合える人がなぜ子を置いて亡くならなければならないのか…
ジョンとマイケルがずっと2人で生きていければ良かったのに…
ジョンの担当で一緒に養親探ししてくれた若い方の女性の、立場上守るべき規則とクライアントのジョン、自分の良心の板挟みになってる台詞が良かった。
車の修理をしてくれた人、ジョンの養親だと思われる女性、ジョンの周りにはジョンを想い心配してくれる人がいる。
後任に親切な引き継ぎをできるジョン、怒りを抑えられ、何こいつと思うような養親との面談など、どんな場でも大人の振る舞いができる。
マイケルもきっとそんな人になる。
ジョンの窓拭きにケチつけた仁王立ちクズに天罰が下りますように。ジョン、よくあの場で怒り抑えたよな…
生卵投げつけてくれてスカッとした。
人としての品格、器の大きさは、
下に見てる職業の人を仁王立ちで監視し、料金をケチるような輩には理解できないだろう。
最初やらないという意志が固かった息子への贈り物ボックスに、ひとつひとつ愛おしそうに入れていくシーン、
なぜジョンが病気に、なぜこんな良い父親が息子を残して死なねばならない、涙出た。
マイケルが大好きな赤の封筒に入れた手紙、
息子を捨てて行ったけど、ジョンが彼女を愛したことは事実なんだろうなと感じさせる母親の手袋(中に母子の写真を入れるとこ 涙)
ジョンの最期が満たされたもので不安の少ないものでありますように。
マイケルが幸せになりますように。