劇場公開日 2023年2月3日

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「ラストが…」バイオレント・ナイト キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ラストが…

2023年2月12日
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かなり早い内にセリフで『ホーム・アローン』や『ダイ・ハード』のタイトル名が出てきて、「そういう映画ですよ」と宣言される。

そうなると観客としては潔く、クリスマスに暴漢達をやっつける映画ね、と居ずまいを正すワケだけど、想像してた以上に暴力やゴア表現に振り切ってて、でもちゃんとファンタジーであり基本的にはコメディ。

そんなこんなで最後までかなり面白く観たんだけど、気になるのは(ここからネタバレします)あのラスト。

悪党を倒した後、瀕死のサンタが「寒い」と言って、お父さんとお母さんが盗み出した札束に火を付けて焚き火を作る。もちろん物語としては家族が新たなスタートを切るためにお金と決別する仕掛けなんだけど、そこであえて火を点けるのは札束でなくても、ここには他にたくさん燃えるものがありそうだし、これ見よがしのお金燃やしは興醒めしてしまう。
そもそも映画で出てくる「怪我人の『寒い』」は死亡フラグであって、あそこで火を焚いたところで、現実的に重傷の彼の延命に役立つとも思えないし、焚き火を始めた彼らを見て、我々としては「そういうことじゃないよね」と思っちゃう。
で、やっぱり死んじゃって、皆がサンタの存在を信じたら生き返るってのも…。クリスマスムービーではあるけど、レイティングを考えてもこの映画の観客に子供はいない訳だから、もう少し大人が飲み込みやすい筋立てにできたと思うんだけど。
ホントにちっちゃなコトなんだけど、やっぱりラストは上手にまとめて欲しかった。

ということで、少し減点して★は3.5。
ただ、間違いなく面白いので、クリスマスシーズンに観られてたらもう少し高くてもいいな。

キレンジャー