ルネサンスの巨匠 ラファエロのすべてのレビュー・感想・評価
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コロナ禍で苦闘した大回顧展が見られる
2020年3月初にローマで開幕しながら、すぐにコロナ禍で閉鎖され、当初の閉幕予定の6月初に再開され、8月末まで延長された史上最大のラッファエッロ展の様子を映画で見られるとあって、市川妙典のイオンシネマまで行ってきた。都内でも上映館はあるが、日時が限られていて、夕方から見られるのは、首都圏では今はここと川口のイオンだけなのである。
関係者や専門家の解説で企画のコンセプトもよく分かった。入口がいきなりパンテオンにある墓の複製で、その葬儀を描いた絵画を置き、ラッファエッロの存在の大きさを示し、絵画だけでなく考古学者、都市計画者としての仕事も明らかにして、最後に原点と言えるスケッチに至るという構成。映画は企画に携わった人々の解説も交えながら展示を見せ、ラッファエッロの生涯も資料映像で振り返る。
若くして死んだのに多作で、レオナルドやミケランジェロのようなクセもなく、誰が見ても完璧なので、模倣され教科書みたいになって個性が目立たなくなる逆説を研究者が語っていて、なるほどと思った。パトロンの要求をうまく実現して大きな工房も持つビジネス上手なところも天才。
クイリナーレの展覧会は、イタリアが総力を上げる企画が多く、いいものを見せてもらった。
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