劇場公開日 2023年5月26日

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波紋のレビュー・感想・評価

全155件中、101~120件目を表示

2.0クレイジーな脚本についていけず…

2023年5月30日
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鑑賞方法:映画館

難しい

「新興宗教」というワードだけ聞いて面白そうだったので鑑賞。

起承転結の大きな「転」がなく、ずっと平行線でぬるっとして話が進んでいく。まるでコンテンポラリーな演劇を見ているかのよう。

夫の食事中のくちゃくちゃ音とか、主人公が枯山水の手入れをする時の砂の音など日常のちょっとした不快な音を演出するのが上手いなぁって思いました。劇中のとある音がラストシーンの伏線になっていたりね。

結局、緑命会に費やしたお金はいくらだったんだろう?水買って貯金が無いのかと思いきや治療費も出せたわけだし…

スーパーのクレーム爺さんは半額にせざるを得ない事情があるかもしれないから仕方ないって感じで終わったけど、いやいや許しちゃダメでしょう。その人をOKしたら真似する人が出て収拾つかなくなりますよって思いながら見てました。

夫が新興宗教の勉強会に連れていかれて、祈りの踊り?をさせられてる時の光石さんめっちゃ可愛かったです(笑)手で丸つくるところをハート作ってたところが特に。

あと磯村勇斗さんの演技も良かった。昨年は「PLAN 75」や「異動辞令は音楽隊」にも出演され大活躍ですね。少し影のある役が似合います。この映画では彼女を連れてきてイチャイチャしてるシーンがほっこりします。手話してる姿も素敵です。

最後のフラメンコ踊る場面もよかったです。喪服と赤がとても映えていました。

見終わって「脚本頭おかしいな」って思いました。もちろんいい意味で。ストーリーは特に面白くはなかったのですが、嫌いではないです。

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餅

5.0緑命水売ってほしいwそしてムロ探し!

2023年5月29日
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笑える

怖い

興奮

5月上映作品で1番観たかった本作!荻上直子監督、脚本。筒井真理子さん、光石研さん!!もうこれだけで高まる期待!
近年はジャンルレスな作品で意見が割れる事もある監督ですが、本作も然り。震災、介護、新興宗教、障がい差別、ご近所付き合い、更年期、親ガチャ、職場環境と幅広い題材を取り扱っているように見えますがそれは、私達の「日常」特別な事ではないのです。悩みのウエイトを占める割合は誰しもが違いますが、ない人はいない。みんなどうにか折り合いを付けて生きている。
 依子(筒井さん:役名まで考えられているね)は夫の修(光石さん)の失踪→義父の介護看取りを経て宗教へのめり込んでいく。日常の小さな波紋がぶつかり合い徐々に広がっていく。頼るものを必要としている依子は自立するのか?出来ないのか?が見所かな。
 緑子さん演じる宗教のリーダー的存在のうわっぺらのうっすーい発言に比べて木野花さん演じる清掃のおばちゃんの言い放つ的を得た正論が痛快!でも依子の心は緑命会で満たされていて届かない。もどかしい!そんなおばちゃんにも闇があり。。病院での何気ない会話からの仏壇のシーン!泣くってば!!( ; ; )
物語は静かに、それこそ波紋が広がっていくように流れていきますが、出演者が全てにおいて良い味出してて濃いです!江口さん、紙ちゃん。もう怖くて笑う!玉ちゃん!猫来てるからw!最近よく会うね、息子の拓哉役で磯村君!変な爺さん役で柄本さん!又いるw!良いですね!そんな中で目が離せなかった彼女役の珠美を演じた津田絵里奈さん!!素晴らしかったです!!!小柄でちょいダサめってのが又憎らしさ倍増でw あの舌っ足らずな話し方で「おかあたん」「たくちゃん」ってもう、キーーーΣ(-᷅_-᷄๑)!ってなるなる!普通彼氏の母親と2人だけで出かけるなんて絶対嫌なのに笑顔で行きたいですぅ〜って。腹座ってんなと思った上をいったあの場面!おおおー!
依子さんの反撃で少しシュンとしてたけどw ただ(敢えてこう書きますが。。)障がい者が健常者と同じ様な重さで皮肉めいた事を言う時、もっともっと嫌味な言葉で着色しないと同等にならない感じ。わかりますか?文才なくて伝わらないかもですが、やっぱり障害者=可哀想って感情って植え付けられてるんだな〜って。まさか障がい者からあんなトゲを刺されるなんて想定外。って思いませんでしたか??すごいシーンでした。今後注目です!(津田さんは二児のママさんなんですって!綺麗なママで羨ましいなぁ〜)
そして時折挟まれた手拍子の意味。長回しのラストシーン。こう繋がるのね。絶望にのみ込まれるな、前に進もう!解き放たれた依子さんの解放感が見事に表現されたラストでした。正に「絶望を、笑え」
筒井真理子さん「よこがお」超えの代表作になりますね♪こういう邦画がもっと売れればいいのに!緑命水とか売店で売ってさ。みんな出先で持ち歩いてさ。ブラックで楽しいじゃん。そんな日常って良いのにな。とりあえず40代以上の人は全員観て欲しい!

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ゆき

3.0現代劇の様は、普遍的かも。

2023年5月29日
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笑える

怖い

全編を通じて、ブラックユーモアの様に感じた。笑えるところは沢山あるけど、悲しく虚しいばかりだ。
信仰の集いとプールの友人との場と夫婦の場。3つのシーンがとても対比的で、主人公はプールの時間が、本当に生き生きとしている。
その姿が本当に素直に見える。

あゝつまり
人間の業ってのは恐ろしい程に美しい笑みを浮かべて、身の周りに広がるのだな。ってのが感想。

こうあるべきだ。なんていう常識人が出てきて、都合よく困難を解決して、ハッピーエンドになんてしてくれない映画です。
誰一人そんな人は出てきませんので。
ずっとニヤニヤして楽しんで下さい。

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khanibal

4.0シリアス?いやいやコメディ???…⭐︎

2023年5月29日
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☆ムーミン

3.5フラメンコ

2023年5月29日
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仲のいいおばさん家は、ビックリしました。
カメは元気でしたね。

息子の彼女とはどうなったんでしよう!

緑命水は、詐欺ですかね?

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かん

4.0皮肉を笑う

2023年5月29日
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鑑賞方法:映画館

更年期、老いを感じるお年頃。
何かに縋りたくなる時もある。
章転換でリズミカルな奏でる手拍子が、
最後のお見事な「あれ」に繋がるのは
素晴らしい。
柄本明へのあの返し方は
「スカッとジャパン」並みでした。

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tuna

5.0緑子さんで緑水…(笑)?

2023年5月29日
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笑える

悲しい

興奮

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るー

4.0うまいよなー。

2023年5月29日
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荻上監督色。ワンシーンワンシーンをパズルのように淡々とつなげて描いていくの、うまいよねー。福島原発から宗教問題、差別発言やらなんやらてんこ盛りな題材をサラッと表現、心に染みる…。監督の力量と芸達者な役者が噛み合うからこそ。良かった。

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peanuts

3.5手拍子はそういう事でしたか

2023年5月29日
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他評者各位の談論風発ぶりが示す通り、様々な解釈を許容する良い作品。
当初は依存していた宗教団体すら利用し(という自覚はなさそうだが)夫の罪悪感を刺激して追い詰め復讐を遂げる筒井真理子の怪演は,清々しささえ感じさせる。

漫画「妻が口をきいてくれません」の無神経夫はこういう最期を迎えるのだろうな。

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ひろちゃんのカレシ

3.5🇯🇵ぽい作品

2023年5月29日
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Keita

4.0妻帯者には頭が痛い

2023年5月29日
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梅じんの相棒

4.5こっちを選んでよかった

2023年5月29日
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注目作が目白押しの状況で
見たい映画がたくさんある
時間の制限があるなかで
どれを選ぶかとても悩んだ
そんな中で、どう見ても注目されてないし
話題にもなってないけど
何か引っかかる部分があり
観ることにしました

宗教にすがる、ハマっていくロジックもやむなしだし
こんな形で、人には言えない、表には出せない感情や境遇に生きている人は
世の中たくさんいるのだろう
クレームをつける爺さんも
掃除のおばちゃんも
そうなのだろう

彼女の心の内を表すような
無に近い意味合いで
音を避けて制作されていて
とても良かった
時に「ズーン」ってなる感じも
洋画あるテイストで良かった

半面で心が躍るような場面では
邦画特有の、例えて言えば伊丹作品のような
コミカルな音も組み合わせてましたが
こっちの演出は古臭くて不要だったと思います

定点で示した画角には
部屋や庭の状況が変わる
それを示すことで
変化を表すのもとてもいい演出だった

ずっと見ていられる映画だなと思った

ラストシーン
雨なのに、晴れていて
「気が回らねーな、どんな天気だよ!?」
って思ってたら
あの舞!ちゃんと意味があったので
満足感が高い映画になりました
とてもおすすめできる一本です。

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おっちょ

3.0名バイプレイヤーのオンパレード!

2023年5月29日
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前情報無しに観たのですが、なかなか面白かったです。
作品を支えるキャストが素晴らしいですね。劇団系な感じの役者さんで好きな人ばっかりでした。
ラストはポンジュノの母なる証明を思い出す感じで好みでした。
それにしても柄本明さんどこにでも出てるな~

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Hideking

3.5要所要所笑える

2023年5月28日
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筒井真理子の様々な表情と怪演と言っても良い病んでる心情
信者達のヤバい目つきに印象深い唱えに振付w
磯村勇斗がもっと場面あるのかと期待したがそこは残念
劇的要素はそこまで無いものの何だか笑えながら少し考えてしまう感じでした😅
ラストのムロツヨシの名前に、あれそうなのか的でしたw

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asgy213

4.0特別でない話に見える闇

2023年5月28日
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想定外の出来事があっても、日々は淡々と続いている。
あり得る話の積み重ね、どちら側から話を聞くのかでまったく印象が違ってくるといった、そのアンバランスが絶妙に面白かった。
清く正しく美しくな気分もあれば、倍返しな勢いの時もあるのが人間だよねって思う。

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パプリカ

3.5波紋疾走

2023年5月28日
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笑える

怖い

2011年、突然失踪した夫が10数年ぶりに姿を現して、ガンで保険適用外の治療が必要と言い出された妻の話。

原発事故による放射能汚染が騒がれる中、妻と要介護の父親と高校生の息子を残し失踪する夫の様子から始まって、気付けば10数年後、父親は亡くなり、妻は新興宗教にハマり、息子は九州で進学~就職し、そして夫がひょっこり帰って来て…。

見返りを求めない善行を訴えるけど、先生の祈りや波動には見返りが必要な宗教ですか…w
序盤~中盤は突然帰ってきた夫に嫌悪感を感じさせつつのホラーコメディの様な展開で掴んでおいて、中盤からは主人公がヤバいヤツ!?

清掃員の家の件は気付きか目覚めか、そしてトドメの特別な緑命水。

ストレス、ストレス、ストレス、ストレスの波紋をぶつけ合う様はユニークだし判りやすいし、無いのに有る、有るのに無い水に掛けた感情と本質と…とても面白かった。

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Bacchus

3.0オレィ‼︎

2023年5月28日
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エアコン効き過ぎて寒かったり異臭ハゲしい方が近い席にいたりと条件悪い中なんとか我慢して最後まで観させるチカラはある作品でした。
天気雨降るラストシーン 良いもの観たな。

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すったもんだだよ

5.0宗教も邪悪な人間の前には無力

2023年5月28日
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2023年劇場鑑賞119本目。
ある日突然夫に失踪された主人公。夫が数年ぶりに戻ってくると妻は新興宗教にハマっていて・・・という話。この前に観た映画がなんの変化もないただただ退屈な映画だったのもあって多分5割増しで面白く感じた気もします。

この宗教、心の弱みにつけこんでお金を巻き上げるような悪徳宗教ではあるのですが、教えとしては穏やかに生きろと真っ当なことを言っています。しかしこの筒井真理子演じる主人公の生来の底意地の悪さが宗教の教えを上回ってしまっているのが面白かったですね。

ラストシーンの狂気っぷりもなかなか。ターで見たかったのこういうことなんだよなぁ。

(追記)思い返すとじわじわと面白さが蘇ってくるので満点に変えました。

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ガゾーサ

3.5滑稽に生きてこそ人生

2023年5月28日
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鑑賞方法:映画館

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知的

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@花/王様のねこ

4.0趣旨は多いに理解できるが、どれか一つに絞ったほうが良かったのでは…。

2023年5月27日
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今年174本目(合計825本目/今月(2023年5月度)31本目)。

tohoシネマズさんの映画のラインナップとしては問題提起型という、万人受けるする映画ではないものの、80%くらいの埋まりようでした。

ここでもすでにかなりの評価があり、他の方が触れている点は同じになるので多言を要さずバッサリとカットします。

結局この映画で主に上げられる問題は、「問題提起は理解できるが、多数の論点を入れた割にどれも明確に最後まで描かれない」「突然帰ってくる夫に対する「正しい対応」の不足」、さらには、「個々個々、妙なまでにセリフが少なく、ある程度補う必要がある」「いわゆる、炊き出しについて」等の論点ではなかろうか…と思います。

特に1番目と3番目は他の方も触れている方がいるので、2番目と4番目は資格持ちとしては明確に気になったところです。ただ、これをどうこう言い始めると「映画のストーリーが成立しない」という妙な事情も抱えているので、どこまで考慮するのかは微妙です。

また、問題提起型の映画であることは明確も明確であるのに、ラストが珍妙な終わり方をするなど(最近の映画だと、「もっと超越したところへ」が似ている?)、その珍妙さもあいまって混乱度合いは高いです。

なお、映画の趣旨その他としては、2020年だったか19年だったか、「星の子」が趣旨的に近いです(完全に同じではない)。

行政書士の資格持ちのレベルで気になったのは以下の通りで、4.2を4.0まで切り下げています(これらの行為についてエンディングロールで説明がない点も考慮しています)。

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 (減点0.4/いわゆる炊き出しについて)

 ・ 炊き出しについては、食品衛生法ほかこれらに関係する法律の外の場合であっても(規模要件等)、都道府県では通常、「申請義務はないが通常申請をお願いします」というようになっています。それは第一義的には「食中毒が出た場合の対応ができなくなること」と、もう一つは「無償配布か有償配布かでトラブルになるから」という2つにほぼ絞られます。

 一応、「お願いします」の扱いではありますが、日本では当然、「お願いします」のレベルでもあっても、行政が管理している土地でやる場合は結局強制されてしまう点もこれも事実で、かといって映画内でこれを行ったと思われる点もなく(なお、いわゆる「炊き出し」と同時に、ワンストップ事業として生活保護の申請代行などを、行政書士でない方が行うと法律上アウトです)、ここはちょっとどうなのかな…というところです(本問題は「食品衛生法で定める範囲外であっても、食中毒を出さないように保健所が一元管理する、という公衆衛生に関する「パニックの防止」が論点なので、いかに「お願いします」とはいえ、無申請活動がまかり通ると大混乱します)。

 ※ なお、大震災ほか「申請に対して許可を得るいとまがない場合の緊急的な炊き出し」については、多少甘くみられているようです。

 (減点0.4/そもそも主人公が取っている行為も謎)

 ・ 突然帰ってきた夫…という設定ですが、その「長期間帰ってこない」ことは当事者である妻が一番知っていることです。そしてその状況で遺産相続等を行うと面倒なことになってしまいます。

 婚姻後の裁判上離婚は民法770条に規定があり「3年間生死が分からないとき」がありますので、これを使わなかったのか…という気がします(ただ、この規定は「生死がわからないという中途半端な一方側に強制的に申請せよ」というものではない)。また、遺産相続については行政書士・司法書士が間に入ることが多いですが(不動産の登記名義等がからまない限り、行政書士でも可能)、このとき、「そもそも法律的に決着していない、宙ぶらりんな人がいる」ということを把握していない(厳密にいえば、主人公もそうした専門家を呼んだ形跡は見当たらない)のが問題で、それが「生前に残したお金がどうこう」といった問題になってしまいます(裁判上離婚していれば、たまたま帰ってきても「ただの人」でしかない)。

 こういった部分の考察が抜けているため、特に「お金の捻出方法」について明確に配慮を欠いている部分があり(当然、適正な対応を取らないのであれば、いつ帰ってきてもおかしくならないように、適切な対応が必要)、この描写が何もないのはちょっと気になりました(このように、当事者が明確に「帰ってこない人がいる」という状況で、専門家抜きで遺産相続をやるとあとあと面倒くさいことなるのは、当事者がそもそも知っているはず)。

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yukispica