劇場公開日 2023年5月26日

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「こころ」波紋 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5こころ

2023年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

川っぺりムコリッタでは「いのち」とか「たましい」を深く想起させてもらいましたが、今作では「こころ」に踏み込んだのかな?と思うとともに監督・脚本の荻上直子さん、この方の生い立ち・どのような経験を積まれてきた方だろうと、深く掘り下げてみたい気持ちが強くなりました。
さて、今作の、きっかけは東日本大震災ですが、発端は何でも良いのでしょう、何かでスイッチが入ることで心が「壊れる」・「逃げる」・「目を背ける」・「すがる」、人それぞれに心の移ろい方は様々。
観る人により受け止め方も様々かもしれませんね。しかし実の子供から「あのヒトは頭がおかしいから」と言われるのは悲しい。他人を赦すことは良いことだけど緑命会に集う人たちは寛容なのではなく高みの見物をしながら自分の心は殻の中、仕返ししなさいよと言ってくる木野花さんの心情が一番俗っぽくてしっくり来る気がするけど、彼女自信何かを放り出してしまっている、うーん難しいなぁ。
ワタシ的には枯山水に猫が入るだけでも自分の心を汚されたように思う主人公が、カメさんが歩いても微笑んで見られるようになったところに赦しの感情が芽生えた(それも信仰の力ではなくって)、そこに光明を見いだせたようで、なんだかホッとしました。

ニコラス
NOBUさんのコメント
2023年6月6日

今晩は。
 いつもありがとうございます。
 私は、荻上監督作品は「かもめ食堂」を筆頭に、癒し系の映画として観ていたので(「かもめ食堂」は何度観たか分かりません。我が家では私が「かもめ食堂」を見ていると家人が子供達に”お父さんは疲れているんだよ・・”と良く言ってました。)今作は、吃驚しました。男としては怖かったけれど、笑ってしまうシーンも結構あり。(筒井さんが久々に帰って来たダメダメ旦那の歯ブラシで洗面所をゴシゴシ洗うシーン等)
 これは他のレビュアーの方にもコメントしたのですが、一番怖かったのが劇場で笑う人が全てご婦人であった事です・・。では。返信は不要ですよ。

NOBU
humさんのコメント
2023年6月4日

強気でサッパリとした物言いをし他人の様子に敏感な木野さん演じるキャラクターが、一方で自分の心にある抜け出せない哀しみや敏感な心を覆うような片付けない部屋に人のこころの複雑さを感じました。また、亀をきっかけに内側ばかりに救いをもとめていた依子が、木野さんを助け(亀の命、部屋の片付け)たときは希望がみえました。亀が歩くシーンはほっとしましたね^_^。新たなスタートの扉が開くチャンスは身近にあるのだと感じました。

hum