劇場公開日 2023年5月26日

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「どこに話が向かうのか見えずにハラハラ」波紋 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5どこに話が向かうのか見えずにハラハラ

2023年6月3日
PCから投稿

著名バイブレーヤー実力派の布陣で、穏やかなはずの日常に「波紋」が起きた時の心理状況を淡々と描く、なかなかシビアなお話。
実の父親の介護が嫌で仕方なかったところに、震災の原発事故で放射能が怖くて、家のことをすべて妻に押し付けて逃げだした夫が、癌になって帰ってくる皮肉さとか。
妻の、聾唖者に対するストレートな差別とか。
弱ったところに忍び込んでくる新興宗教とか。
身近な「嫌なことあるある」の羅列が痛々しく。
どこに話が落ち着くのかわからず、ハラハラしました。

どの作品でも、観る側に解釈・評価を委ねるのが常ではありますが、これはさらに「行間」が多く、自分が試されてるような気になりましたね。

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コージィ日本犬