「【”砂漠の中の蜥蜴たち。悪徳VS凶悪。”拝金主義の人々を強烈に揶揄するハード・バイオレンスムービー。狂気性を帯びた綾野剛は矢張り凄い俳優である。最後に嗤う”極悪”の掌の中で踊る人々を描いた作品。】」最後まで行く NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”砂漠の中の蜥蜴たち。悪徳VS凶悪。”拝金主義の人々を強烈に揶揄するハード・バイオレンスムービー。狂気性を帯びた綾野剛は矢張り凄い俳優である。最後に嗤う”極悪”の掌の中で踊る人々を描いた作品。】
ー 綾野剛は好きな俳優の一人であるが、今作の県警本部の矢崎監察官を演じた姿は凄かった。「日本で一番悪い奴ら」が脳裏を過った。ー
◆感想
・年末年始の4日間に凝縮されたストーリー展開が、面白い。工藤刑事(岡田准一)が危篤の母親の元に駆け付けていた時に、突然道路上に出て来た男(磯村勇斗)をはねたところからの怒涛の展開。
ー それを日付を12月28日に戻す、中盤の見せ方。
序盤は、オリジナルに忠実に工藤刑事の行いをコミカル要素を交え描いているが、後半、藤井監督は複数の黒幕の暗躍が際立つ人間ドラマにしている。-
・”金があれば何でも出来る”と言う拝金主義思想の矢崎と娘を結婚させた極悪県警上司の関係性も恐ろしい。
ー 娘と矢崎の結婚式で、自分が関わった裏金を保管してある金庫の指紋認証を矢崎が使っていた男の仲間の女に騙されて取られた事に対し、ゴルフのドライヴァーで矢崎を打ち付けるシーンや、にこやかにギリギリと矢崎の靴を踏みつけるシーン。
だが、矢崎も一線を越えて義理の父である極悪県警上司の頭を車に何度も打ち付けるシーン。そして、矢崎の顔に頻繁に現れるチック。
何故か、綾野剛が人を何度も何度も殴打するシーンは、狂気性が迸り、重いパンチの風合が漂うのである。ー
・特に、寺に納められたマネーロンダリングした金を隠していた墓地での矢崎と工藤との金を撒き散らしながらの一騎打ちからの、屋外での壮絶な肉弾戦シーンは凄い。
ー 満身創痍の中、工藤刑事が矢崎に放ったバックドロップ。新年の朝日が差す中、ピクリとも動かない矢崎。ー
■で、新年の朝、血だらけの工藤刑事が離婚寸前の妻(広末涼子)に”もう一度、やり直さないか・・。”と車内から電話して、良かった良かった、と思ったら、死んだと思っていた矢崎が、腫れあがった顔で物凄い笑いを浮かべながら、追突して来て・・。
ー あの矢崎の物凄く気持ち悪い、笑い顔は凄かった。暫く夢に出て来そうである。
”自分にはもう先が無い。後はお前を道連れにするだけだ・・。”ー
<今作は前半は、人を轢いてしまった工藤刑事が何とかしようと藻搔く姿を、ややコミカル要素を絡めて描き、中後半からは様々な黒幕に弱みを持つ工藤と矢崎の姿を、悲哀感も仄めかしながら描いたハードバイオレンスな人間ドラマである。>
■最後に一言。
・愛知県は砂漠じゃないぞ!藤井監督。
コメントありがとうございます。怪物のレビューは一度書いたのですが、自分で納得できなくて削除しました(笑)。
それにしても相変らずの鑑賞数ですね。映画観るには相応の集中力を必要とするのに、そのバイタリティーたるや、ただただ感心させられます。もはや映画評論家並みですね。では。
おはようございます!
あれっ?!どうしました!
初日に3本観る方が1本って。
体調でも悪いんすか?
体調悪い様でしたらお大事にして下さいね。
またお願いします!