「水を差す発言」マイ・エレメント サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
水を差す発言
ピクサーにしては、どの世代を狙っているのかよく分からない、至極普通の映画でした。水の男ことウェイドがいいキャラ過ぎて救われてる。エンバなんて、わがままで怒ってばっかりのキャラだからね笑 化学反応というよりも、ウェイドの懐の広さあってのストーリーって感じがしました。でも、思ってたより全然良かった😁
世界観の構築はさすが。
火・水・土・風の個性が生かされたギミックはすごく面白い。個人的には、冒頭の乗客によって浮上する風の飛行機がお気に入り。よく考えるよね〜。土の存在意義は些か疑問だけど、火が嫌われるというのは何となくわかる。水と火だったら、水の方が強いと思ってたけど、蒸発するっていう考えがあるのか。考えつかないとこまで広げてくれるから、タイトルのアンサーとしては100点満点。水を差すとかアツアツとか、エレメントギャグは笑いより関心が先に来てしまいます。
エンバに声を当てた川口春奈は、ん〜...だったけど、ウェイドの玉森裕太はもう完璧。キャラクター的に仕方ないかもだけど、エンバは結構鬱陶しくて好きになれない。人のこと思っているようで、かなりの自己中だし。一方のウェイドは、エンバと正反対の好キャラ。人の感情に寄り添い、すぐに感情的になる。愛する人のために大きな涙を流し、どんな状況でも笑って楽しめる。声と性格、ピッタリです。お互いに成長している感が無いのが、この映画のメッセージ性の弱さに繋がっているのかも。ラブストーリーとして結構ズタズタ。
何から何までウェイドが助けてくれるから、エンバのどうしようもなさに少しイライラしてたけど、ラストは分かっていてもうるっと来てしまった。結局はいい気持ちで終わるピクサー映画。「2分の1の魔法」「バズ・ライトイヤー」と比べれば、ダントツで良かった。ストーリーは置いといて、全体的に完成度の高い作品です。
予告から川口春奈の声優力が不安だったので、今回は字幕で見ようかなと思っていたら、なんと九州では字幕版公開無し。玉森裕太がすごく良かったから結果オーライなんだけど、最近の日本語吹き替え贔屓にはうんざりしちゃう。それならもっと上手い人起用してくれ。作品に悪影響を及ぼす。