ガールズ&パンツァー 最終章 第4話のレビュー・感想・評価
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ご都合主義を笑うかのような死闘篇。
前作の最後で主人公のあんこうチームが撃破されての第4話。ああ、これでみんなで桃を助けて卒業&進学させる、という目的から、桃自身が指揮官として成長する話になるのだろうと、思っていたけど全然違った!
ガルパンの凄みは、結局のところ戦車戦(というか戦車道)は根性とか勢いとかではなく、冷静さを保ったものが勝つことだと思っていて、確かに大洗女子が大ピンチに陥ったからとて、桃が突然冷静沈着になるのもおかしいし、さりとてみんなが慕うカリスマリーダーになるのも違うだろう。
結果、そういうストーリー上の要請と戦車道は別物であると宣言するかのように、ただただ残った大洗女子と継続高校の死闘が描かれる。桃や生徒会長も早々に撃破され、あとはやはり一番冷静さのポテンシャルがある下級生にバトンが渡される。撃破されたあんこうチームの出番すらほとんどないことも、本当の今回のエピソードには必要がなかったから、としか言いようがない。
そして雪崩のシーンのようにリアルよりも荒唐無稽さに振り切った感はあるものの、戦車を使ったアクションのクオリティは相変わらず他の追随を許さず、新たにできることに挑戦し続けている。
黒森峰にグロリアーナが勝って決勝進出、というのは、まあライバルキャラなのに長らく直接対決のなかった(そして大洗がちゃんと勝利していない)ダージリンと対決するのが筋だなので既定路線だと思うが、既定路線を守りつつ、こちらの先入観をどういう形で裏切ってくれるのだろうかと残り二話も楽しみにしています。できればもう少し早く観せてほしいですけども。
2年ぶりの続編は最高潮の面白さ
3章の公開が2021年だったので、2年振りの続きである。最終章シリーズのこれまでのシリーズ構成は、戦いの途中で「次回に続く」となるので、これまでの戦いがどういう展開だったか、思い出すところから始めないといけない。面白いから見るのだけど、ガルパンの迫力あるアクションは、ジェットコースターのようにすごい勢いで展開するので、戦闘シークエンスは一気見した方が面白いと思う。
その点、この4話は戦闘の途中で終了しなかったのは、5話に向けて良かったと思う。
今回の戦闘シークエンスは、最終章シリーズで最もエキサイティングだった。これだけのアクション演出はハリウッド映画だってそうそう見られるものではない。アイデアの豊富さといい、迫力とドラマのバランスといい、素晴らしいレベルに達している。しかも戦車ひとつひとつの個性が生かされているのがいい。戦車一つひとつに異なる戦い方があって、ただざっくりと戦車とひとくくりにしていない。次にどんなアクションを見せてくれるのか楽しみだ。
いよいよ最終章も終盤へ
①試合開始早々、あんこうチームが撃破されるという衝撃のラストで幕を閉じた前作から2年半、ようやく大洗vs.継続戦の決着を見届ける事が出来た!
主人公チームが真っ先に撃破された事により、残されたチームメイトがそれぞれの知恵を絞って戦わなければならず、結果として西住みほら主人公勢の台詞が過去一で少ないというかなり異色の第4話となった。
しかし、その分これまで脇役であった大洗女子の面々の活躍が存分に描かれている。
西住みほ→角谷杏(会長)→澤梓と、戦況の変化に応じて即座に臨時隊長を立て、対処していくチームとしての連帯感、最終的な試合運びを任された梓の活躍が新鮮。
また、後輩の梓にしっかりと西住みほがTVシリーズで見つけた戦車道が受け継がれているのが感慨深い。こういった感動は、流石10年の積み重ねがあってこそだろう。
②思えば、西住みほらあんこうチームの物語(成長)は、TVシリーズで十分に完了している。だからこそ、個人的には劇場版はあくまでファンサービスの番外編、あるいはオールスター集結による集大成のような印象を抱いていた。
最終章に至っては、河嶋桃(桃ちゃん)の大学進学をサポートするという意味で無限軌道杯への参加を決意したが、廃校という絶体絶命の危機を脱した後では、些か動機として弱い印象は否めなかった。だからこそ、最終章では途中敗退からの敗者復活戦等の思わぬ流れも想像していたし、極端な話、大学へのアピールポイントを桃ちゃんに持たせられれば良いのだから、優勝する必然性すらないと思っていた。それが、結果的に先の読めない展開を後押しするスパイスにもなってはいるのだが…(今回の継続戦もそう)。
だからこそ、最終章で何を描きたいのかが、これまではイマイチハッキリしない印象があった。2回戦の相手である知波単学園が“突撃”頼りの一本槍ではなく、撤退や緻密な作戦を練るという「成長」、新しい戦車道を発見するという点から、大洗女子と関わった事で、他校がそれぞれ独自の戦車道を見つけていく様子がメインになるかとも思った。
しかし、今作でようやく「継承」が最終章のテーマとしてハッキリと出てきたように思う。勿論、そこには「成長」もある。
大洗女子のウサギさんチームの活躍は勿論、同じく準決勝である聖グロリアーナvs.黒森峰戦にもその様子が顕著だった。
聖グロリアーナでは、次期隊長のオレンジペコに経験を積ませる為にと、ダージリンは試合運びに口出しはせず、あのダー様がまさかの格言タイムすらないという徹底した一歩下がるぶり(笑)
対する黒森峰は、逸見エリカ率いる新生黒森峰の“泥臭くとも勝利に貪欲に、だからこそ仲間を第一に臨機応変に”という姿勢が、どこか大洗女子を彷彿とさせつつも、エリカの戦車道がしっかりと確立された印象。個人的に、キャラクターの成長としては、彼女の姿が今作で1番印象的だった。
伝統ある黒森峰の重圧に戸惑いながらも、前回で自分なりのやり方を掴んだエリカは、今作ではチームメイトと積極的に意思疎通を交わし、砂嵐というその場ならではのチャンスを物にしと、かつての憎まれ口を叩く姿からは想像もつかない姿だ。
また、かつてみほに助けられた小梅が、イキイキと戦車道を続けている様子も嬉しい。
そんな成長を十分に見せたからこそ、彼女らの無限軌道杯は、ここで幕を閉じたのだろう。
③戦車アクションとしては、大洗vs.継続戦の雪山の斜面を下るシーンが今作の白眉だろう。目まぐるしく視点が変わる様子や、下るというよりほぼ落ちているといってもいい戦車の数々が、徐々に斜面の操縦に慣れていきながら砲撃戦を繰り広げる様子は、先述した「どちらが勝つか分からない」点も含めて、非常にスリリングで楽しく、手に汗握る。
シレッとソリを装備しているミカ達のBT-42にもクスリとさせられる。
何より「まだこんな引き出しがあるのか…!」と、ガルパンならではの自由奔放な戦車アクションを体験出来るのが素晴らしい。
そんな白熱した試合の最終的な決着が“筋肉”というのも、ガルパンらしくて微笑ましい。
④サプライズとしては、「もう一度、西住みほと戦いたい」と口にしていた島田愛里寿の聖グロリアーナ転入だろう。
決勝戦の相手が、大洗女子にとって天敵とも言える聖グロリアーナなのに加えて、愛里寿というこれまた因縁のある相手と再び対峙するというのは、クライマックスを盛り上げるのに申し分ない。
大洗女子の聖グロリアーナとの戦歴は、0勝2敗。とはいえ、そのどちらもが練習試合や他校と合同のエキシビジョンマッチという特殊な条件下で、公式の試合としての対戦は初めて。
個人的には、ここまで来たら、最後は天敵たる聖グロリアーナを倒して大洗女子に優勝してもらいたいし、それによる桃ちゃんの大学進学も決定しての大団円を期待したい。
その為には、そろそろ桃ちゃんにもプレイヤーとして覚醒してもらいたいが(笑)あるいは、今回の継続戦がそのトリガーになるかとも思ったのだが。
⑤次回は、また2年〜2年半後だろう。今年はガルパン10周年だが、恐らく、完結を迎える頃には15周年を迎えているのだろうなと思うと、また気長に待ちたいと思う(笑)
それでは。パンツァー・フォー!
※入場者特典の色紙は、エリカ&ダージリン。
七転び八起き
ガルパンは劇場版しか観た事ない
毎回、キャラの見分けがつかない
皆同じに見える…
戦車も敵も見分けがつかない…
ミリタリー&ガンマニアだが、昔の戦車はよく知らない…
でも安定の面白さ
バnダイお得意の殿様料金にはウンザリだが、従うしかない
劇場版しか観てないけど、過去イチ迫力があった気がする
雪山を滑り落ちるシーンは、某カーレースアニメより迫力があった
大滑走して転がっても、クルクルミラクル起き上がる
自重で潰れそうだけど…
戦車内で圧迫死しそうだけど…
大迫力で気にならない
バンダイビジュアル様様である
前触れも無く、雪山から海辺? の戦闘シーンへ移行
このアニメは季節感がイマイチ掴めない…
でも安定の面白さ
相変わらずのマイペースなED
ずっと待ってた甲斐があった
観て良かったけど、次回の予告がないのが地味に気になる…
また数年待たされるのかな? 笑
解説不要 作品を理解してる人が鑑賞する作品?
4DKで鑑賞 各種割引適用外で55分2600円は高いがそれでも観たいとが観て楽しむ作品 家で観る人はぜひ大型テレビ 劇場ではIMAX 3D 4DK鑑賞で生かされるアトラクション的な企画作品
もはや何が何だか……
4DXで鑑賞。客は私1人……
振動を楽しむだけの映画かと。
しかしその揺れも意味のある揺れではなく、とりあえず揺らしとくかという感じ。ただただゴチャゴチャしてるだけ。とうとうネタが尽き、こういう形でしかもうやりようがないよな、とは思う。そのうち宇宙空間で試合しそう。
残り2回、この路線で行くなら危うい。
ガルパンは良いなあ(毎回こうなる)
今回はタイミングの都合で4Dで鑑賞。
本作は大洗女子学園vs継続高校戦で雪山が舞台だったせいもあるのか座席めちゃくちゃ揺れるししぶきは上がりまくるし、4D向けだったのかもしれないけど、鑑賞中常に揺さぶられていた記憶…。笑
雪山滑り落ちるシーンは主観画角で4D鑑賞の揺れも加わるからリアルに戦車で雪山滑り落ちる感覚を味わえて(いや実際の揺れとか浮遊感はこんなものではないんだろうけど)普通に怖かったし酔いかけた。
本作の女子高生たち、精神も三半規管も強すぎるよ…!
元々個人的に継続高校のミカのキャラクターが飄々として好きだったんだけど(改めて見事なスナフキン感)、本作では寡黙な仕事人スナイパー・ヨウコも良かったな。
大洗女子は前作で司令塔・西住ちゃんを擁するあんこうチームが離脱してたので、あんこうチーム以外のみんなが活躍してたのが印象的で良かった。
最終章はシリーズ通して各高校の代替わりの話にもなっているのが良いなあ。部活ってこうだったよなあと思う(遠い記憶)。
そしてガルパンはゴリゴリに戦車での戦闘はしているものの、命が失われることは基本なくみんなスポーツマンシップに乗っ取って戦ってるので、安心して観られるのが良いなあ…。
と、今の穏やかでない世界情勢を見ながら改めて思ったのだった。
毎度ありがとうガルパン…(二回鑑賞しました)
アリクイさんとサメさん…特殊なカーボンがあって良かったね! カッコ良かったセリフ三選 「澤ちゃん、何かあったら後はお願いね」 「行くぞ」 「要するに深めのドリフトかけて制御すれば良いのか」
伏線も話の進み方も丁寧。三話時点でちゃんと大脱走の伏線(トンネル脱出、硬い敵(T-34?だったか戦車の名前忘れた)ジャンプして上から)が描かれて、継続も雪だるまを作りながら、いつものアキ「こんなことして何の意味があるの〜?」 ミカ「どんなことにも意味はあるんだよ(だっけか)」
9チームある大洗、継続戦は全チームに見せ場があった。加えて継続の新キャラも、ユリ、タミ、トミ、(レイノ、アリ)に見せ場があった。
フィンランドの史実を元にしたスキー戦術。
ミカの戦略眼、そしてそれ以上にミッコの操縦テクは凄まじすぎた。ミカ(BT-42)は自らのフラッグ車を囮としつつ、大洗四両に対し、三両で時間稼ぎし、ソリを履いて再登場するが、継続四両の見事なスキーイングにも関わらず三両の損害に対し、大洗側でやられたのはレオポン一両。大洗三対継続一。が、そこから数的不利を感じさせないほどミッコの神ドラテクでBT-42がアリクイを脅かす脅かす。しかしスキー板部分にダメージ。バランスを大きく崩しひっくり返る。 大洗三両、ゆっくり近づいて確実にトドメを刺そうとする。 ミカはそれをも待っていた。何とやられたと見せかけ雪の中で潜んでいたT-26(タミ・トミ)が雪を撃ち、雪崩を引き起こしたのだ。サメさんはアリクイさんを逃がそうとする、その間BT-42の反撃を受け、ウサギさん退場、サメさんは逃した後に雪崩に巻き込まれた(カーボンが無ければ即死だった!) 合流したT-26と共に、継続は大洗に対し2対1の数的優位を築く。
と、まぁ一部の一部始終を振り返ってみても、やっぱり面白い!こんな面白いものが観られるなんて、この機会を産み出してくれた自分含む全ての人に感謝しかない!
黒森峰の元ネタのドイツは攻撃力と防御力に優れるだけでなく、電撃戦やアフリカ横断などの機動力もそういえばあった。エリカは実に上手く戦った。A41センチュリオンの高所に回ってから降ってくるのは劇場版最終決戦のセルフオマージュ。
初体験の4DXは一番良かったのはサウナ&湖シーン。熱波と焦げた匂い、飛び込みに合わせた水飛沫。 まさにその場で一緒に入浴している感覚!
思ったほどは揺れなかったが、動きのシンクロが心地よく、砲撃に合わせて背中がボコッボコッとなりつつ風が吹くのが最も気持ち良かったな〜。他にもキャタピラ同士が擦れ合っているのに合わせての足のくすぐりも、榴弾に合わせた熱波とそれに合わせた焦げた匂いも。 4DXは没入感を高める良い物だった!
最高の4DXコンテンツ
ミニスカ女子高生がなぜか戦車で模擬戦を行うシリーズ最終章第4話。
いくら大砲で撃とうが絶対に死なないし、たいしてケガもしない漫画時空。市街戦で建物を壊しても直してもらえる謎予算。世界観がぶっ飛んでる。ざっくり言うとほのぼの女子高生版ワールドトリガー。
雪山という舞台が4DXと最高に相性がいい。
映画館という名のジェットコースター。戦車に詳しくないと何が何やら分からないけど、楽しかったからヨシ!
通常上映☆3.5、4DX☆4.5といったところ。
1時間程度のOVAで1600円均一は高い。さらに4DXは2700円…
そもそもサービスデーやポイントで2000円で観ることなんてないのだから、最終章を細切れで上映するなら、もっと考慮してほしい…
そろそろ飽きたかな…
「ガールズ&パンツァー 最終章 第4話」は駄作だと…。
2015年に、ガルパン初の劇場版をたまたま行った映画館で、この映画しか時間が合わなくて、仕方なく入って以来、女子高生戦車道に填まった私だが、駄作というか、そろそろ飽きたのかもしれない。
実は最初の劇場版は、映画館で3回も観た。まさににわかガルパンオタクになったのだが、その後、2017年から「ガールズ&パンツァー 最終章」の第1話が始まり、2,3年に一度、忘れた頃に続編が公開されてきた。その第4話。
相変わらずの戦車のアクションは圧巻だが、毎回、なぜか観賞料は一律1600円。シルバー割引がないので、普段1200円で映画を観ている私には少々お高い。しかも最終章は全作、50分程度の上映時間なので、なんだか損した気になるが、それでも毎回、それを上回る内容で満足だった。
だが今回は戦闘シーンも雪上での合戦で、いまいち、迫力不足だったし、2,3年置きなので、どうもストーリーやキャラクターがしっくりこなかった。上映時間も短いのだし、鑑賞料金が高いのだから、せめて、ダイジェスト版で本編が始まる前に、観る側に復習させてくれて、暖機運転してから、やってくれてもいいんじゃないかな・・・と不満な作品となった。
それとやっぱり、女子高校生の戦車道という設定がそろそろ、ほんまもののオタクではないおじさんには飽きてきた、というのが本質かもしれない。★3.2かな。
「いや〜あ。洗車って、本っ当に良いもんですね、それでは来週またお会いしましょう」
初めて知った戦車って可愛い女の子が乗る乗り物だったんだ(๑♡∀♡๑)
初めて知った。戦車って物凄く速いんだね( ˙꒳˙ )✌️
安定感のあるシリーズ
説明不要の戦車道アニメ最終章第4話。今回は準決勝を描いたストーリー。安定感のあるシリーズで白熱した戦闘シーンが見どころでしょうか。
2023-176
迷走する公式と私たち
地上波、そして劇場版を大満足に終えて
「ガルパンはいいぞ」
を合い言葉をした私たち。
そこからすでに8年が経っている。
最終章の第一話からは、この4作目でもう6年。
直近で試合途中の「続く」をした最終章第三話からは2年半が経ち、
スケジュール感はもちろん内容的にも
「どういう付き合い方をすればいいのだろう?」
そういう疑義が深まってしまう最終章第4話だった。
地上波のストレートな「みほの、戦車道を通しての再生と自立の物語」
劇場版の「みほを中心に縁ができた者たちの、お祭り感あるグランド共闘」
は、どちらも高く評価している。
キャラデザの第一印象で損をしているのではないかというほど、
「(ややお馬鹿な)熱血スポ根・戦車ファンタジー」としてハマり度がある。
各高校にスタイルがあり、個性的なリーダーと副官やエースがおり、群雄割拠を弱小校がトーナメントで勝ち抜いていくのは、スラムダンクで見たような爽快感のある王道だ。
地上波12話でのストーリー展開とキャラクター立ての量では、理論値上での限界に迫る成果を達成していると感じる。
劇場版も、それら全キャラを登場させ、見せ場を作り、賑やかしの新キャラを出し、ただのやられ役でない強者感のある強敵を出し…とこれまたすごい。後年に出るコードギアス劇場版と同じノルマを課せられていたわけだが、ギアス劇場版がうまくやりきれなかった内容をガルパン劇場版はほぼ完璧に達成しており、ギアス劇場版を見た時は「すべてがあと2,3歩、ガルパン劇場版がやりきった領域に届いていない」というもどかしさを感じた。商品性と作品性の両立度が、ガルパン劇場版は偉業レベルで凄まじいのである。地上派からのお祭り劇場版としての出来では、私はガルパンを超えるものを知らない。
が、その2年後に出たOVA最終章(の逐一劇場公開)は……
「なんかちがう」「蛇足感が強い」という声も1話目からあり、
1話から6年目のこの4話をもって
「どういう風に付き合って欲しいのだろう?」
「公式内で、舵取りの迷いやブレが発生しているのではないか」
「どういう風に付き合えばいいのだろう?」
と、ますますハテナが増える内容となってしまった。
今までは必ず試合途中で「続く」だったが、この4話でついにそうでなくなったのは救い。これをきっかけとして、今までから4話までの総評的な感想を書く。
まず最終章は、前提となる下地として、物語の動機の弱さが上げられる。
地上波も劇場版も廃校を阻止するために戦車道を頑張っていたわけだが、最終章は元生徒会書記の桃が「学力ではどこの大学にも受からないため、AO入試の実績を作るしかない。そのために桃を名ばかりの隊長にして無限軌道杯に優勝しよう」という、仲間への優しさというよりも甘やかし、大学側への自己中心的な不実、そして対戦相手たちへの舐めプという、問題アリアリな動機だけで戦うことになる。地上波では弱小校だと舐めてきた相手を「一生懸命」でジャイアントキリングしてきた大洗・みほたちだけに、「悪気すら見せず舐めプをして(当然)苦戦する」という物語の運びは、ガルパンおじさんとして見たくなかった。みほが地上波の最後で確信し、まほからも新たな西住流として認められた「仲間を見捨てない、みほの戦車道」の、公式側の解釈が実はこんなにも浅かったというのは辛い。「仲間を見捨てないことが、楽しいし気持ちいし、“結果としても強い”」という信念を得たのだと私のようなガルパンおじさんは思っていたのだが、舐めプを当然に取り入れたことで“結果としても強い”の部分は無かったらしい。そりゃ遡って考えて家元も怒るし認めないだろうと、そっちの納得感が出てしまった。桃のエピソードを強引に成立させたために、みほのキャラ下げがすごいのだ。
次の前提として、謎の世代交代へのこだわりによる、キャラのぼやけがある。
劇場版からわずかに時が経って秋冬となり、キャラクターたちの学年は変わらないものの生徒会3役や風紀委員が代替わりしている。しかし、本作のキャラクター立ては登場人物の多さからあえてインスタントに仕上げられており、役職がそのままアイデンティティとなっていたため、会長を引退した会長など「もはや何と呼べばいいかわからないキャラ」が出てしまっている。劇場版まで視聴者のキャラクター認識を固めてきただけに、この改変は効果的とは思えず、不必要な改悪が起きたように思える。生徒会三役はあんこうチームが就任したようだが、「生徒会役員になったから」という新たなキャラ性は見られない。華が会長、ゆかりが副会長と言われても、今なお「???」となる。沙織が書記はなんとなくわかるのだが。風紀委員もそど子は引退したようだが、代役的な風紀委員が立つわけでもなく、分身二人が新たな風紀委員像を提示するわけでもなく、元会長や元副会長と同等にそど子が「元・風紀委員」と何だか呼びにくくなっただけだ。かなりリスクを負う改変であるため効果とセットであるべきだが、効果部分が感じられないため「どうしてか、不要な改悪が入った」ぐらいにしか思えないのである。また、「世代交代へのこだわり」はこの4話でより一段深刻な問題を発生させてしまっている。それは後述する。
こういう「なんだかガルパンは、俺たちが思っていたガルパンとは違うのかもしれない…?」という漠然とした不安に加えて、試合途中の「つづく」で次は約2年前後ということを繰り返しているのが、全エンタメを見渡しても複雑怪奇なガルパン最終章という現象である。
とはいえ今さら降りるのもなんだか気持ち悪く、見ずして語るのはよくないし、まあきっと最終的には劇場版のような「ガルパンはいいぞ」に導いてくれるのだろう、導いてくれ頼む……という希望に縋って観に行くことの繰り返し。祈り。2年毎の祈祷集会。それがガルパン最終章なのだ。
で、今回私が観に行く前の心持ちとしては
「3話末で、まさかのあんこうチームが被撃破。みほを失った大洗に、作中(かなり贔屓を感じる)強キャラ感ばりばりの継続高校。ああ、ここで桃(これも地上波ラストあたりから贔屓を感じる)が成長かつ覚醒して、誤魔化しではない、AO入試の実績に書ける隊長の風格を得るんだろうなぁ…それならついにスカッとするなぁ…4/6でやるにはちょっと遅かった気もするけど…」というもの。他のガルパンおじさん(おねえさん)も、そう思っていた人はちらほらいたのではないだろうか。
だが実際、この4話は
・キービジュアルとなっているみほやあんこうの出番は、コメント業ぐらいでほぼ無い
・桃は無様にパニクってお荷物化するだけで、同車の元会長が代わりに指揮をとる
・その会長&桃も早々に撃破され、一年生チームが臨時隊長を引き継ぐ
・一年生チームは、みほのように的確に状況を判断し、うまく指揮が取れる
・(みほがいないでも継続に勝ててしまう。これはみほの薫陶という、一応みほ上げでもある)
・(ただ桃は、みほどころか一年生にも及ばない資質しかないことが間接的に露呈する)
というもの。
桃に皆から応援される正当性が出る回かと思ったら、全然そうではなかったのである。フォーカスはさらにずれて、急に評価を上げたのは1年生チーム。もしこのまま大洗が優勝し、桃がその隊長であったという有名無実な実績をもとに大学AO入試に受かるというのなら、1年生たちは全員すぐにでも受かってしまいそうだ。そんなものでいいのだろうか、戦車道って。桃は実家が貧しく、兄弟が多くて騒がしいから勉強もできなかったというリリーフが最終章2話で描かれているが、この体たらくでは、だったら大学には行かないでもいいのでは…即働いても人生は自分次第で輝くぞ…という想いが強い。大卒にあらずんば人間にあらず、みたいな、作り手側が特徴的とすら思っていなさそうなガルパン界の常識は、正直かなり時代感とのズレを感じる。高卒で働きながらガルパンを楽しんだ人だって全然いるだろう。
また、4話では「世代交代」を意識したセリフと演出が非常に多い。
とはいえこれは「ガルパン最終章」であり、誰にとっての最終章なのかと言えば、まだ2年生であるみほたちではなく「私たち、ガルパン視聴者にとっての最終章」なのである。みほたちは絶対来年も戦車道をするので。
そこで各校の次期隊長育成(一年生、ヨーコ、エリカ、オレンジペコら)に言及されてもな…という具合。実は視聴者ではなく桃にとっての最終章であり、世代交代後もガルパンはまだまだ続きますよ~…というオチはありそうだが、この上映ペースではその企画がそもそも…である。また、仮に続いたところで3年生みほvs同級生~下級生のそれらとなるわけだが、その師匠格と張り合って勝利しているみほの敵として格が釣り合わない。なので、やはりこの「世代交代したがり傾向」は本当に効果的に機能するのか? と4話を見てますます不安になってしまった。4話後半の聖グロvs黒森峰も、ダージリンvsエリカよりダージリンvsまほの方が「どちらが勝つかわからない(メタ的には聖グロが勝つとはわかるけど)」を、教条的にはとりあえず発生させられる。ダージリンと次期隊長訓練中のエリカでは、ダージリンが勝つ以外に納得がないのが見る前からわかってしまうのだ。世代交代というお題目に引っ張られたための、威力減である。かと思えば、最後に「みほのライバル」が登場し、え、5話と6話はみほ中心にもどる…? ううむ、どういうつもりなのだろう? という困惑具合。そのキャラクターが聖グロにいるなら、オレンジペコの次期隊長内定も普通に考えて矛盾するので、やはり困惑。
さらに、4話は今までの戦車道対決なら白旗が揚がっていそうな時に、全然上がらない。いい意味で頭の緩い戦車ファンタジー世界に突っ込んでいるのではなく、今まで作品が提示してきた戦車道のルール感が、演出のためにご都合的に曲げられたなと思わされるシーンが多かった。上下ひっくり返っても即白旗が上がらなくなったのが特に。敵の戦術としても、出口を塞がなかったり、トンネル生き埋めはしないが雪崩は起こすなど、見れば見るほど戦車道のルールがわからなくなっていく展開が散見された。ストリクトな解説は求めないが、体感として逆であってほしかった。
…というわけで、レビュータイトルが私の感想となる。
「ガルパンはいいぞ」は何がいいぞと言われていたのか、その因数分解を公式が上手くできなかったものが、広げた風呂敷の手前、浮上することも沈みきることもできずに厳しいことになっている…ファンとしてもう~んというのが、明確になったのがこの4話だと感じる。
いいぞ、いいぞ、ばかり言って具体的にどこの何々がいいぞを言わなかった我々ガルパンおじさん(おねえさん)たちにも責任の一端はあるかもしれない。言ってはいたがネタっぽいキャラの名をあげていじるだけで、キャラものに惹かれていると勘違いさせてしまったのかもしれない。もしくはミリタリーの再現性?とか。私はミリタリーに全然興味がないので、それはわからないが。(ミリタリーに全然興味が無い人が、興味がないままで、地上波~劇場版のガルパンは「最高だ!」と楽しめたのである)
「ガルパンはいいぞ」はアホな世界観でも一本筋の通った王道で泣けるからよかったのであって(地上波のみほvsまほ、劇場版のみほまほvsアリスは文句なしにかっこよくて熱い)、大勢いるキャラのキャラパートを望んでいたわけや、珍妙奇天烈戦車ムービーを主として望んでいたわけではない。ネットに表出しやすいのは、言葉の媒介としてキャラクター名や戦車マニアの蘊蓄語りだったかもしれないが…
なるべく早く、穏やかな陰りの中であってもいいので、完結してくれることを望む。
このシリーズが「たびたび話題になる、“ガルパン最新作”であり続けること」が、ファン内外にとって少し苦しいのだ。アプリ版だけは、家元のコスプレショーの方が有名だけど。
地上波と劇場版と本当のアンチョビ戦を人に勧めて、最終章はその亜流作品として勧められるようになることが、ファンやIPとしても幸せだと思う。
主人公チームの後輩の成長を感じる回
ずっと前回から見ていたの作品。後輩たちの成長やほかのメンバーの成長を感じて感動しました。激熱で胸圧の継続戦。最後まで白熱で目が離せなかったです。また、黒森峰VS聖グロの対等な試合は短かったけど最高に良かったです。新隊長に感動。続き気長に待ちます
全63件中、1~20件目を表示