「巨匠による中国代表作品や如何に」崖上のスパイ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
巨匠による中国代表作品や如何に
本日は(昨日から)二日続けての中国映画。ノミネートは逃したものの第94回アカデミー賞国際長編映画賞の中国代表作品に選ばれた『崖上(がいじょう)のスパイ』です。
勿論ポニョは出てきませんし、何なら崖も出てこず、これは不安定な状況におけるスリルを表すメタファーで、実は原題(悬崖之上/Cliff Walkers)に忠実な邦題です。(と、文字数稼ぎはこれくらいにして、、)
正直、もうちょっと期待していたんですけどね、、
何ならガッツリ反日でもいいからもっと忠実なディテールも欲しかったんですけど、ぼんやりしたストーリーだし世界観もこじんまりしているわりには、マヌケさを表現したいのかただただパン、パン(ピストル使い放題)と殺されまくる特務警察たちに、耐えきれなくなった私の前のオジサンイビキかいてるし。。
スパイチームもよっぽど人材不足なのか?4人の関係性、多くは語りませんが私情絡みまくりで、それは仕事に支障が出るでしょうに。
で、終いには最早ジャンルが変わって興ざめどころか苦笑いのエンディング。1934年の話ですから奇抜さはいらないと思いますが、それにしてもアップデートがなさ過ぎて退屈です。
まぁ敢えて言えば女性の活躍が救いかな。スパイ側も特務警察側も印象に残る働きは女性。むしろ男性たちのロマン主義的な判断と言動によって混とんとしていく「ドラマ」を、女性たちが現実的な言動で方向修正して脱線させないことで物語が成立していきます。何なら、もう少しシンプルに100分以内で終わらせてくれた方が良かった思えるほど冗長さを感じますが、そこは「巨匠チャン・イーモウ監督による中国を代表する作品」ですからね、、
つまらないとは言いませんが、残念ながら期待外れでした。