「時に息苦しさを感じながら圧巻の演技を堪能」対峙 Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)
時に息苦しさを感じながら圧巻の演技を堪能
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アメリカの高校で実際に起きた銃乱射事件の被害者の両親と加害者の両親が、6年後に集まり対話する映画。
観終わった後、しばらく包然と座っていました。
私も同じ母親として、どちらの母親の気持ちもわかるんですよ。
それだけにつらくてつらくて。
ゲイルが「息子を近くに感じたいから、あなた達を赦します。ヘイデンのことも、赦します」と涙ながらに言葉を絞り出すシーンは涙腺崩壊。
憎しみは何も生まないんですね。
この2人は、6年間苦しみ倒して、このためにこの日ここに来たんだ。
でも一方で、加害者の両親も、この6年間どれほどの非難と誹謗中傷に晒されてきたか。
何を言っても、聞いてもらえない事もあったろう。
思春期の悩み?コミュ障の末路?子育ての失敗?
我が子がまさか人殺しになるなんて。
「いっそのこと、息子は生まれてこなければよかったのかもしれない」と、父親。
こんな事、そう口にできない。
どちらも、我が子を愛していた気持ちは同じ。
それだけに、やるせない。
でも、LIFE GOES ON.
生きていかなくてはならない。
ラストに流れる讃美歌のタイミングが・・・
ここで歌声が、その歌詞が、心に沁みる沁みる。
それにしても、4人の演技の素晴らしいこと!
BGMもなく、9割のシーンが部屋の中の会話劇。
誤魔化しのきかない丸裸の作品です。
ブラボー!
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