「あっという間の111分」対峙 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
あっという間の111分
IMDbやRottenTomatoesで評価が高かったため楽しみにしていましたが、実際に観終わって「これはちょっと凄かった」というのが率直な感想です。
まず、「対峙」が始まる前段階から既に、会談の場所貸しをする教会スタッフに何かわからないけどイラつくところで、既に緊張している自分に気づきます。
そもそも正直「何でそんなことわざわざ…」と思いながら観ているわけですが、実際に二組の両親が一つの部屋で対峙する様子に、逃げ出したい気持ちが収まりません。
それぞれ考え方の違いはあるとしても「手に届くところに銃があり得る環境」や、宗派や信仰心の違いはあっても「赦し」という考え方があるキリスト教徒が一定数いる「アメリカ」は、私のような日本人に本当の意味で理解できているのか、ということもあるしまた、例えフィクションだと分かって観ていても、「どちらの肩を持つ」とか「正論めいたこと」を当事者ではない人間が口を出すことは出来ないと、ただただ見入るばかりです。
4人共に感情をあらわにしながらも逃げることなく対峙を続け、最終的には(多くは語りませんが)会談が終着するわけですが、そこからもまだ観ている私は4人が「部屋」を出た後も尚、「早くここから逃げ出したい」気持ちを抑えきれません。
なのに、映画が終わってみれば「本当に111分もあったのか」と思えるほど濃密な時間で、さらに思い起こせば「なんか、殆ど編集点がなかったような…」と役者たちの凄さにまた感心してしまいます。
兎も角、凄かったの一言。是非、映画館でどうぞ。
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