怪物のレビュー・感想・評価
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人の心は誰にも分からないということ。
この映画を観終わった後、涙が勝手に頬を伝っていました。
なんでだろう、
本当に、理由のわからない涙。
三視点から見る、三者三様の物語。
母の感じる心。
先生の感じる心。
子供たちが感じる心。
全てが間違いではない、
でも、見えるものだけが正解でも無い。
悪に見えていたものが、本当は善であったり、
本当のような、嘘で溢れていたり。
私たち人間は、複雑で、"本当"なんて、誰にも分からない。
誰かを理解したいと思っても、
本当の心を知るなんて誰にできるんだろうか、とちょっと絶望に近い感情すら芽生えてしまう。
その心をちゃんと見つけてくれる、瑛太さんのような人がもっと溢れた世界になるといいな。
フィクションだとしても、
お母さん、
先生たち、
そして、子供たち。
この世界の人たちが、幸せになる世界でありますように。と願いたくなる、
そんな、とてつもなく苦しくて、
胸にグサグサと刺さる素晴らしい映画でした。
散りばめられた違和感が、
一つずつ一致していく度に、心臓がぎゅっとしてしまいました。
是枝監督の作品は、いつもとんでもないものを訴えかけてくる。
坂元裕二さんの世界観から目が離せなくなる。
そして、心に当たり前のように浸透していく、
坂本龍一さんの音楽、本当に素晴らしかった。
心より、ご冥福をお祈り致します。
こんなに素晴らしい映画を、ありがとうございました。
おそるべき子供たち
タイトルなし
中村獅童がカンヌに行くんじゃなく、田中裕子だろうと思った。他の演技を食ってた。記者会見のときはぼうっとしてたけど、背の高い男の子の伸びやかな感じがいい。低い子は会見ではとても聡明なのに、映画ではあんなふうに撮れるのはすごいと思いました。そして瑛太さんはすごい。サクラさんがいまいち演技の幅がなく、瑛太さんは広がりがあった。音楽も良かった。管弦楽器の音があんなふうに使われるとは思わなかった。確かにシナリオとして面白い。映画ならでは。保護者から見た学校の見え方が恐ろしすぎて、でもその裏側を見せる演出が面白い。
是枝さんの切り方はかなりシーンが短くて、あとセリフがいつもよく聞き取れない。
怪物は自分
誰もが怪物であり、怪物は誰でもない
息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、学校を守る校長先生、そして無邪気な子どもたち、アルコール中毒のお父さん。最初は誰が見ても、先生が悪く、生徒を体罰している。しかし、物語が進んでいくうちに、先生は無実であり、誰が悪いのかがわからなくなる。みんなは日々自分の心の中にいる怪物と戦っている。怪物がいることをバレないように、隠したり、偶に悪いことをしたり、嘘をついたりします。そして、自分のことどれだけ嫌いであっても、自分の魅力をわかってくれる人が必ずいます。その信頼できる人にどんな怪物なのかを告白して、心の開放をしてみませんか。それぞれの登場人物が台風の後どんな生き方をしているのかが気になるエンドロールでした。
辟易する作品
多角的な視点、物の見方をもつこと
今を生きて
怪物は誰なのか
同じストーリーを3つの異なる視点で語る“羅生門スタイル”で描かれた本作は、一つ目の視点で感じた歪さや違和感、気持ちの悪さが次第に明らかになっていくミステリー的な面白さがあるのは勿論、タイトル「怪物」の意味を噛み締める奥深さがあり、なんとも言えない後味の作品でした。
中心となるのは小学5年生の男子2人。このくらいの年齢は思春期の始まりで、自分と人との違いに敏感になる。学校と家庭という狭い世界に閉じ込められ逃げ場のない子どもたちの精神状態は、儚く繊細で計り知れない物であり、大人が見える範囲なんてごく僅かであることを思い知らされました。
また、湊と依里を演じた子役のお二人の演技が本当に素晴らしく、無邪気にじゃれ合う姿は子どもらしくて可愛らしいのに、抱える葛藤や苦しみが垣間見えるときの表情は物凄く大人びて見えてハッとさせられる瞬間が何度もあり、深く印象に残っています。
彼らに大人は何をしてあげられたのか。この作品のそれぞれの大人たちの行動は、間違っていたのか。
答えは分からないけれど、ただ、彼らが笑っていられますように。誰にでも手に入る幸せが、彼らのもとにもあることを願います。
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