「誰が怪物だったのか、誰にも決められないと思う」怪物 shinさんの映画レビュー(感想・評価)
誰が怪物だったのか、誰にも決められないと思う
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あらすじ
郊外の町で暮らすシングルマザーの早織は、息子の湊の様子がいつもと違うことに気づく。
学校で何かあったのではと問いただすが、担任の説明と子どもの言葉は食い違い、何が真実なのか分からないまま事態はこじれていく。
親、教師、学校、それぞれの思惑が絡まり合う中で、大人には見えない子どもたちの世界が少しずつ顔を出す。
誰が「怪物」だったのかははっきりしないまま、問いだけが残される。
感想
いろんな問題が詰め込まれていて、どれも誰かにとっての正しさで、誰かにとっての苦しさだった。
親は子どもを守ろうとして、担任の先生は自分を守ろうとして、学校は学校を守ろうとしていたんだと思う。
子どもたちは、分からないまま、不安なまま、それでも最後にはお互いの気持ちをちゃんと大事にしていた気がする。
全部がはっきりとは見えないままだったけど、大人の正しさでは触れられないものが確かにあった。
誰が怪物だったのかは分からないけれど、それぞれが守りたいものの形だけは残っていて、そこにこの映画の問いがあったように思う。
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