「終演直後から記憶は曖昧になる」怪物 nuさんの映画レビュー(感想・評価)
終演直後から記憶は曖昧になる
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既に2回見ている友人に誘われ映画館へ
同じ出来事を複数視点で、しかし明確に誰の視点かを区別せず、時系列も絶妙に分かりづらくぬるっと描かれていく。
集団心理や思い込みの怖さという実態のないものを「怪物」とし、描かれたものだと解釈
是枝作品の特徴でもあるが、ドラマティックな展開ではなく淡々と話が進んでいく。
登場人物の魅せ方や、セリフの言い回し、場面の切り取り方が秀逸で、見ている側も気付かぬうちに勘違いや思い込みを起こしてしまう。
湊くん(安藤サクラの息子)が危ない思想の子供であるかの判断材料となるセリフだが
「猫と遊んでいた」か、「猫で遊んでいた」か、記憶が曖昧
私の中でその時湊くんは猫を殺めているが、友人の中でそれは勘違いである
私が作中で見て記憶したものと、友人が見て記憶したものでは少しずつニュアンスが異なる
映画なのでもう一度見て確認したいと思うが、現実ならそうはいかない
もう今の状況が作品に投げかけられた問いそのものにも思える
人と話すことで何倍も面白くなる作品
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