「一つのシーンを違う人物の視点で何度も追う群像劇作品」怪物 Tanakaさんの映画レビュー(感想・評価)
一つのシーンを違う人物の視点で何度も追う群像劇作品
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予告ではスリラー作品かのような仰々しい演出がなされているが本編はスタンダードな邦画でした。
概要は地方都市で起こった交通事故、ビル火災、虐待、LGBTQ問題、小学校内でのいじめ、教師の体罰、暴言それらに付随する社会の問題を複数の登場人物の視点で描く群像劇作品で、そしてその問題に関わった人間たちは皆怪物なのでは?という問題提起がこの作品が描きたいことでタイトルなのだと私は感じました。少し作品に意味深さを持たせる為に怪物や豚の脳などキャッチーな言葉を出しすぎな感はありますが…。
それにこれまでの是枝監督作より登場人物の誇張表現がすごく特に学校関係者が喜劇かと思う程おバカに演じられていたり、視聴者をミスリードさせる為か登場人物の心象風景を描こうとしたのかは分かりませんが、あれ?前に出たこのシーンでこの人こんな芝居してたかな?というぐらいにこのシーンで描きたい方向に持っていく為に誇張をした芝居を行われていて、なるほどだからこの時にこんな発言をしていたのか!!という驚きがあまり得られない結果になっていて少し残念でした。
今までの作品では感じなかった芝居のご都合主義感がぽつぽつ感じられたのは残念でしたがそれでも子役の二人は素晴らしい芝居でした。この二人だけでも見る価値はあると思います。
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