水は海に向かって流れるのレビュー・感想・評価
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人の心の柔らかい部分に真っ直ぐに触れてくる純情高校生
週末の仕事帰りに、何か映画が観たいなと思い
たまたま時間があって、評価もそこそこだった本作品をチョイス。予告編すら観ていない真っ白な心で鑑賞いたしました。
途中まで、重い話かな?と
少し選択を間違えたかと後悔しかけましたが、
観終わった後は、あらまぁ不思議?!
ひと言で言うなら、
「なんだか清々しい気持ち」でした。
この気持ちの変化をもたらしたのは
紛れもなく広瀬すずちゃんの演技によるものでしょう。正直、世間で評価されているほど好きな女優さんではなかったけれども、今作品においては、彼女なくしては成立しなかったと思えるほど彼女の演技に釘付けになりました。
主人公の高校生を演じた大西くんもとても良かったです。
誰にでもある、こころの奥の一番柔らかい部分-触れられたくない、でも触れない限りは決して次には進めない人生の課題-
そういった課題には、こう立ち向かえ!
というお手本を見たような気がします。
主人公のナオタツくんの
ピュアなハートにやられました。
素材は良いのに、もったいない
衣装から花からインテリア小物までカラフルでキラキラな映像コーディネートは、インスタ世代を意識した“ばえ”演出か、将来の配信でのスマホ視聴を見据えた作りなのか。
「子供はわかってあげない」に続き田島列島の漫画が実写映画化されるのは2作目。数多くのランキングで上位に入り手塚治虫文化賞新生賞の受賞理由にもなった原作は未読ながら、映画公式サイトに掲載された抜粋を見ると、素朴だが味わいのあるキャラクター造形、恋愛しないと宣言している榊さんや売れていない漫画家の茂道をはじめ服装はシンプルで地味目の印象だ。
榊さん役の広瀬すずと茂道役の高良健吾は人気・実力で世代トップクラスの演者だし、高校生の直達役の大西利空と同級生の楓役・當真あみも共に十代ながら多数の作品で目にする売れっ子。前田哲監督は、生年は非公表のようだがインタビューで岩井俊二監督(現在60歳)とほとんど一緒の年齢と語っていたし、1998年に監督デビューして以来メガホンをとった映画は20本以上あり、ベテランの部類に入るのだろう。
高評価された原作漫画に、メジャーなキャスト陣と、素材は良いのに活かしきれていないもったいなさ。これは、思春期や青春期を描いた漫画を人気俳優のキャストとベテラン監督の組み合わせで手堅く(冒険しないで)稼げる実写映画化作品を量産してきた、日本の商業映画の構造的な問題ではなかろうか。まず榊さんのキャラクターで考えると、広瀬すずが(派手ではないにせよ)きっちりメイクして衣装もおしゃれで、恋愛から距離を置いている榊さんにしては人目をひく美人すぎ。代わりに誰とはすぐに思いつかないものの、広瀬すずほどわかりやすい美人でなく、もっとあっさりした顔立ちだが見慣れると人柄の良さがにじみ出てくるような、なおかつ化粧っ気のない顔でカメラの前に立てる二十代半ばの女優をキャスティングできなかったか。高良健吾が演じる脱サラした漫画家も、年齢不相応のキャラクターニット帽にカラフルコーデで薄っぺらくてリアリティーに欠ける人物造形だ。
冒頭に出てくるポトラッチ丼になぞらえるなら、高級和牛を普通のめんつゆで手早く味付けた料理を振舞われるのに似て、味覚が発展途上の十代なら最高に思えても、年相応に食の経験を積んだ大人なら「適切に調理すれば素材の良さをもっと楽しめるのにもったいない」と感じるようなもの。沖田修一監督・上白石萌歌主演の「子供はわかってあげない」が素晴らしかったからなおのこと、この「水は海に向かって流れる」も逸品になり得たのではないかと。
大人になった広瀬すずの魅力
同名コミックの原作を、『そして、バトンを渡された』や『そんな夜更けにバナナかよ』等を手掛けた、ヒューマンドラマの名手・前田哲監督が、映画実写化。少女から女性へと成長を遂げた広瀬すずを主役に、一度は切り離された家族の絆をテーマに、そこに淡い恋愛感情を盛り込み、複雑に揺れ動く心模様を描いている。
可愛い少女のイメージが強かった広瀬すずも26歳となり、大人の女性としての魅力も兼ね備え、本作の中でも、初々しい男子高校生・熊澤達也に淡い恋心を抱かせる、年上の同居女性・榊千紗を演じている。達也に対する態度も常に不機嫌そうで、でも、おいしいご飯を作ってくれるようなツンデレな態度が、却って、ピュアな年下男子にとっては、気になる存在へと変貌していく。そんな、高校生に対する歳上目線の演技も、本作の新たな広瀬すずの魅力だ。
高校に入学した達也は、通学に近いということで、親に内緒で会社を辞めて、漫画家となった叔父の住む家に居候することになる。その初日に、駅まで迎えに来たのは、不機嫌そうな態度の女性・千紗だった。実は、叔父の家はシェアハウスとなっており、千紗をはじめ、女装の占い師や大学教授が同居しており、風変りな同居人と一緒に、達也は暮らすことになる。
そんなある日、達也と千紗は、彼らの父と母がかつてW不倫をしていた事実を知ってしまい、一層、ぎこちない関係が生じてしまう。そんな折、達也と千紗が同居している事を知らない達也の父が、シェアハウスを訪れ、不倫相手の娘である千紗と面会してしまったことで、大きな波紋を呼ぶ。その事で、千紗自身が封印してきた母親の過去までもが明らかり、切ない過去を抱えた千紗に、達也は寄り添う中で、恋心を抱くようになっていくのだが…。
全編通して、これという盛り上がりはなく、淡々と物語は進行していく。その中で、千紗の母親への憎しみ、達也の千紗への恋心、達也を想う同級生の楓の感情等、それぞれの思いの揺らぎ心の襞を、前田監督ならではの繊細なタッチで表現している。ラストで達也と千紗が、なるようにしかならないと全てを洗い流すように、冬の海で笑いながら水を掛け合うシーンは、タイトルの意味合いが増す、印象的なシーンとなった。
純朴故に信じて疑わないチサへの憧れ
漫画の実写化でしたか~
大きな問題と細かな展開が隙間なく登場することで視聴者を飽きさせないこの作品。
見ごたえ十分で、この型こそが日本人にとって鉄板なのかもしれないと感じた。
純粋な心に付けられた深い傷
親と子という切っても切れない関係についた大きな傷
そのままでは一生その傷を見ながら生きていくことになる。
この物語は、次の展開がわかりそうで、でもそれを端然とかわして、それでいて想像した着地点の枠に収まっている。
さて、
この物語の中に散りばめられている「水」
駅の名前にも橋であれ海であれ雨であれ、絶えず水が流れている。
水は、低いところに向かって流れるのではなく、海に向かって流れるのだろう。
海とは母なる海で、すべてなるものの源 ありとあらゆる感情が流れ着く場所
水は、単なる物質であるが水を必要としないものなどない。
この物語で表現されている水とは、涙なのだろう。
様々な涙があるが、この物語のそれは成長点を意味しているように思った。
だから一つ成長したチサは、シェアハウスを出る決心をしたのだろう。
シューズのサイズ
チサが履き比べたのは、男女の差でもあるし、彼の成長を感じ取ったのもあるのだろう。
その表情には寂しさなどはなく、むしろ清々しさに満ちていた。
「もうそんなのやめてください。大人のふりして突き放すの…」
最後のナオのセリフ
チサは敢えて「大人にはいろいろある」と言ってみた。
その言葉に反応したナオ
彼の純粋さには嘘がない。
しかし、次のステージに進み始めたチサは、成長と同時に純粋さを持ち続けているナオに「バッカじゃないの」という。
校庭
ニゲミチの絵コンテの内容に気づいたナオ
同時にカエデもまたそれに気づくが、何故かにっこりと笑う。
このシーンだけ物語をまとめすぎてしまおうとする違和感が残ってしまった。
「終わりません。終わらせないです」というナオの純粋な恋心
恋愛したことのないチサに、彼の心はどのように伝わったのだろう?
間違いのない、疑いようのない純粋さ
お互いの親のW不倫の末の心の傷
この傷ついた二人だからこそ導き出せた結果 心の澱の浄化
16歳で止まってしまったチサの成長点
現在16歳であろうナオ
橋の上の天気雨
イレギュラー
しかしすぐに小康状態となる。
若気の至り 迷い 勘違い
この短い期間だけの想い
様々な思いと気持ちをその雨が川へと流してくれる。
純朴ゆえの儚い想い
あの瞬間のナオの嘘のない思いは、当時の自分自身なのかもしれないと思った。
おそらくそう思わせているのだろう。
だからどうなるのかなどは視聴者が勝手に想像すればいい。
さて、
怒りという感情
これもまた、大切なもの。
怒ったら負けではなく、端然と怒る必要がある場合がある。
この視点を自分ではなく、チサを見ていることでわかるという手法も中々素晴らしい。
同じような傷を抱えた二人
出発点が同じだからこそ見える相手の気持ちの揺らぎ
出会った時から感じるサチの不機嫌さ
その正体を知ったとき、ナオはどれだけ傷ついたことだろう。
自分という人間の存在そのものが否定された感覚
通常はそこで撃沈されるので、それ以上何もできなくなる。
その内容をサチに尋ねてみたのは、ナオがそれだけ純朴だったのだろう。
彼のような人物は絶滅危惧種だ。
一緒に話を立ち聞きしていたカエデの介入は、ナオにとっては勇気のエネルギーだったはずで、ナオに何らかのアクションを起こさせる原動力にもなったはず。
カエデは今後もナオにとってキーマンになるのだろう。
また、
トーテムポール
冒頭とチサの父の訪問の目印
インディアンの文化的な指標 家族や出来事を彫ったもの
この物語がどんな物語なのかを象徴するもの
しかし、
母とチサとの対峙は正論対正論で、言葉とはまさに言刃だと感じた。
何にせよ、言葉は人を傷つけるものなのだろうか?
レストランでのまさかの再会も、チサにはすでに意味のなかったことだったのだろう。
母親の方が、どうしても平気ではいられなかった。
母の正論が、自分自身を傷つけていたのだ。
チサは、本心をぶつけたことが、結局よかった。
母の小さな娘のおはじき攻撃
負の連鎖を感じさせる。
朝の海辺
二人のはしゃぎ方は、純粋さを保ったまま心の傷口が修復したことを暗示しているのだろう。
10年かけてようやく海までたどり着いた「涙」
その中で、心を洗ってみる。
二人はあの海で統合されて、癒しを受取り、それぞれの道を歩み始める。
傷つけばまた泣いて、いつかまた海に行けばいい。
タイトルに込められた想い。
この意味を誰もがそれぞれに解釈することが、この作品の意図したことなのかもしれない。
かなり素晴らしい作品だった。
気持ちよく観られる恋愛映画でした
高校生の主人公が幼すぎる‼️
曲者だらけのシェアハウスで生活していく高校生の主人公の成長物語‼️軸となるのは広瀬すずちゃんとの関係‼️要はお互いの親同士がW不倫していて、主人公は断絶していたすずちゃんとその母親との関係、ケジメに一役買うというお話‼️脇を固めるキャラたちも個性的で、ストーリー自体もいいと思うけど、やっぱり主人公とすずちゃんが結ばれるラストの展開はちょっと違和感・・・‼️
広瀬すずを楽しみに観たけど
不倫相手の男が、義弟と息子が居るからと、
相手の家に行くかなぁ。
知っていた筈だ。
広瀬すずが榊さんと呼ばれて、下の名前も直ぐに出て。あり得ない。
広瀬すずの演技が引っかかって、違和感。
つっぱった役柄下手やな。
いくらシェアハウスで出会したとしても、
不倫した子供同士が、ってあり得ない。
中盤からますますおもしろくなくなって来た。
北村有起哉が探偵社に頼むのもおかしいし、
息子が高校生で大人のことに口挟めるのかなぁ?
不倫ならわかっても口を閉ざすように思える、
10年前だし。
年齢の設定をもう少し上にすればまだ良かったかも。
母親の家のことも会話の内容や娘が変。
人は流されて生きていく、ってタイトルだろうけど。
えっ⁉️恋愛も⁉️信じられない⁉️
広瀬すずはますます美人❣️
高校生の男の子は、
将来凄いイケメンになりそう❣️身長もう少し。
女の子も可愛い💕
ミスタームーンライトも可愛い❤️
北村有起哉がしょーもない情け無い父を演じて
こんな男がW不倫するんだなぁと思わせてくれる。
高良健吾や生瀬勝久は、安定の演技。
ニゲミチさんが被るニット帽可愛い💕
海もきれいだった。
2024/6/15鑑賞
「何もなかった」とは言いつつも…。
<映画のことば>
千紗ちゃんは、16歳のまんまで時間が止まっちゃってる。
自分でだって、動かした方がいいってことは、分かってるだろうけど。
「何もなかったことにして暮らしたい」とは言うものの、その内心は、「何もなかった」訳でもないし、あまつさえ「何もなかったこと」には、できないことも、千紗自身の中では百も承知、二百も合点。
しかし、雨として地表に降った雨は、川に集まって流れ下り、いつかは海へとたどり着く。
その万古不変の自然の摂理と同じように、千紗と母親との関係性においても、結局は「血は水よりも濃かった」ということだったのでしょう。
そんなこんなの、千紗と彼女の母親との関係性が、なんとも胸に痛い一本でした。評論子には。
かてて加えて、千紗を演じた広瀬すずの演技が圧巻の一本でもありました。
佳作であったと思います。
(追記)
それにしても、ピュアですねぇ。直達君は。
彼と千紗との「年齢の差」というものも、その一点に昇華していたのかも知れないと思いました。本作の場合では。評論子は。
今はもうすっかり、そういうピュアさ加減というものは、人生のどこかにまるまる置き忘れて来てしまったような評論子ですけれども。
思い返してみれば、直達君と同じような世代の、やおら半世紀も前に遡ってみれば、こんな感じとも、そう違(たが)わなかったような気も、しないでもありません。
思わせぶりな題名にダマされた私が馬鹿でした
自分だけの世界から、自分とは違う他人が存在することを知り、自分の思いとは無関係に動いていく現実を受け入れ折り合いをつけていくことが、成長するという事です。若い頃は、大人が大人であることがカッコよく見えたものです。時代は昭和でした。でも、今の青春は、自分が未熟であることに気付かず、成熟することをダサいと思っているのでしょうか。
二十代半ばの女性を演じる広瀬すずが可哀そうでした。妙な台本を演じるには、無理な演技にならざるを得ない。
でも、怒っている広瀬すずは魅力的でした。芯の強い女性、あの強さは広瀬すずでなくてはなかなか難しい。
原作が悪いのか、脚本、監督が悪いのか、映画会社に問題があるのか。邦画が奮起してくれることを期待をします。
ずっと怒りを抱えているのって無駄だと思う
直達くんのキャスティングが良かった
直達くん役、おそらく設定と同じ年齢であの雰囲気の子をキャスティングしたのが一番評価できる。
彼の瑞々しい感性と演技で映画の魅力がぐんと上がってた。
はじめの方は広瀬すずが綺麗すぎて普通のOLって設定は無理があるよな、、と思ったけどキッチンに立って心の苦しさを流すように黙々と無愛想に料理する後ろ姿に打たれました。すごく印象に残った。どこか孤独で、かわりに泣きたくなるような。
あとシェアハウスの家具や装飾品、ちょっとした生活に寄り添うもの、小道具とか、そういう美術が凝っていてすごい。
まぁまぁ重めのテーマを軽快かつポップに描く田島列島独特の雰囲気をちゃんと意識して実写化してたのも良かった。
久しぶりに良い映画を観ました。
タイトルなし(ネタバレ)
母「あなたには幸せになって欲しいの」
娘「それは あなたが楽になりたいからでしょ」
母「あなた、まともじゃない」
娘「あなたの子だからね」
からの「アメリカンドリーム」攻撃
何なんだ?!
広瀬すずはイイ女優なのでイイ役を演じさせると、とっても光る。
歳の差恋愛ドラマじゃないよ
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