「主役は場地圭介であり、永山絢斗」東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 決戦 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
主役は場地圭介であり、永山絢斗
この日のために2ヶ月間生きてきたと言っても過言では無いほど、楽しみにしていた本作。映画史に残る最高の前編として名を刻んだ、血のハロウィン編運命。有終の美を飾ることが出来るのか、そうやって大注目され続けてきた今回の決戦。話したいことは山ほどあるけど、とにかく見た感想を一言で。
こんなレビュー見なくていいから、早く映画館に行って!走って!
もう、最高という安直な言葉では物足りないほど最高で、間違いなくこの「東京リベンジャーズ」という作品は、どの漫画原作の実写映画よりも優れていて、完成度の高い、文句のつけ所一切無しの大傑作シリーズだと思う。プロットが面白いことはもちろんのこと、実写にするにあたって、映画にするにあたっての構築は、鬼才・英勉監督の力によって完璧に成し遂げられているし、実写映画とは思えない圧倒的なクオリティとリアリティが本作にはある。
コスプレではなく、キャラクターが生身の人間に成り代わったような、とんでもない実写化。演者が、これほどまでに生き生きとした作品を、私は知らない。原作ファンからの重圧も受け止めながら、託されたキャラを楽しんで、そしてこの作品でしか見ることの出来ない破壊的な熱量で演じている。裏側を見ていなくとも、彼らが本作に向き合う真剣な姿が伝わる。漫画から飛び出してきたように主人公な北村匠海、あまりにカッコよすぎる山田裕貴と吉沢亮、他とは違うクールさがたまらない眞栄田郷敦、作品ごとに人が変わりすぎる間宮祥太朗、闇のオーラが恐ろしい村上虹郎、顔とキャラが合いすぎている高杉真宙。そして、今回の主役であり、MVPなのは、誰がなんと言おうと、場地圭介で永山絢斗。
やってしまったことはこの作品を作り上げた全ての人に対しての冒涜であり、侮辱行為であるが、彼無くして本作は成立しないのも事実。巷では、「場地は柳楽優弥が良かった」やら「やっぱり永山絢斗ではダメだった」やら言われているけれど、本当にこれを見てそんなこと言ってる?場地圭介というキャラクターがフューチャーされる話であったというのもあるけれど、永山絢斗はこの役を自身にしか出せない味で、想像の何倍、何十倍も魅せてくれた。逮捕当時は「何やってんだよ!」と怒りの気持ちだったけど、本作を見た後は「何であんたが...」と悲しみの気持ちだった。めちゃくちゃいい役者じゃないか。現実と役は関係ないと言いたい。なんたって、素晴らしい演技力だから。
以上のことに加え、前編であるおかげで長時間見せることが出来、血のハロウィンの名に相応しい衝撃的なアクションシーン。複雑な人間模様でありながら、しっかりと着地して気持ちいいラストを見せてくれたドラマ。そんなどこを切り取っても面白過ぎるこの映画に、全身が震え、気付いたらボロボロと涙が零れている。心より先に身体が反応している。この作品はすごい、と。何度も何度もパンチを受け、空いた口が塞がらない状態になっている中で、SUPER BEAVERの主題歌。ああ、この映画は自分を殺す気なんだ。もう、ノックアウトだよ。白旗挙げる。信じられない傑作だと、認める。まだまだ話し足りないけど、とにかく見て。前編と合わせて、この歴史に残る実写映画を、劇場で。