「「前作派」のファン達よ」長ぐつをはいたネコと9つの命 gonenさんの映画レビュー(感想・評価)
「前作派」のファン達よ
前作があまりにも好きなので、11年越しに続編が公開するという異常事態に心躍らせて映画館に観に行った。
竹中直人の吹き替えが好きだったのだが、様々な理由があってのキャスト変更なのだろう。吹き替えキャストに関してはここでは控えておく。
問題は世間の「終わりよければ全てよし」的評価と、前作の過小評価(…と俺は思っている)だ。
今作を観終わった時の感想としては、
「開幕ブチアゲて中盤かったるくなるも、最終的には完璧に仕上げることで上手く誤魔化したな」といった具合だった。
最初のパーティや巨人との戦い、そして強敵ウルフとの出会いはノリも映像も素晴らしく「とんでもない映画が始まったぞ!」というカンジなのだが、
なんでも願いの叶う「願い星」を巡る争いが始まってからは新規のヴィランが多く、しかもそれぞれ均等にシーンが割かれている為中盤以降ゴチャゴチャと失速してしまった。"三匹のクマ"一家は正直いらなかったと思う。
しかしそこは流石のドリームワークス、終盤には感動のストーリーと緊迫したバトルでしっかりと引き締め、大団円に終わらせてくれた。
しかし翌日、改めて前作を見直してみたらそのあまりの出来の良さに驚いた。
物語の構成が非常〜〜に良くできていて、シンプルながら全然退屈しないのだ。
やはり映画として綺麗に纏まった前作には今作は敵わなかったな!とツイッターを眺めていると、
なんと多くの人が「軽々と前作越え!」「というか前作は凡作」「おこちゃま向けの前作とはワケが違う」などと評価していた。
映画の価値観なんてのはそりゃあ人それぞれなのだが、前作がそんな散々な評価を受けていたこと、今作に強めの中弛みを感じていたのが自分だけだったことになかなかのショックを受けてしまった。
前作がただの単純なおこちゃま映画なわけないだろ、お前ら要素が多けりゃ大人向けだと思ってんじゃあないだろうな…などなど負の感情が湧き上がってしまった自分が情けなくもあるんだけど、俺みたいな感情に陥った人が数人はいるはずだ。
たぶん間違ってるのは俺達なんだろう。でも、でもこの感情を共有できる人が一人でもいれば…と思い、映画ドットコムに登録してまでここに殴り書きにきたというワケなのである。