「奥深い願いとウルフの存在感」長ぐつをはいたネコと9つの命 リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
奥深い願いとウルフの存在感
子ども向けアニメと思っていましたが、レビューの高評価があったので試しに、と鑑賞。
長靴をはいた猫の話そのものは全然知らなくて、予告編のみの前情報で見ました。ネコ達のほかにクマの親子の家に女のコが入り込んじゃうあの童話も混ざっていて驚きました。
最終的な泣きポイントは、うっすら予感させましたがこのクマの親子と行動を共にしていた女のコの
「本当の家族がほしい」
の結末、そこに何を求めてるかでした。。!
勿論ネコ達もそれぞれに願いを叶えようとしてますが、
「魔法を使ってでも本当にほしいものは何なのか」
「そもそも人生の願いを叶えるために魔法は必要なのか」
という奥深いテーマがありました。
幸せの青い鳥はどこにあるのか?に少し通じるテイストもありつつ、
海外アニメでたまにある洋画へのオマージュ、今回はターミネーターのあの場面があり、これは見たことある大人向けの演出で良きでした(笑)やっぱ沈む時の絵柄はそうなるよな〜って(笑)
主人公ネコはヒーローや主人公には珍しく当初はちょい傲慢というか「俺は凄いんだぜオーラ」がかなり鼻につくのであまり共感しにくく、変わったヒーローだな〜と思ってましたが、
その主人公を本編の願い星を探すストーリーとは全然関係なくただ執拗に追うウルフの存在感がまぁ異彩で!
途中からウルフの存在感の大きさが気になってしょうがなかったんですが、声優が津田健次郎さんで、うわー!!ナナミンか~!!それなら存在感そうなるわーーとエンドロールで呪術廻戦の七海健人だと知れて嬉しかったです(笑)
ウルフが命を狙っていたのはどういう性格の主人公なのか、こだわりポイントが「性格」なことも良かったです。
あと何気にワンコは壮絶な虐待経験があり。。結局主人公ネコもとある大事な日から逃げ出した過去があったとか心に闇や傷を抱えている重いテーマも内包していました。
何でも願いが1つ叶うと言われたらつい浮き足立ったり、自分の本当の気持ちを見失ってしまうこともあるかもしれませんが、
3匹の親子熊と一緒にいた女のコのように、
最後の最後の最後には、自分の気持ちに、自分が本当に求めていたものに気付ける人でありたい、と思いました。
女子ネコさんは、強くてスマートで、峰不二子みたいにカッコイイ女子でとても良かったです!!