「高評価が多いが、私には退屈な映画だった。」VORTEX ヴォルテックス いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
高評価が多いが、私には退屈な映画だった。
今日はこの作品と「ポトフ」をはしごした。私には2本とも外れの映画だった。まぁ、そんな時もある。心が打ち震えような新作を待望しているが、正直なところ年に1本あるかないかだ。
今年、68歳になった。人の死が他人事でない歳だ。見たくない現実を見せつけられているようで楽しめない。感動もさせてくれない。スクリーンを2分割してそれぞれの対象人物を同時進行で撮影する実験を行っている。試みとして面白いけれど、成功しているとは思えない。
先日、小津安二郎の「東京暮色」を観ていて、その構図の美しさにうっとりとさせられた。それに比べたら、と感じる。俳優による演技だがドキュメンタリータッチで画面構成を考えることは難しいだろう。
画面分割することで浮かび上がったのは、親子それぞれが抱える苦悩がよく分かること。くらいかな。家族と言っても、所詮自分以外は他人か。
いつ終わってくれるんだろうと退屈だった。この映画と関係ないが、「東京暮色」は小津安二郎の失敗作と言われている。とんでもない。秀作だ。また、音楽がいい。斎藤高順が担当。
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