劇場公開日 2023年5月5日

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「普通の女性としてレア・セドゥ」それでも私は生きていく maduさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5普通の女性としてレア・セドゥ

2023年9月20日
iPhoneアプリから投稿

普通の女性としてレア・セドゥが美しく描かれているのが新鮮。
映画の中で主人公は完全に不倫状態だけど、誰もそこに言及もしなければ非難の色もない。
恋愛事には日本もこれぐらい個人主義であればいいのに。ミア・ハンセン=ラブの描く女性は性に対して臆病さがなく野生動物みたいに生き生きとして、観てるこちらは少し心配になるけど、そんな心配なぞ不用なほどに強くて美しい。

今回の衣装も良かったな。

パンフレットの監督とキャストのインタビューも良くって、撮影現場の空気の良さを感じた。

「午前4時にパリの夜は明ける」もそうだったけど
今まで特殊な役と背負ってきたスター俳優がただの普通の女性として描かれて、それがそれなりの規模で上映されて評価されてることに今の時代の空気を感じる。
性の象徴や女としての期待やトロフィー的な存在のようなペルソナを脱いだ女性たちが描かれていることは思ったより、すごいことなのかもしれない。

この映画を観て自分自身がレア・セドゥに特別な存在であってほしいと何か特別な願望と期待をレア・セドゥに持っていて、普通の彼女に少しだけがっかりしている自分勝手さは、世間で女性に当たり前に与えられる期待や重圧と同じ種類の物であることにも気づいた。

映画館で鑑賞

madu