「絶体絶命にもほどがある!」名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン) しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
絶体絶命にもほどがある!
"名探偵コナン(映画)" シリーズ第26作。
通常スクリーンで鑑賞(レイトショー)。
友人と観に行きました。
原作マンガは未読、TVシリーズは最近ご無沙汰です。
これまでコナンくんの映画のマイベストは「ゼロの執行人」でしたが、観終わって早々本作に変わりました。本作は久々の大アタリ、否、大・大・大アタリだな、と…
推理要素は伏線がかなり分かり易くて物足りない感じでしたが、それを補って余りある劇場版ならではなスペクタクルとアクション、そしてキュン要素がたまらない。ここが賛否分かれる部分かもしれませんが、コナン=ミステリーと云う単純な図式ではないと理解しているファン層の心をがっちりと掴んで離さないストーリーではないかなと思いました。
絶体絶命にもほどがある窮地に立たされた灰原哀を救おうと奔走するコナンくんがひたすらカッコいい。どんなに逆立ちしたって、ジ・エンド=死な結末しか想像出来ない。いったいどう逆転するのか、文字通り手に汗握りながら鑑賞しました。
男の私でさえ簡単に惚れてしまうコナンくんですから、女性ファンのハートを掴まないはずがない。大切なものを守るための行動力は、男ならば見習いたいくらいに刺激的…
加えて安室さんと赤井さんまで登場しているから過剰とも言えるファンサービス。3人が直接対面するシーンは無かったものの、スマホ越しの会話にはシビれざるを得なかった(笑)。
灰原哀についても掘り下げられ、ドラマ部分も充実。コナンくんとふたりで海面に浮上するシーンにて、互いのモノローグのリレーの果てのあのセリフ、相当コナンくんのことを想っていないと出ない言葉に心の中でキュン死しそうなくらい悶絶、からのラストの「返却」はヤバい、ヤバすぎる。語彙力が崩壊するほどの胸キュンの大波に溺れました。
コナンくんが潜水艦と戦うことになろうとは、歴史の長いシリーズですが、始まった当初誰が想像し得たでしょうか。と云うか、潜水艦を所有している黒の組織への興味を掻き立てられました。世界各地で暗躍し、大規模且つ緻密に構成された組織のようでいて容易に各機関の潜入捜査を許している笊な部分もあると云うちぐはぐさも去ることながら、何を目的にしているのか未だ全容が見えない不気味さにさらに拍車が掛かったようで、今後の展開がますます見逃せなくなりそうです。
[余談]
そう言えば、マイベストの次点となった「ゼロの執行人」と監督・脚本が同じ布陣。立川譲監督は「ゼロ~」以来の登板、脚本の櫻井武晴氏は「緋色の弾丸」ぶりでしたが、このおふたりの組み合わせと私の個人的な好みとの相性がいいのかもしれません。是非とも来年の新作もこのコンビでお願いしたいところですが、近年の傾向を見るにおそらく脚本は大倉崇裕氏になりそう(大倉氏の脚本も好きだけど)。