ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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きけ わだつみのこえ。 これは「セカイ系ゴジラ」という新しいジャンルだ!
1954年に誕生した怪獣映画『ゴジラ』を、設定も新たにリブート。
太平洋戦争末期、特攻隊員の敷島浩一は大戸島の守備隊基地において、島に伝わる怪物「呉爾羅」の襲撃を受ける。
それから2年、ビキニ環礁での水爆実験の影響で巨大化した呉爾羅が突如として東京を襲撃。大戸島での出来事により心に傷を負った敷島は、再びこの怪獣と直面することになる…。
監督/脚本/VFXは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』の山崎貴。
主人公、敷島浩一を演じるのは『千と千尋の神隠し』『君の名は。』の神木隆之介。
敷島の下に身を寄せる女性、大石典子を演じるのは『エイプリルフールズ』『君の膵臓をたべたい』の浜辺美波。
機雷処理を請け負う船「新生丸」の見習い乗組員、水島四郎を演じるのは『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『万引き家族』の山田裕貴。
新生丸の乗組員である元海軍兵器開発者、野田健治を演じるのは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『64 ロクヨン』シリーズの吉岡秀隆。
敷島の隣人、太田澄子を演じるのは『百円の恋』『万引き家族』の安藤サクラ。
新生丸の船長、秋津淸治を演じるのは『20世紀少年』シリーズや『ソロモンの偽証』シリーズの佐々木蔵之介。
『ゴジラ』シリーズ70周年(正確には69周年だけど…)記念作品。そして国産『ゴジラ』としては30作目なんだって。沢山ありますねー。
『シン・ゴジラ』(2016)の大ヒットから7年、再び生み出された国産ゴジラくん。まず思ったのは『シン・ゴジラ』のとことん逆を行こうとしている作品であるということ。
平成と昭和という時代設定の違いだけではなく、家族の物語を徹底的に排除し官僚主導でのゴジラ退治を描いた『シン』に対して、『-1.0』では日本政府はまるで描かれず、家族と民草の物語に終始している。
俳優陣の使い方も対照的で、とにかく日本中の有名俳優をズラーっと揃えた『シン』に比べ、本作はメインキャスト以外はそれほど有名な役者は出演していない。
山崎貴監督の提案なのか市川南プロデューサーの指示なのかは不明だが、こういう風に同じ題材を全く逆の視点から描いてみせるというのは面白い試みだと思う。
逆を行きながらも、映画開始直後からゴジラが登場する点や市街地壊滅を容赦なく描く点など、『シン』の美点がちゃんと踏まえられている。前作の良さをブラッシュアップしつつも、そこに胡座をかかず別のルートを模索する。その様なハングリー精神が感じとることが出来た。
まず結論から言うと、私は本作を楽しみました。…楽しみましたが、正直言いたいことは山ほどある!
極端な話、加点法で採点すると100点だが減点法で採点すると0点みたいな映画だと思ってます。
ゴジラのVFXやその見せ方に関しては文句無し!!国産ゴジラでは歴代最高、ハリウッド版と比べても全く遜色のない出来だったと思います。
冒頭でのゴジラサウルスの襲撃からすでに「おっ!怖い!」って感じだったのだが、それすら前フリにしてしまう堂々たる真打登場には心底痺れた!デケェぇぇーー!!強えぇぇーー!!
木造船でのチェイスから銀座上陸まで、この一連のシークエンスはシリーズ屈指の迫力だったと思います。
追われる恐怖となす術なく蹂躙される恐怖、異なる2つの恐怖を用意し、それを余す所なく味わわせてくれたわけで、加点法ならもうここだけで100点!💯
ゴジラ描写が最高だっただけに、その出番の少なさには不満が残る。もっと!もっと!もっと全てを破壊してくれゴジラくん!!
予算の関係など諸々の事情があるのはわかるが、襲撃するのが銀座だけというのは勿体無い。
ゴジラの襲撃とそれに翻弄される人々、そこだけで120分間走り切ってくれていたら…。そんな贅沢は望めないにしても、せめてあと30分ゴジラの出番が長かったら、本作は歴史に残る大傑作になっていたことでしょう。
ゴジラの攻略法もユニーク。
水圧の急激な変動によりゴジラを内側から破壊すると言う「海神作戦」には、よくぞそんな方法を思いついたなと感心してしまいました。
作戦内容は無理矢理すぎるし、立ち泳ぎするゴジラの図はシュールだったものの、"水泡に帰す"という初代を思わせる構図でありながら非常にフレッシュな攻撃方法を生み出したことは賞賛に値すると思います。
そして他のゴジラ映画と本作を分ける最大の特徴は、人間サイドに明確な主人公を据えたという点。
これまでのゴジラ映画にも主人公はいたものの、結局はゴジラの周辺人物という枠を越えることはなかった。
しかし本作の主人公、敷島は違います。彼に引き寄せられるかのようにゴジラは現れる。ゴジラと敷島の間には偶然を超えた宿命のようなものが横たわっているのです。
「夢か現かわからない」と度々呟く敷島ですが、確かに本作は彼の内的世界であると言えなくもない。本作のゴジラは、彼の罪の意識が具現化した存在として描かれているからです。
特攻から逃げ出し大戸島にたどり着いた直後、敷島はゴジラに初めて遭遇します。その後、心の病に苦しみながらも典子と明子という”家族”、そして気の合う同僚と出会い、再び人生に向き合あい始めた矢先、再びゴジラと邂逅するのです。
本作のゴジラはとにかくブチギレてる。とにかく怒気に満ちており、明確な意図を持って銀座を破壊し尽くしている様にも見て取れる。
一体何故こんなにもキレているのか。それを紐解くには、本作のゴジラが何を表しているのか、それについて考えなければならないでしょう。
本作のゴジラ、一見すると戦争で死んでいった英霊、特に特攻により若くして命を散らさざるを得なかった英霊の怨念が形を取った存在の様に見えます。
特攻隊員の英霊の怨念だからこそ、それを鎮めるために戦うのは元海軍の人間でなくてはならなかったのだろうし、最後の敬礼も彼らの無念に捧げたものだったのでしょう。
しかし、それだけだと理解は不十分な気もする。銀座の街はともかくとして、整備兵たちまで襲撃した理由を説明することが出来ませんからね。
ここは単純に特攻隊員の英霊であると読み解くよりは、むしろ特攻隊員たちに恨まれていると思い込む、敷島の妄念が形を成した存在であると考えた方が良いでしょう。
先に述べた様に、ゴジラが現れるのは敷島が心の平穏を見出した時。彼の中の罪悪感を思い出させる様に、ゴジラは敷島の前に現れ、目の前の全てを破壊し尽くすのです。
トラウマの克服=ゴジラを自らの手で滅ぼす、という図式が成り立つのは、この物語が日本国民vsゴジラというマキシマムなものではなく、一人の男が心的外傷を癒すまでのミニマムなものと言うことの証明に他ならず、それをもって「夢か現かわからない」という発言がなされたのだと理解しています。
あれこれと書きましたが、とどのつまりこの映画は個人の問題が世界の運命と直結しているという「セカイ系」に属する、世界初のセカイ系ゴジラ。
セカイ系というジャンルの第一人者、庵野秀明がそれを意識せずにゴジラを撮ったのに、あんまりセカイ系って印象のない山崎貴が「じゃあ俺がやるよ!」と言わんばかりにこの手の映画を作り上げたというのはなんだかとっても面白い。やはり『シン』と『-1.0』は、ニコイチとして鑑賞するのが一番楽しめる形の様な気がします。
以下に述べるのは気になった点。減点法だと0点だと述べましたが、その減点の部分。
まぁもうなんと言っても人間ドラマのつまらなさ!!これに尽きる!!
ただつまらないだけならまだしも、セリフが臭い!演技が臭い!演劇見てんじゃないんだよこっちは💦
おそらくはハリウッド版の10分の1くらいの予算で作られているこの『-1.0』。当然そんなに長くゴジラを登場させる訳にはいきません。ギャラが高いからね。
ゴジラの出番を増やせない以上、その代替として人間ドラマを描かざるを得ないというのはわかるが、その内容が凡庸。そして冗長。
冒頭こそ、突然のゴジラの襲撃というサプライズがありますが、そこからしばらくはゴジラくんの出番がなく、ひたすらに「ザ・邦画」な画面を見させられる。
ここの何が辛いって、出てくる人たちが全然終戦直後の日本人に見えないっ。セットこそ丁寧に作ってありますが、だからこそ逆に小綺麗に見えてしまう。大体、主演の2人が神木隆之介と浜辺美波って…。朝ドラかっつーの。
映像がパキッと明るすぎるのも、テレビドラマ感を強めている様に思う。もっとこう、フィルムで撮影しましたってな具合の汚れ感、ヘタれ感が欲しいところである。
特攻隊員が主人公の映画といえば、岡本喜八監督による悲喜劇『肉弾』(1968)なんかをいの一番に思い出してしまうんだけど、『肉弾』を観た時の本当っぽさ、実際には戦後20年経ってるんだから全然本当じゃないんだけど、それでも「うわっ!戦中だっ!」と思い込まされてしまうほどのリアリティを、本作からは感じられなかった。
じゃあなんでこんなに偽物っぽいのかと言うと、役者の演技に力が入りすぎていることが一つの原因だと思う。佐々木蔵之介が顕著なんだけど、切迫した状況に置かれた人間の演技=力の入った演技になってしまっており、喜怒哀楽の表現は毎回全力100%!みたいな、とにかく暑苦しい人間ばかりが登場するという事態に陥っている。歌舞伎っつーの。
さっきまで普通だったのに、急に怒100%みたいな展開がいくつかあって、そんなんで日常生活送れるのか?と心配になってしまった。
『万引き家族』(2018)であんなにリアリティのある芝居をしていた安藤サクラも、今回は演技過剰。まだ『万引き家族』の方が終戦直後に見えるくらい。
子役の女の子も全然演技が出来ていなかったし、多分山崎貴監督は役者の芝居に興味がないんだろう。
唯一、吉岡秀隆だけはいつものザ・吉岡秀隆的な力の抜けた芝居でとっても良かった。他の役者も吉岡秀隆くらいの抜け感を意識しても良かったんじゃない?
セリフの臭みも大いに気になるところ。
「やったか!?」はまぁギャグとして受け取るとしても(「やったか!?」で本当にやれたことってあるのだろうか?)、「日本の未来はお前らに任せた!」とか「なんでノリちゃんを嫁にしてやらなかったんでぃ!」とか、そんなことまでセリフで言わなきゃいけんのかいな?
セリフがおおよそ生の人間の言うものではないので、余計人間ドラマがチープで、偽物っぽいものに映ってしまっていた様に思う。
本作を終戦直後という時代設定にしたのは、”反戦”をメッセージとして込めるためだと思われる。世界情勢はどんどんきな臭くなっている訳だし、そのメッセージ自体は至極正しい。
ただ、それを訴えているにしては少々血の気が多すぎる。先の大戦で敗れ悶々としていた元軍人の男たちが「リメンバー・パシフィック・ウォー!!」と意気込んでいる様に見えなくもない。
反戦云々というより、ただ震電と高雄をゴジラにぶつけたかったからこの時代設定にしたんじゃあないですか監督?
「国家に頼らず、自分たちの力でこの国を守るんだ!!」と言うのは新保守主義的思想の人たちに受けるだろうなと思った。それ自体の是非は置いておくにしても、その作戦行動に元軍人や旧海軍の兵器を持ち出すという点には少々の危うさを感じずにはいられない。
また、「男は仕事女は家庭」をモロに描く旧態依然な価値観についても少々の危うさを感じる。『シン・ゴジラ』では女性も戦いの真っ只中に居たのに対し、本作では完全に蚊帳の外であり、数少ない女性キャラクターに与えられる役割は主に子供の世話。
終戦直後の日本が舞台なんだから、女が出張る方がおかしい!と言う意見もあるだろうが、それならそれで女性キャラクターにも正当な役割を与えるべきである。
「女が戦場にいるなんてのは気に入らないんだよ!」という、ヤザン・ゲーブルのような価値観の人間の隠れ蓑として、戦後という時代が扱われるのだけはご勘弁。
と長々と書いてきたが、好き嫌いはあれど語り甲斐のある映画である。
最後に一言。やはり伊福部昭先生は偉大だ!!
大衆なゴジラー1.0 VS オタクなシンゴジ
どうしてもシンゴジとの比較になってしまうのは仕方が無いかなと思いつつ、3連休明けの月曜昼間に見に行きました。年寄りばっかりでビックリです。
散々ハードルが上がった中で、山崎監督は自身の得意分野である昭和初期へ土俵を持って来たのが大正解でしたね。
シンゴジは良くも悪くも庵野監督の趣味性(オタク)が上手く爆発してました。彼も自分の土俵へ持って来たのが成功の要因の一つでした。ゴジラを天災としての対処の仕方が見事でしたが、ドラマ部分を犠牲にしてました。まるでAIが演じてるようで、俳優を上手く指導出来ない監督なのだろう。
で、ゴジラ ー1.0は山崎監督が完全にエンタメに舵を切って、どストライクの直球を投げて来ました。全体的な流れも見事で子供でも楽しめるゴジラ映画となっています。
ドラマもしっかり撮られており良かったですが、ただセリフがクドく説明のし過ぎなところが残念だった。
初山崎監督なので他の映画もセリフはくどいのでしょうか?
しかし設定(世界観)に関しては抜群でしたね。敗戦後、何かもが無くなった日本に圧倒的戦闘力のゴジラの出現に対して、武器も乏しく、大戦から残った兵器も使わせてもらえない絶対絶滅的な立場の国民。国からの援助がほぼ無いなか民間が力を合わせ、知恵を出して迎え撃つ様がとてもカッコよくてたまらなかった。
オタクのシンゴジVS大衆のヤマゴジの興行成績の行方は如何に。
個人的にはシンゴジを越えて、ヤマゴジは100億くらい行ってほしい、ゴジラ映画はオタクのものではなく、大衆のものなのだから。
【ココからネタバレ】
予告編でもありましたが、ゴジラの熱線を発射する前に尻尾の先のヒレが肩の方へ順番に突起する動きが機械的過ぎると思う。メカゴジラじゃ無いんだから。
あと最後の熱線放射と特攻のタイミングがズレていて緊張感が途切れてしまったのが残念かな。
だが、その戦闘機に震電を持って来るところに山崎監督の軍オタっぷりが嬉しくもある。本当にナイスな選択です。
やはり、ゴジラは国産が良い。
すごいゴジラが誕生しました。力強く生命力に溢れています。恐怖の大魔王、破壊の化身、⋯語彙力不足で言葉が出てきませんが恐怖そのものです。それに立ち向かう人々、中でも万さんじゃなくて敷島。スエちゃんじゃなくて典子を失い(本当は違うけど)、心の闇を押し広げ、火を点けられて、玉砕覚悟でゴジラに挑もうとする。良いです。
ゴジラは国産に限ります。
面白い。
ストーリーは大体テンプレ。だけどそれが良い。飛行機を探すところなんて震電だろってオタクならピンと来たり(笑)。ゴジラって基本足下で人間が何をしてても我関せずで前を向いてるけどマイゴジは最初から殺意を向けてくるかんじで怖い、スーパーXも三式機龍もないから絶望感が半端ない。ラストもヒロインあれで助かるなんて都合良すぎ〜からのまさかのG細胞?感染してアウトなのか沢口靖子パターンか、まさかの超回復人間に進化なのか?シンゴジがアフター3.11だったけどマイゴジはアフターコロナって事なのかな、と。
力作であり傑作!
まず日本のCG技術もここまで進化したかと驚愕しました!ハリウッドとも遜色ない出来!
平成ガメラシリーズファンとしては、やはり特撮という物理的リアルさに一日の長があると思ってましたが、考えが変わりそうです。
設定や人間ドラマも個人的にはエモさ100%!
ライバルの怪獣いない。特殊兵器なし。自衛隊以前に軍すらいない。戦後間もない時代ならではのハンデをアイデアと技術で乗り越えて実現させた海洋戦は斬新でド迫力!
戦争で生き残った者の苦悩、奮闘、強かさを描いていくドラマも素晴らしい!「今度こそ日本を守る」と
再燃した軍人魂(あえてそう表現します)でゴジラに挑んでいくその姿。こっちも燃える!
典子が吹き飛ばされた後の浩一の、絶望と怒りと悲しみが全て混ざったかのような叫び。さすが神木隆之介氏!もう「神木くん」とは呼べない。
子役のリアクションなど「?」と思う箇所も確かにありましたが、それを補って余りある出来です。
ハリウッドには絶対思いつかないであろう、日本ならではのストーリーを作ってくれた製作陣に敬意を表します!
それでも生きろと言う言葉がこんなにもありがたい
生きてしまったからこそ彷徨い
生きてしまったからこそ次こそはと思ってしまうが
やっぱりそれでも生きたいと思ってしまうし
生きろと言ってくれる人が居ることがこんなにも嬉しいことなんて思えるだなんて
スゴイ感情の映画です
映画クレヨンしんちゃんよろしく
野原一家ファイアー!の一致団結のような結束でゴジラに挑みます
観る側が、なにクソとチカラがみなぎらないわけがない!
ゴジラが現れる頻度は少ないので
ほぼ人が中心のストーリーですが非常に見応えがあった。
神木さん演じる敷島の葛藤や怯え何度もどん底に突き落とされる様はツラくなんとか救われて欲しいと心底思える演技はとても素晴らしかった
日々、十人十色人にはわからないツライことがあって
でもどんなにツラくとも
やっていくしか打開はできない
敷島が、あんなにこれで最後と思っていたのに
橘に生きろと言われたことがこんなにも嬉しいと思える映画もない
IMAXでゴジラを楽しむだけの映画
これまでゴジラ関連の作品を見たことが無く、今作が初です。なので見当違いな事を書くかもしれませんが、そこはどうかご容赦ください。
圧倒的な映像美とゴジラの造形、文句なしに最高。あの皮膚のゴツゴツ感に、背中の突起、光線を出すモーションからの光線の破壊力の演出、ゴジラの再生されていく様子、建物が紙クズの様に壊されていくシーン、全てが緻密でかっこよく、少年心をめちゃくちゃ刺激され、特撮をあまり見ない私からすると、ほぼ全ての映像に新鮮さと驚嘆さ、また非常に高い高揚感を与えてくれた。このゴジラを見るためだけに、映画館に足を運ぶべきだ。
ただ、他のレビューでも散見するが、映画の内容は、二の次感が否めない。私も細かいところが気になってしまって、作品全体を通してそこまで、良い点数にはならなかった。
役者が全体を通して説明口調、自分の感情をペラペラ喋る。せっかく豪華な俳優を起用しているのに非常に勿体無い。
船の上で機関銃を撃っているにも関わらず、銃の反動が一切なく、全く体がブレない敷島(神木さん)と水島(山田さん)。
ゴジラにどう考えても近すぎるリポーター。
人でごった返している銀座で運良く見つかる大石(浜辺さん)。
ゴジラに街を破壊されて、放射能まみれにも関わらず、調査員の雨しか防いでくれなそうな薄すぎるカッパ1枚という装備。
ゴジラの駆除という明らかな国家案件にも関わらず、科学者がたった1人で立案した作戦を遂行する甘さ。その作戦に100人足らず、という明らかな人手不足。などなど、細かく挙げるとキリがない。
だが中でも取り上げたい事が2点。大体の人と被るが。
1点目は、敷島の特攻。
戦場に心だけが取り残されている敷島の葛藤は理解できる。立ち直りかけた矢先、大石が亡くなり、また気持ちが振り出しに戻るのも理解できる。自分がゴジラに特攻する事によって、亡くなった整備士達へのある種の罪滅ぼし、大石への想い、自分の気持ちに整理をつけ完結させるという事もまだ理解できる。
ただ、橘(青木さん)の「生きろ」というたった一言で、脱出して生き延びるという選択は理解出来ない。敷島は様々なモノを背負って戦闘機に乗り込んで、覚悟だって決めていたのに、あの一言だけで選択を変えさせるのには、あまりに説得力に欠ける。2人のあのシーンのやり取りを個人的には、もっともっと深掘りして欲しかった。まだマシになった。
まぁ敷島がまた「逃げた」という捻くれた解釈もできなくはない。
2点目は、大石の最期
あの状況から大石が生きているのは無理がありすぎる。入院姿も包帯を巻いてるだけで体は不自然なほど綺麗。胡散臭いハッピーエンドだった。
考察でゴジラの細胞が転移?した、みたいなのが挙げられており、根拠として大石の脅威的な再生能力、最後の意味ありげな首の黒い模様としている。
もしそれが本当なら、何故、大石と同じ場所にいた大勢の人をはじめ、ましてや、しっかりと黒い雨にも浴びている敷島にはそれらの転移が見られないのは不思議でしょうがない。
終いには、病院側が人命を助けるため、治療としてゴジラ細胞を埋め込んだ、などの映画では一切描かれてない、妄想や陰謀に近いめちゃくちゃな事を言い始めていた。
これには流石に笑った。
あれこれ言ったが、決してこの映画は駄作では無い事を強く言いたい。個人的には非常に惜しい映画だった。これで内容も完璧だと、映画史に残る映画になったのでは?と感じる。
感覚的には映像で⭐️5まで引き上げて、内容は−⭐️.5という感じで⭐️4という評価を付けた。
内容云々より、なんといっても映像美、この映画はこれに尽きる。
最後にこんなしょうもない感想を読んで頂きありがとうございます。
どんな意見でも気軽にコメントして頂けると幸いです。
いやもう、あり得ない!
まず主人公の敷島(神木隆之介)の外見ですが、まったく軍人に見えません。髪型はいつものままの長髪で、無精髭が伸びることもありません。外見も言動も、まるで令和のナイーブな若者そのままです。
母の「生きて帰れ」という言葉を守るため、戦闘機が故障したと偽って特攻を回避し、一人整備基地に降り立ちます。そこまではまだ理解できますが、その基地がゴジラに襲われたとき、20ミリ砲の照準でゴジラを捉えた彼は、なぜか引き金を引きません。部隊が全滅するのをただ傍観し、みんなを見殺しにしてしまいます。いやもう、あり得ない!なんなの?生
きとし生けるものを殺しちゃいけない宗教かなんか?動物愛護団体の活動家?
敷島が焼け野原になった東京へ戻り、破壊された家のまえに佇んでいると、お向かいのおばさん、太田澄子(安藤サクラ)が出てきていきなり罵られます。「お前ら軍人がもっと頑張っていたらうちの子供達も死なずに済んだのに!!」軍の上層部の人間へ怒りをぶつけるなら分かりますが、こんなこと一帰還兵にいいます?しかも顔見知りの若者に…。太田澄子が頭のおかしな人にしか見えません。いやもう、あり得ない!
敷島は海の仕事でゴジラに遭遇しますが、危機一髪のところで命拾いします。ゴジラが東京に上陸するかも知れないと察知した彼は「どうして国は緊急避難命令を出さないんだ!」と叫びます。それはいいとして、その後彼は逃げようともせず、家でゴロゴロ過ごしてしまいます。そのせいで愛する同居人の大石典子はゴジラに襲われてしまいます。逃げ惑う人々で大混乱の銀座のど真ん中、逃げ遅れた典子!なぜかそこに敷島が!いやもう、あり得ない!
ゴジラを退治するための「海神作戦」を立案した科学者、野田健治(吉岡秀隆)が演説します。「日本軍はひどかった!軍人の命を軽く扱いすぎていた!飛行機の鉄板は薄いし、脱出装置もないし、ましてや特攻なんて!私達は一人も死なない作戦を誇りとして戦いましょう!」日本軍の武器開発担当者だったという設定なのに、まるで他人事のような軍部批判を繰り広げます。自己批判はまるでなし。いやもう、あり得ない!
「海神作戦」当日。まずい、うまくいかない!そこへ衛生局の船が「助けに来ましたよー」いやもう、あり得ない!
敷島と典子が再会するラストシーン。お母ちゃんに会いたかった子供を押しのけて典子の胸に顔を埋め泣き出す敷島…。これが一番あり得ない!子供が母に抱きつくのをお前は後ろから見てろ!!
なにしろ主人公敷島のキャラクター造形が不自然すぎて、まったく感情移入できませんでした。彼の心の葛藤も作り物にしか見えません。
あと、最後全員で敬礼するシーンがありますが、あれは誰に対してなのでしょう?もしかしてゴジラに対して?いやもう、あり得ない!
なんとも退屈な一作でした。この監督が撮った三丁目の夕日のゴジラの方が、よっぽど良かったように思います…。
?「マイナスワン」とは??
自分はゴジラファンでも特撮マニアでもない(家でシン・ゴジラを鑑賞したことはある)ですが、シンが面白かったから今作も面白いんだろうな、と深く考えず軽い気持ちで劇場へ赴きました。
VFX、CGがとにかくすごい。ゴジラが本当に存在しているかのような画と技術に圧倒されます。なのでめちゃくちゃ怖い。単に凶暴なゴジラってだけではこんなにも怖くならないでしょう。個人的に一番好きなシーンは中盤の海上でのシーンです。
そしてよく目にする「人間ドラマがいらない」「セリフが臭い」、これは分からなくもないです。ただこれは「ゴジラにそういうシーンはいらない」という意味なのか「ゴジラに限らず自分はそういうもの全般が好きではない」という意味なのかは分かりませんが。自分も後者の考えを多少は持っているとは思いますが、今作はそれを最小限に抑えている印象を受けました。
で、最小限に抑えていながら(本邦映画・ドラマ比)個人的に引っかかる点が色々あります。一番引っかかるのはタイトルのマイナスワンを表すものが劇中に出てきたか?と言いたくなるところです。すごい絶望的状況になるんだろうなと思ったですが、銀座を破壊したシーンを見ても「??」状態に。ゴジラが怖かったのは確かです。銀座の場面に限らずどの場面でもめちゃくちゃ怖かった。けどそこでストップしてしまう。熱線による破壊シーンですべてを"片付ける"ような展開に置いてけぼりにされてしまった感じがあります。監督は主人公の敷島は典子に思いを伝える事が出来ず、東京がまたボロボロになり自分の戦争はまだ終わらないという心理的にも物理的にも絶望的な状態になった事を描写したかったのかな?とは思いました。
ラストの典子は実は生きていました、という展開もえっ?!と思いました。じゃ、じゃあマイナスでもなんでもねえじゃん!首筋に黒い何かがあらわれるけどそれを加味してもマイナスでもなんでもねえよ!!それがすなわち目の前で熱線を見た新生丸のメンバーや海神作戦のメンバーも放射線障害で先は長くないってことを意味するのだとしても!!首筋の黒いそれとバラバラになったゴジラが再生して、「本当のマイナスはこれからだ....」みたいな終わり方って、、、もっと絶望に叩き落としてくれよ!!!!!!とは思いました。
というかまずそもそもなんで典子は生きているんだ??そして敷島の書いた出鱈目な手紙に怒り敷島をボコボコにした橘が言う「生きろ」←???澄子おばちゃんは赤子の明子を心配しつつ「あーあせっかくの白米が」とも言っていた。何のプロセスも無しにわだかまりが無くなったかのような描写にもクエスチョンマークが付きました。
そういう傍から見れば気にすんな細かいことは良いんだよ!と逆に突っ込まれそうなしょうもない一個一個のひっかかりが積み重なった結果、星3/5になりました。いわゆるご都合主義的展開でも気にせず見れる人は見ても後悔はしないと思います。
自分はドルビーアトモス(TCXスクリーン)、4DX、ドルビーシネマと計三回鑑賞しましたが、先に書いた通りVFXは本当に素晴らしいんです。そしてホラー映画でもないのにゴジラが怖いと思わせる描写がすごいのですが、その分引っかかる部分が本当にもったいない。
あ、スクリーンの大きさはTCXが一番良かったです。大きなスクリーンに文字通り余すことなくいっぱいに投影されていたので。
VFXはよくできてる。
本日午前半休を取って見てきました。自分はお一人様。
周りは若い人もいましたが、大半はお一人様の60代以降と思われるおじさまばっかり。
けっこうオールドファンも見に来ている感じです。
冒頭主人公の零戦が不時着するところから始まります。
ここでゴジラが出てきて人をむしゃむしゃした挙句、遠くへ投げ飛ばします、
暗い場面でしたが結構な迫力。
完全に心をつかまれました。
場面は変わって東京での生活シーンになりますがいわば中だるみ。主に人物描写。
ここで浜辺美波ちゃんが登場しますが、自分は最初わからなかったです。
けっこう汚れた格好で出てきますので。
その後の機雷除去のシーンで再びゴジラが。
続いて銀座のシーンに移ります。共にゴジラが大暴れ。
ここでのVFXは見事でした、シンゴジラを担当した同じ白組とは思えない出来。
余談ですが自分は太平洋戦争の艦艇マニアです。
まさか重巡高雄が出てくるとは思いませんでした。登場シーンは震えました。
20秒ほどの砲撃シーンですがもうカッコいいどころの騒ぎではありません。
マジかよ♪と思って見てました。さらにいえば震電の戦闘機の造形も現代っぽくてカッコいい!
この2つ見れただけでも大満足です。
ゴジラの熱線の描写もカッコいいです。
尻尾から頭部へ順番に背ビレ(?)が青白く輝きだして隆起してきます。
全点灯したら熱線発射です。
熱線が到達した先で核弾頭のような大爆発があり、近辺の人に衝撃波が来たと思うと今度は一気に吹き戻し。
完全に庵野ワールド全開な爆発。しかも実写で見れるとは感激。
そもそもこの映画を見ようと思ったきっかけは、シンゴジラの庵野監督と本作の監督山崎さんの舞台挨拶でした。
庵野さんが、
「突っ込みどころはいっぱいある。余計なシーンも。しかしよくシンゴジラの後を引き受けたね。」
と満足そうに話していたのを見てから、見なくては!と心に決めた次第です。
シンゴジラよりは一般受けすると思います。下手すりゃ興行で抜くかも、
でも自分はシンゴジラの異常ともいえるレベルの設定が大好きです。
マニア受けするならシンゴジラ、一般受けするならマイワンでしょうか。
ストーリー展開が雑すぎる
良いところ。
・VFXは最高。
ゴジラの迫力が凄かった。
・子役の「明子」はもの凄く可愛い。
ただ、ストーリーがところどころ
「?」がついてしまう。
・典子と敷島、何で一緒に住んでるんだよ。
・典子が乗っている電車がゴジラに襲われ、 何故か典子だけ、車内に残され、落ちそうになるが、偶然にも手すりに捕まり、助かる。
我慢の限界を感じて、落ちるが、そこがたまたま川。
そして、典子以外誰もいない。
川から出るシーンも無く、皆と一緒に銀座の町を逃げ惑う。
そして、偶然にも敷島と会う。
・日劇の前でゴジラが暴れているところを、すぐ間近で中継している。
「逃げろよ!死ぬぞ!」と思ったら、ビルが倒れ、おそらくあれは死んだのだろう。
そんなシーンを見てしまうと、その後からストーリーが入って来にくくなった。
・海におびき出されたゴジラ。あれ、浮いてないだろ。立ってるよね。
最後。
典子!生きてたんかーい!
最高のゴジラ映画では無かった
戦時中・戦後に現れるゴジラの映画。戦争末期からの独立したストーリー展開にうまくゴジラが重なってくる感じ。しっかりした脚本とセリフがええ塩梅にアクセントで見ていて面白いです。アメリカンゴジラ(ガッジーラ)な所もメリハリ効いて面白いけど、それが逆に違和感の塊に思えるのも事実。なんのゴジラにリスペクトしてるのかイマイチ良く分からない。エネルギー放出に関する描写が甘い。設定はあるんだろうけど、スクリーンから全く伝わらない。あと、最近のゴジラシリーズ全部ヒロインが薄い。周りの役者に食われまくってる。母性のヒロインが不在なのは如何なものかと。癖の強い役者も多過ぎ。ゴジラの圧倒的強さってのが画面から出てこない。音楽もしかり。歴代1位のゴジラって聞かれたら絶対違うと思う。VFXめっちゃ良いのになぁ。。期待値が高すぎたんだろうね。最新が最高のゴジラだ!って勘違いしてた僕が悪い。
ゴジラがちょこっとしか出て来ない
自衛隊も敵の怪獣も出て来こないのでそこにつまらなさの原因があるのでしょうか?
あ~ゴジラ全然出て来ないな~って前半上映中にずっと思っていたのですが過去の映画もそんなに出て来なかったかも?正直ゴジラを大画面で見たい人以外はおすすめ出来ません。自分は小さい頃ゴジラ映画を見に行って入場特典のフィギュアとか貰った世代ですが子どもが見て楽しめる内容とは思えません。(特典はなかったですけど…)
以下内容
全体的に歌舞伎の様な芝居のくさすぎるベタベタの人間ドラマが見てられない。
典子がいなくなった直後の敷島のやりすぎな芝居についに失笑してしまいました。本当は泣く所なんでしょうか…
「やったか?」これが多すぎくどい
艇長の江戸っ子?べらんめえ口調がいちいち耳に障る
自分は見てませんが主演の方がやっている朝ドラとかalways~とかが好きなら合うんでしょうか…
説明の長台詞が多すぎるとか全員生きててご都合主義だとか銀座がピンポイントすぎて不自然で世界観が狭いだとかいつものゴジラならあんな飛行機尻尾で一撃なのに反転するとかバカすぎるとかそんなこと気にならないぐらいつまらないです。ゴジラはかっこよかったです。でもゴジラじゃなくても良かったですよねこれ…というかゴジラ必要でした?子どもも大人もレンタルでゴジラと敵の怪獣が出てくるDVDを借りて見た方が何十倍も楽しめるでしょう。
責任と絶望
日本の戦後初期が舞台で、"特攻"や"原子爆弾"などのワードがさらに強く感じられる認識の中で暴れるゴジラは絶望感そのものでした。全く歯が立たない軍隊、責任を負いたくない政府。それらに頼ることなく、民間の力で"元特攻隊員"が戦争に対する責任と未来への希望を賭けたヒューマンドラマです。とても胸が熱くなりました。
素晴らしかった
人間ドラマが面白い。ゴジラも怖くてかっこいいし、他の怪獣が出ないのもシンプルでいい。特攻隊のエピソードがストーリーにがっちり嚙み合っている。整備兵の態度が悪いのもいい。
佐々木蔵之介のセリフが壊滅的にベタで、なんでそんなこと口に出して言う必要あるの?と首をひねるレベルだ。また、浜辺美波に手を出さないまま一緒に暮らすとか、お行儀がよすぎる。また、ゴジラが人を口にくわえたのを見て、ゴジラが人を食うとはすげえと思ったら放り投げるだけで意味が分からない。子どもも見る映画で残酷な場面は描けないのかもしれないけど、だったらくわえなくてもいいのではないだろうか。意味が分からない。
そんなお行儀のよさが気にはなるのだけど、すごく面白いし、これまで見たゴジラ映画のベストは『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』だったのだけど、もしかしたら超えたかもしれない。素晴らしい。もう一回見て確認する必要がある。
(追記)
2回目。改めて胸が熱くなる場面が多くて傑作であることを確認する。3回ゴジラが人をくわえて放り投げるし、敷島は紀子を抱かない。お行儀が良すぎるけどいい。
銀座での暴れっぷりがすごい。高尾の砲撃がゴジラのボディに直撃する場面がえげつない迫力だ。作戦がほぼ成功してゴジラを苦しめるのも熱い。特攻を果たそうと言う人間ドラマが素晴らしい。モブの人々の顔が古くて、戦後の昭和を感じる。
浮上してこないゴジラをひっぱるために民間の船が集結する場面は『ダンケルク』のようで胸アツだが、そんなに役に立つだろうか。
怖いゴジラ。
シンゴジラ(第1形態)以来、いやそれ以上に怖いと感じました。特に映画冒頭のゴジラ人間殺戮シーン。あれ?これゴジラか?ジュラシックパーク?くらいにゴジラが恐竜ぽく、でもやっぱりゴジラで、その絶望的な存在に恐怖しまくる人間達。夜の暗〜い中で殺戮を繰り返すゴジラに一緒に行った6年生の息子は完全に恐れをなし、頭を抱え、目を伏せる始末。ゴジラにトラウマを持たなければいいが。(途中からは普通に観ていましたが)
それからゴジラの必殺技、放射熱線?歴代最強威力の熱線?ってか核爆発!そして大咆哮!やっぱりゴジラは迫力あるなぁー。映画館で観ると尚更そう感じます。特に今回は下からゴジラを見上げるアングルがありましたが、あれは凄かった。自分なら腰抜けますね。ぺっちゃんこ。
歴代最高のゴジラ(追記しました)
今まで全てのゴジラを観てきました。
個人的には、今回のゴジラ−1.0は歴代で最高傑作のゴジラだったと思います。
今回、ゴジラを明確に恐怖の象徴として描いている上、戦争のアンチテーゼとして表現できていたことが良かったです。
第二次大戦は、死に直結するイメージのある戦争だと思います。
その戦争を終えた直後にゴジラという新たな"死"をイメージさせる脅威が迫る緊迫感とそれに立ち向かい、生きて抗おうとする人々の対立が見事に出来上がっており、怪獣映画とヒューマンドラマを綺麗に融合できていた作品であったと思います。
ゴジラを撃退する作戦を話し合う中、家族や大切な人を思い、その場を後にする人達もおり、それでも立ち向かおうとする人が言ったセリフが印象的でした。
「これ、必ず死ぬってわけじゃないですよね?じゃあ、戦争に比べればマシだ。」
死ぬのが当たり前、国家存亡のために死にに行ってこいと言われた戦争。
死ぬかもしれないゴジラとの対決。
誰かがやらなきゃいけない。
大切な人を守るため、誰かが貧乏くじを引かなければいけない。しかし、生きて抗おう。
死ぬことが前提の戦争と生きるための戦争(ゴジラ)
ある意味では、作品内でゴジラと戦うことで日本は本当の意味で戦争からの脱却、否定を成し遂げる話なんではないかと僕は感じ、主人公の敷島自身や整備兵の橘、立ち向かう人達もそうだったと思います。
(追記1)
敷島は特攻からの逃亡、大戸島の件からの自責の念。典子や明子への愛情。
橘は立場上、特攻に向かう人を後押しする立場からの負い目もあったと思います。死なせてしまった同僚たちへの思いもあったと思います。だから、敷島に生きろと言えたんだと思います。
そして、家族や親しい人、これからの日本を想った多くの人々。
彼らも戦争で多くのモノを失い、多くの死に触れてきたはずです。今度こそ失わない、助けたいという強い意志。
これらの要素がゴジラの恐怖を引き立たせ、またゴジラも勇敢に立ち向かう人々を輝かせていたと思います。
(追記1)
時代背景ともマッチしてたと思います。
陰鬱な街の中でどうにか餓えを凌ぎ、明日を迎えようとする戦後からなんとか軌道に乗り始めた人達の中に突如、ゴジラがやってきて街に破壊の限りを尽くします。
しかし、立ち向かう人たちの印象は怒りや復讐心ではなく、生きようとする活力に満ちていたように感じました。
主人公の敷島は復讐心があったでしょうけど、最後に彼の"生きる象徴"に出会えたことで涙した人もいるかもしれませんね。
ゴジラも素晴らしい造形だったと思います。
第一印象は、見てすぐに恐怖を感じ、人間に対して敵愾心に溢れていました。
また、ゴジラによって人が死んでいる描写がはっきり描かれている点も恐怖感を煽っていたと思います。
放射熱線を吐く時の背ビレのギミックも良かったです。
青白く光りながら、尾から順に背ビレが一対ずつ飛び出して、発射の瞬間、全ての背ビレがガシン!っと引っ込む動きは生物でありながら、兵器を思わせる感じが最高でした。
銃の撃鉄、爆弾のデトネーターを思わせる動きは今までにない表現で、この点も歴代最高で一番好きな熱線シーンになりました。
また、作中中盤あたりで登場する重巡洋艦高雄のシーンもとても興奮しました。
ゴジラ単体の映画なので怪獣プロレスがない分、
高雄VSゴジラって構図になってて、思わず高雄を応援してました(まぁ、勝てるわけないんですが。
駆逐艦雪風、響、夕風、欅の活躍も良かったです。
流石、幸運艦と呼ばれた雪風です。
被弾せずにゴジラとも戦うことが出来ましたね。
あと、艦長役の俳優さんと本物の雪風の艦長の顔がめちゃくちゃ似てたのに驚きました。
終盤の震電VSゴジラも良かったです。
スーパーXやガルーダを思い出しました。
この辺りはしっかり怪獣映画をしてて、評価高いです。
とにかく、人間と怪獣のバランスが絶妙でした。
昭和やVSシリーズなどでは、よく人間サイドの話は蛇足だと評価されるパターンが多かったですが、ゴジラ−1.0においては別格だと思います。
(僕は昭和、VSシリーズも大好きですが)
もう一回映画館に観に行こうと思ってます。
最高のゴジラでした!
(追記2)
エンターテイメントとして、作品のコンセプトを満たしていると感じたからこそ歴代最高のゴジラだと評価しました。
ゴジラという名を冠した以上、それは紛れもなくゴジラ映画であり、今までのゴジラ作品もそうです。
70年という長い歴史を刻んだ作品群に心から感謝し、これからの発展を願っています。
ありがとうございます。
監督は舐められている
序盤は実に退屈で、役者の演技も目を覆いたくなるレベル。ラストの連れの女の人と再開して泣くシーンは本当に白けるくらい寒い演技。
ストーリーは、全部先が読める展開で、めちゃくちゃ。全く意外性はない。
民間の融資で戦艦や戦闘機揃えられるか!って突っ込み所しかない。
日本はまだ軍隊がない。とか言う反論なら、銀座で戦車ぶっ放してましたやん。
そして、元技術者がなぜ軍の情報を色々知っている?その変も無理がありすぎる設定。
そして監督が舐めらている点だが以下の通り。
・戦時中にもかかわらず、司令所はライトを煌々と光らせている。あんなに光らせれば敵に丸見えで一瞬で攻撃される。
そのくせ「命が!」みたいなテーマでメッセージ性出してくるので、共感できない。
・終戦直後なのに、女優の眉の形も現代風でスタイリストが整えました!というくらい髪も綺麗。
・極めつけは、男性のパジャマのボタンがプラスチックだった。
石油不足でしかも、終戦直後にプラスチックなんか手に入るか!ってもう手抜き感満載。
これは監督が全部舐められている証拠。これくらいの手抜きなら、いいだろうってスタッフから思われてるんですよ。
特撮技術は素晴らしいのに、ストーリーや細かな所で全て台無しにしている。
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