ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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万人受けするストーリー
「シンゴジラ」のように驚きや想像を超えてくるようなことはありませんでしたが、普通に面白かったです。主人公神木隆之介君の演技が素晴らしく、ゴジラ中心と言うよりも、神木くんのストーリーと言った印象で、「シン」よりも万人受けするストーリーだと思います。ただ欲を言えば、ゴジラの凄さが伝わってこないというか...「シン」で圧倒的な破壊力と、今まで感じたことのないような神々しさを目の当たりにした後なので、そこは物足りなさを感じました。
結末で評価を分けているようですが、私は浜辺美波生存には賛成、ゴジラ再生には反対です。
B級に振りきれたならば
うん。良いところもあった…よな。
出し惜しみせず早めに姿を現すゴジラ。
ゴジラが神のように描かれていない点。
ゴジラが現れた理由を説教臭く説明もしないところ。
得体の知れない悪として描かれているあたり(褒めている)。
飛んだり跳ねたりしない下半身しっかりめのビジュアル。
最後はちゃんと−1.0だったことちゃんと思い出させるところ(回復は早過ぎるが。オキシジェン・デストロイヤーじゃなきゃ死なないんだからやむなし)。
元艦長の田中さんのカリスマ性と若者役の山田さんの自分も行きたいって演技。
そう…良いシーンもあったはず…。
けれど…
何度もたまたま助かる神木隆之介。
銀座でたまたま浜辺美波に会えちゃう神木隆之介。
ゴジラの咥えた電車から落ちても生き延びちゃう浜辺美波。
最後はゴジラの細胞がうっかり影響して?生き延びちゃう進化版浜辺美波。
機雷撤去の人が大役を任されちゃうくだり。
実はなんか凄い博士な吉岡秀隆。(暇なのか?割と飲み会にも来てたけど。)
いや、まぁまぁ。
ハリウッド映画みたいなご都合主義もよし。映画だもん。
脱出装置に電報の相手。
先が読めちゃうのもまぁ…良い。謎解き映画じゃないもん。
が…やはり…。
ダメだ…。
安っぽいセリフと演技が山盛り過ぎて…。
気にしないふりをしてもそこが気になってしまう。萎える。集中を削がれる。
特に佐々木蔵之介と吉岡秀隆が目も当てられない…。激安設定に激安演技。彼らは役者として出るメリットあったのかな…?酷過ぎ。
いっそB級映画に振り切った脚本だったのならいざ知らず。
そうやって冷静にさせられると、見たくなかったダサいゴジラもひたすら気になってくる。
人ひとりをピンポイントで咥える器用なジュラシックパーク的ゴジラ。
の割に急に?何故か?一台の戦闘機に気を取られて?ボンベにまんまと囲まれちゃうおバカゴジラ。
視聴者にわかりやすく顔出して犬かき泳ぎするゴジラ。
超合金の変身みたいに背びれがシャキーンと順番に飛び出すゴジラ。
あぁ…ダサい。。
唯一、伊福部昭の音楽は無条件で最高。
高揚感。絶望感。
カッコ良すぎる。
世間の評価ほどは乗れなかったという印象
面白かったけど、周りの人ほど絶賛とはいかないですね。映像や役者陣の演技は本当に素晴らしかったんですが、脚本や演出に関しては正直微妙な部分が多く、なんでここまで皆が大絶賛しているのか、私には分からなかったですね。正直「いつもの山崎監督作品」って感じで、良い点と悪い点が同じくらいある映画だったと思います。
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第二次世界大戦後、戦争を生き残ったが家も肉親も喪った敷島浩一(神木隆之介)は、盗みを働き男たちから追われていた大石典子(浜辺美波)から突然赤ん坊を託される。その赤ん坊は典子とは血の繋がりが無く、戦火の最中に見知らぬ女性から託された子だという。敷島と典子と赤ん坊は本当の家族のように生活するが、戦争が終わってからも敷島は、戦争中に謎の巨大生物「ゴジラ」に襲撃された事件をトラウマのように思い出すのだった。
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映像は本当に素晴らしかったです。ゴジラの造形や戦闘描写は120点だったと思います。山崎監督の過去作『アルキメデスの大戦』でもそうでしたが、海の上の戦闘描写は大迫力でした。ゴジラの放つ熱線の威力もすさまじいビジュアルで、「こんなん勝てっこない」と絶望感を与える描写としては最大限の働きをしていたと思います。
役者陣も素晴らしかった。
私の推し俳優である神木隆之介・浜辺美波・山田裕貴がそろい踏み。彼らの演技は(好きな俳優さんと言う贔屓目はあるだろうけど)文句のつけようがないほど素晴らしかった。個人的には浜辺美波をもう少し可愛く映して欲しかったけど、戦火の中を辛うじて生き延びてきた女性役なので、あんまり綺麗にし過ぎると設定とのミスマッチが起こりそうなので、映画的にはこれが正解なんだろうなぁ。
しかし、正直映像と演技以外の部分に関しては正直イマイチでした。特に脚本と演出は結構酷いものだったと思います。
具体的に言えば、「あ!あれはなんだ!?」→「ゴジラだー!」っていうパターンと、爆破ドカーン→「やったか!?」→やってないってパターンがあまりに多過ぎることですね。一本の映画の中に似たようなセリフや演出が多くて、何だか白けてしまいます。演出の引き出しが少なすぎてワンパターンで単調なんですよ。
あと、これはラストのネタバレになるんですが、安直なハッピーエンドやめてほしいです。死んだと思ったら生きてましたって展開、マジで萎えるからやめてほしい。死んだままにしてくれてた方が映画としては綺麗に纏まっていたし、蛇足のような続編匂わせも私は不快に感じます。
あと、完全に個人的な不満点ですが、スタッフロールで監督の名前が画面中央でピタッと止まるの、監督の自己顕示欲の強さが滲み出ててちょっと苦手です。
映像が綺麗なのは日本最高峰のVFXスタジオである白組の功績が大きい(山崎監督もVFX関わってるけど今回メインは監督脚本だ)し、役者陣の演技は当然役者陣の演技力によるものなので、この映画の面白いと言われている部分って、ほとんどは山崎貴監督の功績によるものではないと私は考えています。やっぱり脚本や演出などの監督の本業である部分は「いつもの山崎貴監督」だなあと、観ていて思いました。脚本だけでも実力と実績のある別の方にお願いすれば、多分もっと面白い作品になった気がします。
まさか泣くとは
ハッキリ言って興味なかった、観る気もなかった。
だが久々に休暇を取れた金曜日、趣味を堪能しないわけにはととりあえず劇場に行ったらこれがマイルールの「待ち時間が一番少ない作品」だったのだ。
「らんまん」の夫婦が再び共演するから、じゃあ観ようと。大好きだったので、もうホントそれだけ。
いやいやいやビックリ面白かったわ。
佐々木蔵之介の日本に対しての台詞も沁みた。
戦後の設定なのにさ、今も変わってないよね…
私はね、亡くなってないと思ってたよ典子。
本当に良かった。これで3人で家族になれるね。
安藤サクラも登場シーンは嫌な奴かと思ったけどお米をくれたときに不器用な優しさと子どもが好きなことが伝わり、ずっとあったかくて良い人だった。
青木さんもあのとき島で暴言を吐いたり、殴ったりしたけど良い人で、本作には嫌な奴がいなかった。
観て良かった。
ってかラスト…
あとさ、橋爪功出てなかった??
ゴジラのテーマソングは怖いな
ゴジラの怖さを凄くリスペクトされて作られた作品ですね。テーマソングがそのまま使われていて怖さ倍増って感じです。とても面白かったし怖かった。
まぁドラマの方はパターンちゃぁパターンなのですが、しかし民間でやってしまおうってかなり無理な設定ですな。そこだけマイナスポイント。
シンとはちがう切り口でよかったです。
しかしジョーズといいゴジラといい音楽 音響でこれだけ怖くなるんやなぁ。
エンディングの足音だけでまた怖くなった。
"VSシンゴジラ"
鬼才と秀才の全面対決。
前作のシンゴジラは、未知の巨大生物に対して人類全員で立ち向かうという群像劇であり、ゴジラ作品としてはまさに"異色"だった。中でも、「スクラップアンドビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる」というセリフは未だに鳥肌が立つ名セリフだと思う。
あのシンゴジラを超える作品は出来るのかという疑問の中で、今回メガホンを取った山崎貴監督ならきっと凄まじいゴジラ映画を撮ってくれると思っていた。
alwaysや永遠の0などで名高い巨匠(自分は"邦画の本流"と呼んでいる。)で、VFXの技術で言えば日本第一の監督。描かれる世界観では、エモーショナルでありながらも要所要所でエキサイトなシーンをうまく組み込んだ人間ドラマが紡がれる。
まさにがっぷり四つの対決。互いのカラーを全面に押し出して、もはや比較のしようもないのだが、やはり前作のヒットを考えたときに今作との比較はせざるを得ないと考えられる。ここで無理矢理ではあるが、両作を比較してみる。(庵野秀明派と山崎貴派で評価は二分されると思うと、何だかワクワクする🤭)
私は今作に軍配を挙げたい。
以下に何点か理由を述べるが、私は大の山崎貴ファンなので、いくらか偏った評価が混ざってることもありうるので、もし参考にならなければ読み飛ばしてもらって構わない。
①ゴジラのビジュアル・迫力
VFX技術で言えば日本第一の監督である山崎貴監督。今作ではその技術が遺憾なく発揮されて、国民全員が納得する"あの"ゴジラのビジュアルが見事に作られていた。シンゴジラではストーリーよりまずゴジラのビジュアルが疑問視される意見が多かったように思うが、今作ではそれは無いだろう。日本のゴジラ、本家本元のゴジラのビジュアルというのをやはり国民は期待していると思うし、山崎貴監督は見事その期待に応えた。
また、ゴジラの迫力もやはりすごかった。3段階に分けて段階的にゴジラの迫力や恐怖感が劇場全体を飲み込んでいく。海で小舟を追いかけるシーンや電車を持ち上げて浜辺美波が宙ぶらりんになるシーン、銀座の街を練り歩くシーン、黒い雲に向かって咆哮するシーンなど、数え上げればキリがないほど多くの名シーンが生まれていた。
そして何より、ゴジラの迫力を倍増させるあのBGM(by伊福部昭)がここぞというタイミングで効果的に使われていた。ゴジラ映画の本流を我がものにした最高の演出である。
②テーマ設定
ここは比較すること自体間違っているとも思われるかもしれないが、あえて考えてみたいのには訳がある。
ゴジラ第1作は終戦から6年経って作られた。終戦とゴジラとはまさにゴジラ誕生以来から切っても切れない関係なのだと思う。それをゴジラ誕生70周年に再び終戦後のゴジラ出現を描いた今作は、第1作に対するリスペクトを感じさせる。
また、現代日本のゴジラを描くことも確かに面白いと思うが、あの終戦直後の日本で表現しきれなかったゴジラを今になって最新の技術を用いて描くことの歴史的重要性やその困難さを考えると、今作で終戦直後の時代が選ばれたことはかなり挑戦的だった思う。私はその果敢な姿勢に対して山崎貴監督に万雷の拍手を送りたいと思うのである。
シンゴジラでは現代日本に現れたゴジラが描かれていた。だからこそあそこまで大量の兵器や機械、技術を用いて、全人類挙げてのゴジラ撃退をすることができた。確かにそこには緻密で細部にわたる表現が尽くされていた。しかし果たしてそれは全世代に受け入れられたと言えるだろうか?難しい単語が並べられて、セリフが聴き取りにくいという難点をシンゴジラは抱えて世に出されたわけだが、そこに観客は十分に感情移入することができるだろうか?
その点今作は、全国民が一度は学んだ終戦直後という時代を描いており、人間一人一人の葛藤や人生が描かれたものだったため、より多くの観客の共感をえることができるだろう。
さらに個人的な意見を述べさせていただけるならば、今作で描かれていたのはあくまで人間の生命であり、ゴジラはそれを引き立たせる存在であったに過ぎないと考えている。ゴジラよりも神木隆之介が前面に出てくるという、かつてない怪獣映画になったのはこの点が1番大きいと考えている。
③ストーリーや俳優陣
批判を承知であえて言わせていただけるならば、シンゴジラにはストーリーは無かった。庵野秀明が作った世界がバン!と打ち出されて、そこで行われるゴジラの破壊行動や対ゴジラ作戦の模様が描かれていたものであって、作品に一本筋を通すようなストーリーはなかった。ただこれはシンゴジラが群像劇であり、人類とゴジラの対決を全面に描いたものであるから、こうした描き方を悪く言うつもりはない。
問題は観客が作品に対して何を期待しているかである。観客が求めているのは、「ゴジラの迫力や恐怖、そこからゴジラに立ち向かう勇気を映画と一体になって感じること」、すなわち共感でないだろうか。
この点、ストーリーは簡明でわかりやすく、神木隆之介は最高の演技を見せてくれた。今作の主役として、観客を映画に引き込む最大の媒体としてうまく機能した。また、特攻から逃げた優秀なパイロットという、ありそうで無かった人物像だからこそ観客は自らを投影して、神木が演じる敷島の人生とともにストーリーを全身で受け止めることの出来る、そんな映画になっていたと思う。
神木隆之介の演技自体は、自分は良かったと思う。怯えや絶望、覚悟といったさまざまなな感情を、観客に納得させる表現で表していた。特に目や全身を使った震えなどの点には注目して欲しい。
また、浜辺美波や安藤さくら、そして山崎貴監督作品では常連中の常連である吉岡秀隆など脇を固める俳優陣の演技はもう何も言うことは無い。(「海賊と呼ばれた男」に出てた俳優がかなり多かったと思う。いなかったのは堤真一くらいじゃないか?)
一言言わせていただけるなら、脇役陣があまりにも豪華すぎて、主役の影を多少薄めたのではないかとも思うので、もっと無名の俳優女優陣を起用した方が、より神木の演技に集中させるという意味で良かったのではないかと思う。
確かに今作は何点か疑問点もあった。
ゴジラを倒すための戦力がシンゴジラに比べてあまりにも少なすぎることが一番大きな疑問だと思う。
これについては次のように反論したい。
すなわち、インターネットがなく情報の流通が現代よりも遥かに遅かった時代にあって、意思疎通を意思疎通を図ることが難しかったということである。
そのことが冷戦期のソ連に配慮したアメリカの行動や日本の行動につながった。あの戦力では不十分、というのじゃなくて、「あの戦力しかなかった」というのが正しい表現だと思う。
また、セリフが臭い、という批判もあるだろうが、個人的にはあまりセリフの臭さは感じず、仮に臭かったとしても、むしろ人間臭さを出す上でも良いセリフが多かったように思える。
ハリウッドでは「モンスターバース」という世界観が作られて、日本のゴジラがハリウッドに奪われてしまったのではないかと悲しんだのはもう遠い昔のこと。今作は、(シンゴジラと共に)ゴジラを再び日本のものとして奪還した記念すべき映画である。今作とシンゴジラの対決無くして、ここまでゴジラが最強コンテンツになることはなかっただろう。個人的には、シンゴジラがあったからこそ、今作はそれを上回る興行収入を得ると予想している。「本家本元」という大変な重責を負いつつも、観客の期待に応え、いやその期待以上のものを生み出した山崎監督やスタッフ、そして俳優女優陣に感謝。
映像は良かったけどね。
他の方々も書かれてる通り、映像は素晴らしいものがありました。VFXって言うんですか?CGと何が違うのか私にはわかりませんが、迫力ある映像は純粋に楽しめました。あと、音響も。クライマックスシーンにゴジラのテーマをよい音響で聞くと、安っぽいストーリーを忘れてワクワクしてきましたね。
ただ、そう、ストーリーは激安です。
訳のわからんただの民間人が集まって、ゴジラ退治って、なんじゃそりゃ?って感じ。そんなにヒマなんかい、あんたら?って思うし、そもそも船や武器のカネは誰が出してんだよ?とツッコミたくなった。
あと、あまりにも都合の良く見つかる軍用機。
そして何より、ラストシーン!
まさかと思うけど、あれで感動する人がいるとでも??あのラストを考えたのは誰なんですかね?中学生の学芸会かよ!って叫びたくなりました。
怪獣映画のストーリーにガチャガチャ言うな!と怒られそうですが…最近の邦画のストーリー、どんどん劣化してますよね。
ストーリーって、そんな予算がかかるもんじゃないんだから、もう少し頑張って欲しいよな…って思った次第。
こんな激安なストーリーじゃ、ゴジラも怒りだしますよ。
純粋に良かった。
良かった。そしてシンプルでわかりやすかった。
更には、最後に「典子さん」が生きていたのが良かった。これだけでコンマ5加点です。自分はハッピーエンド&大団円のストーリーが好きなので。やはり悲しいことは少ない方が良いです。
映画的には、多少、人間ドラマ部分での言動に力が入りすぎていた感もありますが、戦争直後なのだからそうなのかも?(自分は戦後の遙か後の生まれなので、戦争直後のことはよくわかりません)
今、ウクライナで戦争、イスラエルで戦争 or テロが起こっていますが、やはり戦争はよくないですね。かつて『戦争とは爺さんが始めて、おっさんが命令し、若者たちが死んでいくもの』と大橋巨泉さんが発言したようですが、できることなら戦争を起こした人だけで戦地で戦って欲しいです。この映画の中では戦争の悲惨さも描かれていて、自分的にはタイムリーでした。
以下、余談です。
①自分の記憶の中では、ゴジラは人類の味方だった記憶が強いのですが、シンゴジラといい、今回といい、最近はゴジラと人類との対決が続いていますね!
②シンゴジラでは政治意思決定の迷走を、今回は戦後の混乱をテーマにしたようですが、次回はどうなるのでしょうか? ストーリーを作る人もそろそろ大変そう。
③「敷島さん」の操作する「震電(後ろにプロペラがあるのがちょっと奇異に感じました)」の爆弾の安全解除の赤いレバーが、実は脱出装置の起動スイッチかと思ったのですが、スイッチはちゃんと別にありましたね! ここだけは予想を裏切られました。
<主な基準(今後のためのメモ)>
4.5 観て良かったと感じた映画
4.0 おすすめできる映画、何かしら感慨を感じる映画
3.5 映画好きなら旬なうちに見てほしい映画
3.0 おすすめはできるが、人により好みが分かれると思われる映画
ゴジラはこっちの方がいい
IMAX Laserで観ました。
山崎貴監督の映画で感動したことがないので、全く期待しないで見に行ったのですが、予想を完全に超えてきました。
期待しなかった理由は、シン・ゴジラの後に、今更いったい何を作るのか?という疑問のせいです。いくら見事なCGを使ってリメイクしたからと言って、新しいストーリーや価値は生まれないでしょう、という考えでした。
当然、シン・ゴジラに対してどうよ?という入りで映画に臨んだのですが、途中から比較しながら見る意識はなくなり、純粋にストーリーやゴジラの迫力を楽しむことができました。
(山崎監督作品に概ね共通することですが、)内容に殆ど”ヒネリ”はありません。
なんせ、ゴジラがどうやってどこから生まれたか、っていうところに全く触れないんですから。「そんなのは、今まで沢山(東宝の)ゴジラ映画をご覧になって皆さんよくご存じでしょ。そんなところをいまさらイジリませんよ。」っていうスタンスですね。
つまり、「ゴジラそのものについて新しい設定は加えません。科学的考証(本来は、そもそも怪獣映画に科学もくそもないですが)は誰か他の人(もちろん、あの人)に任せました。人間のドラマを見てください」という意思表示と感じました。
正直、なぜゴジラが暴れるのか、人に対して吼えるのか、という謎くらいには多少の”答え”を描いてくれてもいいのでは、とは思いましたが。
(CMでも流れているのでネタバレには当たらないと思いますが、)ゴジラがなぜ電車を咥えて投げるのか?というところはさっぱり意味が分からないので。
もう少し中身に触れると(これ、若干ネタバレですが、)ゴジラが超高速の再生能力を当然のように持っていて、これもほとんど説明もなく”当然の能力”みたいに描かれているんですが、これはさすがにやり過ぎだろうと思いました。
(他の映画で描かれてたの皆さん知ってますよね的な、確信犯的手抜き、ですね。)
当初、CMから受けた印象は、敗戦直後の日本にさらにゴジラが現れたらどうなるか?のシミュレーションがテーマなのか?でしたが、実際には、理不尽な対米戦争、勝てない戦争を強要されすべてを失った日本人が、再び理不尽なゴジラの来襲をどう捉え、どう立ち向かうのか、の心の動きを描いた映画でした。
しかも、日本という”国”が、ではなく”日本人”が、しかもかなり特定の”登場人物”がどう感じたのか、振る舞ったのか、をかなり局所的に描いた映画(つまり、普通の怪獣映画)です。
終戦直後の日本に「オキシジェン・デストロイヤー」はないはずなので、そこはどうするのかな~という疑問は皆さん共通に感じていたと思うので、そこは実際に観てご確認ください。
エンディングの音楽、特にアレンジが最高でした。ゴジラが吼える声の迫力もそうなんですが、音の迫力に優れるIMAXで観る価値がここ(エンディングテーマ)にあると思いました。
きけ わだつみのこえ。 これは「セカイ系ゴジラ」という新しいジャンルだ!
1954年に誕生した怪獣映画『ゴジラ』を、設定も新たにリブート。
太平洋戦争末期、特攻隊員の敷島浩一は大戸島の守備隊基地において、島に伝わる怪物「呉爾羅」の襲撃を受ける。
それから2年、ビキニ環礁での水爆実験の影響で巨大化した呉爾羅が突如として東京を襲撃。大戸島での出来事により心に傷を負った敷島は、再びこの怪獣と直面することになる…。
監督/脚本/VFXは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』の山崎貴。
主人公、敷島浩一を演じるのは『千と千尋の神隠し』『君の名は。』の神木隆之介。
敷島の下に身を寄せる女性、大石典子を演じるのは『エイプリルフールズ』『君の膵臓をたべたい』の浜辺美波。
機雷処理を請け負う船「新生丸」の見習い乗組員、水島四郎を演じるのは『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『万引き家族』の山田裕貴。
新生丸の乗組員である元海軍兵器開発者、野田健治を演じるのは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『64 ロクヨン』シリーズの吉岡秀隆。
敷島の隣人、太田澄子を演じるのは『百円の恋』『万引き家族』の安藤サクラ。
新生丸の船長、秋津淸治を演じるのは『20世紀少年』シリーズや『ソロモンの偽証』シリーズの佐々木蔵之介。
『ゴジラ』シリーズ70周年(正確には69周年だけど…)記念作品。そして国産『ゴジラ』としては30作目なんだって。沢山ありますねー。
『シン・ゴジラ』(2016)の大ヒットから7年、再び生み出された国産ゴジラくん。まず思ったのは『シン・ゴジラ』のとことん逆を行こうとしている作品であるということ。
平成と昭和という時代設定の違いだけではなく、家族の物語を徹底的に排除し官僚主導でのゴジラ退治を描いた『シン』に対して、『-1.0』では日本政府はまるで描かれず、家族と民草の物語に終始している。
俳優陣の使い方も対照的で、とにかく日本中の有名俳優をズラーっと揃えた『シン』に比べ、本作はメインキャスト以外はそれほど有名な役者は出演していない。
山崎貴監督の提案なのか市川南プロデューサーの指示なのかは不明だが、こういう風に同じ題材を全く逆の視点から描いてみせるというのは面白い試みだと思う。
逆を行きながらも、映画開始直後からゴジラが登場する点や市街地壊滅を容赦なく描く点など、『シン』の美点がちゃんと踏まえられている。前作の良さをブラッシュアップしつつも、そこに胡座をかかず別のルートを模索する。その様なハングリー精神が感じとることが出来た。
まず結論から言うと、私は本作を楽しみました。…楽しみましたが、正直言いたいことは山ほどある!
極端な話、加点法で採点すると100点だが減点法で採点すると0点みたいな映画だと思ってます。
ゴジラのVFXやその見せ方に関しては文句無し!!国産ゴジラでは歴代最高、ハリウッド版と比べても全く遜色のない出来だったと思います。
冒頭でのゴジラサウルスの襲撃からすでに「おっ!怖い!」って感じだったのだが、それすら前フリにしてしまう堂々たる真打登場には心底痺れた!デケェぇぇーー!!強えぇぇーー!!
木造船でのチェイスから銀座上陸まで、この一連のシークエンスはシリーズ屈指の迫力だったと思います。
追われる恐怖となす術なく蹂躙される恐怖、異なる2つの恐怖を用意し、それを余す所なく味わわせてくれたわけで、加点法ならもうここだけで100点!💯
ゴジラ描写が最高だっただけに、その出番の少なさには不満が残る。もっと!もっと!もっと全てを破壊してくれゴジラくん!!
予算の関係など諸々の事情があるのはわかるが、襲撃するのが銀座だけというのは勿体無い。
ゴジラの襲撃とそれに翻弄される人々、そこだけで120分間走り切ってくれていたら…。そんな贅沢は望めないにしても、せめてあと30分ゴジラの出番が長かったら、本作は歴史に残る大傑作になっていたことでしょう。
ゴジラの攻略法もユニーク。
水圧の急激な変動によりゴジラを内側から破壊すると言う「海神作戦」には、よくぞそんな方法を思いついたなと感心してしまいました。
作戦内容は無理矢理すぎるし、立ち泳ぎするゴジラの図はシュールだったものの、"水泡に帰す"という初代を思わせる構図でありながら非常にフレッシュな攻撃方法を生み出したことは賞賛に値すると思います。
そして他のゴジラ映画と本作を分ける最大の特徴は、人間サイドに明確な主人公を据えたという点。
これまでのゴジラ映画にも主人公はいたものの、結局はゴジラの周辺人物という枠を越えることはなかった。
しかし本作の主人公、敷島は違います。彼に引き寄せられるかのようにゴジラは現れる。ゴジラと敷島の間には偶然を超えた宿命のようなものが横たわっているのです。
「夢か現かわからない」と度々呟く敷島ですが、確かに本作は彼の内的世界であると言えなくもない。本作のゴジラは、彼の罪の意識が具現化した存在として描かれているからです。
特攻から逃げ出し大戸島にたどり着いた直後、敷島はゴジラに初めて遭遇します。その後、心の病に苦しみながらも典子と明子という”家族”、そして気の合う同僚と出会い、再び人生に向き合あい始めた矢先、再びゴジラと邂逅するのです。
本作のゴジラはとにかくブチギレてる。とにかく怒気に満ちており、明確な意図を持って銀座を破壊し尽くしている様にも見て取れる。
一体何故こんなにもキレているのか。それを紐解くには、本作のゴジラが何を表しているのか、それについて考えなければならないでしょう。
本作のゴジラ、一見すると戦争で死んでいった英霊、特に特攻により若くして命を散らさざるを得なかった英霊の怨念が形を取った存在の様に見えます。
特攻隊員の英霊の怨念だからこそ、それを鎮めるために戦うのは元海軍の人間でなくてはならなかったのだろうし、最後の敬礼も彼らの無念に捧げたものだったのでしょう。
しかし、それだけだと理解は不十分な気もする。銀座の街はともかくとして、整備兵たちまで襲撃した理由を説明することが出来ませんからね。
ここは単純に特攻隊員の英霊であると読み解くよりは、むしろ特攻隊員たちに恨まれていると思い込む、敷島の妄念が形を成した存在であると考えた方が良いでしょう。
先に述べた様に、ゴジラが現れるのは敷島が心の平穏を見出した時。彼の中の罪悪感を思い出させる様に、ゴジラは敷島の前に現れ、目の前の全てを破壊し尽くすのです。
トラウマの克服=ゴジラを自らの手で滅ぼす、という図式が成り立つのは、この物語が日本国民vsゴジラというマキシマムなものではなく、一人の男が心的外傷を癒すまでのミニマムなものと言うことの証明に他ならず、それをもって「夢か現かわからない」という発言がなされたのだと理解しています。
あれこれと書きましたが、とどのつまりこの映画は個人の問題が世界の運命と直結しているという「セカイ系」に属する、世界初のセカイ系ゴジラ。
セカイ系というジャンルの第一人者、庵野秀明がそれを意識せずにゴジラを撮ったのに、あんまりセカイ系って印象のない山崎貴が「じゃあ俺がやるよ!」と言わんばかりにこの手の映画を作り上げたというのはなんだかとっても面白い。やはり『シン』と『-1.0』は、ニコイチとして鑑賞するのが一番楽しめる形の様な気がします。
以下に述べるのは気になった点。減点法だと0点だと述べましたが、その減点の部分。
まぁもうなんと言っても人間ドラマのつまらなさ!!これに尽きる!!
ただつまらないだけならまだしも、セリフが臭い!演技が臭い!演劇見てんじゃないんだよこっちは💦
おそらくはハリウッド版の10分の1くらいの予算で作られているこの『-1.0』。当然そんなに長くゴジラを登場させる訳にはいきません。ギャラが高いからね。
ゴジラの出番を増やせない以上、その代替として人間ドラマを描かざるを得ないというのはわかるが、その内容が凡庸。そして冗長。
冒頭こそ、突然のゴジラの襲撃というサプライズがありますが、そこからしばらくはゴジラくんの出番がなく、ひたすらに「ザ・邦画」な画面を見させられる。
ここの何が辛いって、出てくる人たちが全然終戦直後の日本人に見えないっ。セットこそ丁寧に作ってありますが、だからこそ逆に小綺麗に見えてしまう。大体、主演の2人が神木隆之介と浜辺美波って…。朝ドラかっつーの。
映像がパキッと明るすぎるのも、テレビドラマ感を強めている様に思う。もっとこう、フィルムで撮影しましたってな具合の汚れ感、ヘタれ感が欲しいところである。
特攻隊員が主人公の映画といえば、岡本喜八監督による悲喜劇『肉弾』(1968)なんかをいの一番に思い出してしまうんだけど、『肉弾』を観た時の本当っぽさ、実際には戦後20年経ってるんだから全然本当じゃないんだけど、それでも「うわっ!戦中だっ!」と思い込まされてしまうほどのリアリティを、本作からは感じられなかった。
じゃあなんでこんなに偽物っぽいのかと言うと、役者の演技に力が入りすぎていることが一つの原因だと思う。佐々木蔵之介が顕著なんだけど、切迫した状況に置かれた人間の演技=力の入った演技になってしまっており、喜怒哀楽の表現は毎回全力100%!みたいな、とにかく暑苦しい人間ばかりが登場するという事態に陥っている。歌舞伎っつーの。
さっきまで普通だったのに、急に怒100%みたいな展開がいくつかあって、そんなんで日常生活送れるのか?と心配になってしまった。
『万引き家族』(2018)であんなにリアリティのある芝居をしていた安藤サクラも、今回は演技過剰。まだ『万引き家族』の方が終戦直後に見えるくらい。
子役の女の子も全然演技が出来ていなかったし、多分山崎貴監督は役者の芝居に興味がないんだろう。
唯一、吉岡秀隆だけはいつものザ・吉岡秀隆的な力の抜けた芝居でとっても良かった。他の役者も吉岡秀隆くらいの抜け感を意識しても良かったんじゃない?
セリフの臭みも大いに気になるところ。
「やったか!?」はまぁギャグとして受け取るとしても(「やったか!?」で本当にやれたことってあるのだろうか?)、「日本の未来はお前らに任せた!」とか「なんでノリちゃんを嫁にしてやらなかったんでぃ!」とか、そんなことまでセリフで言わなきゃいけんのかいな?
セリフがおおよそ生の人間の言うものではないので、余計人間ドラマがチープで、偽物っぽいものに映ってしまっていた様に思う。
本作を終戦直後という時代設定にしたのは、”反戦”をメッセージとして込めるためだと思われる。世界情勢はどんどんきな臭くなっている訳だし、そのメッセージ自体は至極正しい。
ただ、それを訴えているにしては少々血の気が多すぎる。先の大戦で敗れ悶々としていた元軍人の男たちが「リメンバー・パシフィック・ウォー!!」と意気込んでいる様に見えなくもない。
反戦云々というより、ただ震電と高雄をゴジラにぶつけたかったからこの時代設定にしたんじゃあないですか監督?
「国家に頼らず、自分たちの力でこの国を守るんだ!!」と言うのは新保守主義的思想の人たちに受けるだろうなと思った。それ自体の是非は置いておくにしても、その作戦行動に元軍人や旧海軍の兵器を持ち出すという点には少々の危うさを感じずにはいられない。
また、「男は仕事女は家庭」をモロに描く旧態依然な価値観についても少々の危うさを感じる。『シン・ゴジラ』では女性も戦いの真っ只中に居たのに対し、本作では完全に蚊帳の外であり、数少ない女性キャラクターに与えられる役割は主に子供の世話。
終戦直後の日本が舞台なんだから、女が出張る方がおかしい!と言う意見もあるだろうが、それならそれで女性キャラクターにも正当な役割を与えるべきである。
「女が戦場にいるなんてのは気に入らないんだよ!」という、ヤザン・ゲーブルのような価値観の人間の隠れ蓑として、戦後という時代が扱われるのだけはご勘弁。
と長々と書いてきたが、好き嫌いはあれど語り甲斐のある映画である。
最後に一言。やはり伊福部昭先生は偉大だ!!
大衆なゴジラー1.0 VS オタクなシンゴジ
どうしてもシンゴジとの比較になってしまうのは仕方が無いかなと思いつつ、3連休明けの月曜昼間に見に行きました。年寄りばっかりでビックリです。
散々ハードルが上がった中で、山崎監督は自身の得意分野である昭和初期へ土俵を持って来たのが大正解でしたね。
シンゴジは良くも悪くも庵野監督の趣味性(オタク)が上手く爆発してました。彼も自分の土俵へ持って来たのが成功の要因の一つでした。ゴジラを天災としての対処の仕方が見事でしたが、ドラマ部分を犠牲にしてました。まるでAIが演じてるようで、俳優を上手く指導出来ない監督なのだろう。
で、ゴジラ ー1.0は山崎監督が完全にエンタメに舵を切って、どストライクの直球を投げて来ました。全体的な流れも見事で子供でも楽しめるゴジラ映画となっています。
ドラマもしっかり撮られており良かったですが、ただセリフがクドく説明のし過ぎなところが残念だった。
初山崎監督なので他の映画もセリフはくどいのでしょうか?
しかし設定(世界観)に関しては抜群でしたね。敗戦後、何かもが無くなった日本に圧倒的戦闘力のゴジラの出現に対して、武器も乏しく、大戦から残った兵器も使わせてもらえない絶対絶滅的な立場の国民。国からの援助がほぼ無いなか民間が力を合わせ、知恵を出して迎え撃つ様がとてもカッコよくてたまらなかった。
オタクのシンゴジVS大衆のヤマゴジの興行成績の行方は如何に。
個人的にはシンゴジを越えて、ヤマゴジは100億くらい行ってほしい、ゴジラ映画はオタクのものではなく、大衆のものなのだから。
【ココからネタバレ】
予告編でもありましたが、ゴジラの熱線を発射する前に尻尾の先のヒレが肩の方へ順番に突起する動きが機械的過ぎると思う。メカゴジラじゃ無いんだから。
あと最後の熱線放射と特攻のタイミングがズレていて緊張感が途切れてしまったのが残念かな。
だが、その戦闘機に震電を持って来るところに山崎監督の軍オタっぷりが嬉しくもある。本当にナイスな選択です。
やはり、ゴジラは国産が良い。
すごいゴジラが誕生しました。力強く生命力に溢れています。恐怖の大魔王、破壊の化身、⋯語彙力不足で言葉が出てきませんが恐怖そのものです。それに立ち向かう人々、中でも万さんじゃなくて敷島。スエちゃんじゃなくて典子を失い(本当は違うけど)、心の闇を押し広げ、火を点けられて、玉砕覚悟でゴジラに挑もうとする。良いです。
ゴジラは国産に限ります。
面白い。
ストーリーは大体テンプレ。だけどそれが良い。飛行機を探すところなんて震電だろってオタクならピンと来たり(笑)。ゴジラって基本足下で人間が何をしてても我関せずで前を向いてるけどマイゴジは最初から殺意を向けてくるかんじで怖い、スーパーXも三式機龍もないから絶望感が半端ない。ラストもヒロインあれで助かるなんて都合良すぎ〜からのまさかのG細胞?感染してアウトなのか沢口靖子パターンか、まさかの超回復人間に進化なのか?シンゴジがアフター3.11だったけどマイゴジはアフターコロナって事なのかな、と。
力作であり傑作!
まず日本のCG技術もここまで進化したかと驚愕しました!ハリウッドとも遜色ない出来!
平成ガメラシリーズファンとしては、やはり特撮という物理的リアルさに一日の長があると思ってましたが、考えが変わりそうです。
設定や人間ドラマも個人的にはエモさ100%!
ライバルの怪獣いない。特殊兵器なし。自衛隊以前に軍すらいない。戦後間もない時代ならではのハンデをアイデアと技術で乗り越えて実現させた海洋戦は斬新でド迫力!
戦争で生き残った者の苦悩、奮闘、強かさを描いていくドラマも素晴らしい!「今度こそ日本を守る」と
再燃した軍人魂(あえてそう表現します)でゴジラに挑んでいくその姿。こっちも燃える!
典子が吹き飛ばされた後の浩一の、絶望と怒りと悲しみが全て混ざったかのような叫び。さすが神木隆之介氏!もう「神木くん」とは呼べない。
子役のリアクションなど「?」と思う箇所も確かにありましたが、それを補って余りある出来です。
ハリウッドには絶対思いつかないであろう、日本ならではのストーリーを作ってくれた製作陣に敬意を表します!
それでも生きろと言う言葉がこんなにもありがたい
生きてしまったからこそ彷徨い
生きてしまったからこそ次こそはと思ってしまうが
やっぱりそれでも生きたいと思ってしまうし
生きろと言ってくれる人が居ることがこんなにも嬉しいことなんて思えるだなんて
スゴイ感情の映画です
映画クレヨンしんちゃんよろしく
野原一家ファイアー!の一致団結のような結束でゴジラに挑みます
観る側が、なにクソとチカラがみなぎらないわけがない!
ゴジラが現れる頻度は少ないので
ほぼ人が中心のストーリーですが非常に見応えがあった。
神木さん演じる敷島の葛藤や怯え何度もどん底に突き落とされる様はツラくなんとか救われて欲しいと心底思える演技はとても素晴らしかった
日々、十人十色人にはわからないツライことがあって
でもどんなにツラくとも
やっていくしか打開はできない
敷島が、あんなにこれで最後と思っていたのに
橘に生きろと言われたことがこんなにも嬉しいと思える映画もない
IMAXでゴジラを楽しむだけの映画
これまでゴジラ関連の作品を見たことが無く、今作が初です。なので見当違いな事を書くかもしれませんが、そこはどうかご容赦ください。
圧倒的な映像美とゴジラの造形、文句なしに最高。あの皮膚のゴツゴツ感に、背中の突起、光線を出すモーションからの光線の破壊力の演出、ゴジラの再生されていく様子、建物が紙クズの様に壊されていくシーン、全てが緻密でかっこよく、少年心をめちゃくちゃ刺激され、特撮をあまり見ない私からすると、ほぼ全ての映像に新鮮さと驚嘆さ、また非常に高い高揚感を与えてくれた。このゴジラを見るためだけに、映画館に足を運ぶべきだ。
ただ、他のレビューでも散見するが、映画の内容は、二の次感が否めない。私も細かいところが気になってしまって、作品全体を通してそこまで、良い点数にはならなかった。
役者が全体を通して説明口調、自分の感情をペラペラ喋る。せっかく豪華な俳優を起用しているのに非常に勿体無い。
船の上で機関銃を撃っているにも関わらず、銃の反動が一切なく、全く体がブレない敷島(神木さん)と水島(山田さん)。
ゴジラにどう考えても近すぎるリポーター。
人でごった返している銀座で運良く見つかる大石(浜辺さん)。
ゴジラに街を破壊されて、放射能まみれにも関わらず、調査員の雨しか防いでくれなそうな薄すぎるカッパ1枚という装備。
ゴジラの駆除という明らかな国家案件にも関わらず、科学者がたった1人で立案した作戦を遂行する甘さ。その作戦に100人足らず、という明らかな人手不足。などなど、細かく挙げるとキリがない。
だが中でも取り上げたい事が2点。大体の人と被るが。
1点目は、敷島の特攻。
戦場に心だけが取り残されている敷島の葛藤は理解できる。立ち直りかけた矢先、大石が亡くなり、また気持ちが振り出しに戻るのも理解できる。自分がゴジラに特攻する事によって、亡くなった整備士達へのある種の罪滅ぼし、大石への想い、自分の気持ちに整理をつけ完結させるという事もまだ理解できる。
ただ、橘(青木さん)の「生きろ」というたった一言で、脱出して生き延びるという選択は理解出来ない。敷島は様々なモノを背負って戦闘機に乗り込んで、覚悟だって決めていたのに、あの一言だけで選択を変えさせるのには、あまりに説得力に欠ける。2人のあのシーンのやり取りを個人的には、もっともっと深掘りして欲しかった。まだマシになった。
まぁ敷島がまた「逃げた」という捻くれた解釈もできなくはない。
2点目は、大石の最期
あの状況から大石が生きているのは無理がありすぎる。入院姿も包帯を巻いてるだけで体は不自然なほど綺麗。胡散臭いハッピーエンドだった。
考察でゴジラの細胞が転移?した、みたいなのが挙げられており、根拠として大石の脅威的な再生能力、最後の意味ありげな首の黒い模様としている。
もしそれが本当なら、何故、大石と同じ場所にいた大勢の人をはじめ、ましてや、しっかりと黒い雨にも浴びている敷島にはそれらの転移が見られないのは不思議でしょうがない。
終いには、病院側が人命を助けるため、治療としてゴジラ細胞を埋め込んだ、などの映画では一切描かれてない、妄想や陰謀に近いめちゃくちゃな事を言い始めていた。
これには流石に笑った。
あれこれ言ったが、決してこの映画は駄作では無い事を強く言いたい。個人的には非常に惜しい映画だった。これで内容も完璧だと、映画史に残る映画になったのでは?と感じる。
感覚的には映像で⭐️5まで引き上げて、内容は−⭐️.5という感じで⭐️4という評価を付けた。
内容云々より、なんといっても映像美、この映画はこれに尽きる。
最後にこんなしょうもない感想を読んで頂きありがとうございます。
どんな意見でも気軽にコメントして頂けると幸いです。
いやもう、あり得ない!
まず主人公の敷島(神木隆之介)の外見ですが、まったく軍人に見えません。髪型はいつものままの長髪で、無精髭が伸びることもありません。外見も言動も、まるで令和のナイーブな若者そのままです。
母の「生きて帰れ」という言葉を守るため、戦闘機が故障したと偽って特攻を回避し、一人整備基地に降り立ちます。そこまではまだ理解できますが、その基地がゴジラに襲われたとき、20ミリ砲の照準でゴジラを捉えた彼は、なぜか引き金を引きません。部隊が全滅するのをただ傍観し、みんなを見殺しにしてしまいます。いやもう、あり得ない!なんなの?生
きとし生けるものを殺しちゃいけない宗教かなんか?動物愛護団体の活動家?
敷島が焼け野原になった東京へ戻り、破壊された家のまえに佇んでいると、お向かいのおばさん、太田澄子(安藤サクラ)が出てきていきなり罵られます。「お前ら軍人がもっと頑張っていたらうちの子供達も死なずに済んだのに!!」軍の上層部の人間へ怒りをぶつけるなら分かりますが、こんなこと一帰還兵にいいます?しかも顔見知りの若者に…。太田澄子が頭のおかしな人にしか見えません。いやもう、あり得ない!
敷島は海の仕事でゴジラに遭遇しますが、危機一髪のところで命拾いします。ゴジラが東京に上陸するかも知れないと察知した彼は「どうして国は緊急避難命令を出さないんだ!」と叫びます。それはいいとして、その後彼は逃げようともせず、家でゴロゴロ過ごしてしまいます。そのせいで愛する同居人の大石典子はゴジラに襲われてしまいます。逃げ惑う人々で大混乱の銀座のど真ん中、逃げ遅れた典子!なぜかそこに敷島が!いやもう、あり得ない!
ゴジラを退治するための「海神作戦」を立案した科学者、野田健治(吉岡秀隆)が演説します。「日本軍はひどかった!軍人の命を軽く扱いすぎていた!飛行機の鉄板は薄いし、脱出装置もないし、ましてや特攻なんて!私達は一人も死なない作戦を誇りとして戦いましょう!」日本軍の武器開発担当者だったという設定なのに、まるで他人事のような軍部批判を繰り広げます。自己批判はまるでなし。いやもう、あり得ない!
「海神作戦」当日。まずい、うまくいかない!そこへ衛生局の船が「助けに来ましたよー」いやもう、あり得ない!
敷島と典子が再会するラストシーン。お母ちゃんに会いたかった子供を押しのけて典子の胸に顔を埋め泣き出す敷島…。これが一番あり得ない!子供が母に抱きつくのをお前は後ろから見てろ!!
なにしろ主人公敷島のキャラクター造形が不自然すぎて、まったく感情移入できませんでした。彼の心の葛藤も作り物にしか見えません。
あと、最後全員で敬礼するシーンがありますが、あれは誰に対してなのでしょう?もしかしてゴジラに対して?いやもう、あり得ない!
なんとも退屈な一作でした。この監督が撮った三丁目の夕日のゴジラの方が、よっぽど良かったように思います…。
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