ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
全656件中、301~320件目を表示
203㎜砲で撃たれて大きなダメージを受ける辺りはゴジラも生き物なんだなと感慨深い
シナリオも特撮も3DCGも役者さんもスタジオセットも非常に良くてずーっと集中して感情移入して見続けられましたし最後の30分はずっと涙ぐんで観続けた映画は初めてかもしれません。
そんな素敵な素晴らしい映画ですが一番印象に残ったのは重巡高雄とゴジラの戦いでした。
先ず数発の20㎝砲弾で打撃を与え、ゴジラに圧し掛かられても転覆せずに逆に至近距離からの砲撃で深手を与えた高雄に感動していました。もし魚雷を搭載していれば接近してくるゴジラに撃ち込んで砲弾とは比べ物にならない大きなダメージを与えてその時点でゴジラを葬っていたのではなどと考えてしまいました。まぁ、一旦武装解除後なので92式魚雷までは供給されなかったのでしょう。
シン・ゴジラのゴジラは通常のあらゆる火力に無傷でしたがこちらのゴジラは米海軍の複数の重巡洋艦、あるいは40cm砲を搭載する戦艦で排除できるレベルだったというのも時代背景を受けた強さの調整だったのだろうと思いました、
ゴジラ映画でやらなくてもいい
非常にガッカリ
星2なのはゴジラが良かったから
通称バーニングゴジラの造形が好きなので
今回のゴジラは結構好みの造形でした
総評
ゴジラの名を借りた
チープな人間ドラマを詰め込んだ映画
ゴジラでしなくていい
メッセージ性は全くなし
詳細
主役のゴジラに対しての深掘りがない
基本設定の放射能で変異が全く関係ない
申し訳程度にクロスロード作戦の原爆実験を受けて大型化したと思わせてるが
それまでに出てきた小さなゴジラの誕生はどうやって?
「島の住民がゴジラと呼んでいた」
と名前を出したいだけなら
もっと違う方法があったろうに・・・
そうかこの映画はゴジラが主役ではなかったのか
ゴジラ-1.0なのに
その最初にゴジラが出てくるまで
またそこから次に出てくるまで
クソつまらない人間ドラマを見せられて
帰りたくなる衝動を抑えるのに必死だった
そしてお決まり
ヒロインが生きてましたハッピーエンド
いらない実にいらない
他に描かないといけないことあるだろう!
いらない人間ドラマのせいで
シン・ゴジラでもなぜ東京に向かっているのかまでは分からなくても
なんで1度上陸したのに海に戻ったのかなど
ある程度の行動考察はされていたのに
全く考察もしていないのがかなり違和感を覚えた
不明な巨大生物のはずで行動原理など考察もしていないのに
なぜそこらへんの野生動物と同じで縄張りがあると思ったのか
録音した声を聴かせたら怒って戻ってくるとおもったのかぶっ飛びすぎて頭が混乱
もうちょっと筋が通るように脚本できなかったのか
せめて島の住民がなんでゴジラと呼ぶのかぐらい描いても良かったのでは?
暴れるだけにしても
ゴジラVSシリーズみたいにゴジラの敵が全くわからずただただ赤ん坊の癇癪のように暴れ回っているゴジラ
それになんの意味があるのか?
時代背景も現代と違うとはいえ
国も米軍もあんな理由だけで全く関わってこないのはさすがに無理がありすぎる
東京が核攻撃の如く吹っ飛んでるのにも関わらず
それでいて唐突な国会議事堂を守るように展開して砲撃する陸軍戦車
何アレ?
そして映画最後の
ゴジラ再生 ヒロインに不気味に浮かぶアザ
今回のゴジラがどんな存在なのか全くわからないのにそんな最後を見せられても謎すぎ
続編でまた同じような人間ドラマをするつもり?
少しマニアックになるが
強く見せるために噛ませにされた重巡洋艦高雄は要らなかった
素人が操艦してたのかな?と思う戦い方
脚本のかたが無理に重巡高雄を出したかったのではと感じる
別に機雷の爆発で倒れませんってだけでも十分脅威のインパクトはあった
その機雷も口の中でコロコロって
飴ちゃん舐めてるのかな?とは思ったけど
局地戦闘機震電もしかり
終戦間際に島の守備隊のいち整備兵が
震電のことを知っていたのも違和感があるし
戦中の通常戦闘機とは違い動力系は後部 過給機(ターボチャージャー)付きを時間制限ありで整備
ましてや機銃外して爆弾装備に改造って
設計やテスト飛行などにも関わってないんだから
いくら敏腕整備士でも無理
ゴジラと因縁があるからと無理に出す必要があるのか?
しかもそこまで無理に出しておきながら追加で二人出てきたけど誰?
その二人で良かったんじゃ?
正直これならまだ零戦を出して改造の方が
あの時特攻できなかったゴジラを撃てなかったけど今回は?!
とドラマが作れたのでは?
まあ要らないけど
唯一良かった点は
ゴジラが怖く描かれていた点
通常兵器では敵わないという強さ
どうやって倒せばという絶望感は
わかりやすくそこだけはゾクゾクワクワクできた
シン・ゴジラとは別ベクトルの感じで
しっかりゴジラしてくれててよかった
立ち泳ぎは・・・ん〜可愛かった(皮肉)
倒し方は映画 お約束かな
シン・ゴジラもそうでしたし
そこはゴジラ映画安定かなと
シン・ゴジラが面白かっただけに
大きく期待外れ
生き残ってしまった
まずは見た後こう思う
生きてるんかーい!!
あんな爆風でよく生きてたね
戦争×ゴジラ
グッときました。
生き残ってしまった人、憧れる人
絶対的王者ゴジラ、戦後ゼロからのマイナス
どう復興して行くんだろうか。
しかも死んでないからなぁ。
破壊しまくってるゴジラだけど、
やっぱりかっこいい。
ベタなのがいい
先の展開が読めるのに、ウルっとさせられたりハラハラさせられちゃう
ゴジラの圧倒的なパワー感と俳優さんの演技力に尽きる映画でした
最後のあれは、ちょっと、?ですけど
ゴジラ細胞の恩恵なんだそうです
途中まではこんなに救われない主人公なのに、ちゃんとハッピーエンドになるのかい??って不安にさせられました
現在にも警鐘を鳴らす日本の為の反戦映画
山崎貴監督作である「アルキメデスの大戦」での冒頭に描かれた、戦艦大和の戦闘場面、対空砲で米軍機を撃ち落とし喜ぶ若い日本兵が、その機体からパラシュートで脱出して、海に着水したパイロットを、直ぐに味方の飛行艇が着て救出していく様子を、啞然と見ているシーンが出てくる。
決して、本編とは関係のないシーンだが、この「ゴジラ−1.0」で回収される伏線だったのかもしれない。
ゴジラとの決戦を前に、兵士の生命を粗末に扱ってきた旧日本軍を否定し、生きるための戦いを宣言する吉岡秀隆。特攻から逃げた過去と愛する者を奪ったものへ、死を持って決着をつけようとする神木隆之介に、生きろと伝える青木崇高。
無能な国家指導者による、無謀な戦争ではなく、自分たちと自分の大切な人たちが生き抜く為に、目前の脅威に立ち向かおうとする姿には、感動させられた。
「シン・ゴジラ」が政治家をトップに官僚たちなど国家権力に携わる者が戦ったのに対し、今回は民間人たちでゴジラに戦いを挑む設定は、フランスからの撤退に多くの民間人が協力した、ダンケルクを彷彿とさせる。
そして、ラストの神木隆之介とゴジラの一騎打ちに、あの「アルキメデスの大戦」の冒頭シーンが回収される。
殊更、過去の対米戦争を正当化し、権力の側に媚びる昨今の風潮をも否定する、日本人による日本の為の反戦映画であり、やはりゴジラは、逆説的な反戦、反核兵器の絶対的なアイコンなのだと確信させられる作品だった。
それでいて、VFX技術の凄まじい進歩によって、最もリアルな生物としてのゴジラを見れる作品でもある。
ネタバレしてますので読まないで鑑賞してください🤗。
本日TOHO新宿にて鑑賞しました。
ネタバレします。
最初から、ゴジラが、人間咥えて襲います。
私は、この手の描写苦手なんです。(*≧∀≦*)
手が小さいゴジラは、怖いです。
今回の設定は、戦後まもない日本が舞台です。
いや、この時代設定するのに、制作費は、現代設定より、2.3倍かかったと思いました。凄い熱意です。😅🥹🤗。
ミニチュアもかなり意識して取り入れていてこだわりが感じられました。
今回のゴジラは、最初の伏線が素晴らしいです。ゴジラは、顔など攻撃を受けると損傷します、でも再生します。
これが、最後の作戦に登場します。
今迄のゴジラは、無敵でしたが、今回は、ちゃんと破壊されて一様倒されます。
この視点は、私は気にいりました。
この時代設定にアメリカがもちろん語られますが、登場させず、警察予備隊も登場しません。
なので、民間の元海軍の設定で登場します。
この設定私は、好きでした。
そして今回は、人ではなく、ラスト戦闘です。
「震電」に乗り神木隆之介が、ゴジラに体当たりするシーンです。
伏線があり、脱出するかなあと思いましたが、目がしらが熱くなりました。
「インデペンデンス・デイ」を思わず
想起しました。
いや素晴らしい絵でした。
ナイス👍😊カットでした。🥹😁。
ツッコミは、ありますが、皆様鑑賞して
感じて欲しいかなぁー!!🤗。
次回作作って下さい。
この映画の関係者の皆様お疲れ様でした。
ありがとございます♪♪。
(((o(*゚▽゚*)o)))🥹😃🤗。
史上最高のゴジラ映画です。
いろいろ難癖つけるレビューもありますが、そもそも映画は楽しければいいんです。シン・ゴジラも大好きでしたが、私は超えたと思います。口の中が弱点の巨大生物と、船で数人で戦うなんて、まるでジョーズ。無謀な作戦も、ドキドキしながら応援。背中がボコッと盛り上がるたびに、恐怖が近づく。もういっぺん観たいと思える名作でした。
ゴジラに山崎貴監督テイストは絶妙なマリアージュ♪
話題の作品をやっと鑑賞しました。
で、感想はと言うと…凄い!凄い面白い!!
怖いし、ワクワクハラハラ出来るし、感動出来るし、泣けるしといろんなゴジラ映画を観ましたが、個人的にはこれが一番かと。
よく「シン・ゴジラ」と比較されますが、シン・ゴジラは災害をゴジラに置き換えて描かれた感が多分にありますが、今作は全うな怪獣映画。
それも怖い怖いゴジラを堪能出来る作品。
ゴジラが人類に対して脅威の存在として描かれている作品は結構ありますが、圧倒的な圧力と絶望的な存在感で描かれているのは意外と少ない(個人的には)。今作は初代ゴジラをオマージュとして、山崎貴監督のテイストがふんだんに詰め込まれている。
戦後と言う昭和テイストは山崎監督のオハコであり、随所随所に「ALWAYS 三丁目の夕日」や「永遠の0」と言った名作を彷彿とさせ、そこにゴジラテイストが盛り込まれている。
過去に「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編でゴジラを登場させているし、よく考えれば昭和とゴジラは相性抜群。
また山崎監督は様々な特撮やVFXに対しての造形も深い。ベストタッグと言えばベストなコンビ。
戦後の敗戦の大打撃から、日本が復興しようする最中、ゴジラがやってくるなんてもう不幸どころの騒ぎではない。科学の粋を凝らした兵器でも太刀打ち出来ない(かもしれない)のに、何にも無くなった所にゴジラがやってくるなんて最大級の弱り目に祟り目。
そんな怖い怖いゴジラがすんごい脅威なんですよね。
個人的には底が見えないくらいの深い海は何がいるか分かんない感じが怖くて、3メートル以上の深い海や湖で泳ぐなんて絶対嫌w
すんごい深い海にゴジラが泳いで向かってくるなんて考えるだけでも恐ろしい…
また今回のゴジラは筋肉質でムキムキマッチョなゴジラなのがカッコいい♪
今までの邦画ゴジラは割りと撫で肩で上半身がスリムな感なんですが、今回はハリウッド・ゴジラの影響もあってか「仕上がってるよ!」「ナイスバルク!」「肩にちっちゃいジープ乗せてんのかい!!」と掛け声をかけたくなるくらいのゴールドジムで鍛えまくったようなゴツいゴジラになってますw
ゴジラの放射熱線を吐く際の背びれが青白く光り、トリガー的な役割なのも良いんですよね。
過去にそういった使い方があったかも知れませんが自分が知ってる限りでは今回が初のような…
こういったところにも随所にアイデアが凝らされている。
キャスト陣も豪華キャストで個人的には吉岡秀隆さんと佐々木蔵之介さん、安藤サクラさんが良い。
また、浜辺美波さん演じる典子が神木隆之介さん演じる敷島を庇ってビルの隙間に突き飛ばすシーンや敷島の震電での特攻シーン、ラストの敷島と典子の再会なんか涙腺崩壊。随所に山崎貴監督らしいテイストである意味ベタな演出がありますが、個人的にはそれで良いかと。
ゴジラと言う物凄くぶっ太い柱に人間ドラマはベタだからこそ、ゴジラの味も活きるってなもんです♪
また、人類の知恵でゴジラを撃退しても、ゴジラが完全に人類に屈せず、復活しようとする点はアリアリのアリ。
“キング・オブ・モンスター”“怪獣王”の異名を誇るゴジラが一時的に人類に敗退しても完全に屈する事は無いのは理に適っているし、たがらこそ典子の謎の復活の首筋の痣の伏線回収にもなってる。
初代ゴジラが芹沢博士が開発したオキシジェン・デストロイヤーで倒されたが、それをキエチーフ(静機)として考えての今回のラストはシン・ゴジラ寄りのテイストであってもその解釈は納得出来ます。
ただ、細かい部分でのツッコミが全く無い訳ではありませんがいろんな部分で“それでええんか?”と言う部分もあります。
例えば…
・敷島が機雷回収及び爆破の危険な仕事をして生活費を稼ぐ割には当時はとても高価なバイクを買ってるとか
・ゴジラ対策として気休め程度ではあるが機雷を船に積んでいたのはちょっと偶然が良すぎるし、機雷を積んでいたら逆に危ないやんとか
・ゴジラ撤収後の銀座は放射能汚染的になってるのにいつの間にか銀座の汚染封鎖はフェードアウトしているしとか
・大戸島で核汚染される前のゴジラはまだそんなに大きくないけど、人を咥えた際にも食べずに放り投げるだけと言うのを多分子供も観ることを想定された苦慮だと思うけど、肉食生物(多分)がエサ的な物を口にして食べないと言うのは生物的にどうなの?とか
まあ、言い出したらキリが無いんですが、それでもツッコミどころは個人的には少なめ。
あと、ゴジラが首都東京に上陸した際にビルの屋上から中継する様は初代ゴジラで有名なシーンでのオマージュですが、出来ればあの有名なセリフの「いよいよ最後、さようなら皆さんさようなら!」と言うのを入れて欲しかったかな。
あと、2019年に「熱海怪獣映画祭」で公開された「狭霧の國」と言う作品はゴジラからインスパイアされた作品ではありますが、今作は「狭霧の國」から多少感化されたようにも感じるんですよね。
ミニシアター系上映作品でありながら、割りと話題になった作品で2019年の初公開時には既に「ゴジラ-1.0」は撮影は始まっていたかと思いますが、全ての怪獣映画の元祖であるゴジラから様々な派生が産まれ、またその作品から本家のゴジラシリーズに何かしらの影響が成されていたら(想像ですが)面白い!
それこそがキング・オブ・モンスター=ゴジラのとしての本分であり魅力かと。
あと、今作の映倫区分はG(年齢を問わず、どなたでもご覧いただけます)ですが、なんか狙ったかのように「G」と言うのが良いよね♪
ゴジラ作品は製作委員会方式を極力取らずに東宝単独出資が多々あるが、今作も東宝単独出資作品。
東宝の宝であり大看板のゴジラに対して、社内に「ゴジラ戦略会議」が設立され、部署の代表はチーフ・ゴジラ・オフィサー(CGO)と言う役職があるけど、冒頭で人を咥えたゴジラが食べなかった理由はイメージやコンプライアンス的なのも踏まえてかと思いますが、この映倫区分をGにしたいが為なら面白い。
そんな遊び心を含んで映倫区分をGにしたなら素敵やんw
ゴジラ生誕70周年で実写化通算30作品目と言う記念的作品に近年の東宝の屋台骨を支える山崎貴監督がメガホンを取ったなら、面白くない訳がないかと。
ゴジラが好きで「ALWAYS 三丁目の夕日」や「永遠の0」が好きな人ならハマる作品ですが、万人に是非観て欲しい作品でもあります。絶対お勧め!
ゴジラというより
人間ドラマが主であり、ゴジラはそれを描くための題材。
逃げてきた特攻隊員の悲壮な胸の内、引き上げてきた元兵隊たちが背負うものなどの描き方が浅く残念。
シン・ゴジラは官僚機構への揶揄といったメッセージがあったが、そういうものは感じない。
一方、CGの表現は、もはや何をされても驚かなくなっており、人間ドラマにもゴジラにも軸足を感じなかった。
他のレビューにもあるように、男性4人の配役か、演技のあり方が違ったら、また異なったと思うが。
人それぞれの楽しみ方があると思うけど、自分としては、物足りなかった。
観客の年齢層が明らかに高かったのは、ゴジラの歴史を感じた。
タイトルなし(ネタバレ)
太平洋戦争末期、南海の孤島・大戸島に一機の特攻機が不時着する。
操縦士は敷島浩一(神木隆之介)。
機体の故障というが、整備士たちによる故障は発見できず、整備隊長の橘(青木崇高)は、敷島の戦闘忌避を見抜いていた。
その夜、大戸島を巨大生物が来襲。
島民たちが「ゴジラ」と呼ぶ荒ぶる神・祟り神、異形の古代生物であった。
特攻機の20ミリ機銃で討て、と声をあげる橘の願いも虚しく、敷島は躊躇、隊は全滅してしまう。
そして、終戦、帰還した敷島を待っていたであろう両親は空襲により死亡、ただ生きるだけの毎日の敷島は偶然、乳飲み子を抱えた典子(浜辺美波)と出逢う。
乳飲み子は典子の子でなく、両親は空襲で死亡、その彼らから託されたという。
典子の両親も空襲で死亡しており、敷島と典子、それから産着に縫われた昭子と名付けられた乳飲み子との奇妙な同居生活が始まる。
そして、終戦から2年。
銀座の街もかつての様相を呈してきた頃、「ゴジラ」が襲来する。
ビキニ諸島沖での核実験により巨大化、再生能力を強化させて。
その「荒ぶる神」「祟り神」の姿は、禍々しいものだった・・・
というのが映画前半までの物語。
途中、木造機雷掃海艇での特殊業務に就く羽目になった敷島は海上でゴジラと遭遇、そのときの船長・秋津(佐々木蔵之介)、小僧と呼ばれる助手・水島(山田裕貴)、学者・野田(吉岡秀隆)との出逢いがあり、後半の展開に影響してきます。
さて、2016年『シン・ゴジラ』以来の国産ゴジラ映画というプレッシャーのなか、監督・脚本・VFXの山崎貴は、怪獣vs.国家(組織)から、怪獣vs.個人へと物語をシフトさせ、「シン」とは異なる側面を見せていきます。
よって描かれるのは、敷島という個人の物語であり、ドラマ。
この「敵vs.個人」の構図は、70~80年代あたりまでは主流であり、『宇宙戦艦ヤマト』(というか『さらば宇宙戦艦ヤマト』か)で若者の心に突き刺さったもので、同時代の山崎監督の胸にも突き刺さったものと思われる(というか『ヤマト』の実写版を撮っているしね)。
また、『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジに通じるところもあり、若い観客にも十分アピールするだろう(というか、している?)。
映像的・物語的に初作『ゴジラ』を意識したエピソードも盛り込み(銀座の街の破壊シーンの酷似や海中でゴジラを仕留めるという作戦など)、オールドファンもニヤニヤさせることに成功している。
で、個人的に最も興味深かったのは、冒頭のゴジラ大戸島襲撃のエピソードで、そのときのゴジラの姿は「荒ぶる神」「祟り神」に相違なく、諸星大二郎の描くマンガ『稗田礼二郎フィールドノート』シリーズ(通称「妖怪ハンター」シリーズ)の一編を想起しました。
また、「荒ぶる神」「祟り神」ということで、ゴジラの生態や起源などの考察を劇中で省略しているあたりも好感が持てました。
映像的には、再現マニア的な山崎監督らしく、戦後の風景、復興した銀座の街並み、迫りくるゴジラの物理的状況など、かなりの細部まで作り込まれているのではないかしら。
なお、ゴジラが再生するかも・・・というエンディングは余計な気もするが、活かすのであれば、次回は『ゴジラ対ヘドラ』のリメイク、ゴジラ細胞が70年の時を経て再生するとともに、海中プラスティックに作用してヘドラ(今回は再生プラスティックの集合体)と戦う、みたいな、ちょっと気楽に見える社会派エンタメを期待したいです。
おもんない!!
ゴジラを見にきたのに日常パートが長すぎる!!
のりこが死んだかも、という時に感情移入させるため?
だとしても長すぎた。すごく眠たかった。
ゴジラの暴れるシーン少なすぎる。
最後にのりこが生きていた、っていうのも最悪。
死んでたかも?みたいな描写の後にやっぱり生きていました、って出てくるのはご都合主義者の悪いところです。
安藤サクラ、いじわるばあさんかと思いきや、普通にいい人だった。
マイナスと言うダウングレード
シリーズが最骨頂やMAX 値を極めると
隣接してスケールダウンで濃厚な演出を温故他心するミクロ現象がある。
例えばガンダム等の18mサイズも肥大を競うスパロパの流れからミクロ化を狙ったものであり道具としての搭乗ロボは武器の名称を叫ばない、異次元な破壊力は持たない、弾切れ、燃料切れ、不良品、プロト型等およそスーパーでない魅力が満載の擬似ミリタリー展開で、かってのスーバーロボットを凌駕する温故知新である。
ウルトラマンで言えば
初期の飛行速度がマッハ5~7で有ったのに対しタロウ世代ではマッハ20と新進気鋭ぶりのMAX 値を弾き出すが、その後のレオはマッハ7の初期値を守備して温故知新を図るマクロ振り。
東宝怪獣ならバラゴンやゴロザウルスは身長がミニ尺で巨大感に意表を尽かしてある。
もっとも怪獣総進撃で
ゴジラと同じ場所に並んでしまってるが。。
つまりはマイナス1.0の作劇法は
シリーズのセオリーではある。
ところか、それゆえに不備が見つかる。
マイナス1.0はダウングレードゆえに
ゴジラのスーパー表現は抑えられていたか?
いや身長50mにミニ化した割に大した破壊力を発揮してた。
怪獣映画はスペクタクルではあるが
ダウングレードが抱えるジレンマであろう。
メーサー戦車やスーパーXも登場しない
VS シリーズ以前の世界観なら
背ビレの青い発光もニョッキニョキ出てくる描写も魅力的だがマイナス1.0なら安易に採用すべきでは無かったのでは?疑問だ。
あまりゴジラを強く描くと、
あの当時の非力な人間たちが勝て無いよ。分かるよね?
マイナス1.0なのだから
そんなに強いゴジラは矛盾とジレンマで破綻してしまう。
加えて腕がハッキリ人間の体型に近く生物感に乏しかったり
更に非力な作戦を気力で補うリスクは殉死であり、芹沢も小林も犠牲になった過去が有るのに
主人公夫婦は生存?その甘さが白ける。
いや本編に関しては陳腐な朝ドラ以下の
イマジナリラインも不明な淡々劇。
こんなのに90点ランクする人も好き好きだけど、この監督は大丈夫なのか。
最初からやり直せと言いたいが
こんなゴジラで評判が良いなんて
結構ハードル低いのかね?
色々言いましたが反面教師としては収穫有りました。
VFXの出来も悪くはないんだけど
前述通りの気になる点の数々。
これは課題かも知れず
諦めの見切りかも知れず。
シリーズはそうやつて追い求めて行くのでしょうね。
吉岡秀隆が倍賞千恵子に見えてしまった映画
洋画ファンの自分としては期待値ゼロで鑑賞に臨んだのだが思いのほか悪くはなく、それなりに楽しむ事ができた。自分が思い描くゴジラ映画は「シンゴジラ」よりもこっちだよなと思えるほどすんなり素直に楽しめた。
ただ確実にCGのクオリティに関しては邦画ならではの低いレベルを想定しておかないとなと覚悟していたのだが、意外にも違和感のないレベルに達しており、ビジュアル面ではなかなかいいものを観たなぁという印象。
複数の怪獣を出さずにゴジラ1匹のみで存在感を出したのもよかったが、口からのビーム発射までの背びれの変形ぶりはカッコいいし、ビームのとてつもない破壊力にも圧倒され、銀座の街並みを容赦なくぶっ壊していく様もいいパフォーマンスだなぁとゴジラの暴れっぷりには満足できるものがあった。それに加え絶妙なタイミングでお馴染みのテーマ曲が流れるあたりも盛り上げ方もうまいなぁと思った。
ドラマシーンに関してはこちらもほぼ期待していなかったが、もろもろ予想できてしまった展開はあったものの思ってたよりも退屈はしなかった。
主要キャラが誰1人として死ななかった部分に関しては若干のモヤモヤはあるものの、気になったのはラストの浜辺美波の首筋の模様は何を意味していたのか、続編への布石か、いろいろ想像させるのもいい感じだった。
全体としては久しく観ていなかった邦画がこれだけレベルアップしていたのは以外だなと思った。
これなら正々堂々とハリウッド版と肩を並べられると思うし、これはある種ハリウッド版に対してのアンサー作品というか本場の日本製ならこうやるぜ!というのを個人的にはとても感じた作品だった。
続編を作られるのかは不明だが、この感じで作ってくれるならまた劇場に観に行こうかなと思う気になった。
自分の意思で生きるというメッセージを感じました
作品の中で随所に自分の意思をしっかり持ち、流されずに生きることを伝えているように感じました。
主人公は特攻命令の中でも特攻できず、時代的には非国民と言われてしまうが、自分の意思が強く持てる青年。
主人公に対して、死にたくないよなあ(みたいなこと)を言う役の人も、時代背景的には言っていい言葉ではなく、口に出せること自体、意思が強い人を表しているのかなと思いました。
ゴジラ撃墜作戦の決起集会のシーンで言うと、
今できることをやるしかないけど絶望の中にも打開策はある、ただ逃げてもいい、周りに流されなくていい、自分の意思で決めろ、
というメッセージが込められてるのかなと。
ゴジラを網羅しているわけでもなく、むしろ知識としては全然持ってないですが、楽しく見れました。
シン・ゴジラと比較しやすいかもですが、どちらも良さがあり、こっちのゴジラの方が無慈悲に感じましたが、共通してるのは科学の力は凄いなと笑
顔の左側は再生した痕のようなのもあり演出が細かい部分や、やっぱり死なないんかいという最後の裏切らない感。いやー、面白かったです。
敗戦国の意地!もう2度と負けたくない戦後の復興を懸けた日本国民とゴジラの戦い!
あれだけの化け物、怪獣ゴジラと戦おうと思うとどこか精神的に飛んでいないとできないと思う。
その戦える国、国民として戦後の日本、日本人に光を当てたのはまさにピッタリだと思う。
戦争の悲惨さをゴジラに重ねながらも、同じことはもう繰り返したくないと心から願い特攻する姿は感動した。
日本VSゴジラだが、シンゴジラと一番違うのは『国民の闘う心』が出来上がっていること。
命をかけて戦っていた人たちは強い。
ただ、最後の再生シーンに関しては、『この映画は確実にヒットする』という確信を持った制作サイドの思惑か。
いずれにしても、ゴジラ-2.0があっても私は映画館に足を運ぶだろう。
日本映画と怪獣映画の素晴らしい組み合わせ
今回の山崎貴監督は素晴らしい👍
今までのゴジラシリーズではなかった人間ストーリーを組み合わせ、VFXでゴジラの声、姿迫力満点だった!
冒頭のジュラシックパーク感も好きだし!
海でジョーズのようなシーン、ボロ船を大きいゴジラが迫ってくるシーンは本当に手に汗握る展開💦
半ばの銀座に光線を吐いてキノコ曇からの浜辺さん吹っ飛んでからの黒い雨…絶望の叫び🥲
その後の絶望から立ち向かっていく人々の姿もかっこいいし、神木隆之介さんと浜辺美波さんの演技が凄まじくいい👍
昭和にこんなのないよとかGHQはどうしたとかおっさんの大げさな演技が嫌だとかゴジラの表現など色々あるけど🙄
近年の日本最高傑作だと思う‼️
映画館でみないともったいない‼️
天災級
凄かった…。
神木氏が終始神がかってた。
もう災害としか呼びようのないゴジラ。目的も意図も明かされはしない。地球の覇権は人が掌握してるなんて事は全くなく…生物の頂点として君臨してた。
1作目へのオマージュも多かったと思う。
CGもえげつないのだけど、脚本が俺は好きだ。
キャラが背負う十字架が、終盤ゴジラに収束されていく様に胸が熱くなる。
冒頭、特攻隊でありながら命を捨てる覚悟が出来なかった敷島が、戦後の復興の中、ノリコやアキコと関わるようになり、命を賭ける動機が明確に出来上がる。彼にとってゴジラは「戦争の脅威」だったのだろう。
この筋が全くブレる事も揺らぐ事もなかった。
世界的スターのゴジラは脇役だ。
安藤さんの役所も味わい深い。
母であった彼女には、隣人を罵っても隣人の赤子を見捨てる理由がないのだ。もう無条件で抱き上げる。一回抱き上げたらずっと…手離す理由もない。
女性ってのは強いなぁと彼女を見て思う。彼女の手の届く範囲では、彼女に頭が上がらないように思う。
戦争帰りの人々の気概にも震えてしまう。
あの巨体を前に何が出来るというのだろうか?
でも立ち向かう。
一点の目的に突き進む。覚悟さえ決まれば迷う事などないのだ。日本のDNAを見てるかのようだ。
…最近、そのDNAは薄れがちだけど。
などなど、実に濃厚なヒューマンドラマが展開される。そして、今回のゴジラは見上げるアングルが多かったようにも思う。同時に足下のカットも印象的だった。
そんな事も含めて、人の視点ってのがドラマを織りなす上でも重要だったのだろうと思う。
当のゴジラは海面のカットがえげつなかったなぁ…。白組はホントにいい仕事をしたと感謝したい。
今作の造詣も素晴らしくて…なんだろ、見上げるばかりの存在で、意思も意図も不明で、言葉も通じず、無慈悲な破壊力を持ちつ神の如き存在で…崇めるのではなく、恐れ慄く方の。
人智の及ばぬ存在感であった。
いやあ…凄かった。
昨今、ハリウッドでもリメイクされるゴジラ。何故そうなったかの要素が全部詰まったゴジラだった。
ゴジラの体はしてなくても、ゴジラ程理不尽な事は多々起こる。それらを駆逐し乗り越える為に覚悟と信念は不可欠だ。相当しんどい。
けれども、生きていく限りその先にしか幸せも充足もない。今は負けても次は負けるな。
敷島に覚悟と信念が芽生えたように、自分達にも命を賭してまでやり遂げなきゃいけない理由が産まれるかもしないし、そうでなくても人は成長する。
「生きろ」その言葉は時に残酷ではあるけれど、前に進む限り逆転のチャンスは生まれ続ける。
そんな事を思った今回のゴジラだった。
残念感動怪獣ドラマ。スケールは小さくゴジラである必要はない映画
監督で不安に感じていた通りの、ゴジラである必要がない感動ドラマ
怪獣映画というわりにスケールはかなり小さく、
人間ドラマが中心に描かれていますが、
そこも後半が無理やりなので総じて残念な映画でした。
これまでのゴジラ映画では
ゴジラの生態など含めて、ゴジラが主役でしたが
今回はそういった部分への注目はほとんどなく、
放射能要素でさえろくに検討されません。
センサーを反応させるためだけに使われたようにしか感じず、
ゴジラという生き物へのリスペクトが全くなかったのかなと思います。
その結果、人間が主役で、ゴジラは舞台セットでしかなく、
別にゴジラ出なくてもこの映画は成立します。
海から現れた怪獣という要素しか使っていませんし、
行動理由についての推理もほぼなく、生きている感じがまったくしませんでした。
前半の人間ドラマ部分に時間を使いすぎて、
後半の銀座以降のゴジラ問題解決シーンも雑でつっこみどころしかなく、
最後のほうの展開はご都合主義かつ説明不足で全く盛り上がりません。
肝心の戦闘シーンもおもちゃ感が強く
予算が少なかったかもしれませんが、もう少し頑張ってほしかったです。
あえておもちゃみたいな演出にしたといわれればその通りかもしれませんが。
この監督の人間ドラマが見たい人は満足かもしれませんが、
ゴジラ映画としてはがっかりでした。
日本人VSゴジラ
本日、通常劇場で見てきました♪
意外と若い学生さんがグループ6人くらいで
見に来ていてビックリした。ゴジラ映画を
見に来てくれるんだって嬉しさがありました。
戦後、間も無いじゃなくて戦時中の
大戸島にゴジラが現れるシーンには
総スカンを食らわされました。
しかも、整備員を食べちゃうのって思ったら
口に加えてぶん投げれるって見せ方に人間なんか
不味くて食わねーよって感じが出てて面白かった✨
攻撃してきた輩には容赦無く襲い掛かるのは
動物的な本能なんだなって思いましたね。
まだサイズ感もそんなにデカく無くて
人間VSゴジラのファーストバトルに
相応しかった。
次にビキニ環礁の核実験があって、これで更に
デカくなって現れんだなと直ぐに勘付く。
やっぱりかーって納得した。
見せ方としてはこれで良い!
ゴジラが目撃されているのに米軍が
一才介入してこないでてめぇーでなんとかしろは
今のアメリカを見ていて同じだなと思いましたね。
イスラエルやウクライナも含めて
無責任な介入が世界を混沌に陥れて行く様は
正にゴジラと同じだ。
ビキニ環礁で勝手にゴジラをデカくした張本人が
被害無しに腹が立った。
次回作はアメリカを徹底的に破壊し尽くす
ゴジラを見たいね。
生前、宝田明が北朝鮮が核開発をしているから
ゴジラがあそこに行って踏み潰してくれないかって
米国のコミコンで言っていて、本当だよなって
思いました。
映画の話に戻るが海のシーンが見事だった!
機銃でバリバリ撃って機雷を爆発させて
倒そうとしたり
今の日本人が出来る限界みたいのもリアルだった。
ゴジラが泳ぎながら船を追ってくるのも素晴らしかった✨
ああいう演出はハリウッド版より良かったんじゃないかな♪
スゲェーなって興奮しました。
スピルバーグの「ジョーズ」のゴジラ版みたいな見せ方。
銀座に現れた進化ゴジラが容赦無く人間を
踏み潰して行く様は私がゴジラ映画で
1番見たかったシーンでした。
今までのは直ぐに避難させてしまって、
つまらなかった。
突然上陸してくるんだからこんなもんじゃ
無いだろと。
今回、それが網羅されていて素晴らしかった。
壊した建物の瓦礫毎、人類が吹っ飛ばされたり
建物から落ちたり怪獣の被害ってこれだろと。
物凄い恐怖と絶望感、嫌悪感が伝わってきた。
ドラマの部分の俳優陣の芝居も見事だった。
何としても生きようとする抵抗感と
使命感が良かった。
神木隆之介も良い芝居をする様になったなと。
小さい頃に妖怪と戦って次はゴジラかよって
本人も思ったんじゃないかな。
彼はff14のヒカセンで世界を救ってるから
白羽の矢が立ったんじゃ無いかなと
勝手に思ってます。私もヒカセンなんで😅
1作目のオマージュも見れて昔のを
思い出させてくれたし列車にぶら下がった
ヒロインは「キングコング」を思い出した♪
「美女と野獣」ならぬ「美女とゴジラ」だ。
ああいう演出は絶妙だった♪
無駄にヒロインが「キャー」なんて絶叫する
カットが無くてホッとした。
それを見せていたら嘘になっていただろう。
ゴジラの倒し方も人類が考え付く最低ラインで
リアリティーが有り素晴らしかった。
どうやったらあんなデカい化け物を倒せるのかは
科学的より物理学の方が現実的だよなって。
だが、自己再生能力がって所がゾッとする。
私的にはもっとゴジラを見たかった!
あと10分くらい入れても良かったかな。
次回作が楽しみになりましたね♪
怪獣は絶対に人類には倒せない!
だから怪獣王ゴジラなのだ。
という事で永遠の我らがゴジラに乾杯🍻
山崎監督を見直したという人多そう
「正直あんまりこの監督好きじゃない」って言うのは私1人じゃないだろう。それは分かる。
しかし今作は脱帽。いきなり暫定今年1位。
以下感想。
私が最もこの映画の重要性を認識したのは後半の、
「自由な意思によって命をかけて自国を守る人々」現れるシーンである。
これまでこのようなシーンを邦画で観た記憶がすぐに思い浮かばなかった。
アメリカ映画では「命をかけて家族や国を守るヒーローの物語」が散々描かれている。
理念で結束できるアメリカに対し、これまでどんなに羨ましいと思ったか。
しかし邦画にはそれほど多くない。
「命を犠牲にして何かを守るシーン」を観ると、まるで精神が分裂するように、釈然としないのである。しかしこれは精神的にも社会的にも分断が起こるように日本社会が作られてきたことに由来する。
戦後、我々の精神はねじれてしまった。
戦時中は軍部の命令よって、兵士の6割が餓死し、特攻によって多くの若者が死んだ。その作戦の無謀さについて軍部中枢の責任は重いと言わざるを得ない。
敗戦後はアメリカによって、ヒロシマ•ナガサキ、空襲による民間人犠牲者は「悪いのは日本なので仕方がない」と内に向けるように仕向けられた。対アジアでの加害者としての行為も常に重みを伴い、ときにその重圧に耐えきれず、それに対する反動が繰り返し起こっている。
主体の不在によって、我々は自分たちで自国の歴史を創ることができなかった。そのことが我々を困らせる。未だアメリカの属国であることの不自由さは無力感を生むのに十分である。
この映画では主人公以外の特攻隊員の心情は描かれていない。命令が降ったとき、死ぬ間際、どんな心情だったか、何を言葉に発したのかは分からない。(そこに触れていないのがこの映画の成功の要因の一つかもしれない)
しかし生き残った主人公は、死への強迫観念と生への執着の間で苦しむ。これは戦前と戦後の日本社会が持っている病でもある。
そこに山崎監督は救いを与える。
「死ぬべきではない。生きるべきだ」と。
軍部主導にせず、民間主導にしたのも、「自由意思」こそが新しい歴史の原点になり得ることを監督が理解しているからであろう。
そのような意味で、本作は日本が辿ることの出来なかった「もう一つの日本」を描く。
そしておそらく、これこそが私の観たかったものなのだ。
最後に、この映画のもう一つの成功要因は、ゴジラや街並みのリアリティもさることながら、ドラマが素晴らしいことだろう。俳優陣が見事。ノリコが銀座で働き始めることを告げるシーン、切なく涙が止まらなかった。彼女の生還は、「もう誰1人犠牲はいらない」というテーマに則していて、良い終幕である。
「昭和の群像」を描かせるなら山崎監督が上手いというのも納得。
まさか「ゴジラ」を観てここまで感動するとは。
以上、あまりの興奮にレビューすることにした。その後興奮が冷めてきたのでちょい編集。
全656件中、301~320件目を表示