ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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圧倒的災害として描かれるゴジラ。
大戦に敗北を喫した戦後の日本が舞台の本作。
ゴジラが圧倒的な災害として描かれていて“よっ!待ってました!"といった感じ。
戦争後の退廃した日本がまず背景としてあるからゴジラの脅威と、それに対する絶望感がより際立たされてたと思う。
スクリーンいっぱいに暴れるゴジラの脅威に圧倒されながらも、同時に戦争を経験したその直後の時代の生活が印象的だった。
特攻を命ぜられた兵が生きて帰ってきたら人々から平気で恥知らずと非難されて、またその当人も生き残ったことに対して申し訳ないと感じる時代。
話には幾度か聞いたことがあったが、およそたった80年前の日本に実際にあった価値観。
映画を通して強く感じた圧倒的な死生観の違い。
命を懸けるという行為が現在よりも当たり前にあった時代だからこそ"生きること"が当たり前ではないことがメッセージのように感じた。
こんなに感動するとは思わなかった思わぬ名作。
怪獣映画苦手な人にもおすすめな作品でした。
ほぼ無条件で推せる、今週おすすめ
今年374本目(合計1,024本目/今月(2023年11月度)6本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
※ お手洗いにいって抜けていた部分があるので、5分ほど抜けているところがあります。
内容としてはもうかなりの方が多く書かれているので多言を要さずここではカットします。
個人的にはリアル日本における敗戦後のアニメ・映画産業の中で生まれた「初期」のゴジラと、今のCG等を駆使して描かれるそれの折衷的な部分は結構感じました。趣旨的には「当時の時代背景にこだわって、撮影手法もそれにこだわった」ほうが良かったのかもしれませんが、そうすると実際問題、20代の方など行かないと思うので仕方がない(換言すれば、こういった「歴史的価値のあるアニメ」にまでデジタル化の波は来ている)といったところと思います。
どうしても一般的にアニメ作品と比べてもこの映画はその成り立ち的に「日本の戦後まもないころの事情」(GHQが占領していた時代)も出てくるため、映画が意図しようがしまいがどうしても憲法論的な論点はどうしても入ってしまいます。ただ、それは「結果的にこの映画が負ってしまう」だけであって、積極的に憲法論を論じようという趣旨までは感じませんでした。
採点は以下のようにしました。
どうしても「映画の趣旨的に」ある程度そのように「GHQは是か非か」「自衛隊は是か非か」といった、アニメとは若干異なる政治思想論点が出うる映画ですが、単純に映画として楽しめる作品です。
なお、若干光の描写が気になる映画でもありますので、自信のない方は後ろ側の席を選ぶことをお勧めします。
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(減点0.3/GHQなどについてもう少し詳しく描いてほしかった)
・ どうしてもこの映画はその成り立ちの趣旨上、GHQがいかなるもので、日本で何をしたのかということは論点に入ってきます。もっともGHQを描く映画ではないので(そういう映画は確か「日本誕生」か何かであったはず)、そこは薄目なのですが、この部分は高校日本史でも実質スルー扱いで(3年3学期というのが事実上ないため。センター試験や私立2次でも配慮される)、この辺、もう少し詳しい描写があればな、といったところです(ただ、過度にGHQを美化したりあるいは「こんなものいらない」というように描くのも変なので、「史実に適して適切に」ということです)。
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偏屈ジジイの私には予定調和過ぎて海溝へ沈没
すごかった
これが本来のゴジラである
ゴジラ映画史も兼ねて
凄く楽しみにしていて直ぐに見に行ってきましたが、個人的に感想を書くとなると邪魔臭くなる種類の映画なんで、この手の作品の感想はいつも何処から書こうか迷ってしまいます。
何が邪魔臭いのかというと、こんなに長い歴史のある“ゴジラ”というキャラクターの作品となると、個人的な“ゴジラ”との関りも書いておかないと文章として残す意味がなくなってしまうので、それも前説として書かせて貰います。
で、ゴジラ誕生70周年記念公開という事で、私は68歳なので1作目のゴジラ映画はリアルタイムではありませんが、第1回目の怪獣映画ブームの時に幼少期を過ごし、私もどっぷりとそのブームに溺れた子供時代でした。
とは言っても、『シン・ゴジラ』の感想の最初に書いたのですが、「基本的に“ゴジラ映画”には二種類あり、一つは1954年版の第1作目のゴジラ映画、もう一つはそれ以外の全てのゴジラ映画」と私はそう思っていました。
第1作目の『ゴジラ』以外のその後の日本のゴジラ作品はずっと、子供(少年)の為の映画だった訳で、なので少年期を過ぎると卒業してしまう様なクオリティであった訳です。
通常成人になると着ぐるみの怪獣映画など子供騙しとしての価値でしかなく、いい大人が見るジャンルの作品ではなくなり、子供時代の楽しい思い出としての価値しかなかった訳です。なので、既に成人していた平成ゴジラなどは、映画としては“どうでもよい映画”でしかありませんでした。
でも昔熱狂した映画好きには、「もしハリウッドなどで本気で作ってくれたら、大人が見ても面白い作品が作れるかも知れない」なんて、何処か心の奥底で願っていたらそれが本当に実現し、それからもどんどん映像技術が進歩して、ひょっとしたら日本でも(着ぐるみではない)リアルな映像で大人が見れる怪獣映画が見れるかも知れないと思っていたら『シン・ゴジラ』が出来た訳です。
ハリウッドのゴジラバースは基本は日本の子供向け“怪獣プロレス”オマージュではあるが、映像そのもののクオリティが雲泥の差があり巨大生物のアクション映画として楽しめ、『シン・ゴジラ』は第1作目以外は全て無視した、怪獣に“大災害”という新たなメタファーを取り入れたポリティカルムービーとして楽しめました。
その後にもアニメ版ゴジラも作られて、全く新しい世界観でのゴジラキャラだけを生かした作品にしていたりで、ゴジラキャラそのものが多様化の時代になったので、今後のゴジラは1作、1作別世界のゴジラとして登場でき、大人も一緒に楽しめる時代になったという事で、オールドファンの私にとっては嬉しい時代になったと言えます。
長々と前置きを書いてしまいましたが、本作は山崎貴が監督ということで、感想を一言でまとめると山崎貴カラー全開の作品になっていました。
それ以上でも以下でもない、ど真ん中の山崎『ゴジラ』で私は楽しめました。
もう少し詳しく言うと、今までの全『ゴジラ』映画に無かった“人間ドラマ”を主軸にしたゴジラ映画は初めての試みだったと思います。
細かく言えば、第1作目('54)やハリウッドゴジラバースの1作目('14)などは“人間ドラマ”も取り入れていましたが本作との方向性が違いますし、その他の全作品の人間ドラマパートはステロタイプの典型でしたので、この路線のゴジラは初めてでした。
まあ、厳密に言うと山崎貴作品の人間もステロタイプと言えなくもないのですが、この映画ではそれを深堀りする意味がないのでやりません。
あとは『ゴジラ』映画に於いて、今の技術でクリエーター魂をくすぐるのは何と言っても“構図作りの面白さ”でしょう。
今までに見たことのない、本当の怪獣が出現したらどのように目に映るのか?どのような光景が出現するのか?、これを考えるのがゴジラ映画を作る一番の楽しみだと思いますが、『ゴジラ−1.0』も新しい絵を沢山見せてくれたので、私は大いに満足しましたよ。
ゴジラの曲
政治ドラマもスーパー兵器もいらん! アキコちゃん、君は天才?
予告編を見た時点で、時代設定やシチュエーションに対し期待しかなかったが、実際に鑑賞してその予感が間違いではなかったと確信した。
ドラマ部分に関してはツッコミ所はあるけれど、ゴジラを恐怖の対象としてしっかりと描いていたと思えた。
ゴジラのCGや表現にケチをつけてる方々もいるようだが、あれに文句をつけるのはただのアンチか、ただただゴジラを楽しむ事が出来ない輩でしかない。
本作品を観てから、ちょうどWOWWOWでシン・ゴジラをやっていたので見比べる事が出来た。
本作品を観てすぐ後だったから、前半の政治ショーに辟易してしまった。
シン・ゴジラに引っ張られてると評する方もいたが、少なくとも怪獣映画としては本作品の方に軍配を挙げる!
ハリウッド版は夜間に怪獣プロレスをさせるから、画面が暗すぎて何やってるかわからん!
VSシリーズや昭和シリーズ後期みたいに、スーパーXも3式機龍、ジェットジャガーもいない!だがそれがいい♪
ゴジラがシェーしたり、若大将の真似をすることもない!
ファイナルウォーズ?ありゃタダのアクション映画であって、あれが最後でなくて本当に良かった(泣)
本作品における、終戦直後の荒廃した街を蹂躙するゴジラ、小さな木造船を追いかけまわすゴジラ、重巡・高雄の砲撃を食らいながら爆砕するゴジラetc.
細かい理屈をこね繰りまわすのはヤメて、素直に楽しみたい作品だし、実際に楽しみました。
幻の戦闘機、震電が飛び回る姿もVFXとはいえ大変見応えがあり、涙を流しながら観ていた方もいたが、気持ちはわかるぞ!
1作目、モスゴジ、地球最大、護国三聖獣そしてシン・ゴジラ以外は何だかなあ?って思っている身としては、本作品はそれらに匹敵する傑作であると公言しますよ!
でもね、個人的に本作品を観ながら心の中で叫んだのは、「アキコちゃん役の子、君は天才子役だよ(泣)」
観た方なら解りますよね?
追記:あまりにも無理、無駄にこき下ろしているレビューを見掛けますが、自分の理解力の無さを棚に挙げたモノや、ただただ世間の評価に対し逆張りしたい輩が、映画コメンテイターを気取って気に入らない部分を箇条書きにしているだけの駄文をアップしてるだけのモノが多くて、情けなくなります。
そりゃあ個人の自由だから評価はそれぞれだけど、ちゃんと作品を観たならば、星2つはまだしも星無しとか星1ってのは、自分の感性の無さと台詞の行間を察する能力の無さを晒してるだけだと自覚しましょうね(笑)演技がオーバーとか言ってるだけの人は、海外でも上映される事情とか理解した上で言って下さい!
芝居がクサイとか、お涙頂戴とかがイヤなら邦画は観ない方がいいです。
あ〜面白かった!or自分には合わなかった!だけで充分でしょう!
泣くやつ。
山崎〜戦後〜ゴジラとくれば、、、「あぁ、これ泣くやつだな」と予想通りであった。
生き残った負い目と、生き残った責任。
戦争PTSDと後半泣きどころ満載。
震電や四式中戦車「チト」など幻の試作兵器もチラ見出来てミリオタも満足。
さてCGも白組頑張った。海や船、ゴジラのディテール、廃墟などかなりのクオリティである。
難癖つけるとすれば引き絵のゴジラがなんか動きに生物感なくロボットぽく感じた。あれだけ尾の長い動物が前方に移動する時は前傾しないとバランス取れないし、進めないと思うんだが、、、とか言い始めると色々ゴジラそもそも論になるからやめとこ。
女性俳優2名はさすがであったが、男子俳優陣皆さんキャリアある方々なのだが、どうも上手く噛み合ってない気がしたんだけど、、、どうだろう。テンションとか、声質のせいだろうか?
祝・Gさん、古稀。
敗戦と原爆/ゴジラ史と映画史
2023年。山崎貴監督。第二次世界大戦と強く関連させたことで原点(第一作)に立ち返り、さらのその「原点性」を濃縮している。原点性とは、巷間言われているように、①戦争で生き残った者たちの罪悪感から生まれる自罰感情(トラウマ含む)②原子力爆弾の被爆国として核の恐怖のリアルな形象(アメリカへの抗議含む)、としてゴジラを描くということ。①だとゴジラ=死んだ兵隊たち②だとゴジラ=核の恐怖となり、本作の場合、意識的に二つのイメージが重ねられている。ゴジラが口から吐く熱線の爆発は、キノコ雲や黒い雨など明らかに原爆だし、最後に海に沈んでいくゴジラに敬礼しているのは①の意識があると考えなければならない。
このように「ゴジラ史」を踏まえた映画は、同時に「映画史」も踏まえている。一番わかりやすいのは未婚の男女の寝床を隔てる「ジェリコの壁」。もちろん、フランク・キャプラ監督「或る夜の出来事」。また、死にたくない特攻隊員というのは監督自身の過去の作品からの引用のようにも見えるし、優秀な官僚が国家機関を総動員して対応するのではなく、民間で(とはいえ海軍の生き残りが中心だが)対処しようとするところは、官僚映画だった「シン・ゴジラ」への批評だろう。映画は映画史のなかでつくられる。
特攻から逃げて結果的に仲間を見殺しにしてしまった主人公が、最終的に特攻で死ぬ覚悟を決めながらも生きようとするというのが重要。単にやり残したことをやり遂げるのではない。
ゴジラの声と爆風の威力はさすが山崎監督というほかない。
山崎貴はよい監督、だが、よい脚本家ではない
山田裕貴をワダツミ作戦に参加させたくない佐々木蔵之介が「戦争を知らないことは幸せなこと」と言って山田裕貴を排除したのですが、すごくよいやり取りだと感心しました
しかし、山田裕貴は遅れてゴジラとの戦争に加勢します
これは作劇論的にカタルシスを増やすためだと理解していますが、佐々木蔵之介の中に結局は山田裕貴に戦争を経験させてしまった後悔や自分の不甲斐なさみたいなものが表現されてなかったです
主人公は神木隆之介なので本筋ではないのも理解していますが、こういう細部(脇役)にも隠れているドラマを見逃さないし拭わないのが本当に一流の脚本家だと思います
ですから、山崎貴はよい監督、だが、よい脚本家ではありません
日本の映画監督は印税がないので、印税をもらえる脚本を書きたがるのは仕方ないことですが、脚本を他人に分業にできれば山崎貴はハリウッドとも戦えると思います
現状では、シンプルで万人受けする脚本は書けるでしょうが、脇役は殆どが必要な役割を与えられた記号なんですよね
シンプルにするために記号化してるんじゃなくて元々脇役は記号化した単純な脚本しか書けないんだと思います
セリフのレベルから推測してます
脇役が都合よく動いてくれないのに話がうまく収束していくような脚本レベルに山崎貴は一生届かないと思います
貶しているわけではなく、日本実写映画最高峰の監督がハリウッドと肩を並べるために残り必要な決断は何かと考えたらコレだと思ったので提案してみた次第です
神木隆之介に主演男優賞を是非
「シン・ゴジラ」から7年ほどが経過しあれに対抗できるゴジラ映画ができるのか?
と不安になっていましたが観てみれば素晴らしい作品だったことに間違いはないです。
他の方々のレビューで内容のあれこれは語られているので自分は俳優方面に注目してレビューします。
庵野監督のゴジラには無かったヒューマンドラマが濃く演出されていたのは
山崎監督の特徴だなと思いますしこれをくどいと感じる方も居るとは思います。
しかし、マニア向けではなく万人向けドラマの王道的演出にしたことで
他のゴジラ作品との差別化が出来ていて良いなと思いました。
劇中では敷島浩一がこれでもかと感情をボコボコにされて観ている方が辛くなるシーンが
多々ありますがそう思わせる神木隆之介の演技がとても良かったですね。
トラウマからくる恐怖心で言葉が出なかったり震えたりというのがゴジラの怖さを教えてくれます。
とくに銀座での哀しみと無気力さと怒りがこう混じりあったなんとも言えない感情を
顔で表現してくれるのは流石だなぁと関心してしまいました。
他の俳優陣が霞むくらい印象が強く残っていたのでもう主演男優賞を送ってあげてほしいです。
最後の最後でもハリウッド映画みたいに感情を表に出さないで終わるのは
「シン・ゴジラ」でも一緒でやはり日本の映画だなぁって安心感ありますね。
蘇る昭和の悪夢
面白かった、、、が
おもしろかった。是非スクリーンで。
スケールが大きいので劇場のスクリーンで観てほしい。沖のシーンは海で撮影されたらしいがVFX技術が高くてそこら辺の線引きは良い意味で全くわからない。
庵野氏のシン・シリーズで振り回されてきた身としては、人間ドラマがしっかり組み立てられ丁度良い尺に収められたストーリーは見やすかった。
吉岡・佐々木・山田のトリオが画面を暗くさせすぎず良いスパイスになっている。吉岡秀隆の風貌と声、終盤の山田裕貴がいい。
青木崇高と安藤サクラも大事なところでグッと引き締めており適役だった。
神木&浜辺コンビは画面の収まりが良い。朝ドラはこの後の撮影だが、演技の相性がいいなと改めて感じた。また是非共演してほしい。
この話でゴジラ退治が終了でないことは、後のゴジラシリーズがあることから察することができると思うが、物語としては希望ある形で終わるのでスッキリした。
ツッコミどころはあるが、面白かった。
そういえば群衆の中に橋爪功を見た気がしたんだけどエンドロールで確認し忘れた…
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