ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
全1373件中、1081~1100件目を表示
最初から期待してなかった。
監督が山崎貴で、それが『シン・ゴジラ』が面白かったなんて言ってるの知って、ああ、期待しちゃいけないな、って思ったけど、「ゴジラ」は好きだから早めに観賞してきた。
特撮、というかCGはよく出来ていたと思う。
ただ、やっぱり脚本というか演出というか。
軍隊ってこんなだったかな、とか戦後の焼け跡ってこんなだったかな、とか。
自分だって経験してないし、監督はこの頃を舞台にした映画ばかり撮ってるらしいから、俺よりは知識あるだろうけど。
地名は出るけど地理がよくわかんねえんだよな。
それと人の反応・・、こういう時にこんな反応するかな、ってのが結構あった。
恐竜みたいな未知の生き物に遭遇、戦闘して、それがとてつもない大きさになってやって来て、なのに主人公、あんまり驚かないよね?
今回のゴジラにしろ前回のシン・ゴジラにしろ、人があんまりゴジラに興味示さないよね?
出てきた、それ、やっつけろ!みたいで。
1954年の『ゴジラ』には生物学者が主要な登場人物にいたけど、今回はそういう人もいないし。
前回の庵野にしろ今回の山崎にしろ動物に、あんまり興味がないんだろうね。
俺は動物好きだから、ドキュメンタリーっぽい作りで、ゴジラの生態を描いた作品が観たい、なんて思う。
普段は南洋の、どっかの孤島の浅海か入り江で休んでるんだよ。
で、たまに気まぐれで島に上陸して歩き回る。
島の人々は集まって、ただゴジラを見てる。
刺激しなければ暴れないし、被害は台風より少ない。
年一回くらい黒潮に乗って日本近海に来る。
そして上陸して暴れ、都市を破壊する。
それは何故か・・、みたいな話、やってくれないかな。
東宝じゃ無理かな・・。
仔細の不満ありますが見応え十分でもあります
邦画界の巨人である東宝の伝家の宝刀が「ゴジラ」なわけで、飽きもせず繰り返し、海外セールスまでも展開し世界のコンテンツとして大切にされてきた。前回が「シン・ゴジラ」今回が「ゴジラ-1.0」なんて変化球タイトルで、斬新を装い興味を煽り続けます。当然に本作ラストで死ぬべきなのに死にませんゴジラは、当たり前です次作も創る気まんまんなんですから(どうでもいいハナシですが、本作でゴジラが海底に沈めば「ゴジラが眠る相模湾」のキャッチで観光目玉になったのにね)。それほどに東宝と言う企業にとって大金を産む宝刀なのですから。
なによりも今回は原点回帰が基調なのか、強いゴジラでなく恐ろしいゴジラの造形及び描写が功を奏して見応えは十分です。下半身の相当なボリューム、牙同然に隆起した背ビレ?、そして重底音を遠慮なく叩き付け、ド迫力演出がなされ新作として成功と言っても過言ではないでしょう。今回ゴジラは4度登場する。開巻早々に惜しげもなく島に上陸し特攻隊員達を叩きのめす。2度目は調査船に立ちはだかり爆破されても驚異の再生能力を見せつける。そして3度目はいよいよのハイライトである銀座で大暴れ、ここであの伊福部昭作曲のゴジラのテーマ曲が盛大に鳴り響く。逃げ惑う群衆を踏みつぶしてゆくのですから恐ろしいったらありゃしない。数寄屋橋の日劇(阪急宝塚の東京進出のシンボル)が盛大にぶっ壊され、朝日新聞社屋から和光までも精緻に再現され、山手線をおもちゃにする。ゴジラ映画化の要はこのパニックシーンにこそある。こうして最後は相模湾での攻防戦となる。
パニック映画はパニックシーンに必然を与えるドラマパートが肝要です。焦らすことなく早々に恐怖を煽り、戦後の混乱の中にドラマを構築するが、バランスも意外と(失礼)良いのに驚いた。若き2人を要に、生き延びるための戦いに影を落とす戦争への決着をドラマの核に据える、山崎貴監督一応頑張りました。展開される戦後の描写に驚くほどに溶け込む主演の2人の神木隆之介と浜辺美波の昭和っぷりはサプライズでした。ニコリとも笑顔を封印した神木の役者としての成長と昭和のプロマイドから飛び出したような浜辺の佇まいは本作の成功要因でしょう。
しかし、放射能エネルギーを貯め込み、背ビレが隆起する様はロボット仕様のようで鼻白み、ブルー光線の原爆並み破壊力は説明不足、「ジュラシック・パーク」よろしく人間を咥え込んでも吐き散らすのみ、身体を破壊されてもターミネーターよろしく復元してしまう謎、そもそもゴジラの行動原理がまるで理解出来ない。何故に東京?銀座?、小型飛行機一機にそそのかされる程度のおバカ? 米軍によるビキニ環礁での実験より以前の1945年の8月に南方の島に既に登場していた?現地人達がゴジラと呼んでいるってことは、それ以前から存在する。水爆実験による突然変異の原点設定も怪しくなって、オリジナルに託されたメタファーは本作では希薄と言うより殆ど無視状態。
さらに、突然登場のゴジラに銃を向ける特攻隊員達の違和感、腰を抜かして逃げるのが精いっぱいのはずなのに。不死身の浜辺から、山手線車両から海へジャンプの不自然、漁船を集め船を牽引する絵空事、そもそも放射能の危険がセリフで伝えられているのに、登場人物はまるで関係なしの様相。幼子に「お父ちゃんじゃない」などとよく言えるよね、2人の情に一切触れず、お節介おばさんの造形は未熟もいいところ。その安藤サクラは設定に無理在り過ぎ、吉岡秀隆そして佐々木蔵之介に至っては彼らの一本調子のイメージ通りにしか演出出来ず。山田裕貴や青木崇高は勿体ないレベル。肝心のSFXはかなり頑張ってますが、ハリウッドと比してもまだまだで、海上の波の遠近感がまるでないのですよ。脚本を監督1人に任せっきりなのが致命的でしょう。娯楽大作なんですから、もっと製作陣はコミットすべきでしょう。邦画の限界がここにある。
仔細を挙げたら不満タラタラですが、トータルでは一気呵成に見せ場をつなぎ十分に楽しめ、涙もほろりですのでオススメ作品ではあります。
期待が大きすぎました
もう一度プレミアムシアターで観たい!
生きろ。
全てを破壊す超獣により戦後の日本人が目を覚ますのは、生物の最も根本にある生き延びるという本能。
これが、これこそが日本が生み出したキング・オブ・モンスター映画。
ハリウッド版とは恐怖と絶望の描き方がまるで違う。
私的には前作シン・ゴジラよりも格段に楽しめました。
時代背景の影響もあり、単なるモンスターパニック映画ではなくヒューマンドラマの要素が強いのも特徴。
子供でも見れるとは思いますが、これは完全に戦争を理解した大人向けの作品。
音楽の重厚感が素晴らしく、挿入のタイミングも秀逸で鳥肌が立ちました。
1つ注意する点は、ゴジラがなぜあそこまで巨大化して放射能の力を手にしたのか?という説明がチラッと一瞬しか映し出されなかったので、ゴジラを知らない人はそこだけ事前に予習しておいてもいいかもしれません。
私は通常スクリーン(最大級のサイズを選びましたが)で観ましたが、それでも凄まじい迫力と轟音の今作はできる限り大きなスクリーン&高音響で味わいたいものです。
可能であればIMAX、Dolby、ULTIRA、BESTIA等のプレミアムシアターで観る事をお勧めします。
「あれは、、ゴジラ、、」 「うぅうー、あああー」 (二回目観てきました)
観たかった「ゴジラ」がここにある。
ドラマ・パートの演出がちょっととか、説明台詞が多いとか、気にならない。
思った通りの展開になっても、分かってても泣いてしまう。
オリジナルのテーマ曲を作った伊福部昭の功績は大きいな。
映画ファンでよかった。
余談ですが、
世代的に、映画館にゴジラを観に連れて行ってもらったのが、ミニラが出てきた頃なので、ゴジラがシェーしたり、加山雄三の真似したり、子どもながらにも子ども馬鹿にするなと思って、それ以来、ハリウッド版(トカゲのは除く)まで観ていなかった。ハリウッド版やシン・ゴジラも面白かったけど、やっぱり今作のような直球があってこその変化球ですよね。
2回目観てきました。2日前に観たばかりなのに、全く飽きることなく楽しめました。
説明台詞は多いけど、名台詞ばかりだし、俳優さんたちが良いから、もっと聴きたくなってくる(普段は台詞で説明する映画は好きじゃないです)。
死ぬな、生きてた。生きろ、生きてた、生きてた。に泣いてしまって、また黒いアザ見逃すところだった。
戦争直後の、その日生きていくのにさえ精一杯だったところから、日本の未来のために、子どもたちのために再び頑張ろうとする人たちの姿に、亡くなった両親がちょうどその世代だなと思ったら、胸が熱くなった。
観たかった映画がここにある。
ほんとに映画ファンでよかった。
集められた元海軍の軍人さんの中で一際目立ってた、背の高い髭の、若い頃の加藤健一さんに似た人、なんていう俳優さんでしょう?
その手があった!
VFX邦画歴代トップ
やっぱりゴジラは厄災の方が良い
神はそう簡単には死なない
生きろ
この言葉が、これ以上響く映画は無い。
これが本当の、君たちはどう生きるか。
庵野秀明からのとてつもなく重いバトンを受け取った山崎貴監督。三丁目の夕日でも登場させるほどゴジラ好きで知られる監督だが、その愛は我々の想像を遥かに超えていた。今後語り継がれるゴジラ映画として。そして、これまで見たことがない、味わかったことの無い絶望が、戦後の日本という暗黒の時代を通して深く胸に刻まれる、戦争映画として。山崎監督は、120点を超える完璧な答えを生み出してくれた。
愛していると言いたい。なのに、言えない。
訪れるはずだった死から逃げた自分には、生きる意味なんて見出してはいけない。多くの死を目の前にして、幸せになろうなんて考えてはいけない。戦時中、生き残った人の多くはそう思ったことだろう。生きることを選択したはずなのに、生きることを後ろめたく感じてしまう。神木隆之介と浜辺美波の関係性は、当時の日本そのものであり、見ていられないほど胸が痛くなる。2人に幸せは訪れるのだろうか。それだけで2時間は語れる。
これまで何千本という映画を見てきて、こんな涙を流したのは初めてだ。戦後、やっとの思いで復興を遂げた日本。そんな中で、得体の知れない超生物・ゴジラが上陸し、街と人々の心をめちゃくちゃにしていく。これ以上の絶望があるだろうか。フィクションとはいえ、世界レベルのCG技術と演出によって、現実と架空の壁がぶち壊され、やるせない気持ちで胸がいっぱいになった。震えながら涙を流したなんてこと、今まで無かった。
もう、多くは語りません。
完璧。その言葉に尽きる。歴代のゴジラ映画がやりたかったことを全てやりきったと思う。今後、いくらゴジラ映画が作られようとも、本作を超える作品は絶対に現れない。そう断言していい。自身の生涯ベストだと、今後一生言い続けることでしょう。傑作という言葉で括っていいのか分からないが、とにかく素晴らしい。とても考えられない重圧と責任感だったろうが、よくやってくれた。こんな作品を見れたことに感謝でいっぱいだ。ありがとう、山崎貴。人生最後に見る映画は、これかもしれないな。
生きろ。
そのマイナスがいつか、プラスに変わると信じて。
単なる怪獣映画にあらず。
大人の鑑賞に耐えうるゴジラ映画だが・・
まず、基本的には、シンゴジラの後という重圧の中、山崎監督が脚本からVFXまでまとめ上げてベストを尽くしたことを評価したい。(気持ち的には採点は3.5と言うよりも3.8か3.9くらい)。音楽の重厚感も素晴らしかった。
山崎映画を普段あまり見ていないが、昭和の街並みや、戦艦に戦闘機と、今までの監督経験を活かした彼の集大成的な作品だという事はよくわかった。内容に関しても、山崎監督が永遠のゼロの監督であるという事が良い意味で最後の「泣き」展開の驚きをもたらしていると思った。後から振り返ると色んなドラマ場面はそれに向けた前フリだったんだなーと、見終わったあとに気づかされた。(ただ、そこってあくまで主人公の人生の葛藤であって、ゴジラ映画としての本筋(なぜ、ゴジラという存在は生まれたのか、いかにゴジラを倒すか等)とあんまり関係なくて、別の話になっちゃってる気もするんだけど笑)
自分は正直ハリウッド的な個人の物語を通してのストーリーテリングよりも、シンゴジラの昔の戦争映画のような群像劇の方が好みではあるけど、庵野監督が「俺の考えるゴジラ像」を妥協せずに作り上げたように、山崎監督も彼なりのゴジラ像をしっかりと見せてくれたんじゃないかなと思う。これからは各監督が毎回リセットして自分達の思うゴジラ像を作り上げればいいんじゃないかなと思った。
不満点としては、私は一作目のゴジラはフランケンシュタインの怪物のように、恐ろしさと共に、どこか生物として不完全な、生まれてきてしまった事に悲しみがある生物、呪われている生物みたいな部分があると思っていて、そのデザイン自体に反戦のメッセージ性も含まれていると思っているんだけど、山崎ゴジラにはその部分は感じられなかった。シンゴジラは完全生物の部分と、呪われた異形の生物の両面があったと思うが、山崎版はその完全生物の部分だけシンゴジラから引き継いでしまっているように思った。
また、本人はオマージュのつもりなんだろうけど、ジュラシックパーク、ジョーズ、ダンケルクを思い起こさせるシーンは、オマージュと言うよりも、さよならジュピターや竹取物語、REX等、昭和の日本映画で良くあった、流行りのハリウッド大作映画のチープ版みたいなのをやる伝統に重なって、気恥ずかしくなった。今作は全米でも大規模公開されるし、せっかく素晴らしい誇れるレベルのVFXになっているんだから、そういう「やった、ジュラパのT-REXみたいなシーンとれた!」みたいな内輪ノリは止めてほしいなと思った。
もう一点、多くの人が恐らく指摘してるだろうと思うが、銀座襲撃の後、どうやってゴジラが海に大人しく帰ったのか全く描かれていないし、語られていない・・。結構大きなプロットのミスだと思う。対談で庵野監督に「つっこみどころも多い」と言われていたのはおそらくそこらへんのことも含まれているだろう。
ゴジラの名を借りた人間模様映画
あっコレ「怪獣映画」じゃない…「戦争映画」だ…
ゴジラー1.0(ネタバレ無) ゴジラは120点 ドラマはダメダメ、むしろ不快
ゴジラ-1.0 感想でございます。
いやー! 特撮はアガるねー! ゴジラやっぱいいねー!
いいところもダメなところも、全部合わせてゴジラさいこー!
もう、書きたいこといっぱいあるもん!うおおおおおー!!!
【ぼくの考えたゴジラ-1.0】
戦後、廃墟となった東京にゴジラが現われ蹂躙、破壊の限りを尽くしただけでなく、都の中心部は放射能汚染により人の居住は不可能となる。
歴史が変わった。もはや日本に価値無しと考えた米軍は早々に撤退。しかし日本人はあきらめなかった。首都は大阪に移り、ここから日本は奇跡の復興を遂げる。復興のモニュメントとして建てられた太陽の塔に隣接して議事堂と中央官庁街が形成され、甲子園で日本初のオリンピックが開催される。高度成長を謳歌する日本。しかし再びゴジラが現われ…
予想は大外れでしたwww
【ホントのゴジラ-1.0】
終戦も間近となった1945年。特攻として出撃した敷島は機体が不調と偽り、整備員のいる大戸島に不時着、その夜ゴジラと遭遇。恐怖に怯え機銃を打てず、整備員多数が犠牲となる。日本に戻った敷島は、赤ん坊を抱える典子に家に転がり込まれ共同生活を営むことになるが、大戸島での出来事がトラウマとなり連日悪夢にうなされる。典子が銀座に働きに出るが、ゴジラ来襲の報がラジオから流れ…
まずゴジラの出てくるシーンは(冒頭を除いて)120点!差し上げたい。水面ギリギリで浮かぶゴジラが木造船を追ってくるシーンは迫力満点で、これはその場にいたらかなりビビるわ…と思わせる。かつて平成ゴジラで検討されたという「ゴジラ対戦艦大和」の夢の実現もある(大和じゃないけど)。その後の銀座上陸シーンはまさに圧巻。音もいい。ゴジラの鳴き声とズシンズシンと響く足音。新録されたゴジラのテーマが流れた時は鳥肌立ちました。火を吐くシーンはさらにものすごく(背びれのアクションはどうかと思ったが)、その威力をビジュアルで強烈に表現しており、あらゆるゴジラ映画を凌駕したと言って良い。初代ゴジラのオマージュも盛り込まれ、ファンサービスも十分。後半ではゴジラとの闘いシーンが迫力のうちに展開され、見ごたえ十分。さすが白組。面目躍如。ゴジラ・ザ・ライドを演出した監督だけのことはある。
でもねえ…
人間ドラマがダメダメなんですわ。
まず戦後のバラックで暮らす敷島と典子のシーンですが、戦後のリアリティが感じられない。服を汚したりはしているけど、あくまでドラマの中にしか見えない。顔は化粧バッチリで眉毛バシバシ描いてるし。なんかこー、NHKの朝ドラみたいなんだな。
ドラマ自体もどうにも。この映画の根底に流れるテーマの一つには、明確に「戦争で生き残った人間の立ち位置」というのがあるわけですけど、死んだ方が良いのか生きぬくべきなのか、死にたいのか生きたいのか、死んでほしいのか生きててほしいのか、全編を通してブレブレなんですね。敷島は最終的にはもちろん、どっちかになるわけですが、なぜ最終的にそれを決断したのか、それはどのタイミングで何が理由なのか、全くもってハッキリしない。他の人たちにしても、ある時は「誰も死なない作戦としたい」と語らせ、またある時は「戦争で生き残った連中が今度は役に立てると喜んでる」的なセリフがあり。ここには「生き残った=役に立てなかった」の等式が成立し、すなわち「役に立つ=死ぬ」なわけで… 一方で「生きるべき」と言いながら一方で「死んで役に立て」と言ってる矛盾は映画の中では解決されず曖昧なままに終わってしまう。
なおですね、タイトルの-1.0の由来でもある「戦後の焼け跡にゴジラが現われ、さらなる破壊を行う」というコンセプトは、ストーリーになんっっっにも関わって来ませんから!それで戦後になにか影響を与えるとか復興がどうにかなるとか歴史が変わるとか、何にも無いっす!ただ戦後にゴジラが来たってだけ。
山崎貴監督ですが、この人は多分、細かいことを気にしない人なんですね。
「永遠の0」はヒットして、この映画のテーマは「なるべく死ぬな、死ぬなら効果的に死ね、無駄死にはするな」であって、そこは明瞭なんですが、おそらくは原作のおかげ。VFXのプロであり、描きたいビジュアルありきの人。欧米に似たようなタイプの人がいる(ザ・クリエイターのギャレス・エドワーズとか)。娯楽映画を程よくまとめる監督として、これからも東宝には重宝されるんでしょうけど。
先ほどゴジラのシーンは冒頭以外は120点と書きましたが、冒頭の大戸島のゴジラ出現シーンは、いきなりゴジラの全体を遠景で撮っちゃうんです。ええ~!! そこは一部だけ大写しにするとか、暗くて全体が良く見えないとかしろよ!恐怖感出なくて台無しじゃん。
いろいろ書きましたが、ゴジラの出てくるシーンだけIMAXかDolbyCinemaで観直したいと思うぐらいで、ホントにそこは良かったです。映画館で観るべきだし、楽しめた部分も多い映画でした。いやでもあの作戦でゴジラ死ぬかどうかまるでワカランまま実施するってのはどうにも…(以下、延々と続く)
俺たちの戦後はこれからだ!
大戦末期、特攻から逃げて近くの島の基地に舞い戻った青年パイロットが居た。
その夜に突然島に恐竜の様な怪物が出た。
島の言い伝えによるとゴジラと言う怪物だそうだ。怪物は暴れ回り青年と整備長を残して全滅した。戦後その事により心に傷を持ちながら生きてきた青年。ひょんな事から青年の荒屋に居着いた女と赤ちゃん。奇妙な共同生活のさなかゴジラは東京へやってきた。
原爆実験によって巨大化凶暴化して。
青年の運命は?超兵器どころか廃墟の日本にゴジラに立ち向かう術はあるのか?
この映画のテーマはゴジラでは無く戦後。
戦争を色々な形で生き抜いたとはいえ負けた事、生き残った事、家族を失った事などの失望感は拭えず復刻しつつも心に傷を負ったまま。
その傷に塩を塗りたくるゴジラ。
国どころか米軍も駆除に協力しない。
このままやられるわけにはいかないと
民間人の活力とこれから破壊するはずだった軍艦を使い有志だけでなんとかしようとする元軍人たち。
今あるものでなんとかしようと知恵を出す企業。
ゴジラをやっつけて戦争に区切りを付けて明るい戦後に向かうんだ!と言う映画。
ゴジラを通して自分たちの戦争の清算をする、
それがこの映画のテーマだった。
今までは自衛隊他軍隊や超兵器頼みだったゴジラ映画が軍人崩れとはいえ民間人の活躍だけで退治するとは凄い話。多分過去最強最悪のゴジラなのに。そう言った意味でも今回のゴジラは見どころがある。
ゴジラの迫力、凶暴具合も迫力があって良かった。光線を発射する所も。
まあツッコミ所は相変わらず満載だし何故東京に来るのかも分からないけどお約束だからって事にしないと話が(笑)。
あと主演の青年敷島を演じた役者、ちょっと他の演者より演技が弱かったな。かなり重いものを抱えているのにちょっと演技が軽いと言うか表情も態度もそっけないと言うか心情的に滲み出てくる何かがない。非常に難しい役どころだとは思うが伝わるものが多くなかったな。
絶望感No.1
全1373件中、1081~1100件目を表示