ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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ゴジラの意味がないゴジラ
山崎監督といえばオールウェイズ三丁目の夕日や永遠の0でお馴染みの名監督。
過剰な説明セリフとミュージカル調の幻想的演技演出を武器としノイズなきノスタルジーとしての昭和を描いてきた監督だ。
そんな監督の手掛けるゴジラは昭和ロマンの極北といえる作品だろう。
マイゴジの登場人物はオールウェイズばりにクリーニングされ漂白剤の香りさえ漂う。
そんなカリカチュアされた役者の大根演技は本作の昭和ロマンを力強く支える。ただし神木隆之介のやたら大声で脈絡なく発狂するだけの棒演技だけは個人的にはきつかった。
さて序盤で主人公を罵倒するおばさんも、話せばいい人で白米を無償でわけてくれる。一事が万事で、この映画に部外者は存在せず、補正された思い出の中だけにあるファンタジーとしての古きよき共同体が描かれる。
こうした本作の描写は共同体が解体し殺伐とした現代日本の社会的矛盾、利己的個人主義の蔓延といった現実からの逃避に過ぎないのではないか?
じじつ本作の舞台は、いわば幻想としての昭和であって現実のそれとは関係がない。そのため時代考証的な現実性を度外視したイメージだけが描かれる。
たとえば戦後にも関わらずGHQが出てこない。またそればかりかゴジラの正体や経緯なども有耶無耶となる。
繰り返しになるがノイズとなる部外者が一人もいないなど本作における現実性の排除は枚挙に暇がない。
なにより個人的に納得しかねるのは、あらゆるノイジーな現実を排した空想としての箱庭的舞台で、主人公たちのトラウマ克服の玩具を演じるだけのゴジラだ。
登場人物がいかにもなデフォルメされたキャラクターを型通りに演じるかのごとく、ゴジラまでもがいかにもなゴジラを忠実に演じ、主人公のトラウマの象徴としての役割に徹しきる。
ゴジラのどこかカメラを意識したキレのあるモーション、モデルあがりの役者がカメラの前でポーズをとるような動き。感情的な表情さえもつ人間的な面構え。
ここではゴジラさえもが主人公の仲間であり外部たりえない。
あまつさえ熱戦を放てば雲があがり黒い雨がふる。もはやゴジラは置き換え可能な記号表現でしかなくその実在性を喪失しているのだ。
だから本作のゴジラはたとえばキングコングに置き換えても成立する。つまりゴジラであることの必然性もない。
個人的には主人公のトラウマとして原爆や敗戦の記号を精密に演じ、カメラ映えを意識するイケメンゴジラの臭すぎる舞台演技には苦笑するしかなかった。マイゴジのゴジラの演技は本作における佐々木蔵之介のくっさい芝居に近い。
噂では本作を見て多くの人がゴジ泣きしたという。
またアカデミー賞を獲得し確固たる国際的地位を築いたようだ。
僕には映画を観る目がないのだろう。
噂によるとこの映画をYouTubeなどで派手に批評すると脅迫されるといった事件も起きているとか。
さて本作では敗戦の反省からその全体主義を改め、海神作戦では自由意志による参加が求められた。
もし本作の批評、批判的感想に対して言論弾圧的な態度や空気、権威に従えという言説をなすのであれば、それこそ本作で批判の対象とされた戦中の全体主義、権威主義の礼賛に他ならないだろう。
もっともこうした現象こそ本作がもつ部外者なき閉じた箱庭幻想の効果なのかもしれないが。
オールウェイズ三丁目の夕日から山崎監督の本質は何一つ変わっていないように思う。
ところで個人的には銀座の黒い雨のシーンの神木隆之介の演技があまりに嘘臭く感じ見ていて本当に困惑した。
美術とVFXの連携が素晴らしかった!
IAD(ダレス空港)からの帰国便(ANA)で視聴
噂に違わず、素晴らしい映画だった。
第一に、この映画は直接、あの「3丁目の夕日シリーズ(三浦友和が扮した開業医の先生が一番、好き)」につながっている。
繋げているのは戦争の影。この映画では、戦災を受けた直後から都心にバラックが立ち、それが日に日に改修されてゆくところが、美術陣(日本アカデミー賞の最優秀美術賞を取っている)により、見事に再現されていた。
IADに到着した時、たまたま空港に近いスティーブン・F.・ウドゥバー-ヘイジー・センター(スミソニアン国立航空宇宙博物館・別館)に、時差を調整するため寄ったのだが、驚いた!あの「震電」胴体前部が、展示されていた。米軍が、終戦時接収した機体そのものと思われた。この建物には「震電」のみならず「晴嵐」「紫電改」など、先の大戦時の日本軍兵器の最先端部分が展示されていたばかりでなく、原爆を投下した「エノラゲイ」やスペース・シャトルの実物、超音速コンコルドなどが所狭し(展示場自体は広い)と展示されていて、米国の驚くべき底力をまざまざと思い知らされた。
それにしても、米軍は「震電」の先進性を認めていたことになる。
この映画では、「震電」のモックアップ(実物大模型)とVFXが連続していて、凄まじいまでの破壊力を見出している。
やっと観れた映画だったけれど、山崎さん、やったね。おめでとう!
人形劇のような人間ドラマが嫌らしくなくゴジラの東京破壊を引き立てている点がイイ
ゴジラ映画シリーズは、第1作は名作だが、それ以外は安っぽい特殊撮影と、下手くそな子役を持ち上げたりするものが多く、まともな鑑賞に値するものとしては「シン・ゴジラ」くらいしかなかったのではないか?(ろくに他のを見ていないので保留付きの評価ですw)
そして本作となるのだが、まず特撮面は素晴らしい。子役もあまり出て来ない――ので、従来のシリーズもののマイナスは回避している。
では映画としての出来はどうかということになるが、面食らったのが第二次大戦末期から終戦後という時代設定である。そして、普通なら敗戦後の瓦礫の中で荒み切った社会風潮と貧困生活にもかかわらず、奇妙なことに「○○です」「○○します」と、ですますコトバで会話する丁寧で、人形劇かと思うような登場人物たちには、もっとビックリさせられた。
そして、その作り物めいたキャラクターが、いかにも作り物めいた愛情や使命感、贖罪意識のままに作り物めいたドラマを繰り広げる東京を、ゴジラは破壊しまくり、口から核分裂による火炎砲を発射して、キノコ雲と思しき煙の柱が立ち上がる。それが、不思議なことになかなか小気味よいのであるw
恐らく背景の人間ドラマの部分がリアルで濃厚だったりしたら、むしろ押しつけがましく、嫌な感覚を与えたのではないか? それがスカスカで人形劇っぽいから嫌らしくなく、観客は、主役であるゴジラの襲来と東京の核攻撃を十分堪能できる。そういう仕組みではないか。計算で意図的にやっているとしたら、スゴイと思う。
本気でそんなに良いと思います?
ごめんなさい。他の方の絶賛レビュー見てからAmazonprimeで見ました。まぁ、迫力については、言われるように映画館の方が良かったんじゃないかなぁと思います。
よく出来たCGです。
でも、ゴジラ全体のバランス感はアメリカゴジラより納得感があった。でも背びれの造形が派手すぎ。
さて、ここからですが
根本的に日本の映画の俳優さんたちは、なんであそこまでしか顔の表情を大袈裟に演じるんですか?そんな顔します?普通、、っていうとこばっかり。山田裕貴の演技の下手っぷりも見てらんない。
こういうパニックものとか派手な演技ものは特に顔の表情が大袈裟過ぎてほんっと私にとってはきついなぁ。
それに、ゴジラ映画にしてはヒューマンドラマへの方向性が強過ぎて、ゴジラは二の次の設定ってのも、、
ゴジラの背びれも、光線出す前になんやニョキニョキと伸びて、まるでドラゴンボールのスーパーサイヤ人。
シンシリーズ(ゴジラ、仮面ライダー)も、昔からのファンの私にとっては、もう見てられない。
こんな大袈裟な顔の表情しないといけない流れはどの監督から始まったんだろう、、海外の映画では見られない日本独特のものだなぁ。
だから、日本のアクション系っておもろない。
レジェゴジほど緩くはなく、シンゴジほど堅くはないゴジラ
一言で言えば、それなりに気楽に観られる日本版ゴジラです。
レジェゴジはまさにアメリカン!といった感じで豪快ですが、そこまで派手なアクションがあるわけではありません(レジェゴジみたいにジャンプはしませんw)。しかしかといって、シンゴジみたいに設定がガチガチというわけではありません(専門用語だらけという事はありませんwww)。
この映画の設定にはいくつか穴というかツッコミどころも見受けられますが、それを差し引いてもストーリーの簡単さ、単純に画の迫力、そして出演俳優の演技力により、幅広い層に受け入れられる、万人受けできるゴジラ映画となったと思います。比べると、シンゴジはリアリティーを追求しすぎて大仰なアクションを求めた人には受けが悪く、レジェゴジは逆にアクションを追求しすぎてゴジラという怪獣がただのモンスターに成り下がっているようにも見受けられます(どちらも好きですがw)
個人的に気になった点は、シンゴジの時点でVFXは行き着くところまで来たと考えていたため、目が曇ったかもしれませんが、この映画のVFXがそこまでリアルだとは感じませんでした。戦後すぐの風景のため見慣れていないせいもあるかもしれませんが、何より私自身、最近老眼と乱視が入ってきたので、そのせいかもしれません(笑)
その他、ゴジラ自体で気になったところで、陸地を歩いているところの動きがぎこちないというか、ロボットみたいに一歩前に出ては止まり、また一歩前に出ては止まりのような動きだったので、その点が不自然に感じました。今回はモーションキャプチャを採用しなかったみたいなので、その点はゴジラに命を吹き込むためにも、次の作品は役者の演技を取り入れて欲しいと思います。
最後に、シンゴジにも言える事ですが、「核の被害者としてのゴジラ」という側面が薄れてきている事に寂しさを感じます。現代では核の脅威が現実的でなくなってきているのかもしれませんが、この点を完全に演出できたゴジラ映画は初代のみなので、次回作では是非ストーリーに組み込んでみて欲しいものです。
いろいろ書きましたが、とりあえず現時点でまだ放映している劇場もあるみたいなので、、まだ未視聴の方は配信やDVDなどではなく、劇場で観てみる事をおすすめします。
最高の映画でした
公開初日に観ました。前評判通り、とても良かったです。そのため後日、再度観に行きました。
良かった点は、いろいろあります。
まず今回のゴジラ-1・0は反戦をテーマにしていて、それが、とても伝わってきました。役者さん方一人一人の演技も素晴らしかったです。中でも安藤サクラさんが大変、良い味を出していたと思います。田中美央さんの演技も迫真でした。
各役者さん方の演技が光ったのもあり、戦争を知らない世代の人たちに、この映画で伝え切れなかった部分を知ろう。知りたい。知らなければいけない。そういう気持ちにさせる効果が充分すぎるきぐらいにあったと思います。
それ以外では私は戦艦が好きなので、高雄や雪風などの戦艦がゴジラに挑むシーンが良かったです。
また、戦時中には使われずに終わった戦闘機、震電(しんでん)が活躍したのも感動しました。震電は零戦等と違ってプロペラが機体の後ろにあります。最高速度400ノット(約740km/h)以上の高速戦闘機の計画で、1945年(昭和20年)6月に試作機が完成、同年8月に試験飛行を行いましたが終戦を迎えたため出番がありませんでした。
この映画を観て震電のプラモデルを買い、作り、日比谷ミッドタウン前のゴジラとコラボさせたりしました。
また、この映画を観て良かったと思ったことが、もう一つ。最初に言いましたように、この映画の舞台は終戦直後の日本の東京です。大変、厳しい時代でしたが、助け合い、支え合い、良い国にしよう。良い時代にしよう。という活気がありました。
今の時代は自分のことしか考えない人が多く、そんな今に比べたら、心の豊かさは終戦直後の、この時代の人たちの方が、はるかに勝っていると思いました。
今を生きる私たちも助け合い、支え合い、良い国。良い時代を作っていく。これが使命だと、つくづく思いました。監督・各スタッフ方。方役者さん方。心より感謝いたしております。敬礼!!
入りきれない部分もありつつ
面白かった。
個人的にはめちゃくちゃ都合がいいくらいのハッピーエンドが好きなので(どこをハッピーのラインにするかは作品ごと違います)、典子が生きてて良かった。におわせのための演出だとしても。
テンポのいい展開が好きな人にはもしかしたら間延びに感じるかも?自分は、すぐに2回目はちょっと無理かなと思いました。視聴中に考える間があるからというのもあります。
ゴジラの熱線を吐く前の背びれ(?)がメカっぽく動くのと、町の人々がゴジラの進行方向に逃げずに横に散ればいいのにと思ったり、ちょっと気になるところで話に入れなくなる瞬間はありましたが、わかりやすい話で良い作品だったのではないかな、と思います。
最近のゴジラ映画は大人向けなのか?
昭和世代、子供時代に観たゴジラ映画「三大怪獣 地球最大の決戦」
を思い出す。宇宙から来た怪獣キングギドラが地球を破壊する悪としてゴジラとラドン、そしてモスラの幼虫が正義として力を合わせて戦うと言う内容で小学生だった
自分は映画館のスクリーン一杯に
動き回る怪獣達に興奮していた。
怪獣映画は子供用に制作されてたように感じるが昨今はCG等映像化や監督の思考からか、面白くないと個人的には感じる。
単純明快な内容で面白い怪獣映画を作って欲しい、本来は怪獣映画は難しい理屈等いらないので悪い怪獣が退治されると言う事で良いのでは?と感じる。
監督の感性とか、いらない!
怪獣映画は未来永劫に子供の映画として制作をして欲しいと思う。
視覚効果賞に疑問
銀座で列車に向かうゴジラはいかにも質の悪い合成にしか見えない。評判につられて娘と劇場に行ったが、全体的に微妙で、テレビで放送されるのを待てばよかったと感じた。
唯一お気に入りのシーンは、ゴジラに対して敬礼しているところ、あれはとても良かった。
シン・ゴジラの方が視覚的優れているし、ストーリーも良かったと想う。
評判が良いので、私の感性がズレているのでしょうから、あくまで個人的感想です。
追記
娘と一緒に劇場で観るのはこれが二回目。最初は永遠のゼロ、二人で泣いた。
なぜ今回が微妙だったのか、自分なりの答えがでた。本作を観る2ヶ月前から国内外の高評価レビューを読み漁り、同じく動画を観まくった。あまりにも期待とハードルが上がり過ぎての拍子抜け。
山崎監督が監督を務めたことから、こわいだけの怪獣映画から、心地よさとホッとした感情に包まれることに。でも怖かった!
書きかけのままににしていた作品レビューでしたが、アマゾンプライムで再見できたことで、やっと最後までかき上げることにしました。
日本発の怪獣・ゴジラが来年、生誕70周年を迎えることを記念し、日本で製作される実写版映画の30作目となります。読み方は「ゴジラマイナスワン」。その意味する通り、初作以前のゴジラにアプローチしています。
この節目を託された山崎貴監督は、1954年の第1作に立ち返り、シリーズをりぶとさせたと言えます。山崎監督は手持ちの映画技術を総投入し、観客をさまざまな思いでうならせる作品に仕上げました。
今回のコジラはまさに“絶望の象徴”といえるでしょう。初代と同様、人間への敵意と殺意がむき出しで、極めて恐ろしい存在です。けれども立ち向かう人々のドラマが胸を熱くさせます。展開は読みやすく、ご都合主義的な部分もあります。ただ、圧倒的な映像と俳優の熱演に支えられ、幅広い世代に響くこと必至の傑作に仕上がっていました。
●ストーリー
第2次世界大戦末期の1945年。1機の零戦が小笠原諸島に属する大戸島の海軍守備隊基地に着陸します。搭乗していた敷島浩一(神木隆之介)は特攻へ向かう途中で零戦が故障したと偽わるものの、整備兵から疑惑の目が向けられるのです。
その日の夜、海から突如全長15メートルほどの恐竜のような島の伝説で語り継がれる生物「呉爾羅(ゴジラ)」が基地を襲撃します。
敷島は整備兵の橘宗作(青木崇高)から、ゴジラを零戦に装着されている20ミリ砲で撃つように懇願されますが、恐怖で撃つことができず、敷島と橘以外の整備兵たちは全員ゴジラに襲われて死亡してしまいます。橘は仲間たちの遺体を前にして敷島を罵倒するのでした。
同年冬、東京へと帰ってきた敷島は、隣家の太田澄子(安藤サクラ)から空襲によって両親が亡くなったことを伝えられます。敷島は闇市で、彼同様に空襲で親を失った女性・大石典子(浜辺美波)と、彼女が空襲の最中他人に託されたという赤ん坊の明子に出会い、成り行きで共同生活を始めるのです。敷島は米軍が戦争中に残した機雷の撤去作業の仕事に就き、特設掃海艇・新生丸艇長の秋津淸治(佐々木蔵之介)、乗組員の水島四郎( 山田裕貴)、元技術士官の野田健治(吉岡秀隆)と出会います。敷島は秋津らに典子との正式な結婚を勧められますが、戦争とゴジラによる被害で心の傷を抱える敷島は関係の進展に踏み出せずにいたのでした。
1947年(昭和22年)。明子は幼児まで成長し、典子は自立するために銀座で働き始めていました。
敷島たちは作業中の日本近海にゴジラが現れていることを知り、これを新生丸で足止めをしろという命令が出ます。敷島たちは回収した機雷や船の機銃でゴジラに応戦しますが、まったく歯が立たず、シンガポールから帰ってきた接収艦の重巡洋艦「高雄」もやってきて砲弾で応戦するが、ゴジラの吐いた熱線によって高雄は海の藻屑となってしまうのでした。敷島は野田から、ゴジラが東京に向かっていること、そして政府が混乱を恐れてゴジラのことを国民に伏せていることを聞かされます。
一方のゴジラは前年の米軍によるビキニ環礁での原爆実験で被爆し、体を焼き尽くされましたが、それによってゴジラの細胞内でエラーが発生し、その体は体高50.1メートルまでに巨大化していました。
翌日、ゴジラは東京湾から品川を経て典子の働く銀座へと向かいます。敷島は典子の救出に向かい、ともに逃げますが、ゴジラの放出した熱線によって襲い掛かってきた爆風から、典子はとっさに敷島を建物の陰に押し込んで助けますが、自身は爆風に吹き飛ばされて行方不明になってしまうのです。典子を失った敷島は、ゴジラへの復讐を誓うのでした。
ゴジラによって東京は壊滅的な被害を受けましたが、駐留連合国軍はソ連軍を刺激する恐れがあるとして軍事行動を避けていました。そのため、占領下で独自の軍隊を持たない日本は民間人のみでゴジラに立ち向かうこととなる。典子の死を嘆き苦しむ敷島を、野田は民間人によるゴジラ打倒の作戦に誘います。駆逐艦「雪風」の元艦長である堀田辰雄(田中美央)がリーダーとなって開かれた「巨大生物對策説明会」には、新生丸のメンバーの他、元海軍の人間が多数集まりました。そこで野田が、ゴジラをフロンガスの泡で包み込み、深海まで一気に沈めて急激な水圧の変化を与える第一次攻撃に続き、第二次攻撃として深海で大きな浮袋を膨らませて海底から海上まで一気に引き揚げ、凄まじい減圧を与えてゴジラの息の根を止めるという「海神作戦」(わだつみさくせん)を立案します。
一方で、敷島は野田たちとは別に、独自のやり方でゴジラに立ち向かおうとして橘を探し始めるのでした。
●解説
・なんといっても怖いゴジラ
今回のゴジラは、とにかく怖かったです。銀座の街を破壊するゴジラは、圧倒的な恐怖をまき散らす巨大生物として描かれのです。
物語の筋立ては第1作を踏襲し、随所にオマージュも差し挟みます。しかしCGで作り出した映像の迫力は70年前の比ではなく、巨大で凶暴な怪獣が人間のすぐそばまで迫り、息もつかせません。これだけでも見る価値ありです。l
人間を口でくわえて放り投げ、踏みつぶすコジラ。「ジュラシック・パーク」のティラノサウルスを思い起こさせる暴れっぷりを見せつけます。足元からの終戦東京襲う圧倒的恐怖アングルなど、至近から姿を映すショットの迫力もすさまじい!今作のゴジラの恐ろしさを、早々に体感しました。
一方機銃を搭載した小さな船とゴジラとの戦いのシーンは、「ジョーズ」を思い起こさせます。実際に海で撮ったからこその船の揺れや海面のきらめき。VFXを駆使して描かれる、水しぶきをあげて泳ぎながら全速力で迫り来るゴジラ。こんな映像表現が可能だったのかと、驚かされるはずです。この後に描かれる東京・銀座の襲撃も衝撃的。「シン・コブラ」から7年、当時自分は監督したくないとまで言っていた山崎監督が、ゴジラを撮ることになってしまって、ありったけのノウハウを注いだという、この間のVFXの進化にも感嘆させられました。
・戦争のメタファーとしてのゴジラ
70年前のオリジナル版で一目瞭然であったように、ゴジラとは戦争のメタファーです。冷戦期への突入に伴い南太平洋で繰り返された核実験を背景にした同作からは、終わって10年にも満たない戦争の記憶が濃厚に伝わり、荒唐無稽な怪獣にリアリティーを担保します。
このように本作ではゴジラの象徴性や時代性への意識が前面に出ます。但し、「三丁目の夕日」シリーズや「永遠のO」で多くの観客を引き付けた人間への信頼や希望、絆をうたい上げた山崎監督が監督を務めたことから、こわいだけの怪獣映画から、化学反応や相乗効果をもたらしているのです。
今回も、焦土に加えゴジラに襲われながらも、ぬくもりや人間らしさ、団結を保つ日本の心をたたえ、心地よさとホッとした感情に包まれることでしょう。
・ゴジラを巡る社会背景の描写も抜かりない
ところで「シン・ゴジラ」で絶賛された社会背景の描写も本作は抜かりがありません。 時代は、先の大戦の直後。すべてを失い、ものも精神もゼロになった日本人がヨチヨチ歩きを始めたころを舞台に設定されています。
日本人が順調に混乱期を生き延び、復興へと向かっていた矢先、敷島が戦時中に遭遇したゴジラが、復興に汗を流す日本に忍び寄るのです。それは日本人にとっての新たなる戦争という位置付けがあります。自衛隊がない時代。当初、人対ゴジラの戦地は日本近くの太平洋でした。そこで本土上陸を止めるべく奮闘しますが、当時の日本の防衛装備は裸同様で、太刀打ちできません。ほとんど徒手空拳です。
米軍は冷戦を理由に傍観を決め込みます。当時の日本は緊張感高まる東西関係の防波堤として、アメリカに利用されながら、コジラから日本を守ってくれないという矛盾点を痛烈に描きだしているのです。
ここに民間人が登場する。元軍人たち、特攻隊の元飛行士が戦いの中核を担うことに。恐るべき設定です。
激戦地で生き残った者たちの戦いをどう見るか。戦争時と変わらない日本という国への不信感が、作品の根幹に流れます。ゴジラと戦う主体から、今に通じる日本の防衛体制が皮肉られているようにも見えてきます。その視点は、過度な国防意識につながりかねない危うさも併せ持つのです。
・悩める敷島を演じた神木が素晴らしい!
ただ、ゴジラの怖さは魅力的な人間がいてこそ引き立つもの。その点、神木が素晴らしい。前半は弱々しく、次第にゴジラヘの復讐に取りつかれていきます。そこに至る過程に、戦争中の、敷島の消せないトラウマがうまく反映されているのです。トラウマの帳尻を合わせるために敷島は決意し実行に至るなかで、表情と言動が変わっていく姿を迫真の演技で物語を引っ張り、戦争や核へのアンチテーゼを投げかける重要な役割も果たしていました。
決死の行為の後には、いい意味での裏切りも届けられるので乞うご期待!
●感想
前途したように、伊福部昭のオリジナルテーマ曲に乗ってゴジラが東京・銀座に現れるシーンには震えが来ました。日劇が壊される。有楽町駅付近の電車が宙づりになる。ゴジラの破壊は、虚構としての快楽を生むのです。ゴジラがはらむ政治的、社会的な意味合いと、破壊ぶりの尋常ではない興奮。これは1作目も同様でした。堂々たる原点回帰だと思います。
一方、今作ではゴジラとの戦いの前段に、東京が復興する戦後の数年間をたっぷりと挿入します。敷島は典子と家族になり平穏を得ようとしながらも、生き残った罪悪感にさいなまれます。そこに現れて東京を再び焼け野原に戻すゴジラは、戦争の再来といえます。ゴジラ退治は、言ってみれば敷島と元軍人たちの、雪辱戦であり敵討ちなのだと感じました。
一敗地にまみれた負け犬たちが「今度こそ」と立ち上がり、知恵と勇気を駆使して強敵に立ち向かうところは、スポ根ものに通じる展開。この構造は、いかにも日本的な情感をたたえ、歯を食いしばって戦う姿は迫真の映像と相まって感情を揺さぶられました。
しかし日本は、被害国であると同時に加害者でもあったことをお忘れなきように。太平洋から現れて怒りまくるゴジラ、果たして何を象徴しているのでしょうか。
目を見張るスペクタクルがいくつもありました。「解説」で触れたように、小さな木造船に乗った敷島らがゴジラに機雷で対抗する海上の攻防は、思わず劇場で身を乗り出してしまいました。
政府が全く介在せず、民間の有志が作戦会議を開く展開も面白いところ。彼らが闘う動機付けに自己犠牲や愛国の精神がちらつき、一部脇役の大げさな演技はちょっと疑問に感じましたが、アカデミー賞を獲得した、視覚効果の充実ぶりがそんな細かい疑問点を吹っ飛ばしてくれました。
●最後にひと言
山崎監督は、これまで述べてきたように、シリーズ初の終戦直後を舞台に、政府やGHQの手を借りずに、人々がゴジラに挑まなければいけないという状況を作り出しました。ここぞという時に伊福部昭作曲のテーマ曲が流れ、民間人が力を結集させるところが感動的に描かれます。このクライマックスを目撃し、日本に生まれて良かったと思ったのは、わたしだけでしょうか?
・・・ああ、やっとレビューを書き終えた。長かった!
今まで見てきた中で最高のゴジラでした!
11/5 イオンシネマ幕張新都心 IMAX
11/10 TOHOシネマズ ららぽーと南船橋 Dolby Atomos
11/21 TOHOシネマズ ららぽーと南船橋 MX4D
12/16 池袋グランドシネマサンシャイン IMAX
1/12 -1.0/C TOHOシネマズ 八千代緑が丘
1/14 イオンシネマ幕張新都心 IMAX
1/29 TOHOシネマズ おおたかの森 IMAX
2/8 ユナイテッドシネマ幕張 4DX
5/7 丸の内ピカデリー Dolby CINEMA
念願のアカデミー賞も受賞、AmazonプライムやBlu-rayも発売され、映画館上映ももうすぐ終了ということでそろそろ書こうかなと思います
長くなりそうです 笑
上記のように9回観に行きました
私はゴジラ映画は1964年公開のモスラ対ゴジラからリアルタイムで観ていますが、その中でも最高の作品だと思います
9回中2回は嫁さんと一緒に観にいきました
私の嫁さんは普段怪獣映画にはまったく興味を示さない人間です
面白いからと無理矢理連れて行ったのですが、もう一度観たいということになりました
そういう映画です
山崎監督の続三丁目の夕日冒頭のCGゴジラを観て、なんでこれでゴジラを作らないんだ?とずっと思っていたので、念願の山崎VFXゴジラ制作の発表に胸を躍らせました
しかし公開当初、きっと百田作品を手掛けた山崎監督をよく思わない人達の「ストーリーがつまらない」「全部口に出す演技がくさい」いう左巻お得意のレッテル張り攻勢、それにTV局もあれだけ海外でいろんな賞を獲得し大絶賛されても報道しない、庵野忖度組も乗っかってさまざまな妨害にあい、その映画評を信じた多くの人が観に行くことを敬遠し動員数に影響が出たことと思います
公開当初のレビューを見てください
アカウントのキャラもない
このゴジラにしかレビューしていない、あー組織的に頼まれて批判するレビュー書いてるんだなってのがうじゃうじゃ湧いています 笑
その初動のドタバタがなければもしかしたら国内収入も100億くらいになっていたかもしれませんね
しかし海外で公開されるや、そのストーリーが大絶賛され、最後にはオスカー受賞という快挙となりました
変なしがらみのない海外の観客や映画評論家は正直だったということですね
海外でのあまりの高評価に、先のケチをつけていた連中はぐうの音も出ないという感じで、途中からぱったりとなりを潜め出てこなくなり、観た人の口コミから半年を超えるロングランとなりました
なんだか映画評とは離れた話になってしまいましたね
子供の頃からゴジラを観てきた自分にとっては、何十年も自分が心の中で観たいと思っていたゴジラ映画をやっと観ることができ、日本のVFXもここまでできるようになったんだなぁと素直にうれしく思います
私が一番好きなVFXシーンは高雄対ゴジラ戦です
斜めに傾きながらもゴジラに主砲を向け攻撃する高雄がとてもカッコいい♪
また最後にゴジラが海に崩れていくシーンは、とてもゴジラに悲哀を感じさせる素晴らしい映像だと思います
そしてストーリーがいいですよね
私が生まれたのはこの映画に時代から10年後でしたが、自分が中学生になってもまだ大きな駅の地下通路には傷痍軍人の方が座っていました
敗戦後の日本を描いた映画として非常に感情移入できる映画です
全部セリフに出してしまう演技?
いやいやそんなことないでしょう
決して奇を衒ったストーリーではないですが、観ていると登場人物が口に出さない心の中の気持ちが痛いほど伝わってくる映画です
全部セリフで言ってるとかいう方々は、きっとイマジネーションに乏しいか、ご自身の感情がそれだけしかない少し心の貧しい人なのかもしれませんね
自分が一番好きなシーンは新築の家に仲間を招いたシーンで典子が自分はお嫁さんじゃないと言って無言で台所に立つ後ろ姿のところです
浜辺美波さんって演技が上手い女優さんなんだと知りました
秋津艇長の演技が大げさだって言う皆さん
私が子供の頃はあんな感じの元気なおじさんいっぱいいましたよ 笑
恐れ入りや(入谷)の鬼子母神ギャグはリアルで何度も聞いています
人が一生懸命作った物にあれやこれやうわべだけの文句つけて貶めるような人はあまりいなかったなぁ
ということで星5つですが私の評価は4.8です
-0.1は銀座でゴジラが歩くシーンでどうも脚だけロボットみたいに動いている感じがしたこと
あと−0.1は最後の典子の首のシーン
確かにあれが無いとベタベタにはなっちゃうけど、素直にハッピーエンドでよかったんじゃないかなと自分は思います
公開以来、意図的なレビューにずっと思うところがあったので純粋な映画レビューにならず申し訳ありません
「ベタ」で「王道」ではなく「寒く」て「稚拙」
山崎監督ということで期待はしていなかったが、前評判が過大評価だったことを確信するとともに、時間を浪費したことを後悔した。
年々消費者のレベルが下がってきている印象はあったが、互いを批判せず何でも誉める風潮が、ここまで全体のレベルを落としてしまったのかとがっかりさせられた。
■まず、映画としてあまりに起伏が無く退屈で、頭のつかみ、中盤の展開、終盤に向けての盛り上げ方や仕掛け、締め方が単純に出来ておらず非常にバランスが悪い。そのくせ、どうでもいいカットはダラダラと長い。半分くらいまでで、飽きて寝てしまう人もいるんじゃないだろうか。
映画全体のプロポーションを見たトータルプロデュースが全く出来ていないだけならばまだいつもの凡作で済んだが、俳優陣の見るに堪えない演技(全員とは言わないが)、幼稚なセリフ回し、中学生が考えたような稚拙な演出が延々と続き、最後まで見るのが苦痛に感じてしまう。
■CGのクオリティは高く、日本映画でもこれくらいのCGは出来ると示せた点。その点で0.5点としている。しかしながら、これはCGの質感のみに留まる。
ゴジラの演技(動き含め)や扱い方を含め、この映画が「ゴジラ」をダシに使っただけの「三丁目の夕日」であることは見ていて明白であり、このようなゴジラの使われ方はゴジラファンにとっては憤慨ものだろう。
全体を通して薄っぺらな物語の筋書き通りに都合よく動き、誰もが予想できる場面で義務のように咆哮し、代用の「敵」として雑に散っていった、哀れな「物語の傀儡」でしかなかったゴジラに、このCGの質感はむしろ過ぎた代物だったと言わざるを得ない。
ゴジラ自身の生き物としての意思、予測不能な生命体としての不気味さ、手の届かない邪神としての畏怖、全てが足りない。恐らく監督はそんなことを考えてすらいないだろう。
よくシンゴジラと並べて語られるが、この点だけでも、同じスタート地点にすら立てていないというのが正直な印象であり、俳優の演技の次に残念な点だった。
■総評
監督は「シン・ゴジラ」である程度出来上がった「ゴジラ」コンテンツという土壌を利用しても、自分の領域を出ることはかなわず、劣化シンゴジラ三丁目の夕日に留まった。
物語や映画に対する考え方や思慮の深度が「そう」なのだ。恐らくこの先も進化することはないだろう。少なくとも、これを評価してしまっている土壌があるのだから。
これ以上新作を見たいとは思わないし、当然続編など撮らないで欲しいと願う。
監督ではなく、視覚効果のみで参加してはどうだろうか。
最低のゴジラ映画
Amazon primeで見ることができるようになったので見てみた。話題になっていたから、少しは面白いところがあるかと思っていたら、皆無。何でこんなものがヒットしたのか理解に苦しむ。
この映画の想定された時代は旧軍は解体状態。冷戦体制が強まる中で、米国は事実上の日本再軍備と言っていい自衛隊発足認めていくのだが、それは後の時代。ゴジラ上陸時点では日本で動ける軍隊は米軍しかいない。反共の防波堤として大切な島々のはずなのにソ連を刺激したくないという理由で全く動かないという想定はあきれてしまう。「シンゴジラ」では政治家が主役で、その右往左往ぶりも細かく描いていたが、今回政治家は出てこず。旧軍人がボランティアで動くという想定も首をひねるばかり。
国会前に並んでゴジラを迎え撃った4式中戦車らしいのや震電にも笑うしかない。旧軍の解体、軍国主義の名残を警戒していたはずのGHQがよく認めたものだ。しかも米軍は全く出さずにね。米軍も出て、その指揮下で旧軍兵器も使う想定ならまだリアリティがあった。ゴジラが何か考える科学者なども出てこないのか。あれが何か気にならないのかね。ここも「シンゴジラ」との大きな違いだ。核との関係も核実験シーンが出てきただけで曖昧なまま。
ご都合主義はどんな怪獣映画にもあるが最後のはなあ。人間ドラマもゴジラの造形も平板で特筆すべきものなし。最後までシラけたままで映画が終わっていた。映画的感動は「永遠のゼロ」だった。
米国にも負けない日本のゴジラ
戦後の無の日本に襲い来るゴジラの恐怖感と、初代ゴジラを踏襲した当時の日本の雰囲気に満ちたシンのゴジラ映画といった印象
日本人のDNAに刻まれているのか、戦後を体験したことの無い私の心に訴えかける、壮絶な時代を生き抜いた先祖の逞しさに感銘を受けざるを得なかった
史実をエンタメに昇華し世界中に知らしめた決してハリウッドでは描けない怪獣との決戦
日本人らしい戦い方と盛り上げ方に心揺れた
日本人が見るべき映画の一つ
ゴジラは許してくれない
とても面白かった。主人公が絶望を感じるストーリーの中で明るい登場人物達が希望へ導いていて良かった。お隣さん?も本当はとてもいい人だったのに最初は嫌味を言ってくるシーンがあったり人格を変えてしまうほど戦争の被害は悲惨だったことを物語っていた。戦後精神的に苦しみ続ける主人公を慰めるのりこのシーン、俺の戦争はまだ終わっていないのシーン、主人公が無事脱出して涙を流す橘のシーンなど自然と涙が出る映画らしいシーンも良かった。
ラストシーンでは、のりこに会えて嬉しいはずのあきこが喜ばず、なぜだろう?と感じた。その後のりこの首筋がおかしかった事からのりこはのりこではなくなってしまっているのではと思った。のりこが生きていればいいのに…と思い望み通り生きている展開だったが、ハッピーエンドのように見えてその後を考えさせられるところが面白い。最後ゴジラが復活するシーンもあり、戦争を起こした人間をゴジラは許してくれないことがよく分かった。
⭐︎4.0 / 5.0
3月30日(土) @映画館
ゴジラ -1.0
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これは劇場で観るべき😆見応えあり🥹VFXに違和感なし👍
個人的には、典子(浜辺美波さん)の吹っ飛び方がツボwww
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