「控えめに言って最高」ゴジラ-1.0 ボルヴェルクさんの映画レビュー(感想・評価)
控えめに言って最高
ちなみに俺もアマプラです。興味持ったときには上映がすでに終わってたので。
代わりに円盤を買いました。名言シールで名言と言えるのは「海神作戦を開始する」と「生きろ」だけだと思う。
あと、アマプラをスマホで見てるとお休みモード機能を使ってお手軽にモノクロ映像に出来るのが地味に便利。
正直なところ、アンチレビューの的はずれ加減が結構鼻につきますね。言いたいことは結構あるけど、まあ放っておきましょう。ただ、せめて話の内容理解してから書こうよと私は言いたい。
ドンパチ系洋画が専門だったのでゴジラをまともに観たのって実は初めてなんですが、-1.0すげー良いですね。終戦直後の日本人の会話にしてはクラス、メッセージ、ダメージ、ペアを組むなど外来語が多すぎる気はしますが。
ゴジラと海水の間に気泡で幕を作り、浮力を失わせることで深海まで一気に沈没させ圧殺しようとする発想は、実に斬新だと思いました。まあ実際に泡で浮力を失わせるには泡の量が全然足りないらしいし、海面下1500mで展開するほど高圧の浮袋は水面に到達する前に破裂してしまうでしょうけど、でも本作はそこらへんをもっともらしく見せるのが非常に巧かったです。勢いで押し切ってるだけと言えばそうかもしれないけどさ、芸術とは最も美しい嘘のことであるbyドビュッシー。
ただ、46サンチ砲弾に関しては加工しとくべきだったんじゃないかなあ。砲弾は運動エネルギーと爆圧でゴジラの周囲の水を吹き飛ばして空洞を作り、そこにゴジラを落とし込んで完全に水没させるというフロンガスボンベによる発泡の前段階として使用されるのですが、砲弾をワッドカッター弾の様に尖端を切断したりさらにそこを凹型に加工してソフトポイント状にすることでより効率よく運動エネルギーを放出できると思うんですよね。
あと短くていいから、発射ガスに指向性を持たせるための砲身が欲しい。ゴルゴ13とかルパン三世の映画、あとジョジョで薬莢についた弾丸を銃に装填せずに直接撃発ってのをやってましたが、銃に装填せずに撃発した銃弾は一メートル飛ぶかどうかも怪しいです。銃弾や砲弾は銃身や砲身によって圧力が上がり指向性が与えられるからこそ十分な運動エネルギーを帯びるので。上記の三作品でやってたやり方で銃弾が十分な殺傷能力を持つなら、銃なんて要らないですからね。
そして戦闘シーンのテーマ曲の入りがめっちゃかっこいい。
その一方でゴジラがシンクロナイズドスイミングみたいに立ち泳ぎしながら海上で直立してる光景は、想像するだけで【萌ゑ】。
それと特攻というのは褒められた作戦ではないですが、本作の主人公・敷島の子供の未来のために刺し違えてでもゴジラを斃すという覚悟は悲壮であると同時にとても心を揺さぶるものでした。これぞ本物の兵(つわもの)。
まあ別にね、演技の巧い下手ってのは勝手に脳内補正しとけばいいんですよ。
演技過剰で諄くなるのとどっちがましかって話で。
ただ、銀座にゴジラが出現したシーンで戦車隊が出てきたのは正直萎えました。たぶん歴代の防衛隊へのオマージュだと思うんですけど、武装解除はどこ行った。
熱線の衝撃波でビルが次々崩壊してるのに、典子ちゃんが敷島を陰に放り込んだビルは無事で遮蔽物の役割を果たしてるのがご都合主義だというのは、まあ同意かな。間によっぽど威力を殺げる様な掩蔽物があったんでしょうね。
典子ちゃんが生きてたことがご都合主義だとは、個人的には思いません。首の痣は運に恵まれて生き延びたわけではないことを明示してるので。次回作があったらのび太の宇宙戦争のしずかちゃんの様に巨大化した典子ちゃんが暴れ回るんでしょうね。もしくはゴジラ対ノリラとか。