「「映画は大衆娯楽」の観点からすれば、ほぼ満点の作品」ゴジラ-1.0 キングオ-バ-さんの映画レビュー(感想・評価)
「映画は大衆娯楽」の観点からすれば、ほぼ満点の作品
理屈抜きで、いい映画だった。
冒頭にも書いたが、映画は娯楽。
所詮、娯楽。
されど、娯楽。
A級作品であり且つ、素晴らしい大衆娯楽映画だと思います。
娯楽作品は、絶対にハッピーエンドでなくてはならない。
主人公や、その恋人が死ぬようなことが絶対あってはならない。
その辺りのセオリーを全て踏襲している、薄っぺらいかも知れないが、最後に理屈抜きの感動、喜び、安心を味わうことができる、後味のいい映画です。
「宇宙戦艦ヤマト」で、古代守、デスラー、森雪、沖田艦長らが、実は死んでいなかったと言う結末と、酷似しています(笑)
昭和ゴジラの第一作ほどハードではなく、かといって、「東宝チャンピオンまつり」時代のおちゃらけゴジラほど大衆(子供)受けに偏ったものでもない。
ちょうど、その中間的な、誰でも楽しめる、娯楽映画に仕上がっています。
他の人が書いているように、ストーリー的には、かなり無理なご都合主義があり、ツッコミどころ満載ですが、いいんです。娯楽作品ですから。
あえて、他の人が書いていないツッコミを指摘するとしたら、ゴジラ退治に駆けつけた巡洋艦(やったっけ?)の乗組員がかけていた眼鏡が、角レンズでメタルフレームだったんですね。昭和20年代にそんなフレームはないんですね。まあ、端役の俳優が、通常かけてる眼鏡でそのまま本番撮影したんでしょうね。一瞬ですが、スクリーンに大きく映ったら、時代考証としてちょっと具合悪いですね。
ストーリーのご都合主義は、娯楽作品として構わないのですが、時代考証のミスは、作品としていけませんね。
あえてそれをギャグとして挿入するのなら別ですが、いくら娯楽作品といえども、見落とし、気づかない、チェックミスであれば、少しお粗末と言われても仕方のないミスですね。
キングオーバーさん、仰る通り大衆娯楽作品の王道というか最初からそれを意識してスピルバーグ的な作りをしたのだと思います。
ジュラのTレックスを彷彿とさせる大戸島の神獣ゴジラのシーンも、その後の水爆実験で巨大化し、より凶暴化した絶対的恐怖神ゴジラのシーンも、ハリウッドコードを守って血ドバとか、5体バラバラとかグチャグチャとかを避けてます。
加えてパニック映画や怪獣映画に家族愛や自己犠牲や主人公の葛藤などヒューマンドラマを入れるのも同じです。それらをきちんと入れないとファミリー層がターゲットから外れてしまうので。最初から世界配給を視野に入れた東宝の戦略設定だと思いますです。