「映画館がアトラクションになる。騙されたと思って観てほしい」ゴジラ-1.0 青りんごさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館がアトラクションになる。騙されたと思って観てほしい
ゴジラそんなに詳しくない、邦画はあまり観ない、個人的にシン・ゴジラが苦手だったので「大丈夫かなー」と半信半疑で1度目鑑賞。
結果当初の不安は跡形も無く消え「なにこれ!もう1回観たい!!」となりました。
ハリウッドの大作と戦えるぐらいの映像クオリティ。
色んな考察を見ましたがここは概ね、岡田斗司夫さんの意見に同意で【庵野さんはちょっとダサいがヲタク受けしやすくコアな支持層に特に響く、山崎さんはちょっとクサイが理解しやすく大衆受けする】という感じです。確かにクサイところはあったかな。
これはもう個人の好みですね。
西武園ゆうえんちのゴジラ・ザ・ライドも山崎貴監督なんですね…。通りで凄い迫力な訳だぜ。
1度目は「しんでん?零戦じゃなく?たかお?強いの?」という知識レベル−1.0で突撃してしまったので、震電・高雄・雪風・響をちょっと調べてから行く事に。
2回目は4DXで鑑賞。
結果、映画館がゴジラ・ザ・ライドになりました…。(標準上映でも十分迫力あり!!)
海上ゴジラはそこに実際にゴジラがいたんじゃないかと錯覚しそうな臨場感。
高雄の下に沈んだゴジラが青白く光るシーンは、不気味な程美しくて、絶望的な嫌な予感と恐怖で鳥肌。
1度目で見逃した震電の座席のドイツ語も確認。(読めないけど)当時の日本はパイロットが死ぬのが当たり前だったから脱出装置が無かったので、橘がわざわざドイツ製の射出座席を付けたと。
ここでも大戦時の日本がいかに命を軽視してたかを再認識させてくれています。
人間ドラマパートでは日本人として心に響くシーンやセリフも多々ありました。
・佐々木蔵之介さんの「この国は変わらねぇな」「誰かが貧乏クジひかなきゃなんねえんだよ」
・東洋バルーンの「私達も、戦争帰りですから」←これを聞いた水島と学者の表情…!
・吉岡さんの「今回の作戦は一人の犠牲者も出さないことを誇りにしたい」←涙出そうになった
山崎監督が公式パンフで「コロナ禍以降、政府が上手く機能していない感じがした」と書いており、劇中で政府の頼りなさを嘆くセリフが何度も出てくるのは、現代の日本人が感じている「未来への閉塞感」や「政府への不信感」をそのまま代弁してくれているんですね。
いいぞ!もっと言え!って感じでした笑
東洋バルーンは登場から胸アツで格好良かったなぁ。そしてああいう日本の技術力も失われつつあると思うと、尚更切ない。
また、劇中でかつて無いほどリアルに描かれるゴジラ熱線、そしてキノコ雲、その後に降り注ぐ黒い雨にはゾッとしました。
神木くんの怒りと絶望の演技は凄かった。
一人の日本人として、このシーンは胸が苦しくなりました。12月から北米公開ですが、この辺の感覚は外国の方にはどのぐらい伝わるかな…
終盤、敷島に特攻させる事で特攻を正当化する方向に振れるかと思いきや、生きて帰らせる事で反戦を示すことができていると思います。
とはいえ、敷島も完全に特攻する気でいたので、実際の戦時中に自ら命を賭して散っていった特攻兵の勇気も否定していないというか。うーん。
「生きて抗え」のキャッチコピーのまま、死ぬ事が一種の美学であり勲章だった戦時中とは違い、生きて未来を守る為の戦いに挑むそれぞれの姿に、本当に何度も胸が熱くなりました。
ラストの典子の首筋の痣については、小説版に「黒い痣が這い上がってきた」と描写されているようなので、バリバリ続編に繋げられるラストですが、本作を超えるのって相当難しいだろうなぁ。
とはいいつつ、続編公開されたら絶対行きますので期待しています!
ゴジラヲタクの方やミリヲタの方の解説付きで観たらまた面白いだろうなぁ。
ゴジラ興味なくても、男性も女性も、映画高いから最近行ってないな〜という人も、損はしないと思います。騙されたと思ってぜひ観てみてください。
★4.8
長文読んでいただいてありがとうございます!ドイツ語でした。私は1度目では文字が書かれてる事すら気づかず、悔しすぎて2回目は必要以上に目を凝らして観てました。
ドイツ軍だけだったんですか!なんだか当時の歴史を改めて知るきっかけになる映画ですよね。
格好良かったですね!3回目も観たいぐらいです笑
震電のシートの文字、ドイツ語だったのですね。
横文字 なのは 確認できましたが、英語 かと 思っていました。
よく調べてみると戦時中、コックピットに脱出装置を備えていたのは、ドイツ軍だけだと知りました。
何はともあれ、震電の活躍、大変かっちょよかったです。