「ゴジラは、パニックムービーとして観れる分、得な題材。」ゴジラ-1.0 行里(yukisato)さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラは、パニックムービーとして観れる分、得な題材。
ゴジラは、パニックムービーとして観れる分、得な題材。
近年の色々なサメ映画も、同じ理由で、それぞれ成立しているようだ。
『永遠の0』やNHKの朝ドラのような世界を、上手く組み合わせてストーリーを作ってある。
ゴジラが列車を咥えた、『ゴジラ(1954)』の象徴的なシーンを、面白い構図で再現していて嬉しくなった。
深海魚が水圧の変化でパンクするエピソード、「ゴジラ、絶対防衛圏突破!」の無線、なども個人的に好きな描写。
『ゴジラ(1954)』制作の背景にある歴史年表が頭に浮かぶ。
第五福竜丸事件1954
朝鮮戦争1950-1953
再軍備への当時の受け止めはともかく、国連軍(米軍)は朝鮮半島の地理を知らないから、旧大日本帝国の軍人が上陸作戦にアドバイスして、全体主義国家を押し返したという話も近年になって発見されたらしい。
私が子供のころに観て覚えているのは、『ゴジラ(1984)』と『ゴジラ対ビオランテ(1989)』。
自衛隊の架空兵器スーパーXには、スペースシャトル(1981-2011)の耐熱タイルが使われていて、ゴジラの熱線に対抗できるという設定があった。
ビオランテは、植物とG細胞の融合という珍しい怪獣で、当時話題になることが増えてきた遺伝子技術が使われていた。
(そういえば、1985年のつくば万博では、トマトとジャガイモを掛け合わせ、地中にジャガイモ、地上にトマトを実らせた「ポマト」なんていうのが話題になったりした。)
映画のレビューを書くつもりが、つい思い出話を書いてしまった。
時代背景ということで言えば、『シン・ゴジラ(2016)』は、21世紀に東日本大震災以降のゴジラ映画のあり方を示してくれた。
そういう点では、『ゴジラ-1.0』は、安定感はあるものの、新味が物足りない。
(重巡洋艦・高雄と戦闘機・震電が、初めて本格的に映像化されたと後から知ったので、そこは☆半個分のプラス要素)
☆2.5としましたが、私としては低評価ではなく、余暇の選択肢として悪くない映画と思います。