「映像は満点 設定とテーマが、、、」ゴジラ-1.0 ヴァモスさんの映画レビュー(感想・評価)
映像は満点 設定とテーマが、、、
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映像は文句なく満点で素晴らしく、銀座でゴジラが自らの熱線によるキノコ雲を見上げるシーンは圧倒的な力の描写に自然と涙が出た。
IMAXと4DXSCXで鑑賞して、特に4DXの方は至福の映像体験だった。
それだけで本当は他の要素がどうでもかまわないくらいなのだが、やはり見過ごせない点が2つ。
①米軍はなぜ軍事行動を起こさないのか。
ゴジラがはっきり姿を現していない段階なら「ソ連を刺激する」という理由もまだ分かるが、占領していて自分たちもいる土地に上陸して破壊しているのだからソ連どうこう言っている場合ではないだろう。
ゴジラが破壊した銀座は、初代ゴジラの時とは訳がちがう。アメリカによる占領中であり、銀座のすぐ隣の有楽町にはGHQの司令部があってマッカーサーがいるのだ。アクションを起こさないはずがない。
本来ゴジラ退治のメインになるはずの米軍を黙らせておくなら、それ相応の設定が無いと成り立たない。
②反戦? 戦争肯定?
パッと見は反戦のメッセージを入れている様に見えるが、よく見ると反戦ではなく無謀な戦い方を国民に強いた戦時中の日本政府への批判と感じる。
だから無理な設定でも米軍を出さず、国民(民間)の力でゴジラを倒すストーリーにしたのではないか。
登場人物達の行動理由は「戦争をしてしまった事の反省」ではなく「戦争で活躍出来なかった事への未練」だと思う。
戦争で成し遂げられなかった思いを、ゴジラを倒す事で晴らしている様に見えてしまった。
海外公開での反応が気になる。
とはいえ、典子の生還の理由と首筋のアザがゴジラ細胞による物なら次作もまた観てみたい。
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